2005年11月28日(月)

昔はサイケで出てました その10

テーマ:サイケデリック
今回は「サイケデリックと言えるかどうかは微妙だけど、そのつもりで聴けば確かにその香りがする」という感じのラインナップです。(いずれもFuzz, Acid and Flowersにエントリーされています。)

Stone Poneys
リンダ・ロンシュタットが60年代に男性二人と組んでいたトリオ。67年のファーストアルバムは、同じ編成のピーター・ポール&マリーを連想させるようなモダンフォーク的作品です。ほとんどを占めるオリジナル曲はデビュー作とは思えないくらいしっかりしていて、ややトラッド寄りの、正統的で凛々しいフォークソングという感じ。しかし、リンダのボーカルがチャーミングな上に強力なので、地味な印象はあまりなく、60sフラワーな雰囲気の好盤となっています。

その後Stone Poneysとして2枚を出しています(*1)が、ドラムにジム・ゴードンが参加してたり、ストリングスやハープシコードを入れたソフトロック的アレンジの曲やポップチューン、70s時代を思わせるようなカントリー風味の曲も散見されるなど、しだいに多様化していきます。

サイケ的には、シタール入りの曲があったり(2~3作目)、"Let's Get Together"やTim Buckley作品を3曲カバーしてたり(3作目)といったところでしょうか。ポップス的には、モンキーズのマイク・ネスミス作で、全米Top20のヒット曲となった"Different Drum"(2ndに収録)が有名です。

*1
サードアルバムは制作途中でグループが分裂して、残りをリンダとセッションマンによって完成させたという事情もあって、アルバムのクレジットは"Linda Ronstadt - Stone Poneys and Friends Vol.III"となっています。


Linda Ronstadt
The Stone Poneys Featuring Linda Ronstadt


Stone Poneys
Evergreen, Vol. 2


Stone Poneys
Stone Poneys & Friends, Vol. 3


Warren Zevon
2年前にガンと闘病の末亡くなったことはいまだ記憶に新しいウォーレン・ジヴォンですが、ハードボイルド・ロックとも呼べるような独自のスタイルとシンガーソングライターとしての才能は、もっと評価されてもいいのにと残念に思います。

ここで取り上げるのは1969年制作のデビューアルバム"Wanted Dead or Alive"で、一般には評価は低く、発売当時もほとんど話題にならずに、その後1976年の再デビュー作まで空白期間となってしまう、いわば鬼っ子的な作品なのですが、60s好きの目から見ると結構面白いし、作品的にも決して悪くないと思います。

全体的にややとっちらかっていてユルいところとか、ファズギターやテープ逆回転のエフェクトとか、アシッドロック的なインストナンバーとか、"Traveling in the Lightning"のような、のちのスタイルを思わせるエスニックなリフの曲が60s的なチープさで響いたりとか、ByrdsのSkip Battynが参加してたりとかで、サイケ的にも興味深い内容になっています。

ちなみに、本作収録の"She Quit Me"は映画「真夜中のカーボーイ」(1969)のサントラに使われています。また、1967年のTurtlesの大ヒットシングル"Happy Together"のB面の"Like the Seasons"は、まだ20歳頃のジヴォンが書いた曲です。


Warren Zevon
Wanted Dead or Alive


Rising Sons
Taj MahalRy Cooderが在籍していた伝説的なバンド。他に、のちにSpiritを結成するEd Cassidyや、Byrdsに加入するKevin Kelly(どちらもドラム)などもメンバーでした。バンドは1965年から66年にかけて活動し、Columbiaでアルバム用の曲を録音しますが、結局シングルを1枚出しただけでLPは発売されませんでした。その後、1992年にSonyから"Rising Sons Featuring Taj Mahal & Ry Cooder"として正式にCD化され、いまでは全22曲の貴重な音源を聴くことができます。

私はTaj Mahalといえば、Jesse Ed Davisがバックの時代の初期リーダー作が大好きなのですが、それに比べるとユルくてアシッド感のあるRising Sonsの音も素晴らしい。ルーツロック好きならマストといえるような充実した内容です。プロデュースがTerry Melcherということもあるのでしょう、当時のトレンドだったByrds的なフォークロックナンバーが混じってたりするのも面白いところ。


