リベラ・リベルテ | ロンドンつれづれ

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気が向いた時に、面白いことがあったらつづっていく、なまけものブログです。
イギリス、スケートに興味のある方、お立ち寄りください。(記事中の写真の無断転載はご遠慮ください)

Libera のご紹介したい曲は沢山あるので、2回に分けました…。



Air (Bach)



Adramus



Carol of the Bells



Sanctus



Time



Lullabye
Young boys sent to battlefields...and never came back to school.

最後は、寄宿学校から、戦場にでかけて、二度と帰ってこなかった若者たちにささげる、ララバイ。





リベラの名前、「自由」にちなんで、最後にポール・エリュアールの詩を。

第二次世界大戦中に、ナチに占領されたフランスの地に、このフランス人のレジスタンスの詩をイギリス空軍が空からばら撒き、フランスの市民を励ましたと言います。ドイツとの戦いでイギリス空軍は多大な活躍をしたと共に、多くの若いパイロットを亡くしました。

この詩を戦争で亡くなった若き英国兵にもささげます・・・・。「自由」の尊さとその責任の重さを感じつつ。


Liberte (リベルテ・自由)


小学生のノートの上に

机の上に 樹の幹に

砂の上に 雪の上に

わたしは書く きみの名を



読んだ本のページの上に

すべての白いページの上に

石に 血に 紙に 灰に

わたしは書く きみの名を



金塗りの 肖像に

戦士たちの 武器の上に

王たちの 冠の上に

わたしは書く きみの名を



ジャングルや 砂漠の上に

小鳥の巣や えにしだの上に

少年時代の こだまの上に

わたしは書く きみの名を



不思議な 夜の上に

昼の 白いパンの上に

移りゆく 季節の上に

わたしは書く きみの名を



わが青空の 切れ端のすべてに

陽にかがよう 池の上に

月に映える 湖水の上に

わたしは書く きみの名を



野の上に 地平線の上に

鳥たちの 翼の上に

さらに影の 風車の上に

わたしは書く きみの名を



夜明けの息のそれぞれに

海の上に 舟の上に

荒れ狂う 山の上に

わたしは書く きみの名を



泡だつ 雲の上に

嵐のながす 汗の上に

どしゃ降りの 雨の上に

わたしは書く きみの名を



光りきらめく 形姿の上に

色とりどりの 鐘の上に

自然のものの 真実の上に

わたしは書く きみの名を



灯りのともった ランプの上に

また消えた ランプの上に

わが家の 団欒の上に

わたしは書く きみの名を



わたしの部屋と 鏡との

二つに切られた 果物の上に

うつろな貝殻の ベッドの上に

わたしは書く きみの名を



食いしん坊で敏感な 愛犬の上に

ぴんと立てた その耳の上に

そのぎこちない 前足に

わたしは書く きみの名を



戸口の 踏み台の上に

使いなれた 道具の上に

祝福された 炎の波に

わたしは書く きみの名を



許しあった 肉体の上に

友だちの 額の上に

差しのべられた 手それぞれに

わたしは書く きみの名を



思いがけぬ喜びの 窓硝子の上に

待ち受ける くちびるの上に

また 沈黙の上にさえも

わたしは書く きみの名を



破壊された 隠れ家の上に

崩れ落ちた わが灯台の上に

不安な日々の 壁の上に

わたしは書く きみの名を



ぼんやりとした 放心の上に

まる裸の 孤独の上に

そして死の 行進の上に

わたしは書く きみの名を



もどってきた 健康の上に

消え去った 危険の上に

記憶のない 希望の上に

わたしは書く きみの名を



力強い ひとつの言葉にはげまされて

わたしは ふたたび人生を始める

わたしは生まれてきた きみを知るために

きみの名を 呼ぶために

リベルテ(自由) と.




ポール・エリュアール