2005年12月25日(日)

40年前の今年を振り返る

テーマ:サイケデリック
いよいよ暮れも押し迫ってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今年を振り返ってみると、1月にこのブログを始めたということもあって、いつにも増して60sサイケを中心とした「後ろ向き」な音楽ライフだったなと自負しております。そんなこんなで「2005年のベスト」みたいな企画ができるほど新譜を聴いてないし、実際のところ、リイシュー物やボックスなんかも含めて、これといって目立った収穫のない年だったような気がします。(映画も、なんだかパッとしなかったし・・・。)

というわけで、2005年は「サイケデリック生誕40周年」だったという因果で、40年前の1965年の出来事をシスコの(黎明期)サイケデリックシーンを中心に追ってみることにしました。


1月
・ジョンソン大統領、年頭教書で「偉大な社会」(Great Society)建設を提案。(人種や性などの差別を撤廃した福祉社会実現の理想をかかげる。)

2月
・21日、Malcolm X 暗殺される。

3月
・米軍、ベトナムの「北爆」(ローリングサンダー作戦)を開始。
Bob Dylan、フォークからロックへの過渡的作品となる"Bringing It All Back Home"を発表。

4月
・Grateful Deadの前身、Warlocks 結成。
Beau Brummels、デビューアルバムの"Introducing"発売。

5月
・Byrdsが4月に出したシングル"Mr. Tambourine Man"が全米(全英)で1位の大ヒットとなる。(ボーカルパートを除いて、この録音に参加しているのは12弦ギターのロジャー・マッギンのみで、あとはレオン・ラッセル、ハル・ブレインなどのスタジオミュージシャンが演奏しているというのは有名な話。)

6月
・21日、Byrdsのデビューアルバム"Mr. Tambourine Man"発売。ボブ・ディランとビートルズを融合した「フォークロック」は、やがて本家のビートルズも影響されるほどのインパクトを与え、後継者が続出した。
・同21日、ヴァージニア・シティのRed Dog SaloonでCharlatansがデビューアクト。LSDとライトショーをステージで用いた最初の「サイケデリック」パフォーマンスとされる。また、このショーのポスターはのちに"The Seed"と呼ばれ、サイケデリック・ポスターの第一号となる。(詳細はこちら。)


The Byrds
Mr. Tambourine Man

7月
The Doors 結成。
・25日、ニューポート・フォーク・フェスティバルでBob Dylanがフォークギターをエレキギターに持ち替える。それはまさに、フォークからロックへの転換の瞬間だった。ちなみに、このときバックをつとめたのはポール・バターフィールド・ブルース・バンド。

8月
Beatles、映画の公開に続いて、アルバム"Help!"を発売。
・13日、シスコのMatrixオープン。初ステージを務めたJefferson Airplaneがデビュー。
Bob Dylan、史上に燦然と輝く革命的ロックアルバム"Highway 61 Revisited"を発表。


Bob Dylan
HIGHWAY 61 REVISITED

9月
・シスコのライター、Michael Fallonが記事で初めて"hippie"に言及。

10月
・16日、Family Dog主催の"A Tribute to Dr. Strange"と題する「ダンスパーティー」がLongshoreman's Hallで開かれる。これはシスコで最初のサイケデリックなダンス&ミュージック&ライトショーの「ハプニングス」だった。出演したのはJefferson Airplane, Charlatans, (Grace Slickの)Great Societyなど。

11月
・3日、WarlocksがシスコのAutumn Recordsで、Emergency Crewとして6曲のデモを録音。その音源は"Birth of the Dead"で聴くことができる。
・ケン・キージー、最初のアシッドテストを開催。ハウスバンドとしてWarlocksが参加。
13th Floor Elevators 結成。


The Grateful Dead
Birth of the Dead

12月
・10日、ビル・グラハムのFillmoreコンサートの原形(Mime Troupe Benefit - Appeal II)開催。Warlocksから改名したGrateful DeadやJefferson Airplane, Great Society, Mystery Trendなどが出演。
Beatles、"Rubber Soul"をリリース。



