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2006年01月29日(日)

嵐の青春 (Psych-Out)

テーマ:映画
嵐の青春 [DVD]
キングレコード
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前回の「白昼の幻想」と同じ1967年(公開は68年?)に同じ映画会社(AIP)によって製作された、姉妹編(*1)ともいえる「嵐の青春」(原題Psych-Out)ですが、なぜか前者にくらべると言及されることがはるかに少ないように思います。しかし、当時のフラワームーブメントやサイケデリックシーンをリアルタイムに題材にした、まさに「カルトムービー」と呼ぶにふさわしい濃い内容で、サイケファンにとっては「白昼の幻想」よりもむしろ必見度は高いのではないかと思います。

なにしろ、舞台はサマーオブラブ真っ盛りのヘイトアシュベリー。主人公はサイケバンドのギタリストで、演じるのはジャック・ニコルソン。音楽を担当したのがStrawberry Alarm Clock(以下SAC)やSeedsで、彼らがスクリーンにも登場して演奏シーンを披露する・・・とくれば、観ないわけにはいかないでしょう。冒頭、SACの"Pretty Song from Psych-Out"が流れる中、ヒロインのスーザン・ストラスバーグがバスでヘイトアシュベリーを訪れるシーンで、いきなりフラワーパワー満開です。

映画作品そのものとしては低予算B級映画であることに異論はないのですが、本作も「白昼の幻想」同様、そのチープな感覚がかえって60sサイケっぽくて、他に変えがたい魅力となっています。それに、背景や小道具のサイケデリックな美術は、ヘイトアシュベリーに並べられていたものをそのまま持ってきたのではないかと思えるくらい違和感のないもの(リキッドプロジェクション等のライトショーの「らしさ」もピカイチ)で、ビクトリアンハウスでの共同生活や、それまでレコードビジネスとは無縁だったバンドが契約やお金のことで俗化してゆくエピソードなど、1967年当時のシスコのサイケデリックシーンをしっかり研究した跡がうかがえて好感が持てます。


ジャック・ニコルソンの「なんちゃってパープルヘイズ」チューン(*2)がイカす!

私なんかが観てて楽しいのは、前回の「白昼の幻想」もそうでしたが、ドラッグを礼讃しているようにとられるとボツにされるおそれがあったため、バッドトリップの怖さを強調するようなエピソードを入れたことが、B級ホラー映画みたいな感触にもなって面白いところです。「白昼の幻想」はロジャー・コーマンのポー作品的ゴシックホラー風、「嵐の青春」はゾンビ映画やヒチコックの「サイコ」風エピソード(当初のタイトル"The Love Children"が、ヒチコックの"Psycho"にあやかって"Psych-Out"に変更されたり、予告編なんかを見ても怪奇/スリラー映画としても客を引こうとしていたことがわかる)。

さて、音楽ですが、"Rainy Day Mushroom Pillow"のようなフラワーっぽい浮遊感のある曲を中心に、全体的にサイケ度の高い充実したものです。アナログのサントラ盤は"The Trip"に劣らず高く評価されているようですが、どうやらCDは発売されていないようです。

サントラ盤ではテーマ曲といえる"Pretty Song from Psych-Out"(SACの68年の2nd、"Wake Up...It's Tomorrow"に収録)は、なぜかSACではなくStorybookというグループの演奏/クレジットになっています。そのほか、印象的な"Beads of Innocence"など、最も多い5曲が収録されていますが、彼らは音楽を担当したRonald Stein(ロジャー・コーマンなどの低予算B級映画の音楽を数多く手がける)の曲をサイケバンド風に演奏するためのスタジオプロジェクトではないかと思われます。(StorybookというのはSACの変名ではないか?という話もあるようですが、私は別のバンド説です。)

いずれにせよ、このグループによる演奏は脱力系の素晴らしい似非サイケチューン(シタールや適度なチープ感もグッド)になっていて、これ以外では聴けないようなので、サントラ盤のCD化が望まれるところです。


"Two Fingers Pointing on You"を演奏するSeeds(上)と、デビュー作の
ジャケそのまんまの衣装で"Rainy Day Mushroom Pillow"を演奏する
SAC(下)。初めて見たときは目が点になった。SACの曲は"Incense and
Peppermints"や"The World's on Fire"も印象的に使われている。


