模倣の殺意

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『模倣の殺意』 中町 信・著




週末買った本です。


ちょっとの時間でも読書を楽しもう♪


前回そう思ってから、なるべく書物を身近に置くことに決めました。




で、2日間ばかりで読み終えた本です。




『模倣の殺意』は、本格推理のようで本の帯に「騙されずに見破れますか?」~幻の傑作が蘇り、あなたに挑戦します!~


とあったので、読みごたえのある本なのかな!?と思い手に取りました。




~あらすじ~


七月七日午後七時、新進作家、坂井正夫が青酸カリにより服毒死をした。


室内は全てに施錠がしてあり、密室でのできごとだった。


遺書はなかったものの、現場の状況からみても自殺として処理された。




…坂井正夫と交流のあった中田秋子、ルポライターの津久見伸助はひょんなことから坂井の死を調べ始めることに。


そこで明らかになったのは思いもよらぬ真相だった…。






~~ここからネタバレ♪♪~~




いつもならあらすじ・書評くらいで終わらせるのですが、、この作品についてはぜひネタバレを書きたいな~と思ってしまいました。


これからこの作品を読みたいな、読んでみたいなと思われる方がいたら、ここから先はネタバレですので読まないでください。


別に読まないのでネタバレを聞きたいと思う方はどうぞお進みください♪








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『模倣の殺意』は、坂井正夫の死からはじまり、その死をきっかけに中田秋子、津久見伸助がそれぞれに独自で調査するところからはじまります。




中田秋子、津久見伸助の調査過程を日記形式で


第一章 中田秋子


第二章 津久見伸助


というように、交互にそれぞれの視点で物語が語られていきます。




坂井が自殺する動機がどこにあるのか?二人はその動機、さらには坂井と関係があり怪しいと思われる人物を次々にあたっていきます。


そして、それぞれの真相へとたどりついていきます。




…結論からいうと、


坂井正夫は青酸カリを飲まされて殺された。…殺したのは中田秋子。


しかし、ここでいう「坂井正夫」とは津久見伸助の知人である。




一方、中田秋子が調査した坂井正夫の死というものは、青酸カリによる服毒死、つまり自殺であった。






…そう、この物語には同姓同名の『坂井正夫』が二人登場するのです。


しかも二人ともそろいにそろって「七月七日午後七時」に死んでいる。


そのことによって小説に面白味が出ているのですが、ちゃんと読んでいかないとこんがらがってきます(^^;


とくに坂井正夫の人物像というものが。。




しかも小説の文字だけを追っていると分からないのだけれど、


中田秋子と津久見伸助の調査時期は一年間もの時差があります。




最初に中田秋子の知っている坂井正夫が、七月七日午後七時に自殺する。


その一年後、津久見の知っている坂井正夫が、七月七日午後七時に殺される。


となります。




なので、中田、津久見が交互に語っているようにみえ、実は時差がある小説なのです。




中田秋子による坂井正夫の殺害動機は、、自分が愛した坂井正夫(そう、自殺した坂井正夫と秋子は結婚の約束をした仲だったのです)、の作品を盗作し、自分のものにしようとしたため。


*他にも秋子の父の死なども関わってくるのですが、本書を読むと動機がもっとじっくり分かってきますよ。




津久見は、坂井正夫の死を調べるうちに同姓同名のもう一人の坂井正夫の存在を知ります。


その存在を調べるうちに中田秋子へのつながり…中田秋子こそが事件の真相を握るのでは…と感づいていきます。






同姓同名でどちらも小説家をしているなんて人物…小説上でしか登場しないでしょうね。


でないと、出来上がらない作品だと思います。




しかし、読んでいて面白かったですよ!!!


どちらの坂井正夫にしても自殺する動機も殺される動機もあり、そのため中田や津久見は坂井が殺されたのでは??と疑ったわけですから。


それに、最初は密室で死んだ坂井の密室トリックを暴くための小説かな?とおもいきやまったく別の視点で描かれており興味深かったです。




…私も最初読んでいる時は分からなかったですが、読み進めていくうちに(あれれ?)と思ってきて、


特に中田と津久見の話す「坂井正夫」の人物像が一致しないのです。


そのあたりから「坂井正夫」という人物は二人存在するのでは??と思い始めました。




で、確信したのは津久見が聞いた坂井の女性関係について。


恋人が暴漢にあい犯されているのを助けもせず草むらの影からみていた…。


と、なんとも卑劣な男といった一面を見つけた時。




…そんな男に中田秋子は身も心も許し、結婚の約束までしたはずがない。


と直感しました。


そんな男のために仕事も返上し単独で恋人の死の真相を探りだしたりしない。


中田秋子にとっての坂井正夫という人物は別にいるのではないか。。そう思いました。




…結果的には自殺してしまった恋人のために、もう一人の坂井正夫に殺意を抱くことになってしまった中田秋子なわけですけど…ね。






ところで、この書籍初版は昭和46年だそうです。


物語の時代背景はとても昔だな~という記述がかなりありました。。


でも、アレンジしなおせば現代でも通じるものが多々あり、この作品をぜひ現代版にアレンジしてほしいなとさえ思いました。


デジカメ、スマホ、ツイッターにブログ、ふんだんに登場させ、時代背景も改めたら…どんな小説になるのだろう??


本書には列車を使ったトリックがありましたが、交通機関の発達した現代ならどんな風になるのだろう??とも考えます。




ドラマ化とかしても面白いんじゃないかな~って思います。(坂井正夫を二人描くというのは難しいかな!?)






…それにしても思うのは、毒は女。ナイフは男。って考えはミステリーの世界でもセオリーなのだろうか。




色んな小説読んだりサスペンス劇場なんかみると、毒殺を試みるのは女性が多い気がします。


一方、首絞めたりナイフで刺したりって方法は男性(とみせかけて女性だったりもしますが)が多い気がします。




なので、最近は「毒殺」と聞くと、犯人は「女」か!?と疑って読んでしまうくらいです。






…さて、読み切ってしまったけれど、もう一度読み直してじっくりとトリックをもう一度整理してみようと思います。




そして、レオ様にも読ませて本書の感想を聞きたいと思います。


奴は謎解きできるかな~!?本





サイフもココロもハッピーに!ちょびリッチ

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