ざっと見渡しただけですが、激動の時代の息吹が感じられると思います。特に象徴的なのが、リンドン・ジョンソンの年頭教書。"Great Society"という高邁な理想をかかげながらも、現実には「北爆」によるベトナム戦争がますます泥沼化していく・・・。理想と現実が極度に分裂した「サイケデリック」な60年代後半へと雪崩れ込んでゆくのでした。

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2005年12月14日(水)

第41回 The Litter

テーマ:無人島サイケ

The Litter
Distortions

ガレージパンクの基本中の基本としては、(レココレのサイケ特集もそうでしたが、)The Sonicsがその筆頭に挙げられていることが多いようです。もちろん、パンクファンの私はSonicsも大好きですが、そのスタイルはガレージパンクのコアな部分そのもの、あまりにもローでプリミティブで、サイケ的な「ゆらぎ」や「ねじれ」をすべて剥ぎ取ったような攻撃的な音は、同じ60sサウンドという嗜好のもとで聴かれているとはいえ、ある意味サイケとは正反対の感覚ではないか?と思ったりもします。

そういう意味で、一般のサイケファンには、こちらのThe Litterの方をお勧めしたいと思います。(逆にいうと、純粋なガレージパンカーには不満な部分もあるかもしれません。) The Litterといえば、Pebblesの第1集の1曲目に収録されているガレージパンク・クラシック"Action Woman"があまりにも有名ですが、そういったパンキッシュなものだけではなく、多くの曲から音の隙間やギターのディストーション/フィードバックに、サイケ的な間合いや歪みを容易に聴き取ることができます。(当時のサイケ定番の"Codine"や、これはボーナストラックですが"Hey Joe"なんかもやってたりします。)

代表作のデビューアルバム"Distortions"(1967)の特徴としては、まず、The WhoやSmall Faces, YardbirdsにCreamといった英国バンドのカバー曲が目立つこと。しかし、それらも違和感なく自らのガレージサイケサウンドにしていて、(数少ない)オリジナルと同じくらい力強く響きます。

レココレのサイケ特集号の解説には、どういう根拠からか本作に対して、「米サイケデリック最高作の呼び声高き」なんて形容がされていますが、これはかなり割り引いて受け取ってもいいでしょう。それでも、ガレージパンクとサイケデリックの美味しいところを抽出したような"Distortions"は、傍に置いて末永く聴ける一枚であることに間違いありません。

ちなみに、セカンドの"$100 Fine"(1968)では、ほとんどがオリジナル曲になっていて、こちらもなかなか良いです。サードの"Emerge"(1969)になると、プレ・ハードロック的なサウンドになって、なんだか2nd以降のBlue Cheerみたいな中途半端な感じになるのですが、(私のように)B級ヘヴィサイケも好きという人間にとっては、これはこれでまた面白かったりします。


Litter
$100 Fine


Litter
Emerge


The Litter
Distortions/$100 Fine
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2005年12月11日(日)

第40回 We the People

テーマ:無人島サイケ

We the People
Mirror of Our Minds

ガレージパンクといえば、サイケファンの中でも、あまり得意ではないという人が結構おられるようですが、幸か不幸か、私はパンクロック全般いけるクチでありまして、以前は70sパンクなんかもよく聴いていました。60sにのめりこんで、ガレージパンクをはじめ多くのプロトパンクの音を聴くようになると、ほとんどの70sパンクは60sパンクの表面だけを焼き直したものに過ぎないということがわかってきて、ますます60sの面白さ・スゴさを再確認したのですが・・・。ガレージパンク/プロトパンク的な音が苦手という方は、そういう70sパンクのイメージによる部分も多少はあるのかな?と思ったりする次第です。