Rising Sons
Rising Sons Featuring Taj Mahal & Ry Cooder


Stalk-Forrest Group
Blue Oyster Cultの前身。このグループ(またの名のOaxaxaおよびSoft White Underbelly)にまつわるレコーディングの経緯はかなり複雑なので、ここでは省略しますが、要するにBOCデビュー前に伝説的なアンリリースド・アルバムが存在したということです。その音源(1969~70)をまとめたものが2001年にRhinoからCD化されました。

BOCというと、Black Sabbathがゴシックホラー的な要素をロックに持ち込んだのに対して、モダンホラー的な感覚を取り入れたバンドとして、初期の作品などはサイケファンにもアピールする要素があるのではないかと思います。そして、このStalk-Forrest Groupの音源を聴くと、BOCよりまったりとした時間感覚や、Arthur LeeのLoveを思わせるようなねじれたテイストの楽曲群、アシッドロック的なインプロの展開と、もうはっきりサイケデリックと呼んでもいいくらいです。(BOC時代に再録された"I'm on the Lamb"なんかを聴き比べてみるのも一興かもしれません。)


Stalk-Forrest Group
St. Cecilia: The Elektra Recordings (試聴はこちら
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2005年11月26日(土)

昔はサイケで出てました その9

テーマ:サイケデリック
Holy Modal Rounders
Steely Dan ~ Doobie BrothersのJeff Baxterも60年代の一時期、Ultimate SpinachやHoly Modal Roundersといったサイケ関係のグループでプレイしていたことがありました。Ultimate Spinachは以前こちらに書いたので、Holy Modal Roundersのことを少し・・・。

このグループはサイケファンにもそれほどポピュラーではないと思いますが、サイケとは無縁の一般の人も(知らないうちに)聞いたことがあるという・・・そのココロは、映画「イージー・ライダー」の挿入歌として彼らの曲が使われ、サントラ盤にも収録されているからです。ジャック・ニコルソンがアメフトのヘルメットをかぶってピーター・フォンダのオートバイに乗るシーンで流れる「イフ・ユー・ウォナビー・ア・バ~~~~~~ド」(*1)と言えば、「ああ、あれか」と思われるかもしれません。

60sサイケのタイトルとしては1967年のサードアルバム"Indian War Whoop"と、それに続く68年の"The Moray Eels Eat the Holy Modal Rounders"が有名ですが、どちらもかなりフリーキーな内容で、コアなサイケファンでも聴く人を選ぶのではないかと思います。フリー・ジャズならぬフリー・トラッドというか、ザッパ&マザーズのジャグバンド版といった趣きで、ラリってるというより、タチの悪いヨッパライのノリに近いです。

Holy Modal Roundersというのはバンドというより、Peter Stampfel(バンジョー、フィドル、ボーカル)とSteve Weber(ギター、ボーカル)のデュオをコアにしたプロジェクト(*2)という感じなんですが、1964年の1stと2ndは二人のアコースティック楽器と歌によるシンプルなもので、(トラッド曲をアレンジだけでなく勝手に歌詞を変えたりした、これもフリーフォームなものらしいですが、)ヨレたボーカルはともかく、3~4枚目を先に聴いた私には「まとも」なルーツミュージックに聴こえてしまいます。

あと一枚、1975年に出た"Alleged in Their Own Time"を聴きましたが、こちらも最初の2枚に近い「おとなしい」印象でした。なお、CDは1stと2ndがカップリングされたものが出ています。

*1
「イージー・ライダー」での曲名は"If You Want to Be a Bird"ですが、オリジナルアルバムの"The Moray Eels ~"収録時のタイトルは"Bird Song"。

*2
このふたりは、Fugsの"First Album"などでもフリークアウトしています。ボーカルスタイルなどを含め、"I Feel Like I'm Fixin' to Die"のカントリー・ジョーなんかも、かなり彼らから影響を受けているのではないでしょうか?


The Holy Modal Rounders
1 & 2


Holy Modal Rounders
Indian War Whoop


The Holy Modal Rounders
The Moray Eels Eat the Holy Modal Rounders


サントラ, ステッペン・ウルフ, スミス, ザ・バーズ, ザ・ホリー・モダル・ラウンダーズ, フラタニティー・オブ・マン
イージー・ライダー<リマスター・エディション>
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2005年11月20日(日)

昔はサイケで出てました その8

テーマ:サイケデリック
Amboy Dukes
ボブ・シーガーほどメジャーではありませんが、デトロイトロッカーでサイケ出身者といえば、「どんどん、どぎーどー」のTed Nugentも忘れてはいけません。1968~70年の間にAmboy Dukesというバンドで5枚ほどアルバムを出しています。

