「21世紀のきものマーケット創造」への提言⑫

 

6月26日(月)

 

 

きものを身近なファッションへ

山﨑俊樹(かみや社長)

 

店頭販売を主体に店のカラーに沿った商品を紹介し、顧客とのふれあいの場を増やし、スタッフが自分を磨き、楽しく仕事ができるように演出していくことが大事だと思っています。

 

将来は店舗を一新し、きものを身近なファッションと捉えていただくために、各種のカルチャー教室の開設、着付け無料レッスンの充実、メンテナンスの態勢強化、さらに顧客とのふれ合いを深めるこのできる茶室や庭園を設け、地域に貢献できる個性的な専門店づくりを目指したいと思います。

 

 

 

「自然か不自然か」のモノサシを大切に!

裏井伸介(ウライ社長)

 

「損か得か」「正しいか間違っているか」など多くの判断のモノサシの中で、「自然か不自然か」をいつも大事にしています。現在業界の中には不自然な売り方、価格、商品・・・があまりにも多いような気がします。

 

状況をありのままに認識し、あらゆる判断を自然か不自然かという目で行えば、案外21世紀のマーケットは見えてくるような気がします。価値観の多様化をチャンスと考えると、きものにはまだまだ可能性があり、おもしろいのではないでしょうか。

 

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「21世紀のきものマーケット創造」への提言⑪

 

6月23日(金)

 

有力経営者の21世紀へ「ひとこと提言」です。

 

 

「きものをいかに売るか」の議論はもうやめよう!

細尾真生(細尾専務)

 

「きものをいかに売るか」の議論はもうやめよう!「きものでいかに楽しむか」をみんなで考えよう。ゲーム機器をどうすれば一台でも多く売れるかばかりを我々は考えてきた。

 

21世紀の呉服屋さんはジャパニーズ・エンターテイメント&カルチャークラブだ。日本の遊・礼・美を創造しよう。きものは楽しむためのひとつの道具。ゲームを楽しみたけりゃ黙っていても器具を買う。

 

 

 

きものはファッション化の方向へ

大橋英士(新装大橋社長)

 

消費者が「必要だから買う」「着なきゃいけないから」という販売姿勢のきものから、自らが「欲しいから買う」「着たいから買う」「着たいから着る」きものへ転換することが大切です。

 

ファッションとしてのきものを提案することです。洋服と仲良く共存し、着る物として着分けを楽しむファッション化の方向に、もの作りの軸足を変えていけば、おのずと新しい展望が開けてきます。

 

 

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顧客から「アンバサダー」へ!

 

6月30日(金)

 

切実な課題として、「広告の効果がなくなった!」との声が日増しに強まっているようです。需要の減少だけではなく、従来の店と顧客の関係に変化が生まれてきたのが要因です。

 

今までは情報の主導権を店側もっていたのは店側ですが、インターネット、ソーシャルメディア、スマートフォンの急速な進化で顧客の力が逆に強くなっています。変化のポイントは下記の3点です。

 

①顧客の情報収集能力が飛躍的に高まった

②顧客の声が可視化されるようになった

③顧客の声があっという間に伝播するようになった

 

大切なことはソーシャルメディア時代の顧客は従来の「お得意様」「常連客」「フアン」などの言葉では表現できないほどに変わってきたということです。

 

「顧客視点の企業戦略」(藤崎実/徳力基彦共著、宣伝会議)は従来の顧客と異なる顧客を「アンバサダー」と命名しています。アンバサダーは店を積極的に応援してくれる顧客、フアンという意味です。(next6月号「問題提起」参照)

 

アンバサダーとなった顧客は買い物をするだけではなく、他の顧客を紹介し、連れてきてくれたりするということです。それでは顧客の中からどのようにアンバサダー化していくかという問題です。

 

5つの点が特に重要だと指摘しています。①顧客理解を深める(傾聴) ②自店の思いを知ってもらう(会話) ③顧客の影響力を最大化する(活性化) ④顧客が助け合えるようにする(支援) ⑤顧客をパートナーにする(共創)。基本はコミュニケーションです。

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「21世紀のきものマーケット創造」への提言⑩

 

6月22日(木) 

 

きものは「ソリューション競争」の時代へ

藤平昭(繊維ジャーナリスト)

 

拡大・成長による自然破壊から21世紀は環境重視の時代といわれる。きもの購入世代は子どもの結婚、社会的交流が増加する50代から60代だが、これが大幅な減少に陥っている。

 

ライフスタイル変化がその要因とされるが、きもの業界がモノ売りのアイデア、仕掛けに走り過ぎ、「まぎらわしい商法」の横行が氾濫したため信頼を失ったことを無視することはできない。

 

これからは着付け、着こなしをはじめきものを着るための「きものソリューション」競争の時代へ入っていく。ソリューションにはメーカー、卸、小売、消費者の区別はなく、きものソリューションの責任者がきものビジネスのリーダーになるだろう。