そのへんのイメージで損をしてるのではないかと思う筆頭が、このWe the Peopleです。NuggetsやPebblesをはじめ、数多くのガレージパンクのコンピに彼らの曲が収録され、記事やショップでもたいていガレージパンクバンドと紹介されているからです。しかし、1998年にSundazedから出た2枚組の決定盤的コンピレーション"Mirror of Our Minds"を聴くと、その曲想のバリエーションの豊かさに驚かれると思います。

チープなオルガンパンクから初期Kinks風ナンバー、R&Bに60sポップ、ラーガロック的サイケチューンやBeau Brummelsのような原初フォークロック、はたまた美しいハーモニーやメランコリックな風情を持ったソフトロックナンバーまで、60sサウンドのあらゆる相を展示させたかのような多彩さ。しかも、それらの曲のクオリティがどれも一級品であるところがスゴい。

結果的にはマイナーなガレージバンドで終わってしまったのですが、パンキッシュな部分と繊細さ・ポップさを併せ持つという意味では、Electric Prunes, Strawberry Alarm Clock, Chocolate Watchbandといったメジャー級のバンドに近いかもしれません。逆に、彼らが売れなかったのは、そのような多才さが災いしたのかもしれないし、ラジオから流れてきて「あ、○○だ」とすぐにわかるような強烈な個性にいまひとつ欠けていたのが原因かもしれません。

それでも、Tommy TaltonとWayne Proctorというふたりの優秀なソングライターが、その能力を競うように書いた楽曲群は素晴らしく、"In the Past"や"St. Johns Shop"など、一度聴いたら忘れられないような魅力的な曲にあふれています。(ラーガポップサイケの名曲でベストテン級マイフェイバリットソングの"In the Past"はChocolate Watchbandのカバーバージョンの方がお馴染みかもしれません。)

ふつうなら、このような方向性の一貫しない多様さは寄せ集め的な感じになるのでしょうが、別テイクで重複するものが数曲あることなどを差し引いても、このコンピは60s(ガレージ)ミュージックの魅力を凝集したような強力な響きがします。
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2005年12月06日(火)

第39回 Music Machine

テーマ:無人島サイケ

The Music Machine
Turn On: The Best of the Music Machine

このバンドは、いまではKeith Olsen(一般にはFleetwood Mac等を手がけたプロデューサーとして有名)や、Ron Edgar、Doug Rhodesといった、Millennium ~ Sagittarius関係のメンバーが在籍していたということで言及されるほうが多いかもしれません。

しかし、その音はMillennium関連の音源を渉猟する純ソフトロックファンの期待を見事に裏切るであろう、極上にチープなフラワーパンクで、Seeds? & the Mysteriansといったバンドに目のない私のようなファンにとってはマストアイテムといえる、「かゆいところに手がとどく」音を聞かせてくれます。

1966年のデビュー作"Turn On"はガレージパンク・クラシックの超名曲"Talk Talk"で始まりますが、それに続く"Trouble"などは、これまた大好きなIron Butterflyなんかも、このバンドから大きな影響を受けたんだろうなということが窺えます。

強力なオリジナルナンバーに加え、Mysteriansの"96Tears"やBeatlesの"Taxman"、"See See Rider"や"Hey Joe"などのカバー曲群もスカスカでチープなのに素晴らしくグルーヴィー。激渋ファズギターに激チープオルガン、コテコテのボーカルやリフ、"Cherry Cherry"や"Some Other Drum", "Come On In"の脱力感。真っ黒な衣装に黒手袋・・・と、すべてが最高!

