2006年07月30日(日)

ヘヴィサイケ特集 その16

テーマ:サイケデリック
これまで名前の上がったバンドのうち、ビデオがYouTubeにアップされていたものを載せておきます。(画像をクリックすると動画のあるページが開きます。リンク切れ御免。)



思わずひれ伏したくなるような必殺映像。



ダグは声から想像するより男前。




こちらはカラーバージョン+''Iron Butterfly Theme''。



やっぱり最高! このコテコテ感は並のバンドには出せない。



FBIの内部文書みたいなのが出てきますが、政治的に危険な存在
としてアメリカ政府に目をつけられていたというのはホントの話。




まだほかにも強力なのがあるので「MC5」で検索してください。



ライブ会場でイギーを写生する少女・・・。



これは2ndからの曲。''God Gave Me You''とかはないの?



Ted Nugentは、すでにこの頃からフルアコがトレードマーク。



うーん、やっぱりヘンなバンドだ。何を狙ってたんだろうか・・・。
中途半端にアイアンバタフライを目指したみたいなとこが良い。




これはオマケです。さすが、デッドの映像は死ぬほどある。

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2006年07月27日(木)

ヘヴィサイケ特集 その15

テーマ:サイケデリック
Head Over Heels
Third Powerの対抗馬という感じのミシガン産トリオ。こちらも超強力で、さらに70sハードロック的な音になっています。トリオバンドというと得てしてボーカルが弱かったりするもんですが、エリック・マーティン(Mr. Big)似のボーカルが各楽器のパワーに負けず力強くて色っぽいので、80~90sメタルを先取りしたような斬新な響きもします。

唯一のアルバム''Head Over Heels''(1971)は、サイケ度の高くないものには冷たい傾向のFuzz, Acid & Flowersの評でも''... simply great. Loud, tough, yet surprisingly accessible ...''と絶賛されています。Third Power同様、こちらも押しまくるだけでなく、スローバラードなどが単なる「つなぎ」に終わっていない質の高さが素晴らしい。


Head Over Heels
Head Over Heels
(追記:Falloutから再発されました。)



Mutzie
Lavenburg三兄弟を中心とするデトロイトのファミリーバンドによる唯一のアルバム、''Light of Your Shadow''は1970年の作。ヘヴィで歪んだファズギターに、よく鳴るハモンドオルガン。基本は黒っぽいR&B曲が主体で、ホーン隊が入ってたりして、ヘヴィファンクサイケという感じです。

デトロイトというとモータウンの街でもあるので、こういうのも結構あるのかな?とも思いますが、まったりとしたサイケチューンがあったり、シスコサイケ風インプロが展開されたりで、かなりシスコサウンドっぽい響きがします。「シスコのバンドだよ」と言われて音源だけ聴かされたら、「いかにもB級シスコサイケらしい・・・」なんてレビューを書いてたかもしれません。


Mutzie
Light Of Your Shadow (リンクはFreak Emporium)



さて、デトロイト編はひとまずこれくらいにして、最後にMC5Stoogesの代表作(全ロックファン必聴!)を載せておきます。彼らに関しては、もうヘタな解説は要らないと思うので・・・。


MC5
Kick Out the Jams


MC5
High Time


The Stooges
The Stooges


The Stooges
Fun House


Iggy Pop & The Stooges
Raw Power


ストゥージズは最近出たデラックス・エディション(2枚組)もあります。

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2006年07月23日(日)

ヘヴィサイケ特集 その14

テーマ:サイケデリック
The Frost
のちにLou ReedやAlice Cooperのバッキングで70sロック史に名を残すDick Wagnerが率いたデトロイトの四人組。DickはGrand Funk Railroadのお膝元、ミシガン州フリント(デトロイトの北)の出身で、GFRの前身Terry Knight and The Packに曲を提供したり、Frost以前のThe Bossmen ~ Dick Wagner and The Frost時代にはGFRのMark Farnerがバンドに加入したりしています。