ガレージパンク~ヘヴィサイケ系とはいえ、70年代以降のテッドのイメージからすると、おとなしい感じもしますが、デビューアルバムからすでに「パオ~」という象の鳴き声みたいなフィードバックが炸裂しています。全米Top20ヒット曲で、Nuggets等コンピ常連の"Journey to the Center of the Mind"は有名ですが、アルバムはかなり分裂気味で、どこがいいのかあまりよくわかりません。でも、なぜか買ってしまって、都合4枚ほど(ほぼ全作)所有しております。(オリジナルタイトルのCDは韓国Won-Sinから再発されています。)

Journey to the Center of the Mind
The Amboy Dukes
Journey to the Center of the Mind


Ted Nugent & the Amboy Dukes
Loaded for Bear: The Best of Ted Nugent & the Amboy Dukes


Nazz
これは有名ですね。トッド・ラングレンのバンドです。のちのソロ時代にリライトされてヒットした代表曲の"Hello It's Me"は元々Nazzの曲で、1stアルバムに収められています。スタイルをひとことで言うと「プレ・ハードロック的ポップサイケ」という感じで、当時のアメリカのバンドよりも、英国のSmall FacesとかThe Moveといったバンドのテイストに近い音です。(実際彼らはモッズなどの英国ロックの崇拝者で、バンド名はYardbirdsの曲から取ったとか・・・。)

アルバムは1968年から1970年の間に3枚出しています。特に最初の2枚は、すべての面でクオリティの高い佳品で、すでにトッドの非凡なポップセンスが光っています。ただ、1970年の"Nazz III"の時にはトッドはバンドを抜けていて分裂状態にあり、本来は2枚組となるはずだった2ndアルバム"Nazz Nazz"のアウトテイクなどから構成されています。


The Nazz
Nazz


The Nazz
Nazz Nazz


The Nazz
Nazz III


The Nazz
Open Our Eyes: The Anthology


ところで、トッドが抜けたあとの一時期、レコードは出していませんが、のちのCheap TrickのRick NielsenとTom Peterssonが、Nazzのメンバーと共に"New Nazz"として、Sick Man of Europeなどのバンド名で活動していました。その頃に残されたデモ曲の中にはCheap Trickのナンバーの元になったものもあります。

さらにそれ以前には、RickとTomはFuseというヘヴィサイケバンドを組んでいました。1968年作の唯一のアルバムはサイケというより、ヴァニラファッジのようなアートロックや、第一期ディープパープルをもっとヘヴィにしたようなオルガンハードロックで、ギターなんかほとんどブリティッシュ・ハードロックしています。


Fuse
Fuse (試聴はこちら。)
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2005年11月18日(金)

昔はサイケで出てました その7

テーマ:サイケデリック
The Legends
Dan Hartmanが在籍していました。DanはEdgar Winter Groupで70sロッククラシックの"Free Ride"などを書き、のちにソロになってからは映画「ストリート・オブ・ファイア」の挿入歌として大ヒットした"I Can Dream About You"(「あなたを夢みて」)をはじめ、ディスコミュージックの世界で名を馳せました。

Legendsは60年代半ばから70年代前半まで活動。その間、数枚のシングルを発売したもののアルバムは1枚も出していませんでしたが、2001年にArf! Arf!からCD2枚組のコンピレーション"High Towers"がリリースされ、その全貌が明らかになりました。

2枚目のCDには1965~66年のセッション音源が収録されていますが、こちらはBeatles, Animals, Yardbirds, Kinksといった英国ビートバンドから、Byrds, Lovin' SpoonfulはたまたMonkeesまで、ほとんどがカバー曲で占められていて、特に面白いものではありません。

しかし、1枚目のCDに収められている1969年から1973年までの音源はちょっとスゴいです。基本的にはクリームとか特にジミヘン&エクスペリエンスからの影響大のヘヴィサイケ/ハードロックなんですが、テクニックのみではなく各楽器の間(ま)というか色気みたいなのがあって、ほとんどダンのペンによる色っぽい曲やボーカルハーモニーなんかにも、荒削りながらも豊かな可能性を感じ取ることができます。数あるジミヘン・フォロワーなバンドの中でもトップレベルでしょう。

