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2006年02月28日(火)

南米サイケ特集 その8

テーマ:サイケデリック

今回はブラジルの「トロピカリスト御三家」といえるカエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、ガル・コスタのアルバムを・・・。

トロピカリズモ(トロピカリア)運動というのは、簡単に言うとブラジル版フラワー(ヒッピー)ムーブメントのようなもので、1967~68年に、軍事政権下にあった不穏な政治情勢のもとに勃興した、若者による反体制・反権威のカウンターカルチャー的な文化運動です。

トロピカリズモは、映画・演劇・文学・美術なども含めた運動でしたが、その看板となったのは、カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジルのふたりが中心となって起こした、ブラジルのポピュラー音楽における革新的なムーブメントでした。当時の形骸化・権威化したブラジル伝統音楽を新しい血によって蘇らせ、ブラジル独自の「生きた」音楽を創生しようというもので、より自由な表現手段として、大胆に(欧米の)ロックや「サイケデリック」を取り入れました。

1968年末のカエターノとジルベルトの逮捕(のちにヨーロッパに亡命)によって、表立ったムーブメント自体は短命に終わりましたが、彼らトロピカリストたちの造った音楽は、その後のブラジル・ポピュラー音楽界に多大な影響を与えました。カエターノもジルベルトも、ガル・コスタともども、現在も世界的ビッグネームの歌手として活躍を続けています。


Caetano Veloso
1968年のデビューアルバムの先頭の曲は、その名もズバリ"Tropicalia"。ブラジルのトラッドとサイケを融合させたユニークな音は、トロピカリズモのムードを伝えてくれます。アルバム全体の雰囲気としては、メランコリックで「静かな狂気」とでもいえるものが底に流れていて、メロウサイケの逸品としても聴けるような素晴らしい作品です。

しかし、ベースとなっているのがブルースやカントリーといった北米のものではなく、あくまでブラジル(南米)のトラディショナル(フォークロア)、サンバ、ボサノバといった音楽なので、単に欧米の流行のものまねではなく、しっかり地に足がついている感じがします。しかも、60年代ポップスの王道的なメジャー感もそなえているので、普通のポップスとしても取っつきやすく、かつ奥が深くて、聴けば聴くほど良さがわかってくるといったたぐいのアルバムです。(これは三者ともに言えます。)

ちなみに、本作より前にGal Costaとのコラボアルバム"Domingo"(1967)が出ていますが、こちらは「純ボサノバ」作品だそうです。


Caetano Veloso
Caetano Veloso [1968]



Gilberto Gil
トロピカリアの傑作として有名なのは1968年のセカンドアルバム(邦題「1968~日曜日の公園で」)。バックには以前こちらで紹介した、これもトロピカリズモを代表するグループ、Os Mutantesが参加しています。(ジルベルトとムタンチスの関係は、ボブ・ディランとザ・バンドみたいなもんでしょうか?) こちらも、カエターノのアルバム同様、ブラジルの伝統音楽とロック(サイケ)が絶妙にブレンドされたボッサ・フォークロックといった趣きの素晴らしい内容。

たいてい、ロックとかサイケ的な要素のあるアルバムだと、パクリとまではいかなくても、英米のロックナンバーを下敷きにした曲が多少なりとも混じってくるのが普通で(実際、私が持ってる南米サイケ物でも、アルバムやコンピのほとんどの曲が英米のカバーで占められているというのが結構ありますが)、今回取り上げたトロピカリア作品には、まったくといっていいほど、そういう安易な借用的な要素がみられないというのがエラいところです。

The Sound of Revolution 1968-69
Gilberto Gil
The Sound of Revolution 1968-69



Gal Costa
1969年の1stと2ndは、どちらもタイトルが"Gal Costa"なので、便宜上、"#1"と"#2"として区別しているようです(オフィシャルサイトでは2ndは"Gal"となっている)。どちらもカエターノとジルベルトによる曲が多く収録され、前記二作の続編ともいえるような傑作。Galのフラワーなボーカルも満開です。