そんな関係で、音的にもボーカルスタイルやギタープレイなど、GFRに共通するものが多く見られます。というより、逆にMark Farnerの方が、ギタープレイやソングライティング(特に代表曲の''Rock and Roll Music''なんか)にDick Wagnerから大きな影響を受けた、というのが真相のように思います。

オリジナルの3枚のアルバム(1969~70)はいずれもCD化されていますが、一番有名なのはセカンドの''Rock and Roll Music''(1969)で、サイケ度は高くないものの、ライブ録音にスタジオ録音を交えた内容はメジャー級のレベルに達する充実したものになっています。(1stもAmboy Dukesみたいな「どっちつかず」さが、かえって面白かったりしますが・・・。)


The Frost
Frost Music


The Frost
Rock and Roll Music


The Frost
Through the Eyes of Love



The Up
いかにもデトロイトらしい、MC5~Stoogesタイプのプロトパンク。なにしろ、リーダーのFrank BachはMC5がハウスバンドだったGrande Ballroomのマネージャー兼司会者をやっていて、バンド結成後はMC5とともにJohn Sinclairの「コミューン」の構成員だったというからホンモノです。

ところが、68年にデトロイトを訪れたElektraの社長Jac Holzmanは、MC5とStoogesのステージを見て契約したものの、その時オープニングをつとめたUpには興味を示さず、彼らだけはメジャーになれなかったという哀しい逸話があります。しかし、それが売れなかった理由かもしれませんが、全体的に(特にボーカルなんか)ヘタレ系というか、パンクなのにどことなく脱力してるところが良いです。メンバー写真なんかもニコニコ笑顔だし・・・。

リアルタイムではアルバムは出していませんが、シングル、ライブ、未発表音源等を収録した''Killer Up! 1969-1972''というコンピCDが出ています。


Up
Killer Up



Frijid Pink
このバンドは普通にメジャーなので省略しようと思ってましたが、意外に盲点かもしれないので・・・。

ひさびさに聴きなおしてみると、やはり良いですね、特に1st(1970)。あらためて聴くと、ヘヴィサイケ的にも楽しめることを再認識しました。えらいもんで、ギターサウンドがいかにもデトロイトという感じ。

このバンドの魅力はデビュー作の最初の2曲に集約されていると言えるかもしれません。それくらい、この2曲の流れは何度聴いてもワクワクします。デトロイト的でパンキッシュなハードロックを基調としながらも、ハモンド系オルガンの味付けや、楽曲・ボーカルの艶っぽさが凡百のバンドと一線を画しています。

ただし、Frijid Pinkらしいのは2ndの''Defrosted''(1970)までで、大幅にメンバーが入れ替わった3rdの''Earth Omen''(1972)はまったく別のバンドみたいな音(70sオルガンハードロック)になっています。ちなみに、もう一枚1975年に''All Pink Inside''というアルバムを出していますが、こちらは未聴です。


Frijid Pink
Frijid Pink


Frijid Pink
Defrosted


Frijid Pink
Earth Omen


Frijid Pink
All Pink Inside
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2006年07月18日(火)

ヘヴィサイケ特集 その13

テーマ:サイケデリック
テキサスのヘヴィサイケというと、ZZ Topの前身のMoving Sidewalks, American Bluesなんかもありますが、これらは以前こちらに載せたので省略して、今回からは舞台をデトロイト近辺に移動したいと思います。


SRC
MC5, Stooges, Amboy Dukesとともにデトロイト四大ヘヴィサイケバンドといえるのが、このSRC。デトロイトのバンドというと、パンキッシュで単細胞系なゴリゴリのヘヴィネスというイメージがありますが、このバンドはその中では「まったり」サイケ度の高い方です。

