書けるうちに書いてしまいます!
今週(4/11本放送)の大河ドラマ「おんな城主 直虎」は第14回「徳政令の行方」。
井伊家領内の瀬戸村などの村民が逃散(逃亡)して今川家に徳政令を直訴。今川が井伊に徳政令を発布させる様に圧力を掛けます。
領民に入れ知恵をしたのは「お家乗っ取り」を狙う筆頭家老・小野政次とそれに協力する蜂前神社の禰宜。更には、中野直之などの他の重臣も小野に唆されて直虎に素直には従わない・・・という有り様です。
小野政次の企みは、「今川仮名目録」の条項を逆手に取った(詳しく述べると、寺社領への不入の権の行使という)南渓和尚・瀬戸方久との策で回避。逃散した領民も、最終的には直虎の説得に応じます。
奥山六左衛門ら有力家臣も改めて直虎に忠誠を誓い、めでたしめでたしと言いたいところですが、不満を未だに露にする人物たちが。
それは、領地替えとなった先代直親の夫人・「しの」と・・・
(1)おんな城主を舐めて掛かる家臣・領民たち。特に目立つのは・・・
重臣・中野直之。慇懃無礼な小野政次とは様相が異なり、こちらは当主・直虎に対して碌に敬語も使いません。
この様な不遜が成り立つのは、中野が「ただの重臣」ではないからと考えられます。
(2)では、中野家とは?
中野家の先代・中野直由が「当主代行」に就任していた事を想起して頂きたい。これは、中野家が井伊の血を引く「御一門」だから可能だった事。井伊直平翁の祖父・井伊忠直を共通の祖先に持ちます。
具体的には、中野家初代(直由の祖父)・中野直房は直平翁の叔父でした。
これに基づいて、今回は次の事を考えてみましょう。
(3)もしも井伊直親の嫡子・虎松が存在しなかったら・・・
井伊家当主は誰になっていたでしょうか?
直虎ではありません。彼女はあくまでも虎松の後見人ですので、虎松有っての「中継ぎ当主」就任でした。
こういった場合、男系を遡る事になります:
先々代・直盛の男系子孫→不在(娘として直虎)
直盛の父・直宗→故・直盛以外の男系子孫は不在
直宗の父・直平→直満の孫・虎松(のちの直政)のみ生存。
直平の父・直氏→どうやら、直平以外の男子の記録なし。
直氏の父・忠直→直氏の系統以外に直房の子孫・中野家が存在。
・・・という様になり、中野家当主の中野直之こそが直平系滅亡の際の当主最有力候補です。
「直虎さえいなけでば自分が当主代行、虎松が居なければ自分が井伊家当主なのに・・・」という腹が中野直之には間違いなく有った事でしょう。直虎への不遜な態度自体はドラマ上の設定とは言え、確かに井伊家乗っ取りを考えそうな人物がここにも。
最早、女当主を舐めているというレベルの話ではございません!
(4)筆頭家老・小野政次と・・・
御一門代表・中野直之の直虎との確執。
現代の企業ドラマに通じる構図でもあり、歴史ドラマファンでなくとも(いえ、歴史ドラマファンでない方が)楽しめそうですね!