特に"#2"はサイケなジャケが示すように、アバンギャルドさ、ロックぽさ、サイケ度、アシッド感、ともに大幅にアップしています。そのかわり、穏やかで脱力したボサノバに微妙にブレンドされたサイケ感といったものは少なくなっている印象ですが・・・。

Gal Costa (Não Identificado)
Gal Costa
Gal Costa (Não Identificado)

Gal (1969)
Gal Costa
Gal (1969)


今回挙げた4枚とOs Mutantesの"Os Mutantes"(1968)の5枚は、「南米サイケ」とかプロパーな「60sサイケ」とはテイストが異なるかもしれませんが、どれも「目からウロコ」ものなので、チャンスがあればぜひ一度聴いてみてください。

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2006年02月24日(金)

Billy Cowsill (1948-2006)

テーマ:News

Cowsillsの長兄、Billyが2月17日に亡くなりました。享年58歳。ご冥福をお祈りします。ちなみに、昨年にはハリケーン・ カトリーナの被害で弟のBarryが51歳で亡くなっています(遺体が発見されたのは12月末)。

2005年には"We Can Fly"(1968)のCDが再発されたりして、また話題にのぼりはじめていただけに、相次ぐ訃報はファンにはショックでしょう。"The Rain, The Park and Other Things"(雨に消えた初恋)は永遠の名曲ですね。

オフィシャルサイトはこちら


The Cowsills
We Can Fly


Cowsills
Best of

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2006年02月22日(水)

明日はカレーだ!

テーマ:News

オムニバス, マレイシヤ・バスデバン, S.P.バラシュブラマニアム, P.スシェーラ, S.ジャナキ
インドカレー屋のBGM 踊るマハラジャ編

人気(?)シリーズ「インドカレー屋のBGM」の第4弾「踊るマハラジャ編」と第5弾「WOMAN」が本日、同時発売されました。「WOMAN」には「一緒に歌おう!インド歌謡講座(カタカナ読み歌詞)」の付録つき。

でも、このジャケはズルい! CD屋に並んでたら条件反射で買ってしまいそうです。カレー好物だし、インド音楽ツボだし・・・。(というわりには、ほとんど知らないんですが。)


オムニバス, ラタ・マンゲシュカル, アシャ・ボスル&コーラス, ラタ・マンゲシュカル&ピニッシュ・シャー, ダメインティ・バルディ, スマン・カリャンプール, アシャ・ボスル, ベルジバイ・ガジャル&コーラス
インドカレー屋のBGM WOMAN


以下は既発ラインナップ。


オムニバス, アリシャ・チノイ, ソヌ・ニガム, スリニバス, スジャザ, サスワティ, スネハ・パンディト, アミタブ, スデッシュ・ホスル
インドカレー屋のBGM


オムニバス, アシュ・ホスル, マレイシヤ・バスデバン, S.ジャナキ, モード・ラフィ・ミヌー・パーショタム&コーラス, スレシュ・ワドカー&サルマ・アガー, カルディープ・マナク
インドカレー屋のBGM 激辛編


BGM集, パルト・ダース, ニシャート・カーン
インドカレー屋のBGM ライス抜き
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2006年02月20日(月)

南米サイケ特集 その7

テーマ:サイケデリック
今回は一番最初に紹介したアルゼンチンのAlmendra関連のグループをいくつか・・・。

Almendraは2ndの"Almendra II"(1970)で、すでに、Zepなどからの影響が見られるプログレ風情のハードロックという感じの音になっていますが、その後に派生したグループもサイケというよりハードロックやプログレ系統の、わりと明快な70sロックといったイメージです。しかし、南米サイケに通底するリリシズムや哀愁のメロディといったものは健在で、われわれ日本人の感性に強く訴えてくるものがあります。(今回取り上げたバンド/アルバムはすべてスペイン語で歌われています。)


