संस्कृतसागर サンスクリット・サーガラ(サンスクリット語の海)埼玉在住サンスクリット語講師

世界で一番難解と言われる古代インドのサンスクリット語。ヨーガ、アーユル・ヴェーダ、インド思想、インド占星術etc.インド文化に関心を持つ人へ、サンスクリット語の視点を中心に様々な言葉の由来や正書法、雑学について


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前々回の投稿で触れた暁の女神ウシャスの賛歌、
山尾三省さんの本ではこの部分が引用されていました。

「ここにかの繰り返したち返る光明は、暗黒より離れ、東方に現われたり、万物を分明に区別しつつ。今や輝かしき天の娘ウシャスらは人間に道を開かんことを。」
「まばゆきウシャスらは、東方に現われたり、祭儀において立てられたる柱のごとくに。ウシャスらは輝きつつ暗黒の囲みの扉を開けり、清く輝き、清めつつ。」
「その進路は光まばゆく、高大なる天則に従いて天則を持し、その息吹は赤味さし、輝きわたり、太陽を運び来たる女神ウシャスに向かいて、霊感ある者たち(詩人)は詩想をもちて目を覚ます。」

夜明け前の暁光で世界が目を覚ます時間帯の神々しさ!
ぜひこのウシャスの賛歌は、自然のなかで味わってほしいですね。

そして山尾三省さん、後書きでこのように仰っています。

「しかしながら、まことに残念なことに、日本中のすべての書店や図書館を探したとしても、「リグ・ヴェーダ讃歌」の全訳本を見つけ出すことはできない。かろうじて私がこの本のテキストとした、辻直四郎訳の岩波文庫版が、抄訳としてそのさわりの部分を伝えてくれるだけである。
(略)
私としては、辻直四郎先生という稀有な宝の森の伝達者に心から感謝するとともに、一日も早く、一年も早く、若いサンスクリット哲学者か文学者が、現代文において新たな『リグ・ヴェーダ讃歌」の全訳に取り組み、それを支えて積極的に出版する出版社が現われることを望まずにはおられない。」

全く同感ですが、山尾さんの本が出版された2001年から16年たった現在でも、まだリグ・ヴェーダの日本語全訳はなし。

人材がいないわけではないのです。
現在、日本人のヴェーダ研究の第一人者、後藤敏文先生がドイツ語での翻訳には携わっていらっしゃるものの、日本語訳はありません。

(ヴェーダ語はサンスクリット語よりもっと難しくて私もそうそう触れられません)

先日紹介した「デーヴィー・マーハートミャ」「ギータ・ゴーヴィンダ」の和訳『ヒンドゥー教の聖典二篇』もトヨタ財団の助成金で出版されたものだし、先立つものが必要なのはいずこも同じ…。

私がもし宝くじ当たったら、日本でインドの聖典翻訳事業のスポンサーになってみたいものです。

Rig-Veda. Das heilige Wissen. Erster bis zweiter Liederkreis. Aus dem vedischen Sanskrit übersetzt und herausgegeben von Michael Witzel und Toshifumi Gotō unter Mitarbeit von Eijirō Dōyama und Mislav Ježić (『リグヴェーダ』第1・2巻のドイツ語訳と注解). Frankfurt a. M. 2007, 889pp.

Rig-Veda. Das heilige Wissen. Dritter bis fünfter Liederkreis. Aus dem vedischen Sanskrit übersetzt und herausgegeben von Michael Witzel, Toshifumi Gotō und Salvatore Scarlata (同,第3-5巻). Berlin 2013, 708pp.
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サンスクリット語とは関係のない話ですみません。
昨日は西川口でサンスクリット語講座があり、
その帰りに、駅ビルの、中国人がやっているお惣菜売り場で油条(ゆじょう、ヨウティャオ、中国風揚げパン)を買いました。
家にちょうど豆乳が買ってあるから。
油条+甘い豆乳の組合せは台湾で食べて以来の大好物。


