2010年05月21日(金) 22時52分55秒

少年ジャンプが半分 DTP 化。ふきだしの文字(書体/フォント)が、写植からパソコンに……。

テーマ:漫画のDTP化

2ちゃんねるの情報によれば変わりつつあります。そもそもジャンプでは、ふきだしの文字に写研(写植用デジタル)書体を使ってきました。アップル - Pro - 共同印刷株式会社というサイトでは、その理由を以下のように説明しています。





マンガは……形や大きさが異なる吹き出しの中にきっちりと文字を組まなければなりません。また、漢字すべてにルビをふる“総ルビ”のほか、……『あ』に『゛』や『お』に『゛』ビックリマークが4つ並ぶ『!!!!』といった独特の表現を多用するため、デジタル環境での作業は複雑で手間も時間もかかります。



……作家や編集者の中には、写研フォントの文字の強さや表現力が吹き出しの中での表現に適しているという理由から、写研フォントに対する根強い支持があるのも事実です。





このように多彩な書体はもちろん、難しい組版(レイアウト)にも耐え抜くことから採用されてきた写研システムですが、写研機(手動/電算写植機や専用組版機)のほとんどは独自仕様です。だからこそ安定した品質が保たれてきた一方、最近ではパソコンを使った編集作業や、電子書籍などが普及しつつあります。



すると長所だったはずの独自性は、パソコンとの互換性で足かせになります。実際にジャンプ編集部でも、「写研システムで作成・出力したネーム原稿」(PDFファイル?)を、ComicPacker(InDesign用プラグイン)でパソコンに取り込むという、二度手間をかけていました。くわえて独自仕様ゆえに設備利用料も高額で、また独自仕様ゆえに老朽化の進んだシステムも多いです。



そこで写研機を捨てて、すべての編集作業をDTP(パソコン用デジタル)フォント化しようとしているのが、いまのジャンプになります。すると、スキャンした生原稿にセリフを打ち込んでいくだけで編集できます。さらにデータ入稿して――スクリーントーンなどをパソコンで貼って――いる作家さんだと、スキャンの手間さえも省けるため、写植よりも作業が簡単になります。


Adobe - ADOBE DESIGN MAGAZINE



とはいえ、DTP化にさいしては写研と「似た書体」があてがわれることも多く、結果的に誌面が安っぽく感じられる――と個人的には思います。さらにパソコンやインターネットの普及にともない、最近ではWindows付属のMS 明朝/ゴシックなどで組まれた商業印刷物も目にするようになりました。それは少年ジャンプでも同じことです。



もっとも、ほとんどの読者さんは書体の変化になど気づかないでしょうし、仮に気づいたとしても、新しい書体に慣れてゆくかもしれません。だとしても、こうして知らず知らずのうちに書体の低価格化が進んでいけば、先人が築きあげてきた美しい書体や出版の文化が潰(つい)えかねません。



写研の書体と組版を愛する一人として、こうした現実は受け入れたくないのが正直な気持ちです。けれどもDTP化が決まった以上、少年ジャンプにおける写研書体の最期を見届けなければ……とも思います。写研の書体を忘れないためにも、このブログに記録として残しておくことも必要だと思うのです。

コメント

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1 ■無題

今週のジャンプ「トリコ」に筑紫明朝が使われていましたね。
InDesignで編集して、一部はDTPフォントになってきましたね。

2 ■Re:無題

>すーぽさん
こんばんは、コメントありがとうございます。

石井明朝体の代わりならリュウミンと
思っていましたが、筑紫明朝なんですね。

筑紫シリーズは好きなほうなので、今度
確認してみます。

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