Color Humano
元AlmendraのEdelmiro Molinari(G, Vo)がリーダーのバンド。バンド名はAlmendraの1stに収められていたMolinari作の曲名から取られています。1972~73年に3枚のアルバムを出していますが、これは72年の1st。

トリオ編成で、ジミヘン&エクスペリエンス・フォロワーのヘヴィサイケ/ハードロックです。ヘヴィなリフ中心の曲ばかりではなく、スパニッシュギターなどを使ったフォーキーな曲も印象的。

Color Humano, Vol. 1
Color Humano
Color Humano, Vol. 1



Pescado Rabioso
Almendraの中心人物だったLuis Alberto Spinetta(G, Vo)のバンド。こちらも1972~73年に3枚のアルバムを出しています。私が聴いたのは2ndの"Pescado 2"(1973)のみですが、曲も演奏もアルバム作品としても、非常にレベルの高い好盤でした。

ちょっとハスキーで色っぽいSpinettaのボーカルも大活躍で、オリジナルではLP2枚組にわたる、変化と色彩に富んだ曲や全編に流れる美しいハモンドオルガンの響きも印象的。どちらかというとメロディアスでメランコリックなゆったりとした曲が中心で、サイケ的にもAlmendraの1stを髣髴とさせるような「ツボ」が満載です。

Pescado, Vol. 2
Pescado Rabioso
Pescado, Vol. 2



Invisible
Luis SpinettaがPescado Rabiosoの後に結成したプログレッシブロックグループ。バックの演奏なんかは、もうほとんどプログレで、テクニカル(とても達者)で複雑だったりするんですが、やはりSpinettaによる歌心のあるスペイン語のボーカルや、メロウな哀愁メロディなんかがグッと来ます。アンデスの空気を感じるような静謐感と南米人の情熱的な血が混じり合った、個性的で魅力的な音を聴かせてくれます。

アルバムは1974年から76年の間に3枚が出ています。3rdの"El Jardin De Los Presentes"(1976)は未聴ですが、1stの"Invisible"(1974)も2ndの"Durazno Sangrando"(1975)も、どちらも素晴らしい。

Invisible
Invisible
Invisible

Durazno Sangrando
Invisible
Durazno Sangrando
2006年02月18日(土)

南米サイケ特集 その6

テーマ:サイケデリック
Spectrum
ブラジル初のヒッピー映画といわれる"Geracao Bendita"(1971)のサントラとして制作されたもので、Spectrumというのは地元(リオ)のバンドなどによるプロジェクトのようです。これまた「目からウロコ」落ちまくりで、先頭のねじれたリフとポルトガル語の歌に、「ババッチ ババッチ ババヤ~」のコーラスで、ガツンとやられてしまいます。

突然鳴り響く、なにかに取り憑かれたような強烈なファズギターとか、奇妙に歪んだフレーズとか、微妙にズレた間(ま)とか、そうかと思ったら胸キュンの哀愁メロディがあったり、アシッド感たっぷりのインストナンバーがあったり・・・、とにかく濃密な南米サイケムードが味わえます。歌はポルトガル語と英語が半々ぐらいですが、どちらで歌われていても違和感ありません。

再発CDは音質が良くなくてザラザラしてるし、ミックスなんかもテキトーな感じ。しかし、まったくそういうことが気にならないどころか、かえってそれがこのアルバム独特の(南米サイケ的な)雰囲気を増幅させています。グサグサ感というかデコボコ感というか、道にたとえるなら舗装されていない砂利道という感じなんですが、混沌としてるのに不思議に鮮やかで統一感があって、とてもよく「伝わって」きます。

リリースは1971年とのことですが、ホントに70年代の制作なのだろうか? 最高のジャケといい、濃厚な60sフラワームードが横溢する名作。

Geracao Bendita
Spectrum
Geracao Bendita (試聴はこちら。)