*1
キャスティングもカブっていて、スーザン・ストラスバーグと、その兄役のブルース・ダーンは「白昼の幻想」にも出演しています。また、この映画でもジャック・ニコルソンは脚本を書いたのですが、結局「実験的過ぎる」という理由で監督のリチャード・ラッシュにボツにされてしまったとか。ちなみに、撮影監督はこのあと「イージー・ライダー」を撮るラズロ・コヴァックスで、この映画も「バイカー映画」~「アシッドムービー」→「イージー・ライダー」という流れの中に位置づけられます。

*2
Boenzee Cryqueの"Ashbury Wednesday"。Boenzee CryqueはのちにPocoを結成するGeorge Grantham とRusty Youngが在籍していたバンドで、67年に(2枚の)シングルのみを出しています。


追記: DVDが再発されています。

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2006年01月26日(木)

白昼の幻想 (The Trip)

テーマ:映画
白昼の幻想 [DVD]
キングレコード
白昼の幻想 [DVD]

ひさびさの映画ネタです。サイケファンとしてはやはりハズせない、60s二大アシッドムービー(?)の「白昼の幻想」と「嵐の青春」(次回掲載)をまだ紹介してませんでした。この二作はチープオルガン的なセンスをそのまま映像化したような、60s独特のムードを伝えてくれる愛すべき「B級」映画です。

特にこの「白昼の幻想」(原題The Trip)は、かなりの60sファンでも「予想以上にB級な映画だったな」と感じられたのではないでしょうか。それもそのはず、製作・監督が低予算B級映画の帝王ロジャー・コーマンで、それがウリであるトリップ映像を作り出すための「特殊“サイケデリック”効果」にかけられた予算は、たったの1万ドルだったそうです。

ということで、おサイケなシーンはまるで縁日の景品の万華鏡みたいだし、トリップのイマジネーション自体がクラクラするくらいにチープ。ジャック・ニコルソンによる脚本も、主人公のピーター・フォンダがLSDを飲んでトリップするという、ただそれだけのお話です。(監視役のブルース・ダーンが目を離した隙にピーターがラリったまま街に出て行くのですが、勝手に人の家に上がりこんでその家の少女と仲良しになったり、コインランドリーの洗濯機にやたら感動したりと、単なる「ちょっとアブナい兄ちゃん」なのが可笑しい。)

しかし、この映画の魅力は、まさにそのロジャー・コーマン的チープさにあるのであって、それ以前に彼が撮っていたエドガー・アラン・ポーの原作による諸作、「アッシャー家の惨劇」「恐怖の振子」「黒猫の怨霊」「姦婦の生き埋葬」「怪談呪いの霊魂」といった作品のノリが、そのまま60sの風俗を描いたサイケデリック映画に化けて、それがピタリとハマってしまっているところではないかと思います。現在のSFXやらCGやらの技術を使って、もっと「上等な」トリップ疑似体験映画を作ることも出来るかもしれませんが、それではこの映画のような魅力は絶対に味わえないでしょう。


ピーター・フォンダとデニス・ホッパーの「イージーライダー」コンビ。
バックのサイケな美術や60sのファッションを見てるだけでも楽しい。

映画史ダイナミクス的に見ても本作は重要で、ロジャー・コーマンが「脱ポー」作品として若者文化に目を向けた「ワイルド・エンジェル」(1966)が大ヒットし、そこで主役に抜擢されたピーター・フォンダと、ロジャー・コーマンのもとで下積みしていたジャック・ニコルソン(脚本)、そして共演のデニス・ホッパーが出会った本作「白昼の幻想」(1967)が、60sを代表する名作「イージー・ライダー」を生む土台になったのでした。ちなみに、ヘルス・エンジェルスを題材にしたバイカー映画の「ワイルド・エンジェル」が「イージー・ライダー」のヒントにもなっています。

そして、サイケファンにとっては映画本体よりもポピュラーかもしれない、Electric Flag(映画でのクレジットは"The American Music Band")による素晴らしいサウンドトラックも、この映画のもうひとつの魅力です。一度聴いたら忘れられないテーマ曲の"Peter's Trip"や、バッドトリップの幻覚に追われる焦燥感を見事に表現した"Flash, Bam, Pow"など、この名作サントラ盤は、サイケファンはもとより、ラウンジミュージックとかの「おしゃれな」リスナーからも高く評価されているようです。