彼らのデモを聴いたエドガー・ウィンターが惚れ込んでダンを自分のバンドに引き入れたことで、Legendsは自然消滅して、皮肉にも名前どおり「伝説」のバンドとなってしまいましたが、もしもそのまま活動を続けて、ちゃんとプロデュースされたアルバムを出していれば、70sのメジャーバンド/アルバムとして記憶されていたことでしょう。ひょっとしたら"Free Ride"はLegendsの曲だったかもしれません。


Legends
High Towers
2005年11月14日(月)

昔はサイケで出てました その6

テーマ:サイケデリック
Bob Seger System
ボブ・シーガーというと、ライブにトラックドライバーの兄ちゃん達が集まるような、男くさくてストレートなデトロイトロックというイメージですが、60年代にはガレージサイケやアシッドロックっぽい曲をやっていて、Fuzz, Acid and Flowersにもしっかりエントリーされています。

彼が全米でブレイクしたのは70年代半ば以降ですが、下積み時代はかなり長くて、60年代前半から活動していました。最初のシングルは1966年にBeach Bumsの名で出した"Ballad of the Yellow Beret"。これはバリー・サドラー軍曹の全米No1ヒット曲、"Ballad of the Green Beret"のパロディで、サドラー軍曹に「訴えてやる!」と脅されて、あえなく撤収されました。しかし、ボブのボーカルはこの頃からすでにむちゃくちゃシブうまです。

その後同年にBob Seger and the Last Heardというグループでシングル"East Side Story"を発表。これが5万枚以上のローカルヒットとなり、大手のCameoレーベルと契約して全米リリースという運びになりますが、まもなくCameoが倒産。要するにツキのない駆け出し時代でした。("East Side Story"はボブの初期シングルを集めたCDや各種コンピで聴けますが、ファズアウトしたギターのリフとチープなオルガンが印象的な、Van Morrisonの"Gloria"をパンキッシュにしたようなガレージクラシック。)

そして1968年に結成したのが、Bob Seger Systemです。その第一作の"Ramblin' Gamblin' Man"は、CCRをサイケにしたような素晴らしいアシッド・ルーツロックで、その後のBob Segerのイメージからすると、驚くほどにサイケ度・アシッド感の高いものです。ボブのボーカルスタイルがジョン・フォガティと通じる部分があるので、余計にCCRを連想させるのかもしれませが、そのようなアーシーで骨太なルーツロックだけに収まらず、内部に深く沈み込むようなアシッドフォークナンバーの"Gone"や、Arthur LeeのLoveを思わせる"Train Man"、ギターオリエンテッドなジミヘン&エクスペリエンス風ヘヴィサイケの"White Wall"や"Blackeyed Girl"と、コアなサイケファンが聴いても違和感なく楽しめるような充実した内容になっています。オススメ!

Bob Seger Systemのアルバムとしては、このほかに69年の"Noah"、70年の"Mongrel"が出ていますが、前者は失敗作でボブがリイシュー許可しない(一時音楽活動をやめて大学に行ってたりしたらしい)とかで未聴、後者は逆にふっきれたようなパワー全開の素晴らしい作品ですが、残念ながらサイケな要素はほとんどなくなってしまっています。

ちなみに、ヘヴィサイケファンにはお馴染みのThe Third Powerでギターを弾いていたDrew Abbottが、のちにBob SegerのSilver Bullet Bandに参加しています。


The Bob Seger System
Ramblin' Gamblin' Man
2005年11月12日(土)

昔はサイケで出てました その5

テーマ:サイケデリック
今回もセッションミュージシャン関連をいくつか・・・。

Leather-Coated Minds
1967年の"A Trip Down the Sunset Strip"はJ.J. Caleのプロデュースによるセッションアルバム(彼が手がけた最初のアルバム作品)です。J.J.は4曲のインスト曲を提供するとともにギターも弾いています。参加アーティストは、Roger & Terrye Tillison夫妻(ギター&ボーカル)、Leon Russell(キーボード)、Jesse Ed Davis(ギター)といった、オクラホマ出身LA出稼ぎ組です。

と書くとスワンプ系のルーツロックかと思いきや、これがまったく違って、"Eight Miles High", "Mr Tambourine Man"(The Byrds), "Sunshine Superman"(Donovan), "Along Comes Mary"(Association)といった、当時のサイケ系ヒット曲をアレンジしたイージーリスニング的カバー曲集です。おそらく、ラジオやテレビのBGMやダンスパーティやクラブ(ディスコ)での使用を目的とした「企画もの」だったのではないかと思われます。

