『金太郎飴』方式の講師業務 (続編) | プロ講師として生計を立てる

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講師の仕事を得るためのハードルは高いと言われ、これをいかに突破し、仕事を得て、収入につなげるかを知る機会は少ないと思います。そういった方々に私が歩んできたことをお伝えすることで、参考にできることもあるのではないかと考えて、このブログを始めることにしました。

ゴールデンウィーク初日4月29日(祝)に、私が保険実務についてFP継続研修を担当します。


 


「正社員講師のトークスクリプトをそのまま真似するだけの講師

には絶対ならないぞ!!」と再度心に誓い、講義準備をしっかり

と行いました。ある日、金融機関職員向けに投資信託の新商品

の案内を実施する機会をいただきました。


この業務のポイントは、金融機関職員が「よし!!この商品を

お客様に案内してみよう!!」と思ってもらえるかが勝負です。


金融機関には資産運用商品が数多くあり、その中で職員がこの

商品をお客様に案内してみよう!!」と思ってもらえないと、他

商品との競争に敗れ、数ある運用商品の中で埋もれてしまい

日の目を見ない商品となってしまう運命にあります。


もちろん、コンプライアンスの遵守が非常に重要でありますから

『商品ありき』のご案内ではなく、お客様の意向を確認したうえ

で、商品を選んでもらうことは言うまでもありません。


したがって、運用会社の立場としては、金融機関職員がお客様

の意向を確認した時に「この商品を提案すれば、お客様の意向

に合致するかもしれない!!」と思い出してもらうためにはどの

ように商品の特徴を分かりやすくお伝えすべきかに知恵を絞る

必要があります。


この業務は原則、1人で金融機関の店舗へ訪問し、「勉強会」と

いう形式で資産運用を担当する職員の前で講義を行います。


しかし、今回は正社員の講師が同行することになりました。理由

は、『金太郎飴方式の講義』ができているかを確認するためです。


正直申し上げますと、「いやー、勘弁してくださいよ。」と心の中で

思っておりました。なぜならば、まるで取引先金融機関にて講師

としての資質をテストされている感覚を覚えたからです。


私は、当日の朝に正社員講師と金融機関の店舗を訪問する前に

打ち合わせを行ない、業務の目的を再確認しました。


具体的には、「新商品の魅力を金融機関職員にお伝えすること

でまずは、職員が少しでも興味を持ってもらい、お客様に伝えて

いただくことで、販売実績につながり、純資産残高を伸ばすこと

が目的ですよね。」と再度確認をさせていただきました。


つまり、この言葉の裏には「事前に作成されたトークスクリプト

にこだわりすぎる必要はないですよね!!」ということを再確認

したかったのです。


正社員講師の意向を無視して講義をしてしまっては、次の依頼は

ないので、この確認をするにあたってはとても緊張しました。


理由の1つは、自分よりも目上の方に確認をすることになったため

一歩間違えると、今後業務の依頼をしてもらえないというリスクが

あったためです。


理由の2つめは、「事前に作成されたトークスクリプトの棒読みで

は講師の付加価値は絶対にない!!」と強く感じていたためです。


この打ち合わせにおいて、正社員講師から『了承』をいただけたこと

が私にとって講義中における心のゆとりをもたらしました。


「よしっ!!先生から教わってきたことは間違っていないぞ!いつも

通りに実施すれば問題ない!」とこの時点で今日の講義は成功する

と確信しました。


その後、金融機関の窓口がオープンする前に店舗へ訪問をさせて

いただき資産運用を担当している職員が集まったところで、「勉強会」

という形式で新商品のプレゼンテーションを実施させていただきました。


『金太郎飴方式の講義』は受講者の反応なしに、先にトークスクリプト

を作成するところから始まりますから、もうその時点で相手のことは

お構いなしの講義になっているということですから、「どう考えてもこの

やり方はおかしい!!」と感じつつも慎重に相手(正社員講師)の出方

を見ながら、打ち合わせ時に再確認できたことが功を奏しました。


「絶対に講師としての軸がブレるような仕事をしてはいけない!!」と

強く感じた1日でした。