The Trip: Original Motion Picture Soundtrack
Electric Flag
The Trip: Original Motion Picture Soundtrack


追記: DVDが再発されています。

白昼の幻想 [DVD]
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2006年01月24日(火)

Love, Peace & Poetry Vol.9

テーマ:News

Various Artists
Love Peace and Poetry: Turkish Psychedelic Music

独QDK Mediaの60~70sサイケコンピシリーズ、"Love, Peace & Poetry"の第9弾が出ていました(2005年11月)。今回は待望のトルコ編で、Erkin KorayとかUc Hurelとか大好きなので、これも絶対ハマるだろうなと期待大です。

このシリーズ、ジャケはなんだかイージーリスニングのコンピみたいですが、内容はハイレベルで、選曲なんかも通好みっぽい感じです。これまで「1.アメリカ編」「2.ラテンアメリカ編」「3.アジア編」「4.日本編」「5.英国編」「6.ブラジル編」「7.メキシコ編」「8.アフリカ編」と出ていますが、どれもハズレなしで、私にとって安心して買えるブランドとなっています。
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2006年01月23日(月)

Live MCMXCIII DVD発売

テーマ:News

Velvet Redux: Live Mcmxciii

Velvet Undergroundのオリジナルメンバー(Lou Reed, John Cale, Sterling Morrison, Moe Tucker)による1993年のリユニオン・ヨーロッパツアーの模様を収めたDVD(海外盤)が、明日(1月24日)発売されます。

この1993年の公演は直後にCD2枚組のライブ盤とビデオが出ていますが、DVD(本編)の内容は以前に出ていたVHSと同じものと思われます。VUの(正規版の)DVDというのはほとんど出てないと思うので、これを機に、英国のテレビ・ドキュメンタリーで、日本でのみVHS(とレーザーディスク)化された"Curious - The Velvet Underground Live in Euprope"(*1)や、60sの"Factory"時代の映像とかも、どんどんDVD化してほしいものです。

トラックリスト等は、発売元のRhinoのページで。

(追記: 日本盤DVDが発売されました。)


"Curious"(日本版)より。1993年のライブの映像。



The Velvet Underground
Live MCMXCIII [2CD]


ちなみに、VU関係者では、Lou Reed, John Cale, Nicoと、その後ソロで活動をしていますが、(特に日本で)John Caleのことが話題になることが少ないように思うのは私だけでしょうか・・・。70年代前半の作品群はサイケデリック的にも興味深いものなので、機会があれば御一聴を。下はIsland時代の名作"Fear"(1974), "Slow Dazzle"(1975), "Helen of Troy"(1975)の三作にボーナストラックを加えた2枚組コンピレーションです。


John Cale
The Island Years

*1
1993年のライブ映像自体は少なく、リハーサルの模様と"All tomorrows Parties"の演奏くらい。あとは4人のメンバーのインタビューと過去(60年代)映像などで構成されていますが、ルーの"Heroin"の弾き語りや、チェコのハベル大統領との交流(1968年の「プラハの春」の頃、若きハベルがアメリカから密かに持ち込んだVUのWhite Light/White Heatが、のちの民主化のきっかけ・象徴となる)など、なかなか充実した内容のドキュメンタリーです。
2006年01月21日(土)

MFSL盤Mr. Tambourine Man発売

テーマ:News

Byrds
Mr Tambourine Man (Hybr)

バーズの「タンバリンマン」ですが、MFSL(Mobile Fidelity Sound Lab)から、1965年のモノマスターを使用した、オリジナル・モノラル・バージョンのCDが2月7日に発売されます。(ハイブリッドSACD仕様で、通常のプレーヤーでも再生可能。) ボーナストラックも6曲収録されています。

私はバーズのCDは、前半を中心に半ダースくらいのタイトルは、最初期のバージョンのものと、リマスタ+ボーナストラック入りのバージョンと2種類ダブって持ってるのですが、これもまた買ってしまいそうです・・・。

以下はトラックリスト

Original 1965 Mono mixes
1. Mr. Tambourine Man
2. I'll Feel A Whole Lot Better
3. Spanish Harlem Incident
4. You Won't Have To Cry
5. Here Without You
6. The Bells of Rhymney
7. All I Really Want To Do
8. I Knew I'd Want You
9. It's No Use
10. Don't Doubt Yourself, Babe
11. Chimes of Freedom
12. We'll Meet Again