そういうとつまらない音のように思われるかもしれませんが、意外や意外、これがけっこう面白い。60年代のチープな映画の「なんちゃってサイケ」なサントラが魅力的だったり、ソフトロックやラウンジミュージックにあるような、工場生産的でプラスティックな感触が新鮮だったり・・・。私はその手のものを「おしゃれ感覚」で聴く境地にまではいってませんが、本作は純粋にサイケ的にも楽しめます。

ジャケにも写っていて主役級であるTillison夫妻ですが、彼らはLAに出てGypsy Tripsというデュオとして、1965年にシングルを1枚だけ出します。このシングルのA面の"Rock'n'Roll Gypsies"はHearts and Flowersの1stなどでカバーされ、B面の"Ain't It Hard"はElectric Prunesのデビューシングルとしてカバーされて、のちにガレージクラシックスとなります。

また、ロジャーは1971年にJesse Ed Davisのプロデュース&バックアップにより、"Roger Tillison's Album"を発表します。これはスワンプロックの名盤として、日本のワーナーの名盤探検隊シリーズでCD化されています。


Leather Coated Minds
A Trip Down Sunset Strip


Clear Light
Danny Kortchmar (Danny Kootch)と、のちにCSN&YなどのバックをつとめるDallas Taylor(ドラム)が在籍していました。(ただし、1967年の唯一のアルバムにはDannyはクレジットされていないようです。) また、キーボードのRalph Schuckettは西海岸のセッションマンやTodd Rundgren's Utopiaのメンバーとして活躍。リードボーカルのCliff De Youngはのちに俳優に転向して、「ハリーとトント」「F/X 引き裂かれたトリック」「ナビゲイター」など、多数の映画に出演しています。

このバンド/アルバムは普通にサイケクラシックとして有名ですね。私も愛聴しています。チープ系オルガンとファズギターが売りの、(LAのバンドらしい)わりとわかりやすいB級サイケっぽい音で、ドアーズあたりからの影響もみられます。あと、グレイトフルデッドみたいにツインドラムなのが特色でしょうか。CDの音質も良好です。オススメ!


Clear Light
Clear Light
2005年11月09日(水)

昔はサイケで出てました その4

テーマ:サイケデリック
今回は西海岸の有名セッションマン編です。

Ceyleib People
Ry Cooder, Larry Knechtel, Joe Osborne, Jim Gordonという、今からすると錚々たるメンバーが参加していたグループ。しかし、アルバムは1968年の"Tanyet"一作のみで、バンドというよりセッショングループというニュアンスかもしれません。

内容はシタールが主役の分裂気味なコラージュ的東洋サイケ作で、二部に分かれた長尺インスト曲から成っています。フルートやメロトロンなどが使われていて、プログレの先取りのような部分もあります。表面的にはかなりサイケデリックでトリッピーな印象ですが、ギター+ドラムがロックするような部分はサイケというより西海岸ロック的な感覚で、それは彼らの技量が確かで切れ味が良すぎるからかな?と思ったりもします。

ライ・クーダーにしてみれば、サイケというより、のちに追い求めるワールドミュージックの一環だったのかもしれませんが、60s好きの私が(東洋サイケ的にも)むしろ1992年のV.M. Bhattとのコラボの方にハマってしまうのはなぜでしょうか・・・。

ちなみに、ジャケットのデザインはサイケデリックポスターやGrateful Deadの"Aoxomoxoa"のジャケなどでお馴染みのリック・グリフィンです。なお、AmazonやAMGをはじめ、グループ名の表記がまちまちですが、正しくはCeyleib Peopleでしょう。


The Ceylib People
Tanyet


Kaleidoscope
60sサイケ関係だけでも他に英国、南米にも同名バンドがありますが、こちらはアメリカのグループ。David Lindleyがリーダー的存在でした。66年に結成した当時はThe Baghdad Blues Bandと名乗っていたり、トルコ出身のメンバーがいたりで、最初からかなり東洋志向だった模様です。

デビュー作の名盤"Side Trips"(1967)には、Devil's Anvilも真っ青のコテコテの中近東ロックが収められていますが、それだけではなくて、スワンプルーツ系のアシッドフォーク曲や、ジャグバンド風のラグタイム、キャッチーなバーズ風フォークロックに、果てはラストの「ミニー・ザ・ムーチャー」まで、バンド名どおりの万華鏡のような多彩さです。("Why Try"のようにそれらの要素が一曲の中に凝縮した素晴らしいものもあり。)

