「闇サイト殺人事件」、ネット規制は行わずとも… | 神戸大学 教養原論「情報の世界」講義(大学院工学研究科 森井昌克 教授)

神戸大学 教養原論「情報の世界」講義(大学院工学研究科 森井昌克 教授)

2006年,2007年度,実際に開講された講義のブログです.今年も講義はありませんが,引き続き「仮想的」に書かせて頂きます.非常勤講師や講演の依頼は、メールにて直接、連絡をお願いします。

「闇サイト殺人事件」の神田司死刑囚の死刑執行 第3次安倍内閣で初
法務省は25日、平成19年に名古屋市内で起きた「闇サイト殺人事件」の神田司死刑囚(44)=名古屋拘置所=の死刑を執行したと発表した。第3次安倍内閣で初めて。上川陽子法相は就任直後の記者会見で「今の法の仕組み、枠組みを前提として行動するのが第一義。澄んだ心でこの制度に厳正に向き合うつもり」と死刑制度を維持する意思を表明していた。 ..........≪続きを読む≫
犯罪の謀議を計る闇サイト自体はこの事件以前からも存在していました。この事件は、無関係な一人の女性を死に至らしめる、そしてその手口、犯行の残忍さゆえに極刑に処されたのです。

この事件以降、「闇サイト」への取り締まりは強化されましたが、無くなったわけではありません。犯罪者たちの間では以前にも増して謀議に使われるようになってしまいました。ネット自体の犯罪対策も重要ですが、ネットを利用した現行犯罪の高度化への対応も必要です。

今、各地で誰でも利用できる公衆無線LANの設置が進められています。誰でもの中には犯罪者も含まれており、無秩序に使われる事への危惧が有ります。犯罪者の温床になることは絶対避けなければなりません。この事件が起こった際にはネットの便利さとは裏腹に危険性が注目されました。今一度、改めて考える時期かも知れません。