最大の特徴はハモンドオルガンが活躍することで、アートロック~前プログレ的な印象の、ポップな感性を持ったわりとメジャー系の音です。というとヴァニラ・ファッジを連想されるかもしれませんが、ZombiesのColin Blunstoneを意識している感じのボーカルが繊細系なので、ヴァニラ・ファッジのような暑苦しさはありません。しかし、そのオルガンサウンドをも裏方に感じさせるくらい強烈なファズギターが全編を駆け巡るので、堂々とヘヴィサイケデリアと呼べるものです。

お互いに影響しあっていたのでしょう、ガレージパンク的なビートや(いい意味で)イモっぽいソングライティングなどにAmboy Dukesと共通するものが見られますが、楽曲のイモっぽさに関してはAmboy Dukes以上にバンドサウンドにハマっている感じです。たぶん、最初に聴いたときは思ってたよりポップだなと感じるかもしれませんが、何度か聴いてるうちに、ソフトサイケとヘヴィサイケが交じり合った独特の楽曲の味わいなど、結構クセになります。

CDは1stの''SRC''(1968)と2ndの''Milestones''(1969)をカップリングした充実の2on1が出ています。(オリジナルでは、もう一枚、1970年の''Traveler's Tale''というサードアルバムがあります。)


SRC
Src / Milestones


SRC
Traveler's Tale


SRC
Lost Masters


SRC
Black Sheep [Best of]



The Third Power
唯一のアルバム''Believe''(1970)はヘヴィサイケからハードロックへの橋渡しとなる傑作。トリオ編成らしい緊張感とパワーの発露は、クリームとグランドファンクのいいところをとったみたいな感じです。70sハードロック的なギターリフや「ドンドコ」タムのドラム、ブンブンうなるベースもカッコいい。

しかし、このアルバムの最大の魅力は「押し」だけでなくて「引き」の部分が素晴らしくキマっているところでしょう。先頭の曲なんか、やや野獣系ボーカルのパワーロックで、「ふんふん、こんな感じか・・・」と思うと、そのあといい意味で裏切られます。

''Passed By''のような浮遊感のあるアシッドフォークチューンや、Arthur LeeのLoveを思わせるような''Lost in a Daydream''など、60sサイケの濃密な匂いを漂わせながら、硬軟・強弱・緩急を巧みに配して一気に聴かせる「語り口」のうまさは、メジャー級の名盤にも引けを取りません。ヘヴィサイケファンにも70sハードロックファンにも人気が高いというのがうなずける逸品です。

ちなみに、ギターのDrew Abbottは、このあと同郷のBob SegerのSilver Bullet Bandに参加しています。


Third Power
Believe
2006年07月15日(土)

モンキーズ40周年記念盤発売

テーマ:News

The Monkees
Monkees

世間ではシド・バレットの訃報でもちきりですが、こちらは平和なモンキーズの話題を・・・。

デビュー40周年を記念して、最初の2枚のアルバム、''The Monkees''(1966)と''More of the Monkees''(1967)のデラックス・エディションが発売されます。いずれも2枚組で、ステレオとモノの両バージョンに加え、貴重な未発表音源などが多数収録される模様。英・米盤は8月14~15日、日本盤の「恋の終列車」と「モア・オブ・ザ・モンキーズ」は9月13日の発売予定です。


The Monkees
More of the Monkees
2006年07月12日(水)

ヘヴィサイケ特集 その12

テーマ:サイケデリック
Cold Sun
テキサス産サイケといえば、なんといっても13th Floor Elevatorsですが、同郷の彼ら(特にRoky Erickson)への憧れを素朴に表明しながらも、ある意味で先達のElevatorsを超えてしまっているという、コア中のコアの「真正」サイケデリアが、このCold Sunの''Dark Shadows''(1969)です。

おおざっぱに例えるなら、Elevatorsの''Easter Everywhere''をもっとローファイにして、全編にヘヴィで歪んだファズギターをまぶして、「あちらの世界」と交信するパイプを太くした・・・みたいな感じ。とはいっても、構築された音宇宙は彼ら独特のものです。

一見穏やかで平和で楽園を指向するように見えながら、フラッシュバックのように(日常は隠れていて見えない)存在の深淵を覗かせる・・・。このへんのゾクゾクするような感覚もたまりません。

オリジナルはアセテート盤のテストプレスのみで、1990年の再発アナログでさえプレミアがついているというお宝(オリジナル盤と再発盤は内容が異なるらしい)。私が持ってるのはそのRockadelic盤LPをコピーしたブートレグCDですが、もちろん、正規盤が出たら絶対買うのでCD再発してください(できれば紙ジャケで)!

