脅迫ウイルス! で、どうする? | 神戸大学 教養原論「情報の世界」講義(大学院工学研究科 森井昌克 教授)

神戸大学 教養原論「情報の世界」講義(大学院工学研究科 森井昌克 教授)

2006年,2007年度,実際に開講された講義のブログです.今年も講義はありませんが,引き続き「仮想的」に書かせて頂きます.非常勤講師や講演の依頼は、メールにて直接、連絡をお願いします。

脅迫ウイルス、日本でも=感染でPC動かず、金銭要求—国内60台超確認
インターネット利用者のパソコン(PC)に感染し、ファイルを開けない状態にした後、復旧させる代わりに金銭を要求するウイルス「身代金要求型不正プログラム(ランサムウエア)」の被害が広まっている。4月には日本人を狙ったランサムウエアも確認され、1週間で国内PC60台超から検出された。金銭を払っても解除される可能性は低く、専門家が注意を呼び掛けている。 ..........≪続きを読む≫
記事中、二つのことが明らかになっています。一つはGoogleやYoutube等での広告でもウイルスに感染するという事。以前は怪しげなサイトを閲覧して、その記事や広告等をクリック(タップ)し、感染に至ることが指摘されていました。手口が巧妙になった現在、完璧に安心できるサイトは存在しないのです。

そしてランサムウェア型ウイルス。一部、暗号化されたファイルを復号できるという報告もありますが、大概の場合、復元できません。身代金を支払っても復元できないのです。逆に支払いに応じれば、たかりと同様、何度も脅迫されたり、いわゆる、「かも」リストに登録されたりします。

ウイルス対策は最重要ですが、やはり万が一の感染した場合の対応を含めて、最悪の事態を防ぎ、最小の被害に押さえ込む、つまり危機管理対策が重要です。たとえば、記事中のバックアップ対策や、ネット銀行ならば決済用と貯蓄用の口座を分ける等です。