西川口のことはよく知らなかったのですが、近年、中国人街化しつつあるそうで、住民にとっては治安の問題もあると思いますが、よく来る場所で油条が買えると知ったときは喜びました(買うのは数回目)。

中国文化も好きだし、昔海外で中国人と間違われることが多かったし、直近の前世は中国人だったのかな?(笑)
20歳のときに中国横断放浪の旅(目的地はシルクロード)を約一ヶ月し、あちこちで見ず知らずの中国人に助けてもらったり、一宿一飯以上の恩義を受けたので、(政治や外交はあれな国だし悪人もいるけど)個人個人付き合うと情に厚い人が多いのを感じます。

その後、与野の自然食のお店「たねの木」で友達と落ち合ってランチを食べました。


お店に行く途中、ストゥーパのような堂々たるお寺があったので心引かれて近寄ってみると、本尊は五大明王(不動明王、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王)、そして大黒天(マハーカーラ=シヴァ)を奉る真言宗のお寺「円乗院」でした。


今調べたらけっこう由緒あるお寺だったようで、しかも境内写真撮影禁止という、最近では珍しいストイックな姿勢。
ますます興味が引かれます。

さらに!降三世明王って、先日紹介したデーヴィーマーハートミャに登場するアスラと繋がりがあるみたいです(シヴァ神を調伏したという話に変わっていますが…😓)。

また行く機会があればお参りしたいです。
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先日の図書館では、ついでにいくつかの本も借りました。

詩人・山尾三省による
「リグ・ヴェーダの智慧」(新泉社)
という本は、屋久島で自給自足に近い暮らしを送る著者が日々の出来事や自然環境のなかで見いだしたアニミズムにからめて、
各章ごとにリグ・ヴェーダの賛歌(スークタ)を引用するものです
辻直四郎訳からの引用ですが、古典調の文体を読みやすく変えてありました。

山尾三省さんは友人の知人だったことや、
70年代のヒッピー・ムーブメント、ニューエイジの頃にインド思想の影響を受けた方なので、名前は知っていました。

今のスピリチュアルブームはどちらかというと個人的内面的な癒しの部分で人気になっている気がしますが、70年代のニューエイジブームは食や農や環境問題にダイレクトに働きかける意識が強かったようで、同じ価値観の人たちが集まり実践のためにコミューン(共同体)が各地に作られていました。
山尾さんも屋久島でコミューンを作った方。

エコロジーやロハスやオーガニックといった価値観の広がり、各地で行われているフェスや手作りの祭りや市などの下地は、この時代の人たちが作ったのではないかなと感じています。
(オーガニック系の企業やお店の創設者が元ヒッピーって割とあります)

話が脱線しましたが、
私がリグ・ヴェーダのなかで好きな、夜明けの女神ウシャスの賛歌も、この本の最初に紹介されていました。

20年以上前、大学生だったとき、インドのタール砂漠で数日間のキャメルサファリ(野宿)をしたとき、
星以外なにもない暗闇のなかで、やがて東の空が紫に染まりはじめたその美しさ、
言葉にならないほど感動しました。
ウシャスの賛歌を読むとそのときの光景が鮮明に思い出されます。

時には厳しく、時には豊かな自然現象のなかに、
禍々しさ、神々しさ、神秘的な真理を見いだし
美しい言葉でそれを紡いだリグ・ヴェーダの詩人たち。
毎朝必ず訪れるこの美しい夜明け、闇を切り開く太陽の光輝を、宇宙の法則や真理そのものと感じたヴェーダの詩人たちの心象風景が、数千年の時を隔てた私たちにも伝わってきます。
もしチャンスがあったら、またタール砂漠には行きたいです。

最近はヴェーダーンタ、バガヴァッド・ギーター、プラーナ、タントラ、といった宗派や教義が人気ですが、
インド思想の源泉ともいえるヴェーダ聖典もぜひ読んでもらいたいなと思います。