Bonus Tracks - Stereo (1996 remixes)
13. She Has A Way
14. I'll Feel A Whole Lot Better (alternate version)
15. It's No Use (alternate version)
16. You Won't Have To Cry (alternate version)
17. All I really Want To Do (single version)
18. You and Me (instrumental)


ちなみにSundazedからは、こちらもモノマスター使用のモノラル・アナログ盤が1月24日に発売されます。リリースタイトルは1stから"Notorious Byrd Brothers"までの5枚。
2006年01月19日(木)

Chet Helms Tribal Stomp

テーマ:サイケデリック

昨年の6月25日に亡くなったチェット・ヘルムズ(過去記事はこちら)の追悼フリーコンサート(Chet Helms Tribal Stomp)が、去る10月30日にシスコのゴールデンゲート・パークで開催されましたが、その時の音源(オーディエンス録音。CD5枚組)を入手しました。ひととおり聴くのに三日くらいかかってしまいましたが・・・。

この音源はネットからダウンロードすることが出来ますが、Live Music Archive(archive.org)からのGrateful Deadの音源削除騒動などもあり、これらのネット上でのライブ音源の交換はかなりグレーな雰囲気になってきているので、詳細は控えます。

音楽ビジネスがデジタル・ダウンロードにシフトしつつある現状では仕方がないことかもしれませんが、デッドからジャムバンド系へと受け継がれてきたライブ録音のシェアというのは、60年代的な精神が息づくひとつの文化だっただけに、その本家のデッド側がお金のためにその文化を壊してしまうというのは哀しすぎる話です。ただ、昨年末からずっとダウン状態で、ここも(圧力がかかって)閉鎖されたのか?と思われていたGD Liveは、幸いなことに復活していました。

さて、追悼コンサートですが、午前9時からのオープニングセレモニーに続いて、午前10時から午後6時までの8時間にわたって、約20組のアーティストによる演奏が繰り広げられました。以下、主な出演者と演奏曲です。

Jeff Blackburn
"Stranger in a Strange Land"で有名な60sデュオ、Blackburn & SnowのJeff Blackburn。残念ながら、この音源には未収録。

Charlatans
Dan Hicks, George Hunter, Mike Wilhelm, Richie Olsenらによるリユニオン。"Alabama Bound"などを演奏。年取ってもやっぱりカッコイイ(上の写真)。Dan HicksはCharlatansの前にHot Licksとしても登場。

Country Joe & Friends
Woodstockを思わせる"F-U-C-K Cheer"や"I Feel Like I'm Fixin' to Die Rag"を披露。

Sons of the Highway
Sons of Champlinの変名ユニット。69年の"Sons"収録の"It's Time"等を演奏。

Blue Cheer
Dickie Peterson, Leigh Stephensら。もちろんトリは"Summertime Blues"。

Paul Kantner & Friends
"Friends"はDavid Freiberg, Pete Sears, Vince Welnickなど。女性ボーカル(不明)入。Jefferson Airplaneの役で、Volunteers > Other Side of This Life > White Rabbit > Get Together > Who Do You Love? > Somebody to Love > Volunteers というお馴染みの曲のメドレーで盛り上がる。

Jerry Miller
Moby Grapeの人。Mobyの"Hey Grandma"などを演奏。

David & Linda LaFlamme, etc.
It's a Beautiful Dayです。
必殺の、Hot Summer Day > Don & Dewey > White Bird

Quicksilver Gold
Quicksilver Messenger Serviceの変名。
これも定番の、Fresh Air > Pride of Man > Get Together > Dino's Song

Canned Heat
"On the Road Again", "Goin' Up the Country", "Let's Work Together"など。

Squid B. Viscous
Carlos Santanaの弟のJorge Santana(ex Malo)、Frumious Bandersnatch~Steve Miller BandのDavid Denny(ギター)、Sly & Family StoneのGreg Errico(ドラム)、その他クレジットでは、Canned Heatにも在籍し、"Cristo Redentor"(1968)などのソロ作でも知られたHarvey Mandel(ギター)、Jerry Garciaとのコラボで有名なHoward Wales(オルガン)など、サイケ/シスコサウンドファンには渋すぎるメンバー。"Space Cowboy"などを演奏。