この1stが、サイケ的なユルさとルーツロック的な根太さのバランスが気持ち良かったので、1970年までの全4作とシングル等を収録した3枚組ボックス("Pulsating Dream", 2004)を買ってしまいました。2作目以降は10分前後のアシッドナンバーが増えたり、カントリー色が強くなったり、評価の低い4作目もMoby Grapeがヒネクレたみたいな感じで面白いと思います。音もいいし、ルーツ系サイケ好きとしてはお気に入りのセットになっています。ちなみに、ジミー・ペイジの"My favorite band of all time"だそうです。


Kaleidoscope
Pulsating Dream


Colours
Carl Radle(ベース)とChuck Blackwell(ドラム)が在籍していました。1968年のデビュー作は明快に「サージェントペパーズ」フォロワーな作品で、ビートルズ~英国ポップサイケ色の強いものになっています。(バンド名もColorsを英国綴りにしている。) 同じアメリカのバンドでいうとMatthew MooreのThe Moonとかに近い感じ。(The Moonの"Without Earth"に収められている名曲"Brother Lou's Love Colony"は、実はColoursのオリジナル。)

楽曲は全体にポップでチャーミングですが、要所で使われるシタールやバグパイプがサイケなアクセントになっています。楽器やオーケストラのアレンジからボーカルハーモニーまで丁寧にしっかり作られている印象で、意外にメジャーな感じの音でした。

1969年にもう一枚"Atmosphere"というアルバムを出していますが、そちらは未聴(未CD化?)です。


(うーん、AmazonでCDが見つからない・・・。)


Hal Blaine
ソフトロックファンに限らず、およそ洋楽ファンなら知らないうちにそのドラミングを聴いているという、名実共にナンバーワン・セッションドラマーのハル・ブレインですが、彼が60年代にサイケなソロアルバムを出していたというのは、それほど知られていないのではないでしょうか?

そのインストアルバムのタイトルは、"Psychedelic Percussion"(1967)。わかりやすくていいです。しかも、曲のタイトルが、"Love-In", "Freaky", "Flower Society", "Trippin' Out", "Tune In-Turn On", "Inner Space"・・・。

なんて言ったらいいのか、マジメにいっしょうけんめいサイケやってる姿がほほえましいというか・・・。言っちゃ悪いんですが、けっこう笑える一枚です。モンド音楽的というのか、そのへんの微妙にズレた感覚も、これまたある意味でサイケデリックなのが面白い。


Hal Blaine
Psychedelic Percussion

2005年11月06日(日)

昔はサイケで出てました その3

テーマ:サイケデリック
The Rockets
Barry Goldbergのプロデュースによる1968年の唯一のアルバムのクレジットは、

Danny Whitten (Vcls, Gtr)
Billy Talbot (Bass)
Ralph Molina (Drms)
Bobby Notkoff (Electric Violin)
Leon Whitsell (Vcls, Gtr)
George Whitsell (Vcls, Gtr)

そうです、Crazy Horseの前身です。6人組という大所帯でした。この翌年にNeil Young with Crazy Horseの名作、"Everybody Knows This Is Nowhere"(1969)が制作されますが、そこにはWhitsell兄弟を除く4人が参加しています。(Notkoffのフィドルが印象的な"Running Dry" のサブタイトルが"Requiem for the Rockets"となっているのは、そういう経緯によります。)

Rocketsの特徴は、まず全編にフィーチャーされたNotkoffのフリーキーなフィドルでしょう。そのためカントリーロックのようなイメージを受けますが、曲自体はわりと平明なポップチューンが主体です。しかし、数曲ですが、かなりサイケな曲も入っていて、それもフリークアウトしたフィドルによるところ大という印象です。

やはり全体的に若い感じは否めませんが、ニールのバッキングでお馴染みの「ウーララ、ウーララ」というコーラスや、Talbot & Molinaの、あの独特の跳ねるようなリズムが早くも聞けるのが興味深いところです。


The Rockets
Rockets


Golliwogs
こちらもメンバーを見れば一目瞭然です。

Tom Fogerty (Vcls, Gtr, Harmnca)
John Fogerty (Vcls, Gtr)
Stu Cook (Bass)
Doug Clifford (Drms)