 

「スケールメリット」から「スモールメリット」へ

谷口正和(ジャパンライフデザインシステム)

 

20世紀はスケールメリットの世紀だった。21世紀はこれの逆、「スモールメリット」の社会になる。より小さく、より精度高く、より的中率高く、である。

顧客は「個客」になり、マーケットの主人公は「個人」である。

 

このスモールメリット=最少単位が連鎖したときに、新たな21世紀のスケールメリットが生まれる。「より小さい」が連鎖して「より大きい」になるのである。あらゆる産業が「より小さい」の連鎖構造に転換していくだろう。

 

「21世紀のきものマーケット創造」への提言⑨

 

6月21日(水)夏至。

 

「地域になくてはならない店」へ

野田祐三(あい企画研究所)

 

きもののリサイクルショップに注目します。きものを着る機会に恵まれたきもの好き、きものの価値を十分に知り尽くしたきもの通たちがリサイクルショップできものとの出逢いを楽しんでいます。

 

値段は通常価格の十分の一から五分の一で、「価値ある格安なきもの」として一度に何枚も買い、着回したり個性的な着こなしを楽しんでいます。さらにきものを知らない新人類層が古典の色柄に出逢い、新鮮さを感じてきものの虜になる姿も見られます。

 

現在生活者の簞笥に眠る再着可能なきものは約八兆円と推定されています。リサイクル、メンテナンス、洋服へのリフォームなどのニーズが増大し続けていることを考えると、今後の市場規模は1000億円とも想定できます。21世紀への大きなニュービジネスチャンスです。

 

21世紀のきもの専門店は生活者から存在価値を認められる創造性、独創性、機動性を発揮する店だけが「地域になくてはならない店」として発展していく可能性を秘めています。専門店は「店がブランド」との経営意識から特に下記の点が重要です。

 

・顧客が感動する高付加価値をもつ

・自店の個性や特性に適合する商品だけを扱う

・個性的なトータルコーディネイト

・メンテナンス、サービスの向上

・体型に合わせた裁縫仕立て

「21世紀のきものマーケット創造」への提言⑧

 

6月20日(火)

 

十三詣りと羽織るファッション

黒川巌(SPC代表)

 

きものマーケットはピーク時の半分以下に低迷している今日も、依然としてフォーマル中心は変わらず。ライフスタイル変化に対応した商品開発が為されないままバブルの崩壊を迎えたのです。そこでふたつの提案です。

 

ひとつは十三詣り。4月13日に13歳になった少年少女が福徳、智慧を授かることを願って虚空蔵菩薩に詣ることです。京都嵐山の法輪寺などが有名です。

 

日本民族は通過儀礼を大切な文化として育て、その中で十三詣りの風習は七五三と同じく古くから存在してきました。しかし、全国レベルのイベントにはなり得ていません。

 

十三詣りを七五三、成人式と同じように力を入れたい理由は、二十才のお嬢さんは大人になり過ぎている!その点、十三才位までが可愛いという言葉で表現できる最後の年齢ではないかと。

 

加えて孫の成長を両親より喜ぶ「おじいちゃん、おばあちゃん」は大切なマーケットリーダーであることはたしかな事実であるからです。

 

もうひとつは「羽織の復活」です。世界のファッションの流れがカジュアルであり、同時に羽織るファッションです。きものファッションのなかで羽織やコートはどこへいってしまったのであろう。

 

21世紀のファッションは和洋融合がテーマになると考えられますが、きものの羽織は洋装のファッションにも取り入れることが可能な商品です。

「21世紀のきものマーケット創造」への提言⑦

 

6月19日(月)

 

夢のあとの「ゆめ」

小松睦子(プランナー)

 

私たちは、きもの市場に何を提供し、何で商いをしていくか模索の時を迎えました。「贅沢」や「豪華」に代わるこれからの美しさの感覚———それは「自然」「健康」「手づくり」「田舎」「癒し」「和み」の美のようです。

 

また、「本質価値」も忘れてはなりません。こんなファクターの向こうに見え隠れするものを上手にキャッチしながら「着たい」「欲しい」へのアプローチを。

 

巷ではリサイクルきものがちょっとしたブームです。「安いから」だけがその魅力ではなく「欲しい感覚」のものがあるからというのも大きな理由のようです。

 

「質素」や「あたたかみ」「懐かしい表情」のあるものが好まれています。社会の環境がお寒くなればなるほど、この気分が上昇するのが世の常です。もっと温かく、もっとのどかに、もっとやさしくなれるもの———そう考えるときものは理に叶っているのですが、きものならすべて可というわけではありません。

 

