Prof_Hiroyukiの語学・歴史談義

・歴史旅行記や言葉(日本語・フランス語・ドイツ語など)へのこだわりを書き綴ろうと考えています!    
                      
<本記事を引用された場合、その旨を御連絡頂けると有り難いです。>


テーマ:
「平」清盛と「平」時子とは同じく桓武天皇の平氏だが(大河ドラマ考No.68 清盛⑫) に続く「大河ドラマ考」です。


今週の「平清盛」は、第13回「祇園闘乱事件

「問題児の兄(清盛)」と「優等生の弟(家盛)」という定番の根拠(大河ドラマ考No.57 清盛③)

でも示しましたが、清盛の評判が落ちて弟の家盛が支持されるきっかけとなった事件です。

ただ、問題のシーンは祇園乱闘事件そのものではありません。

その後の「強訴」で、清盛が神輿の鏡を射てしまうところなのです。


どうやら出典は、吉川英治氏の歴史小説である「新・平家物語」。

もちろん史実では無いのですが、大河ドラマが「ドラマ」である以上「創作」は付きものとも言えます。

しかし、それでもこのシーンは適切などとは到底言えない様に思われるのです。


(1)そもそも、強訴(ごうそ)とは?

延暦寺勢力を例に挙げましょう。

彼らは「神威」をかざして洛中や内裏に押し掛け、自らの「訴え」を「強制的に」呑んで貰おうとしました。

逆らうと「神罰が下る」という訳です。

そして延暦寺の場合、その神威の象徴が「神輿(しんよ)」。

お神輿(みこし)のルーツといえば分かりやすいかもしれません。


(2)それでは、強訴の勢力に攻撃を加えればどの様な神罰が?

ドラマ内では「藤原師通(忠実・頼長の祖父)」の死を例として紹介。

強訴の際に神人等に血を流させたので、神罰によって悪瘡で死んだというのですが、これは事件から4年後の事。


神人を傷付けただけで死んでしまう訳ですから、神輿を攻撃すれば「もっと恐ろしい事」になるぞ・・・

これが延暦寺側が神輿を担ぎ出す「根拠」なのですが、それを支持するために4年も経過した死で因果関係を喧伝しなけばならない程「必死」だったという訳です。


(3)ということは、「神威の象徴を冒した人物」は?

もしも実在すれば、藤原師通に対するよりも恐ろしい神罰が下されなければなりません。

このドラマでは清盛が該当するのですが、師通以上の神罰が下ってはドラマにもなりません


すなわち、神輿を冒した人物はその時点で実在しなかった(下線部訂正)か、「実在しなかった事になっているか」のどちらか。

何しろ、神輿を冒して神罰を受けないという事が「知られた」時点で、強訴など何の恐ろしさも持たなくなってしまうのですから。


(4)とにもかくにも・・・

ドラマでは、清盛に「敢えて」神罰を受ける様な行いをさせ、それが「人の知られる所」になっています。

それにも拘わらず神罰は受けない・・・

「その場限り」では何となく「格好の良い」イメージを植え付ける事が可能でしょう。

しかしながら、これでは「強訴」「神輿」の持つ歴史的意味が台無しなのです。



次回の「家盛決起」こそは、良き「流れ」であります様に。


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