Lula Cortes e Ze Ramalho
ブラジルのLula CortesとZe Ramalhoによるコラボ作品"Paebiru"(1975)。これはジャンルとしてはネオサイケデリアってことになるんでしょうか? よくわかりませんが、とにかく「こりゃ、なんだか尋常でなくスゴいぞ!」ということはわかります。

ロックもジャズも民俗音楽も超越したようなスケールの大きさ。南米の密林をそっくりそのまま音によるサイケデリックアートに仕立て上げてしまったかのような巨大絵巻感は、ジャングル・アシッド・ミュージックとでも呼びたいようなオリジナリティと、圧倒的な迫力・ナマナマしさに満ちています。

ポルトガル語?で歌われ(語られ)る呪文のようなボーカル、ホンモノなのかエフェクトなのか口真似なのか区別がつかないような動物の鳴き声、ハっとするほど美しいアコギやフルート、60sサイケも真っ青な激渋ファズギターにシタール、汲めども尽きぬ泉のように湧き上がる音のイマジネーション・・・どれもが驚異、「なんじゃこりゃ~!」。サイケファンなら、死ぬまでに一度は聴いてほしい最高峰のアシッドミュージックです。


Lula Cortes, Zé Ramalho
Paebiru (試聴はこちら

追記: CD再発されました(国内盤はこちら)。
2006年02月15日(水)

南米サイケ特集 その5

テーマ:サイケデリック
Apocalipsis
もひとつメキシコのバンド。1968年の唯一のアルバム"Experimento No.1"は、Flying KarpetsみたいにちょっとオンチなR&Bカバー(Sam & Daveの"Hold On I'm Comin'")で始まりますが、こちらはなかなか強力な脱力系ガレージパンクです。

これもKaleidoscopeみたいにボーカル(in英語)が良くて、ファズギター+チープオルガンも強烈。Standellsの"Try It"、ジミヘンの"Fire"、Strawberry Alarm Clockの"Incense and Peppermints"などのカバーも独自の個性で料理してるし、音は典型的なオルガン・ガレージパンクなんですが、そのユルユル具合が南米っぽくて素晴らしい。


Apocalipsis
Apocalipsis (リンクはFreak Emporium)



Ladies WC
ベネズエラのヘヴィサイケ4人組。1969年制作の唯一作のオリジナルは激レア盤で、わりと最近Shadoksから再発されて話題になっていました。曲も演奏もハンパでなく素晴らしくて、なにも知らされずに音だけ聴かされたら、百人が百人ともアメリカのバンドだと思うでしょう。

ほとんどの曲を書いて歌ってるStephen Scottというのがアメリカ人(南米大陸を旅していたヒッピー)ということで、ほとんど彼の才能によるものなのでしょうが、そのへんのメジャー感・王道感のために、「南米サイケ」というより、普通に60sサイケの名盤として聴くべきアイテムかもしれません。メランコリックなメロウチューンに鳴り響くファズギターやオルガンの音色なんかも絶品。


Ladies WC
Ladies WC (試聴はこちら



Embrujo
チリのバンド。「その1」で紹介したKissing Spellのメンバーが名前を変えて1971年に発表したアルバムで、演奏も内容も"Los Pajaros"より洗練されたような印象です。サイケデリック的には「洗練された」というのは必ずしも褒め言葉にはならないのですが、本作は全編スペイン語で歌われていて、南米ムードはむしろ濃厚になっています。

Kissing Spell同様、ドリーミーでメランコリックなメロウサイケの逸品で、こちらも素晴らしい内容です。ハードだったり、プログレッシブロック的な感触の曲もありますが、特に"A Tu Carita"などのフォーキーな「南米ルーツロック」みたいな曲や、「チリアンポップ」的な親しみやすくメロディアスな曲が印象的。


Embrujo
Embrujo (リンクはFreak Emporium)
2006年02月13日(月)

