まだ暫くは暑い時期が続きますが、学生が夏休みである一方でこちらは土日が有る様な気もいたしません。
・・・まあ愚痴はこの程度にしまして、就寝前に更新する予定だった記事を。
<1>まずは5W1Hとは何だったかの確認を。
今回の「第2外国語の手引き」は我々日本人の多くがビジネスマナーとして重宝している「5W1H」についてです。
これが何の事かを確認いたしますと:
When 「いつ」
Where「どこで」
Who 「だれが」
What 「何を」
Why 「なぜ」
How 「どの様に」
の疑問詞の頭文字を取ったものでした。
これらに対応する項目が揃っていないと、報告としては不十分だと言う事でしたね。
<2>ドイツ語では綺麗に「6W」。ではロマンス語では?
日 独 英 仏 伊 西
<疑問代名詞(英独は格変化有り)>
「誰が(を)」 wer who qui chi quie'n
「何を(が)」 was what que che que'
(「どれ」 welch which lequelle quale cua'l)
<疑問形容詞>省略(英独は疑問代名詞の格変化で対応。ロマンス語は専用語有り。)
<疑問副詞>
「いつ」 wann when quand quando cua'ndo
「どこで」 wo where ou` dove do'nde
「なぜ」 warum why pourquoi perche' por que'
「どの様に」wie how comment come co'mo
スペイン語でやたらアクセント記号が多いのは、アクセント位置を整える(※第2外国語のススメ(4.スペイン語アクセントのルールhttp://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10489750436.html も御参照下さい。)の他には「同義語の区別」という理由があるのですが・・・それは置いておきまして、大まかにはこういった事が言えます:
-----(1)ゲルマン語派(英・独)の疑問詞はhw- ,ロマンス語(仏・伊・西)ではqu- が基本(文字がcに置き換わっている場合あり)である。
※一見英語howは例外に見えるが、英語の6疑問詞は古くは全てhwで始まっていた。
(2)独・英では全ての疑問詞が揃っている(少なくとも日本語話者にとってはそう見える)が、ロマンス語には「なぜ」に対する専用の語が無く、前置詞との複合形となっている(仏・伊では強引に1語になっているが、容易に2語に分かれる事は御理解頂けるでしょう)。
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英語の5W1H(ドイツ語の6W)は日本語話者には違和感が無く、日本語関連でも「5W1H」が使われているのも(語頭における高い統一性の他には)こういった背景が有るのでしょう。
一方フランス語などのロマンス語は、疑問語の語形の統一性がゲルマン語派よりも低いものとなっています。その上に、「なぜ」は基本疑問詞で無いなどの齟齬も有ります。
これらの事は、英語を学んだ日本語話者にとってはロマンス諸語の疑問詞が覚えにくい事の要因となっています。