Prof_Hiroyukiの語学・歴史談義

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為義が次男・義賢へ太刀!この「設定」で義朝との亀裂を誇張する訳(大河ドラマ考No.73 清盛⑰) に続く「大河ドラマ考」です。


今週の「平清盛」は、第18回「誕生、後白河帝」

誰からも頼みにされない事を嘆く雅仁親王でしたが、異母弟の近衛天皇が亡くなって状況が一変。

父(鳥羽法皇派)と兄(崇徳上皇派)との対立の狭間で即位して「記紀第77代」後白河帝となってしまいます。


この人事は崇徳上皇・重仁親王親子の台頭(要するに崇徳院政)を阻止するためのもの。

結局、治天の君(実権者)は帝の父である鳥羽法皇のままなのですが、注目するべき点は即位順序の異常さに在ります。


(1)異常なのは、「立太子が無かった事」と「兄が弟よりも後に即位した事」の2点。

まず、立太子無き即位は光孝天皇(記紀第58代)以来271年ぶり

平安時代当時は、立太子→即位というルールが守られていた時代でした。

(よろしければ、本ブログ内の

皇太子の即位率(日本編第2回:平安時代前半)

皇太子の即位率(日本編第3回:平安時代後半~鎌倉時代両統迭立開始)

も御参考に。)

件の光孝天皇は55歳という高齢で即位。

若年の陽成帝が藤原氏によって退けられるという「異常事態」が生み出したものでした。


ただ、後白河帝の立太子が無かった理由として、「皇太子」や「皇太弟」は有っても「皇太兄」はあり得ないから・・・というのは正しくはなさそうです。


(2)弟王が兄王よりも先に即位した「先例」を見てみると・・・

弟が兄に先んじて即位した例としましては、「正式には」記紀第23代・顕宗天皇(弟)と第24代・仁賢天皇(兄)の1例が有ります。(但し、天武天皇(第40代)が天智天皇(第38代)の異父兄だったという説などは有ります。)

そして、記録には億計王(後の仁賢)は弟・顕宗天皇の「皇太子」だったとも。


やはり、皇兄の場合も立太子は可能だった模様です。


(3)しかし、大昔の実在性の乏しい人物たちでは?

確かに、仁賢・顕宗の御兄弟は古墳時代の人物。実在性に乏しい事は確かです。

しかしながら、こういった例も知られているのです:

大河ドラマ「北条時宗(2001年放送)」を御覧だった方は、北条時頼・長時・政村政権時の征夷大将軍・宗尊親王を御存じの事でしょう。吹越満さんの怪演が印象的でした。


この宗尊親王は母の身分が高くないために即位できず、鎌倉に将軍として迎えられる5年前の1247(宝治元)年に後深草天皇の猶子(擬制的な養子)に。

天皇は宗尊親王よりも1つ年下の弟。
つまりは、皇室内でも「実の兄」が弟の養子となったという例が存在するという訳です。


(4)それにしても、「兄だけれども養子」という事態は、可なり異様な事態では?

この事態は、鎌倉幕府の親王将軍という「史上初の処置」で解消される事にはなりました。

御兄弟の父である御嵯峨院は宗尊親王を寵愛していたという話もあります。

母の身分は低いけれども、この子に皇位を継がせたい・・・という気持ちがぎりぎりまで有ったのかもしれませんね。


(5)以上の事から、雅仁親王の立太子は可能だったはずだが・・・。

立太子しなかったのは、皇嗣決定が「本当の直前に」決まったという事の証左です。

ドラマでも描写されていた様に、崇徳上皇寄りの藤原頼長が妻の服喪のために出仕出来なかった隙を衝いてという訳です。


権力者・信西の発言とは言われていますが、ここまで「強引」な皇嗣決定は鳥羽法皇の「凄まじい執念」の成せる業とも言えましょう。

ドラマ内の清盛が言っていた「(鳥羽)法皇と(崇徳)上皇とを仲直りさせる」という台詞はまさしく綺麗ごと。

ますます政局は混乱してゆく事になるのです。

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