その他、Ramblin' Jack ElliotBarry MeltonNick GravenitesLydia Pense(Cold Blood)、最後に登場してジミヘン・メドレーで締めくくったNarada Michael Waldenなど、錚々たる顔ぶれでした。

でも、なにか足りないな・・・と思ったら、Grateful Dead関係のメンバー/曲がひとつもなかったのでした。このようなシスコのイベントにデッド関係者が参加していないのはやはり寂しい気がします。

なお、このコンサートを収めたDVDが4月にリリースされるとのことです。オフィシャルサイトはこちら

こちらにもフォトギャラリーがあります。
2006年01月14日(土)

Association, We Fiveの3タイトル再発

テーマ:News
Collectors' ChoiceからAssociationとWe Fiveの3作品がCDリイシューされました。(amazon.co.jpでの発売は5~6月頃。)


Association
& Then Along Comes the Association

数年前に同レーベルからAssociationのCDが再発された際には、なぜかこの記念すべきデビュー作("And THEN...ALONG Comes The Association"、1966)がカタログに入っていなかったのですが、今回、もうひとつ漏れていた"Goodbye, Columbus"(映画サントラ、1969)とともにCD化されました。


Association
Goodbye Columbus

1stは日本でCD化されていましたが、長らく廃盤状態だったので、リイシューを待っておられた方も多いのではないかと思います。ただし、今回の再発盤には日本盤に収められていたボーナストラック(アルバム未収録曲を含むシングル5曲)は収録されていないようです。ともかく、カート・ベッチャーのプロデュースによる本作は、ソフトサイケファン必聴の名作ですね。

ちなみに、日本盤は「世界初CD化」と謳われて1999年に出されましたが、実はそれより10年くらい前にWarnerの"2 on 1"シリーズで、"Songs That Made Them Famous"と題されて、1stと3rdがカップリングされたCDが出ています。いまではかなりレア・アイテムではないかと思いますが・・・。




We Five
Catch the Wind

これは1970年にVaultレーベルから出たWe Fiveの4作目。1~2枚目のアルバム(CDでは2on1)で歌っていたBeverly Bivensはいなくて、かわりにメンバーのJerry Burganの奥さんのDebbie Burganがボーカルとしてクレジットされています。We Fiveの過去記事はこちら
2006年01月12日(木)

リイシューCD雑記 その5

テーマ:サイケデリック

Peanut Butter Conspiracy
Spreading From the Ashes

これは去年の春ごろに英国Big Beatから新たにリリースされたコンピレーションです。Peanut Butter Conspiracy(以下PBC )関連の1965年から67年までの初期音源から、レアな未発表曲、デモ、ライブ等がたっぷり収められています。(全26曲中19曲がPreviously Unissuedで、全長約72分。)

なかでも、PBCの前身であるThe Ashes(故Spencer DrydenがJefferson Airplane参加前に一時在籍)のテイクが7曲収められていて、そのうちの2曲は1965年にThe Young Swingers名義で出されたシングルからのものです。Ashes/PBCのレア音源といえば、"West Coast Love-In"(1967)というコンピレーション(たぶん未CD化)が有名ですが、それに収録されていた8曲のうち7曲が、今回のコンピで聴くことができます。

Ashes名義の曲は(音質は万全とはいえませんが)ドリーミーでピュア&イノセントなフォークロックで、どれも素晴らしい。PBCで再録("Is Spreading"に収録)された"Dark On You Now"などはテンポもゆっくりで、まったりとした素朴な美しさが、PBCとはまた一味違う魅力を伝えてくれます。

初期音源が中心ということで、(PBCのイメージの)Mamas & PapasプラスJefferson Airplaneというより、初期Byrds的原初フォークロック色が勝っているような印象ですが、やはりこのバンド(特にBarbara "Sandi" Robisonのボーカル!)は良いです。ジャケ同様やや地味なイメージですが、好きな者には堪らない内容のコンピになってます。ただし、PBCが未聴なら、1stと2ndをカップリングしたCDの方をお先にどうぞ。関連記事はこちら




Vashti Bunyan
Lookaftering

こちらはリイシューではなくて、なんと、"Just Another Diamond Day"(1970)から35年ぶりの新譜が昨年10月にリリースされました。Vashti Bunyanに関しては、厳密にはサイケデリックではないだろうし、検索で多くの記事が読めるので詳細は省きますが、サイケファンでLinda PerhacsとかJudee Sill(そういえば彼女のCDも再発されてたみたいですが)とかが好きな方は、きっとハマると思います。