南米サイケ特集 その4

テーマ:サイケデリック
今回は全部メキシコのバンド。メキシコというと、なんとなく脳天気でイーカゲンで、郵便出しても半分は届かない、みたいなイメージがあるかもしれません(失礼)が、(これは南米サイケ全般にも言えますが)意外に繊細でメロディアスで、日本人の心の琴線に触れるような情緒や哀愁が漂ってたりして、とても良いです。


Kaleidoscope
強烈なファズギターとオルガンが確信に満ちたベタベタのフレーズを奏でるライト級ヘヴィガレージサイケ。1969年のオリジナルはプレス200枚の激レア盤だとか。

先頭のリフがファズギターとチープオルガンのユニゾンで、いきなり天国直行です。ガレージパンク風の色っぽいボーカル(歌は英語)も最高で、私みたいなSeedsやMusic Machineなど脱力系ガレージパンク(フラワーパンク)のファンならきっとハマると思います。

"Once Upon a Time There Was a World"なんて、まるでテンプターズの「おかあさん」がブラックサバスと結婚したみたい。わけのわかんないエフェクトなんかも絶品。米国のKaleidoscopeも英国のKaleidoscopeも、このメキシカンKaleidoscopeの前ではひれ伏すしかないでしょう。素晴らしすぎます。オススメ!


Kaleidoscope
Kaleidoscope (リンクはFreak Emporium)



Los Dug Dug's
独特のビート感とリズムギターのカッティング。激渋ファズギター。しんしんとリバーブの効いた深みのあるボーカル(ほとんど英語)・・・どれもが印象的で個性的。演奏もしっかりしていて素晴らしい。ビートの効いた曲にはさまれたミディアムテンポのアシッドチューンやポップナンバーもまた良くて、ちょっとハズれたフルートなんかがメキシコ風情を感じさせてくれます。アルバムは70年代前半に3枚ほど出てるようですが、これは1971年の1st。


Los Dug Dugs
Los Dug Dugs (First Album) (リンクはFreak Emporium)



The Spiders
1970年の唯一の作品"Back"はメロディアスで繊細でドリーミーな、オルガン入り極上メロウサイケアルバム。ヘヴィなリフがあったりジャズロックっぽい展開になったり、適切なアレンジやメリハリも効いていて素晴らしい。

全曲きれいな英語で歌っていて、コテコテの南米サイケムードこそありませんが、そのレベルの高さに驚かれると思います。「青い影」のプロコルハルムのような哀愁オルガンが印象的な好盤です。


The Spiders
Back
(すいません、適当なリンク先が見つかりません。)



Toncho Pilatos
前回のTraffic Soundの2ndのように、南米トラッドと英国プログレをブレンドさせたような音ですが、こちらはジミーページ風のギターとロバートプラント風のボーカルで、Led Zeppelinからの影響がモロに感じられます。先頭の曲などがZep~Jethro Tullみたいな展開になるのが面白い。リーダー?の名前がPoncho Tonchoというのも胡散臭くて良いです。1973年の本作が唯一のアルバムのようで、内容は(いい意味で)かなり分裂気味。


Toncho Pilatos
Toncho Pilatos (リンクはFreak Emporium)



Flying Karpets
1968年の激レア盤の再発CD。一曲目のR&Bカバー(Brenton Woodの"Gimme a Little Sign")と2曲目の「出た~出た~月が~」(唯一のオリジナルinスペイン語。最強)でどうなることかと思ったら、3曲目がJefferson Airplaneの"White Rabbit"!