下は先ごろ出た限定盤CD-Rです。


Cold Sun
Dark Shadows (リンクはLeaf Hound Records。試聴可。)
2006年07月08日(土)

ヘヴィサイケ特集 その11

テーマ:サイケデリック
今回は、シスコサイケとの関連性はほとんど見られないものの、近年再発されてJosefusとともに再評価の機運が高まったテキサス産ヘヴィサイケ~ハードロックバンドを・・・。


Corpus
ジャケットから想像されるよりはるかに「まとも」な音で、ボーカルもギターも艶っぽくて上手い。基本はわりと明快なブギー(ロックンロール)やブルースがベースのハードロックです。

ジャケからアングラ系のドロドロなヘヴィサイケデリアを期待して聴くとハズされてしまうかもしれませんが、ギターの音の歪みや粘っこさはヘヴィサイケ的だし、メランコリックなスローナンバーも良い。タイトルチューンの''Creation a Child''の展開なんか、マイナーハードロックファンは涙なしには聴けないでしょう。

唯一のアルバム''Creation a Child''の制作は1970年で、5人のメンバーがクレジットされていますが、ひとりの担当は''Lyrics''となっています。


Corpus
Creation, A Child



Mariani
バンド名はドラマーのVince Marianiにちなんでいますが、このトリオの主役は、その後ソロで活躍するEric Johnsonのギターです。ヘヴィでトリッピーでよく歌う、いかにも1970年前後のエクスペリエンス・フォロワーなマイナーヘヴィロックトリオという、あの独特の雰囲気を持ったギタープレイ・・・。レコーディング当時、Ericはまだ16歳になるかならないかだったというのは驚きです。

そんなわけで、サイケファンよりもEric Johnsonファンのギター野郎たちが興味本位で買っていく、というのがけっこう多いようです。アラン・ホールズワースに対するIgginbottomみたいな存在かもしれません。(私にはIgginbottomよりこちらの方がずっと魅力的ですが・・・。)

ヘヴィサイケ的にも、Experienceの''Third Stone From the Sun''を下敷きにしたようなアシッドチューンがハマってるし、終わりが見えないような長尺のインプロやドラムソロなんかの大味さも、マイナーハードロックファンにとっては「美味しい」ところです。ちなみに、オリジナル(1970~71)はプロモ・オンリーの激レア盤。


Mariani
Perpetuum Mobile (リンクはFreak Emporium)



Seompi
これはちょっと面白い。もうほとんど70s英国ドゥーム/ヘヴィロックです。ブラックサバスみたいな「おどろおどろ」なムードとリフ。曲の展開もけっこう変態で、ギターなんかかなりイッてしまっててヘヴィサイケ度も高し。ダークなマイナー(B級)ハードロックに目がない方には特にオススメです。

バンドは1969年の結成で、レコーディングは1970年ごろ。リアルタイムではアルバムは出ていないようです。Gear Fab盤CDの''Awol''は、1997年に発売されたRockadelic盤LPにボーナストラックを満載したもの。全長約78分で、お腹いっぱい!


Seompi
A.W.O.L.

