動かざること山のごとし
週前半にやってきた寒冷前線がすぎさって
太陽が顔を出すと、すっかり陽差しは春になっている。
ようやくボクんちのリビングも午後になると明るい陽差しがさしこむようになってきた。
ぷれこは、久々に写真熱が湧いてきたのか
三脚なんかを持ち出して、つまんない葉っぱを撮っている。
いろいろ騒いでいたけど、このあたりがぷれこの限界らしい
三脚でカメラを固定、さらにリモコン使ってシャッター切って、こんなもんだぜ
そもそも植物なんていう高尚な写真は、ぷれこのキャラには合わないとボクは思うね
そんな仏頂面しなくても……。違うよ、くまきちなんか撮ってないよ。
ほら、カメラのぞいていないでしょ。手も、カメラから離れているでしょ
ぷれこは、部屋の真ん中のテーブルを片づけて
ケムシのオモチャやねずみをオモチャを投げてくる。
ボクは動くものをつい追ってしまう狩猟本能を必死で抑えた。
だからー、なんで狩猟本能を抑えるわけ?
思いっきり発揮してみようよ、真のオトコ猫として。
真剣に遊んでよ。いや、遊ぼうよ。ガシガシ噛んでみようよ。
飛び上がってみようよ
くまきちさぁ、いったいここまで何十枚、写真撮ったと思ってんの?
絞りをいつもより絞って、しかも三脚立てて、リモコンで撮っているのは何のためだと思ってんの?
ここまでのカットはトリミングしてあるけど、もともとはこんなに↓広く撮ってるってわかってる?
くまきちが、オモチャを追って駆けところを
オモチャを狙って伸び上がるところを、狙ってたんじゃないのよ
こんなふうにお天気がよくて明るい日じゃなきゃ、できないんだからね
グググググーッ
結局、いつも先にキレるのはぷれこのほうだ。
ボクのほうがずっとずっと我慢強いし、辛抱強い。
ぷれこがそういう短気なところを直さない限り、ボクのいい写真なんて撮れないんだよ。
PS ぷれこより
今日のお話は決してフィクションではなく
リアルなドキュメントでございます。
最初の写真から最後まででザッと100枚は撮りましたが
この間、くまきちはほとんど動きませんでした。
わたしが写真を諦めて、キッチンへ珈琲を取りにいったのを見極めてから
動き出したというわけです。
ホント、どうしてこんなに意地っ張りに育ったの?
カメラをセットしていないとき
動く写真が撮れない夜や曇り、雨の日は、
無邪気にオモチャを追いかけて、遊ぶんですよ。
わかっているとしか思えない。
恐るべし、猫知恵……
日々の苛烈な心理戦のなかで、くまきち写真を撮っております。