そして資本主義化する中国・・・『社会主義化するアメリカ』
テーマ:書評- 社会主義化するアメリカ―米中「G2」時代の幕開け (宝島社新書 300)/春山 昇華
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社会主義化するアメリカというタイトルですが、
アメリカを基準にして資本主義の本質の話から、
中国、日本に渡るまで幅広く、論じられています。
この著書で何より面白いのは、
「資本主義」と「民主主義」の相性は実は決して良いものではないということ。
著者は民主主義の欠点として以下の点を挙げています。
・民主主義は、単純に多数決であり、政策の良しあしは関係ないため、人気取りのバラマキ政策が実施されやすい。しかも赤字の国ほどそれが行われやすい。
ちなみに、バラマキの結果は通貨価値が暴落し、資本が逃避し貧困層がもっとも打撃をうける。
・薄く広くかすめ取るビジネスに弱い。
天下り法人などで100億円の被害が起きても一人当たり100円の被害なので、デモを起こしたり訴えるような活動が起きにくい。(デモが起こるくらいの状況になったらもはや手遅れだろう)
実際、この辺に絡んで、金持ちに高い商品を売り付けるより、広く薄く貧乏から設けるビジネスのほうが簡単という現実はある。
で、実際に、近年みるみる力をつけてきている中国ですが、
バリバリ資本主義経済なのですが、
どう考えても、民主主義とは言えない。
むしろ、一党独裁で民意を無視してでも
即時にトップダウンの政策を行うことで、
経済発展を進めているという点が数多く見られます。
この著書では、皮肉ではありますが、
民主主義であるアメリカや日本が社会主義化している側面と、
大して、一党独裁の中国において、資本主義化が進んでいる側面が理解できます。
日本の今までの政策を見ていても思うのですが、
民主主義と社会主義というのは決して相性が悪いものではないのでしょう。
「もっとも成功した社会主義国家、日本」という皮肉は、
この著書を読んで、妙に納得がいきました。
結局は、バラマキとそれでつくられた借金の累積を
先送りにすることによって作られた成功ということになるのでしょうが・・・。
今までは、
「民主主義⇔社会主義」
「社会主義⇔資本主義」
と思っていたのですが、
そういうわけでもないんだなぁと強く感じます。
いびつな形で「社会主義と資本主義が共存する形」もあり得る。
アメリカはその方向に向かいつつあるのかもしれません。
(実際、歴史的にそういうフェーズもありましたし)
本書は、内容も読みやすく、
日本の展望についてもしっかり分析されており秀逸な一冊です。
なお、著者は、こちらのブログで、
各種統計データを含めて、頻繁にためになる記事を書いておられます。
「おかねのこねた」
http://blog.livedoor.jp/okane_koneta/
併せて読むと大変勉強になります。
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