ちなみに、ベース(&ボーカル)のDave Williamsは、それ以前にはガレージサイケバンドのHeadstones(ファズギター+チープオルガンのガレージパンク。13th Floor~のカバーあり)に在籍していました。HeadstonesのCD''24 Hours (Everyday) ''のボーナストラックにはSeompiの4曲も収められています。


The Headstones
24 Hours (Everyday)
2006年07月04日(火)

ヘヴィサイケ特集 その10

テーマ:サイケデリック
サイケ発祥の地であるサンフランシスコの音楽シーンが60年代後半のロックミュージックに与えた影響は、多かれ少なかれどこにも見られることだと思いますが、特にテキサスのロッカーたちに感化された者が多く、Janis Joplin, Steve Miller, Doug Sahm(Sir Douglas Quintet)といった人たちは活動の舞台をテキサスからシスコに移して、シスコサウンドの重要な一翼を担ったのでした。

メキシコ生まれのカルロス・サンタナがシスコにやってきてラテンロックを創始したように、70年代以降に確立され注目されるスワンプロック、サザンロック、テックスメックス、ルーツロックといったスタイルの萌芽が、すでに60年代のシスコサウンドの中に見られるのも、これらテキサス組をはじめとする「移住者」たちによるフィードバックに拠るところが大きかったのではないでしょうか。

もちろん、テキサスにいながらシスコサイケ風の音を出していたバンドもあったわけで、そんな中から特にQuicksilver Messenger Service, Moby Grape, Jefferson Airplane, Grateful Deadといったところからの影響が随所に見受けられるヘヴィサイケ系のグループをいくつか紹介したいと思います。


Bubble Puppy
1969年のアルバム''A Gathering of Promises''はサイケファンはもとより、プレ・ハードロックとして70sロックファンからも人気が高いようです。最初に出したシングルでアルバムの先頭を飾る''Hot Smoke and Sasafras''は全米トップテン級の大ヒットを記録しています。(シングルヒットはこれだけの「一発屋」なんですが・・・。)

音はシスコサイケ風のコシのあるヘヴィなギターサウンドに、繊細で美しいボーカルハーモニーが乗っかるのが特徴で、なによりも各楽曲の質が高くて、何度も繰り返して聴いても飽きません。(曲の展開はけっこう変化に富んでいて複雑だったりするんですが、メロディなんかはわかりやすくてベタな感じなのが良い。) Kak, Tripsichordあたりに通じるものもあります。


Bubble Puppy
A Gathering of Promises  (試聴はこちら 。)



Demian
Bubble Puppyの4人のメンバーはそのままに、一時西海岸に移りバンド名をDemianに変えて、1971年にアルバムを1枚残しています。実質的にはBubble Puppyのセカンドアルバムといえますが、音の方はさすがにサイケ味は薄まり、70sハードロック(レナード・スキナードみたいな元祖サザンロック風味もあり)という感じになっています。''A Gathering ~''の''Todd's Tune''が再録されているのですが、それほどアレンジが違うわけではないのに、こちらはサザンロックチューンみたいに聞こえるのが面白い。

それでもやはり、ギターサウンドなんかにチポリナが渡り歩いた70年代シスコのバンドみたいな匂いがするのは、偶然ではないように思います。名作の''A Gathering ~''と比べられると気の毒な気がしますが、個人的にはとても良いアルバムだと思っています。

ちなみに、「西海岸移動 ~ ABC/Dunhillと契約 ~ バンド名変更」のいきさつは、Steppenwolfと一緒にツアーしたのがきっかけで、そのメンバーのNick St. Nicholasの勧めによるものでした。Demian(「デミアン」)もSteppenwolf(「荒野の狼」)同様、ヘルマン・ヘッセの小説の題名にちなんだものです。


Demian
Demian
(追記: FalloutからCD再発 されています。)



Christopher
ヒューストン発のトリオによる1970年発売の同名タイトルは唯一のアルバム。サイケデリックから一歩進んだような感覚もありますが、全体的にアシッド感が高くて、アングラっぽさ・ダークさが横溢しているので、コアで濃厚なサイケデリアという印象が強い逸品です。

レコード制作時はカリフォルニアに出て来ていたようですが、このバンドもシスコサイケからの影響が色濃く、''Wilbur Lite'', ''In Your Time'', ''Disaster'', ''Queen Mary''といった曲はJefferson Airplaneを彷彿とさせます(というかモロです)。全サイケファンにオススメできるような一級品ですが、特にシスコサウンドファンにはこのへんは盲点かもしれません。