なお、上記CDのタイトルには"The Best of ~"とありますが、内容はオリジナルの"Turn On"の末尾に4曲のボーナストラックを加えたものです。

ちなみに、2ndの"Bonniwell Music Machine"(1967)がWarnerから発売された時には、すでにバンドは解散状態になっていました。曲想はより複雑で陰影と表情に富んだものになっていますが、1stのノリは決して失われていません。この2ndはSundazedのコンピ"Beyond the Garage"に(曲順はバラバラですが)ボーナストラックとともに全曲が収録されています。Sundazedからはもう一枚、"Ignition"というコンピも出ています。


The Bonniwell Music Machine
Beyond the Garage


Bonniwell Music Machine
Ignition
2005年12月03日(土)

Doors - Live In Philadelphia

テーマ:News

Rhino Handmadeから、The Doors - Live In Philadelphia '70が発売されました。"Absolutely Live"と同時期のツアーから採られたものですが、すべて未発表音源とのことです。CD2枚組で、数量限定盤(Limited Edition)ではないようです。

何度か言ってると思いますが、私はドアーズが大好きでして、無人島にたった一枚だけアルバムを持っていけるとしたら、やはりドアーズの1stを選ぶと思います。どこが好きかと聞かれると、かなり個人的・情緒的な感情とかも混じってくるので、なかなか記事には書けないのですが・・・。

さて、ドアーズのライブアルバムというと、スタジオ作に比べてなんだか音が薄っぺらいという印象をお持ちではないでしょうか? ご存知のとおり、ドアーズは専任のベースプレーヤーがいないバンドでありまして、スタジオ作では、(ベースレスの曲もありますが、)多くはバンドメンバーやHarvey Brooks、Douglas Lubahnといったセッションプレーヤーによって、ベースのパートが加えられています。

ライブではベースのパートをレイ・マンザレクがキーボードで弾いているのですが、普通ならフットペダルを使うところを、レイはベース用のキーボード(Rhodes Piano Bass)をオルガンの上に載せて左手でベースパートを弾き、コードやメロディはほとんど右手だけで弾いています。そのへんが、あの独特のチープなサウンドの要因となっています。しかし、好きになると、それもメジャーデビュー前のクラブサーキットでの演奏をイメージさせてくれて、なかなかオツなもんです。

ドアーズのライブ盤はたくさん出てまして(以下はその一部)、私も全部は把握しておりません。


The Doors
Absolutely Live


Doors
In Concert


The Doors
Live in Hollywood - Aquarius


The Doors
Live at the Aquarius Theatre: The First Performance


The Doors
Live at the Aquarius Theatre: The Second Performance


The Doors
Live in Detroit (Cobo Hall, 05/08/1970)


ドアーズ
ブライト・ミッドナイトーライヴ・イン・アメリカ
2005年12月01日(木)

Anthem to Beauty

テーマ:News

只今、パソコンテレビGyaOの洋楽番組"THE VINTAGE"にて、マスター・オブ・サイケデリック、Grateful Deadのドキュメンタリーフィルム"Anthem to Beauty"が放映されています(配信は1月1日まで)。
http://www.gyao.jp/music/hits/vintage/

内容は、実験的で最もサイケ色の強い"Anthem of the Sun"(1968)から、珠玉のルーツロックアルバム"American Beauty"(1970)に至る道のりを辿ったもの。1967年当時のヘイト・アシュベリーの様子(デッドのメンバーが住んでいたビクトリアンハウスの内部など)や野外フリーコンサート、ニール・キャサディの「マジック・バス」ツアー、アシッドテストの模様、メンバーが撮ったプライベートフィルムなど貴重な映像満載で、60sサイケファン必見という感じです。

GyaOといえば、夏頃だったか、(これは「音楽」ではなくて「映画」の番組だったと思いますが、)「それはビートルズから始まった」というドキュメンタリー(1974年、米国作品)が放映されていました。60年代のさまざまなアーティストを当時の政情やファッションなどの社会的背景を交えながら紹介する、なかなか充実した内容でした。気づいて観たのが配信終了の前日だったので、こちらで報告しそこなってしまいましたが、いずれまた再放送されるのではないかと思います。


コロムビアミュージックエンタテインメント
メイキング・オブ・アメリカン・ビューティ

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