2007年06月23日(土)

第50回 Jake Holmes

テーマ:無人島サイケ
Above Ground Sound of Jake Holmes
Jake Holmes
Above Ground Sound of Jake Holmes

Radioactiveが行った最も重要な仕事のひとつが、このJake Holmesの再発でしょう。

Zepの"Dazed and Confused"のオリジネーター(というかパクりの被害者)としてその存在は知られながらも、マスターテープの紛失などでなかなかCD化されなかったため、数年前にようやくCDリリースされたときはZep関連アイテムとしての興味のほうが勝っていたようにも思います。この手のものを聴き慣れていない「かたぎの」ロックファンにどれだけ受け入れられたか、はなはだ疑問ですが・・・。しかし、1967年のデビュー作、"The Above Ground Sounds of Jake Holmes"は、孤高のアシッドフォークロックの傑作として、CD派のサイケファンの間でも評価が定まりつつある素晴らしい作品だと思います。

基本的には、Fred Neil~Tim Buckley系統のアシッドフォークの流れを汲むものなんでしょうが、聴けば聴くほど、その独特の味わいは唯一無二のものに思えてきます。Jakeのギターとボーカルに、エレキギター(この人のプレイがスゴい)とベースの伴奏のみというドラムレスの楽器編成もユニークで、音数が少ないがゆえの張り詰めたような緊張感があります。

ときおり狂気を秘めたような感情の発露を見せるかと思うと、次の瞬間には醒めている。たそがれているかと思うと、いつのまにか希望の光につつまれている・・・といった具合で、なかなか一筋縄では捉えられないようなところも面白い。楽曲的には、アシッドフォークチューンのみならず、ジャズの要素が多く顔を覗かせるのが特徴です。Jakeは劇場でコメディをやったり、フランク・シナトラやハリー・ベラフォンテのアルバムの制作に携わったりした人なので、そのへんの懐の広さ、奥の深い多様さのようなものを感じます。

アルバムのハイライトとなっている"Dazed and Confused"も、「アシッドのバッドトリップを歌ったもの」といわれていましたが、本人によると「体験に基づいた、よくあるラブソングのひとつ」で、彼はアシッドにはまったく手を出したことはなく、お酒もぜんぜん飲めない人間だそうです。そのへんの創作と現実の乖離も、作品を読み解く鍵かもしれません。

ところで、その"Dazed and Confused"がジミーペイジに「盗まれた」いきさつですが・・・。1967年8月25日、NYのGreenwich VillageにあるVillage Theatreで、YardbirdsとYoungbloodsが公演を行った際、オープニングをつとめたのがJake Holmesでした。彼が歌っていた"Dazed and Confused"にジミーペイジが感銘を受け、その歌詞を変えてタイトルを"I'm Confused"として、勝手にYardbirdsのレパートリーにしたのが始まりです。のちに、元の"Dazed and Confused"のタイトルでZepのデビュー作に収録され、彼らのステージの十八番となります。しかし、なぜか曲のクレジットはジミーペイジのみでJakeの名はなく、彼に対してひとことのことわりもなかったのです。もちろん、一銭のロイヤリティも支払われませんでした。

このJake Holmesさんというのがまた、欲にこだわらない「いい人」のようで、自分の曲が「盗まれた」ことをZepのアルバムが出たときに初めて知ったものの、そのままうっちゃってしまったそうです。その後80年代に一度、ジミーペイジに対して質問状を送ったものの、まったく梨のつぶてだったとか。裁判すれば確実に勝って、ん千万(ん億?)というお金が手に入っただろうに・・・なんて思う私はやはり凡人なのでしょう。さすがに最近ではYardbirdsやZepも事実を認めて、Jakeの名前をクレジットするようになってきているようです。


Radioactiveからはもう一枚、1968年の2ndの"A Letter to Katherine December"もCD化されています。こちらはドラムやホーン、ストリングスが入った、よりプロパーなサウンドになっていて、その分レビュアーやファンの人気はいまひとつのようですが、個人的には前作と同じくらい気に入っています。特に、キラーファズチューンのサイケナンバー、"Leaves Never Break"を含む後半の流れが素晴らしい。私は、とても繊細で微妙に鼻声のJakeの歌声が大好きなんですが、2ndはその魅力がより花開いているように思います。そのあと、数枚のアルバムを出していますが、さらに普通っぽくなっているとのことです。

Letter to Katherine December
Jake Holmes
Letter to Katherine December


ちなみに、70年代以降のJakeはCMソングのライターとして名を成していて、アメリカ人なら誰でも知っているような有名なジングルを数多く手がけています。下の動画は「たぶんこれだろう」と思うもの。違ってたらすいません。




AD
最近の画像つき記事
 もっと見る >>

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。