Christopher
Christopher



Josefus
Christopherの前身のUnited GasからのオリジナルメンバーだったドラマーのDoug Tullが、ドラッグ禍でChristopherをクビになって結成したバンド(*1)。ヘヴィサイケファンにはむしろこちらの方が有名かもしれません。(70sハードロックファンからも「伝説のバンド」化されている。)

アルバムは1970年に''Dead Man''と''Josefus''の2枚を出していますが、名盤とされているのは「骸骨ジャケ」の''Dead Man''の方。グランドファンクもカバーしているストーンズの''Gimme Shelter''をやってたり(レコーディング年代的にはJosefusの方が先)で、GFR(*2)やZep等のハードロックが引き合いに出されたりしていますが、やはり17分強の表題曲のまったりとしたシスコサイケ風長尺インプロが、ヘヴィサイケアルバムたらしめています。

ところで、この''Dead Man''以前に、1969年に制作されたもののレコード契約上の問題で近年まで陽の目を見なかった、''The 'Original' Dead Man''というべきアルバム''Get Off My Case''が存在しています。''Dead Man''とは7曲中4曲が重複しているのですが、それらも新たに録音し直されています。この''Get Off My Case''はSundazed盤CDの''Dead Man''にカップリングされていて、全曲を聴くことができます。

さて、もう一枚のセイムタイトル''Josefus''ですが、メンバーによると「ひどい代物」で、''the worst record I've ever heard''だそうです。しかし、サイケ者にとってはそう言われると却って食指が動いてしまうのではないでしょうか? 実際、ヤク(アンフェタミン)漬けでリハーサル不足の中、ソングライティングも含めて数日間で制作したような作品で、いまにもバラバラになりそうな滅裂感があるんですが、そのダメダメさ・トホホさ加減がサイケ的にはイイ感じで、まったりドロリなヘヴィサイケアルバムとしてのツボにも不足ありません。B級シスコサイケっぽさでは、こちらに軍配を上げます。(ラストにヘタレたカントリーチューンを持ってくるところなんか、狙ったとしか思えないんですが・・・。)


Josefus
Dead Man/Get Off My Case

Josefus
Josefus
Josefus


Josefus
Dead Box

*1
アルバム制作途中に自殺(未遂)を図ったりして解雇されたため、''Christopher''には彼のほかに3人のドラマー(&パーカッション)がクレジットされている。Dougらの新バンドも最初はUnited Gasと名乗ったが、すぐにJosefusに改名している。その後Dougは1990年に留置場の中で本当に首を吊って自殺してしまった。しかし、他のメンバーや家族は警官に暴行されて死んだのだと主張している。──これは憶測ですが、その前年の1989年に女性ドラマーを入れてリユニオンしてるので、バンドから仲間はずれにされたことが自殺の一因になったと邪推されたくなかったのではないでしょうか?

*2
1969年にはGFRのオープニングをつとめている。そのとき、「テキサス出身のダークなバンド」をさがしていたTerry Knightに声をかけられ、Capitolとサイン・・・という段取りになったが、またもやDoug Tullがドラッグが原因ですっぽかして契約にいたらなかった。彼らの替わりにレコードデビューしたのがBloodrockだったとか。ちなみに、JosefusというのはDougのニックネームだったらしい。メジャーになれるはずのバンドだったのに、そもそものネーミングが運の尽きだったのかも・・・。──数年前にメンバーが当時を振り返って、「(成功は)ただDougと縁を切るという単純な問題だったかもしれない」みたいなことを言ってますが、気づくの遅すぎです。しかし、近年になって発掘音源(''Dead Man Alilve'')や3枚組CDボックスの発売などで注目され、一昨年には再結成ライブを行ってネット配信するなど元気に活動を続けています。(オフィシャルページはこちら 。)

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