新作はどんな風に変わってるのかと期待半分・不安半分でしたが、必要最小限のバッキングに浮世離れした囁くような歌、ほとんどまったくといっていいほど35年前の名作のイメージと変わらぬ「ヴァシュティ・ワールド」が展開されていました。さすがに声の艶には若干の衰えがみられるものの、前作のマザーグース的な牧歌性みたいな要素が、より成熟したジプシー的な宇宙観・宗教観に昇華したような感じで、「アシッドフォーク感」はむしろ高くなっているようにも思います。

とにかく、どちらの作品も俗世間から遠く離れたような音世界で、日常の暮らしで見失っていたような、純粋さ・不思議さ・自然への畏怖といったヴィジョン/イメージを取り戻させてくれます。フラワー度高し!


Vashti Bunyan
Just Another Diamond Day


あと、ヘヴィサイケや南米サイケ関係のリイシューCDもありましたが、それらは近く予定している特集で触れることにします。
2006年01月09日(月)

リイシューCD雑記 その4

テーマ:サイケデリック

Quill
Quill (リンク先はFreak Emporium)

先日、Sweetwaterを取り上げましたが、彼らと似たような「ウッドストック・フェイム」のバンド、Quillの唯一のアルバム(1970)がSynton Archive ProductionsからCD化されていました。限定500枚ということなので、興味のある方はお早めに。なお、Amazonの検索で出てくる同名のQuillは別のグループなのでご注意を。

音はQMSやKakを連想させるシスコ風まったり系(出身は東海岸のボストン)で、やや冗漫な部分もありますが、個人的には好きな音です。
2006年01月08日(日)

リイシューCD雑記 その3

テーマ:サイケデリック
今回は、わりと最近ドイツのShadoksからCDが出たunreleased物で、昨年末に聴いたばかりの新譜を二題。(いずれも、amazon.co.jpでの発売は今月30日の予定です。)



Time
Before There Was... Time

T.I.M.E. (Trust In Men Everywhere)とは別のグループ。Think Dog(未聴)の前身だそうです。1968年にカナダのトロントで録音されたものの、当時アルバムは発表されませんでした。アナログ盤LPは少し前(2004年?)にリリースされていたものがCD化されました。

メンバーのLynn David NewtonはSpoils of WarのJim Cuomoとイリノイ時代にクラスメートだったとか。その関係からか、電子楽器を使ったミニマル・ループみたいな実験的な曲も見受けられます。また、Red Crayolaを思わせるようなフリークアウトしたアバンギャルド・トラッドみたいな曲もあります。しかし、それらの実験的な要素は決してメインイベントではなくて、あくまでもバックアップ。アルバムの主流は、メロディアスでメランコリックでちょっと東洋がかったダウナー系のアシッドフォーク/トラッド曲(その手の英国サイケからの影響も見られる)という印象です。

ということで、アバンギャルド/フリークアウト系が好きな人はしだいに盛り下がり、ダウナー脱力まったり系が好きな人(私です)は盛り上がってくるという感じです。確かに、実験的な音の装飾/コラージュとメロディアスでわかりやすいサイケさが同居しているという意味では、Spoils Of WarやUnited States Of America, Fifty Foot Hoseといったバンドと共通項があるので、これらのバンドが好きな方は要チェックでしょう。(女性ボーカルこそ入ってませんが、曲・演奏・作品ともに高レベル。)



Born Again
Pagan

混同しそうですが、Born Againというのがバンド名でPagan(Born Again Pagan)というのがアルバムタイトル。69~70年の未発音源によるRockadelicからのアナログ盤(2002年発売)にボーナストラック7曲を追加してCD化されました。

基本はブルースを基調にしたヘヴィサイケですが、それだけにとどまらず、アコースティックなサイケチューンからアシッド感の高いインストナンバーまで、幅広い表現力を備えた豊かな才能を秘めたバンドだったことが窺えます(出身はカリフォルニアのマリン・カウンティ)。ボーカルとギター、そして曲そのものに艶と色気みたいなのがあって、メジャー級の風格が感じられます。特に、ポール・コゾフを上手くしたみたいなLarry Otisの表情豊かなギターワークが素晴らしい。
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