音程のハズれまくった脱力系のボーカルが最高で、そのほかにもDoorsの"20th Century Fox"、Byrds版の"My Back Pages"、Animalsの"San Francisco Nights"など、サイケからソウルまで節操のない60sスタンダードのカバー群のぐちゃぐちゃさに頭がクラクラします。

モップスとかの日本の60sグループサンズの「西洋かぶれ」アルバムを連想しますが(モップスのアルバムの方が上等)、変態度では断然こちらが上。もしも、全曲が2曲目みたいなオリジナルばっかりだったら・・・。いや、想像するだけで恐ろしい。


Flying Karpets
Flying Karpets (リンクはCD Universe)
2006年02月10日(金)

再発&再放送

テーマ:News

Leather Coated Minds
A Trip Down Sunset Strip

以前こちらで紹介したLeather-Coated Mindsの"A Trip Down the Sunset Strip"のCDがSundazedから再発されました(amazon.co.jpでの発売予定日は2月21日)。日本盤のCDは出ていましたが、長らく廃盤状態だったようです。


それと、これも以前にちょっと触れたパソコンテレビGyaOの番組、「それはビートルズから始まった(60年代サウンド大特集)」ですが、ただいま再放送されています。(こちら。配信は2月16日の正午まで。)

制作は1974年で、原題の"Echoes of the Sixties"が示すように、乱痴気騒ぎのパーティの一夜が明けて、少し冷静になって昨夜のことを振り返る、みたいな60年代に対する視点が興味深いドキュメンタリーになっています。(日本語版のナレーションなどを含めて)作りがもっさりとしてるのもなごみます。

Searchers, Association, Donovan, Brian Wilson, Dionne Warwickらが出演して当時を振り返ったり代表曲を演奏したり・・・個人的には、Associationが60sのお揃いスーツスタイルではなくて70sウェストコーストロック風ファッションでWindyとCherishを披露するのが見所です。音楽だけでなく、当時の政情やファッション、テレビ番組などの映像もてんこ盛りなので、60s文化入門編としても最適ではないでしょうか。
2006年02月09日(木)

Virgin Insanity 初CD化

テーマ:News

ヴァージン・インサニティー
イルージョンズ・オブ・ザ・メインテナンス・マン(紙ジャケット仕様)

数ある70年代自主制作盤アシッドフォーク/サイケ(私はこのへんのアナログに関しては疎いのですが・・・)の中でも絶大な人気を誇り、サイケ関係の記事でもよく言及されているのを見かけるVirgin Insanityの"Illusions of the Maintenance Man "(1971)がCD化されました。

CD化の話は聞いてましたが、Amazonで"Virgin Insanity"で検索しても無かったので売ってないのかと思ってたら国内盤だったんですね、「ヴァージン・インサニティー」で出てきました。紙ジャケ限定盤とのことです。プライベート盤の鑑のようなシンプルなジャケは普通のCDケースだとショボくなりそうなので紙ジャケ仕様で正解かもしれません。

同時に、未発表だった2ndアルバムの"Toad Frog & Fish Friends"と、フロントマンのBob Longのソロ作"The Odometer Suite"がカップリングされた2on1のCD、「トード・フロッグ & フィシュ・フレンズ + オドメーター・スィート(紙ジャケット仕様)」も発売されました。

Virgin Insanityのオフィシャルサイトはこちら(試聴できます)。
2006年02月08日(水)

南米サイケ特集 その3

テーマ:サイケデリック
今回はペルーの二大サイケバンドといえるTraffic SoundLaghoniaを。彼らが活動していた60年代末から70年代初め頃のペルーといえば、クーデターによる軍事政権のもと、反米・排ロック的な空気が濃厚だったのですが、両者とも母国語ではなく、あえて英語で歌っているというのが面白い。彼らのサウンドからは英米のロックに対する純真な憧れが強く感じ取れますが、それだけにとどまらずに、南米サイケデリアとしてのアイデンティティをしっかり確立させているのがエラいところです。


Traffic Sound
1969年のデビューアルバム(未聴)にはCreamの"I'm So Glad"、Animalsの"Sky Pilot"、ジミヘンの"Fire"といったカバー曲が見受けられますが、セカンドの"Virgin"(1970)は全曲オリジナルで、私がこれまでに聴いた南米サイケアルバムの中でも一二を争う素晴らしい内容の愛聴盤になっています。