まんま、Creedence Clearwater Revivalですね。名前が変わっただけです。Golliwogsの前には、同じメンバーでTommy and the Blue Velvetsと名乗っていました。

サイケ/ガレージファンには、なんといってもNuggets Boxなどに収められている"Fight Fire"が有名でしょう。私もCCR BoxでGolliwogsの全体像を知るまではこの曲しか知らなかったのですが、"Porterville"など最初期のCCRと重なっているものがあるものの、ガレージサイケ的な見地からすると、はっきり言って"Fight Fire"に及ぶ曲はほかにはありません。

私は、CCRの数多のヒット曲や傑作アルバムを聴いて、その南部志向(彼ら自身は西海岸~シスコの出身)のスワンプ&カントリーミュージックに根ざした、ゆるぎなく強力なルーツロックは、生まれ持った天才的な才能と感性によるものだろうと思っていました。

ところが、CCRの6枚組ボックスの一枚目に収められているBlue VelvetsとGolliwogsの音源(全シングル+未発表曲)を聴くと、長い下積みとスタイルの模索の時期を経ていたのだということがわかって面白いです。50年代後半のロッカバラードから英国ビートバンド、ビートルズやビーチボーイズにガレージパンクと、ほとんどがオリジナリティの希薄な、60sヒットチャートに迎合したような焼き直し的楽曲であることに驚かされます。やはり「継続は力」ということなんでしょうか?

なお、Golliwogsとしては存命中にアルバムは出ていませんが、1975年に7枚のシングルの14曲からなる"The Golliwogs: Pre Creedence"というLPがFantasyから発売されています。(ブートを含めCD化されているかどうかは不明。)


クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル, ブルー・ヴェルヴェッツ, ゴリウォグス
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル (試聴はこちら。)
2005年11月03日(木)

昔はサイケで出てました その2

テーマ:サイケデリック
前回のZZ Topに続いて、今回はMountain関連です。

Vagrants
Leslie Westと弟のLarry West(ベース)が在籍していたオルガン入りのガレージバンド。存命時にアルバムは出していないものの、チープオルガンのリフとレズリーの吐き出すようなボーカルが印象的な"Respect"(オーティス・レディングのカバー)が、オリジナル・ナゲッツに収録されてたりで、わりと名前は知られていたのではないかと思います。

1987年になってメジャーレーベルのAristaから"The Great Lost Album"というタイトルが出ましたが、これはちょっと看板に偽りありで、実際は1966年から68年に発売されたシングル曲の8割に未発表曲を加えたコンピレーションです。その後1996年に"I Can't Make a Friend"というタイトルで、Arista盤に未収録だったシングル曲や13分におよぶアシッド版"Satisfaction"を収録したブートレッグ(?)が出ています。ただ、後者はArista盤のすべての曲を収録しているわけではないみたいで、決定版とは言えないようです。ちなみに、私が持っているのは、両方のタイトルを合体させた「コンプリート版」の怪しげなCD(ヨーロッパ産?)です。

これを聴くと、まるで「いかにして我々はガレージパンクからヘヴィロックへ進化したか」の検証みたいで面白いです。フォーク系レーベルのVanguard時代のシングルは、レズリーのギターもペラペラの音で、初期キンクス風のガレージパンクやらRascalsみたいなR&B風60sポップ曲が主流だったのが、フェリクス・パパラルディのプロデュースによるAtco時代のシングルは、レズリーのネバネバと粘っこいファズギターが大活躍して、アシッド感とサイケ度がぐっと増しています。そして、13分の"Satisfaction"では、まさにサイケデリックとハードロックの過渡期といえるような(当時で言うアートロックみたいな)ヴァニラファッジ風のヘヴィロックが展開されています。


残念ながら、どちらも現在廃盤のようです。


Devil's Anvil
のちのMountainのFelix PappalardiとSteve Knightが在籍していたのですが、前身バンドという意味では、ロック史上最強級の「ギャップ度」でしょう。ハードロックファンがプレ・マウンテンのつもりで聴いたら、ひっくり返るのではないかと思います。

アルバムは1967年の"Hard Rock From the Middle East"一枚のみ。もう、このアルバムタイトルのセンスがすべてを語っています。素晴らしいです。もちろん、Hard Rockとはいっても、1967年当時の意味合いです。フライング・ブリトー・ブラザーズがカントリーロックであるとか、サンタナがラテンロックであるとか、シカゴがブラスロックであるとかいう意味で、これほど明快な「中近東ロック」というのもあまりないのではないかと思います。