リグ・ヴェーダ讃歌 (岩波文庫)


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samana-usnaさんのブログで
「デーヴィー・マーハートミャ(देवीमाहात्म्य devīmāhātmya)」
のことが詳しく紹介されていました。


(ちなみにマーハートミャの語源は
マハートマンです。
さらに詳しく分けるうと
マハー・アートマンです。
マハトマ・ガンジーの
マハトマと同じ語源です)

デーヴィー・マーハートミャは、
シャクティ信仰、女神信仰の重要な聖典で、ドゥルガープージャー(ナヴァラートリ)の際に詠唱される神話。

日本語訳は東洋文庫『ヒンドゥー教の聖典二篇』(横地優子、小倉泰訳)にあります。

アスラとの戦いに破れた神々がシヴァとヴィシュヌに討伐を頼みにいくと、その話を聞いて怒った両神はじめ神々の熱光が集まって女神が誕生する描写や、女神とアスラがあらゆる武器を駆使して戦う格闘の描写など、ダイナミックな物語でかなり面白いです。

アスラがドゥルガーに向かって「思い上がるな、あばずれ女」と罵る場面なんて、
えー!女神にそんなこと言う!?と驚きつつ、
続くスプラッターな戦闘シーンでは特殊撮影やCGを使った映画みたいな映像が浮かんできます。
もしかして、インドにはこういう映画もあるのかな?

本篇以外にも、後代に付属された短い秘儀書が六篇あって、効果のありそうなマントラの数々。

この本、私が買うのを後回しにしているうちに絶版になってしまい、
布製の装丁本が好きなのでいまだにオンデマンドのペーパーバック版を買うのを躊躇している、という話も前に書いたと思いますが、
久しぶりに図書館の東洋文庫コーナーに行ってみたら、知らなかった『インドの驚異譚』という本もあって焦りました。
著者はアラビアの船乗りたちなのでアラビア語からの翻訳のようです。

でもとりあえず今日は「デーヴィー・マーハートミャ」を含む本や別の本を借りてきました。


『ヒンドゥー教の聖典二篇』には、ギータ・ゴーヴィンダ(गीतगोविन्द gītagovinda)の和訳も入っています。
前回の投稿でもクリシュナ神と恋人ラーダーのことには軽く触れましたが、ほかの女の子といちゃつくクリシュナ神にラーダーがヤキモチやいたり、官能的な逢瀬を楽しんだり、
神への信愛=バクティを表しているのだと言われても、この年でこの内容を読むのはかなり照れくさいですね😅

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前回の投稿に続けてクリシュナ神のこと。

下は我が家に飾ってあるポスター。
クリシュナ神と恋人のラーダー(もしくは本妻のルクミニー??)です。

角度が違うと、横笛を吹く少年クリシュナの絵姿が見えます。


クリシュナ神はヴィシュヌ神の化身であり、マハーバーラタでは英雄として戦いに参加(実在の人物とも)、親族同士の争いに悩むアルジュナに真理を伝える神話が有名ですが、
一方で、悪魔を倒したスーパーヒーローにしてたくさんの女性と戯れるプレイボーイな神話もあります。
(もともとは別の神格が混同されたという説あり↓)

ヒンドゥー教―ヴィシュヌとシヴァの宗教


クリシュナ神の宗教画は、他の神様と違って、なまめかしい表情が多いですよね。
昔は日本でも歌舞伎役者の浮世絵はブロマイドだったり、宮本武蔵や源義経の絵草紙を見て英雄に少年が憧れたように、
こういう宗教画を見てクリシュナ神に胸をキュンとさせる女子もいるのかな。

一見優男なのに実は強い、というところは、少女漫画で主人公の女の子が恋する相手っぽい。

シヴァ神は見るからに逞しいし衣服もワイルドなので、少年漫画(しかも劇画調)のヒーロータイプですかね。
なんて私の勝手な想像です😅

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