・フォーマルきもの=もっとカジュアルで、場所や形式にふさわしいきもの

・夏祭りは一家でゆかた

・業務用ユニホームはきもの

・プレタ化の促進

・ライフスタイルを売るお店づくりへ

・リサイクル、リメイク、リフォーム、レンタルなどによるフアンづくり

・和洋の融合ファッションの推奨

・きものを着ている人に特典を提供する

・異業種交流、ジョイントイベントなどの開催

「21世紀のきものマーケット創造」への提言⑥

 

6月16日(金)和菓子の日。

 

きものの未来を創るもの

森嘉和(一粒社代表)

 

十日町は縮小を続けながら生産の一貫体制を残し、京都はブランド力とデザイン創造力はあるが、生産力の維持には疑問が残る。産地レベルの連携、合従連衡も必要。卸業が存続するには企業合併などによる対応が求められる。

 

キモノ生産は周辺にデザイナー、整理業まで多種多様な機能をもった方々で支えられている。文化的風土も創作の源であり、生産基地づくりもテーマのひとつになるだろう。

 

小売業はこの数年の間に企業レベルを除いて家業回帰というべきスタンスに。消費の落ち込みから流通在庫の停滞感が増し、数年分の在庫になると予想されている。受注生産マインドの裏づけとなるシステムは未だ確立されていない。

 

キモノは物流=情報であり店頭の在庫が減ったり、展示会の規模、内容が縮小すると、情報発生が少なくなるという相関にある。街を歩く着姿や映画シーンのキモノ姿も少しずつ減るとなれば当然認識も低くなる。

 

インターネットは全世界のパソコンがつながる仕組みであり、近い将来、電話、放送、データを一元的に扱いTVに代わる情報端末を通じて家庭内に入り込む。底コストを活用してキモノ情報を増やす仕組みを作らなければならない。

 

小売業に対しては物流支援として商品・企画データべースを整備してネットを通じてバーチャル在庫にアクセスできる仕組みでサポートする。さらにユーザーにはキモノカルチャー及び着付、クリニック、産地紹介などはいつでも取り出せる情報源にする必要がある。

「21世紀のきものマーケット創造」への提言⑤

 

6月15日(木)

 

企業の心は「理念」「ビジョン」「戦略」

藤本達也(経営工房代表)

 

きものは世界の民族衣装のなかで断然トップであると認められている。素材、色、柄、デザイン、機能、背景の文化など。それもそのはず、日本文化そのものが人類の古今、東西南北の集大成と言えるからである。

 

企業の心の三大表現は「理念」「ビジョン」「戦略」と考えられる。自社の五客(社員、エンドユーザー、取引先、株主、地域社会)のために役立つ三つの心を磨き上げねば存在価値の低い企業となる。

 

一流店を見分けるには、「コミュニケーション」「やる気」「サービス」「創造性」の四つをチェックすればよい。このうちサービスに関しては、きもの業界ほど高いレベルのところはなく、驚くほどである。

 

しかし、残りの三つについては、かなり点数が低く、これからの大きな課題といえよう。本気で勝ち残るためには内外のコミュニケーションと社員の本音のやる気と類例のない創造を実現せねばならない。

 

これまで売り上げ欲しさに一部でかなり過激で不自然な販売手法を使ってきた。その多くは決して客の立場に立ったものではなく、いわば狩猟型マーケティングであり、農耕栽培型への転換が求められる。

 

きものに集約されている「和の文化」とそれを支える技術はまことに尊い。できればそれらの中枢にいる立場を活かして「和」の関連商品やサービス、芸術芸能などをトータルに束ねてその総本家の役に就くという道があるのではなかろうか。

「21世紀のきものマーケット創造」への提言⑧

 

6月20日(火)

 

十三詣りと羽織るファッション

黒川巌(SPC代表)

 

きものマーケットはピーク時の半分以下に低迷している今日も、依然としてフォーマル中心は変わらず。ライフスタイル変化に対応した商品開発が為されないままバブルの崩壊を迎えたのです。そこでふたつの提案です。

 

ひとつは十三詣り。4月13日に13歳になった少年少女が福徳、智慧を授かることを願って虚空蔵菩薩に詣ることです。京都嵐山の法輪寺などが有名です。

 

日本民族は通過儀礼を大切な文化として育て、その中で十三詣りの風習は七五三と同じく古くから存在してきました。しかし、全国レベルのイベントにはなり得ていません。

 

十三詣りを七五三、成人式と同じように力を入れたい理由は、二十才のお嬢さんは大人になり過ぎている!その点、十三才位までが可愛いという言葉で表現できる最後の年齢ではないかと。

 

加えて孫の成長を両親より喜ぶ「おじいちゃん、おばあちゃん」は大切なマーケットリーダーであることはたしかな事実であるからです。

 

もうひとつは「羽織の復活」です。世界のファッションの流れがカジュアルであり、同時に羽織るファッションです。きものファッションのなかで羽織やコートはどこへいってしまったのであろう。

 

21世紀のファッションは和洋融合がテーマになると考えられますが、きものの羽織は洋装のファッションにも取り入れることが可能な商品です。