メンバーにKareem IssayとかEliezer Adoramとかアラビア風の名前の人がいて、ウードやアコーディオンを担当しているのも本格的で、曲もほとんどが本場(アラビア、ギリシャ)のトラッドやポップスナンバーだそうです。パパラルディの歌う英語の曲("Misirlou")が1曲で、他はアラビア語が7曲、ギリシャ語が2曲でトルコ語が1曲とのことですが、英語以外は私には区別がつきません。

ラーガロックというと、西洋人による「似非」東洋風ロックという意味合いもあって、そのへんのインチキ臭さや、いかがわしさもサイケ好きにとっては魅力なのですが、このバンドは本格的とはいえ、そういういかがわしさも最高峰で、ウードやブズーキにファズギターがからんだりする中近東サイケは一度ハマると癖になること請け合いです。1967年というとパパラルディはクリームのプロデュースもしていた頃だと思いますが、こんな仕事もしてたのかと驚かれることでしょう。

なお、CDはFreak Sceneの"Psychedelic Psoul"とのカップリングで出ています。どういうわけでこの2枚がカップリングされたのかはよくわかりませんが、
"Psychedelic Psoul"はレココレのサイケ特集号のアルバムガイドで一番最初に紹介されていた"Psychedelic Moods of the Deep"の続編的なプロジェクトで、サイケファン必聴級の名盤なので、この2on1はお得だと思います。オススメ!


The Freak Scene & Devil's Anvil
The Freak Scene/The Devil's Anvil


余談ですが、レズリー・ウェストは「最もダイエットに成功したロックアーティスト」ではないでしょうか? 右の写真は最も太ってたとき(1980年頃?)の3分の1くらいに見えますが・・・。

2005年11月01日(火)

昔はサイケで出てました その1

テーマ:サイケデリック
今回は、70年代以降にメジャーになった人で、60年代にはサイケなレコードを出していたアーティストの特集です。とはいっても、60年代後半にロックをやっていて、(ボブ・ディランのように)当時のサイケデリックムーブメントの洗礼をまったく受けなかった者のほうがむしろ例外的ではないかと思います。

特に英国のプログレ関係などは、ピンク・フロイドを筆頭として、大半が60年代にはサイケデリックをやっていたということもあります。ということで、ヴァニラ・ファッジ、ディープ・パープル、ピンク・フロイドといったビッグネームは置いといて、サイケファンには有名でも一般にはマイナーな存在のバンド/アルバムを主に取り上げていきたいと思います。


Moving Sidewalks
ZZ TopのBilly Gibbonsが在籍していたバンド。サイケファンにはPebblesなどのサイケ/ガレージコンピでは定番の、かっこいいオルガンパンク曲"99th Floor"でお馴染みかもしれません。このシングルは1968年の唯一のアルバム"Flash"には未収録だったのですが、CDにはボーナストラックとして収められています。

内容は、一曲目から"Third Stone from the Sun"みたいなフレーズや"Are You Experienced ?"という歌詞が出てきたりで、モロにジミヘン(&エクスペリエンス)フォロワーなアルバムです。ZZトップ時代のギボンズのギターって、特にジミヘンを連想しなかったのですが、ここではS・レイボーンかロビン・トロワーかというくらいジミヘンそのまんまのフレーズやエフェクトを連発しています。ルーズな感じのボーカルスタイルもジミヘン譲りだったのだなと納得してしまいます。


The Moving Sidewalks
Flash


American Blues
こちらはZZ Topのリズム隊、ベースのDusty HillとドラムのFrank Beardが在籍していました。(ギターはDustyの兄で、のちにソロで活動するRocky Hill。)

Moving Sidewalksにも言えますが、ZZ Topの前身とかバンド名とかから想像する以上に「プロパーな」サイケ寄りの音で、デビュー作の"American Blues is Here"(1968)は、まったりとしたアシッド感あふれるサイケアルバムになっています。クリームを意識したというだけあって、ヘヴィで手数の多いリズム隊が活躍しますが、ギターの音がディストーションしてなくてペラペラなのが個性的かもしれません。

なお、セカンドの"American Blues Do Their Thing"(1969)も(1stとの2on1で)CD化されているようですが、そちらは未聴です。


American Blues
American Blues Is Here

という次第で、テキサスのふたつのヘヴィサイケバンドが合体してZZ Topが誕生したのでした。

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