南米のトラッドと欧米のロック(サイケ)が絶妙に配合されたラテン・フォークロックとでも呼べるようなスタイルで、コンガとかがラテンのリズムを刻んだりしますが、サンタナみたいなラテンロックとはまた微妙に違っていて、これも、どこかねじれて歪んでるのにピュアでプリミティブという南米サイケならではのグルーヴを感じます。そして、なにより力強くて美しい。

サイケデリアとしてのアシッド感も高く、まるで空高く飛翔してナスカの地上絵を俯瞰しているかのような浮遊感の"Yellow Sea Days"、チープオルガンとファズギターに「ドンドコ ドンドコ」な祭祀的・呪術的リズムが強烈なサイケチューン"Jews Caboose"、そして極めつけは「ヤヤヤヤヤー ヤーヤーヤヤ ヤーヤ We were having fun even know we were dying! ヤヤヤヤヤー ヤーヤーヤヤ Let me die, Meshkalina ウン!」が一日中耳について離れない、これぞ南米密林サイケの"Meshkalina"、といったぐあいに、アコースティックなアシッドフォークナンバーからファジーなヘヴィサイケデリアまで、南米サイケの魅力をあますところなく堪能させてくれます。

次のサードアルバム"Traffic Sound"(1971)では、前作でも使われていたサックスやフルートがもっと前面に出て、TrafficとかJethro Tullとかを連想するようなプログレ方面への進化が見られますが、それでもやはり、ぬらぬらと絡みつくようなファズギターとか、妙にナマナマしい楽器の音やアンサンブルがプリミティブな感じで、これも良いです。


Traffic Sound
Virgin (リンクはFreak Emporium)

Traffic Sound
Traffic Sound
Traffic Sound


Traffic Sound
Yellow Sea Years: Peruvian Psych-Rock-Soul 1968 to 1971



Laghonia
ギターのDavid Leveneは北米の出身で英語がしゃべれるとのことですが、リードボーカルは2枚のアルバムで数曲のみで、他はペルー人のメンバー(Saul Cornejo)が歌っています。ややラテン訛りの英語(Davidまで訛ってるのが面白い)なんですが、その頼りなげなボーカルがとても良かったりします。

素朴なアンサンブルの中に時折りハッとするようなキャッチーなメロディやフレーズが出てきたり、初期Byrds風のリズムギターに「色っぽい」ファズギターがからんだり、特に、メランコリックでナイーブなメロウチューンが美しくて魅力的です。素朴でピュアな1stの"Glue"(1970)、ハモンドオルガンがさらに活躍する、よりポップで洗練された2ndの"Etcetera"(1971)、どちらのアルバムも素晴らしい。


Laghonia
Glue


Laghonia
Etcetera


なお、Laghoniaのメンバーを中心にTraffic Soundのメンバーなどをまじえて1972~73年ごろに、We All Togetherという名で、モロにビートルズフォロワーなアルバムが制作されています。もともとLaghoniaは、デビュー作のボーナストラックが初期ビートルズだったり、本編も(特に2ndに)ビートルズフォロワー的な曲が散見されていたのですが、このアルバムはど真ん中の直球勝負という感じで、ビートルズ的な楽曲に対するピュアでナイーブな思い入れが清々しい好盤になっています。

オリジナル以外にもPaul McCartneyの"Bluebird", "Tomorrow", "Some People Never Know"や、Badfingerの"Carry on Till Tomorrow"がカバーされてたりで、ポップなイメージが強いのですが、さすがは南米サイケ野郎、アシッドロック的な浮遊感もそこはかとなく漂っています。ボーカルがカート・ベッチャーな感じだったりもするので、ソフトロックファンも気に入るかもしれません。

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WE ALL TOGETHER
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