Welcome to my world!!
「Welcome to my world!!」(ウェルカム・トゥ・マイ・ワールド)は、2017年9月15日に発売された、ポップルの3枚目のオリジナルアルバムであり、ラストアルバム。および1曲目に収録されている楽曲のタイトルである。
概要
2枚目となる前作「旅の途中」以来、実に4年2ヶ月ぶりにリリースされたアルバム。前作リリースの5ヶ月前、2013年2月から柏市にあるライブハウスStudio WUUに出入りし、4年7ヶ月もの間Open Micや対バンライブの経験を通じて学んだことが、今作では大きく反映されている。
このような活動をするなかで、「自己紹介をするときに名刺の代わりになるような、ポップルの世界が全て詰まった作品を作りたい」と思うようになった頃、楽曲「Welcome to my world!!」が完成したことで、アルバムタイトルと方向性が決まった。
また以前の活動名「Pople」から「ポップル」に改名してから初めての作品でもある。
今作は当初もっと多くの楽曲が収録される予定だったが、上述の通り"ポップルの名刺の代わりにする"というコンセプトがあったため、「チキンレース」、「Little Angel」、「"うー"で歌おう -Theme of Studio WUU-」、羽根web..netとのコラボ曲である「さくららら」などは全てボツになった。
収録曲
- Welcome to my world!!
ライブの一曲目に歌う盛り上げ曲として作られ、最終的にアルバムのタイトルナンバーとなり、1曲目を飾ることになった。自身が愛というものとはなにかと考えていた時に、「内気だった男が、詐欺師となって意中の女性を騙して恋人になり、その嘘を貫き通したまま一生を共にすることになり、終いには自分で自分を騙して生きていく。」という想像で書いた楽曲。
イントロからサビの前までは制作に着手する1年以上前から存在していたが、サビのアイディアが浮かばず、ずっと未完成であったが、別の曲に使う予定だったサビを合体させ完成した。
ただ4ビートと8ビートのパートを繋げるアレンジに苦労させられた。また珍しく曲を先に作り、サビ以外はメロディーに歌詞を当てはめる形で書かれたため、本人も「文字制限のある中で言葉選びをして作ったため、予想外に面白い歌詞になった」と語っている。
- WASH ME -ラテン・バージョン-
前作「旅の途中」に収録されている、勝手にCMソング〜洗濯洗剤篇〜として作った「WASH ME?!」の新録バージョン。原曲は8ビートのロックアレンジだったが、思いつきでラテンアレンジを作ったところ、トントン拍子で音源が完成したことで再録された。
ちなみにこちらは第2シーズンのCMソング。原曲のタイトルにあった感嘆符がなくなり、アレンジの都合上、一部歌詞も変更されている。
- 今夜、夢の中で
今作に収録されている最も古い楽曲で、1枚目のアルバム「NEXT BRANDNEW WORLD」の頃からお蔵入りになっていた。2度も打ち込みデータが壊れてしまう不運に遭ったが、3度目の打ち込み制作時、アレンジにシンセサイザーを取り入れたことで完成に納得して収録された。
友達を失ってしまった自分を責めて、後悔している主人公を歌っているが、作詞を進めるうちに、死別した大切な人のことを指しているようにもとれる内容に仕上がったとのこと。
- 北風と君の季節
大の夏好きであり音楽仲間であり、なおかつポップラーであるLiebe・かりんさんと、「冬は寒くてヤダね~早く夏にならないかね~?」という会話をしていたとき着想を得る。そして「冬が好きにならなくとも、せめて『冬も悪くはないな』と思えるような歌を書いてみたい」と思い作られた。
この曲のアレンジは1年以上難航したが、冒頭に使われているフルートのシンセサイザーを取り入れたことが打開策となり無事まとまった。
- 銀と青のキリン
ポップル・勝手に「キリン・氷結」CMソングとして制作された。これは自身が初めて氷結を飲んだときの感動が忘れられず、かつアルバイト中にお酒の品出しをするときに、氷結を見ると飲みたくなってしまう誘惑(恋心)を、女性に例えて書かれており、商品名の「氷結」や、この商品の特徴である氷結ストレート果汁から「ストレート」という単語も意図的に使われている。
また2015年当時、実際の氷結のキャッチコピーが、"本気のチュー(チューハイ)"であり、このチューがキスの意味にかけられていることから、歌詞でもキスの意味で引用されている。1番は昼間に、2番は夜にお酒を飲むシーンをイメージして書かれている。
タイトルの意味は、氷結の缶のパッケージが(一部の味を除いて)銀と青で彩られている点と、メーカー名であるキリンを足している。
- ねむねむの国
労働環境に対する問題に対して歌った曲。自身が感じた仕事をする現場の人手不足や、飲食店で深夜営業を一人でしていたニュースなどを見るうちに、「夜はできるだけ多くの人が、眠れる世の中になればいいな」という思いを込めて作られた。
また他にも、「(街が明るくなりすぎて)星の次は月まで見えなくなってしまう!」というファンタジーも込められている。
タイトルは元々「おやすみ」だったが、ライブを見た人から歌詞のフレーズをタイトルと勘違いされたことを逆手に取って現在のものに変更された。
- さよならマドンナ
届きそうで届かなかった恋をテーマに書いた歌で、「線路はどこまでも」以来となるフォークソング。
アレンジはあえて控えめに作られ、間奏では打ち込みでサックスが使われている。
- 線路はどこまでも
ポップル・勝手に「東武野田線」CMソング。
ポップラーの男性から「通勤で毎朝利用している東武野田線の歌を作ってほしい」という言葉で、自身も高校生時代に(雨の日などに限り)東武野田線で通学していたことを思い出し、その頃現役で走っていた(ホワイトのボディーに緑色の座席の)旧車体をモチーフに楽曲制作された。現在は新型車両が導入されたことにより、旧車両の運用は減少している。
曲はもともとStudio WUUのOpen Micでフォークを聴いていたことに影響を受けて作られ、ライブではフォーク調の弾き語りで何年も演奏していた。そのため音源制作時には「北風と君の季節」同様、アレンジがなかなか思うように進まなかった。
- きこえない
次のアルバムの最終曲と、ライブの最後に歌うのを兼ねて作った歌。
当初は「Sing Your Dream」の続編を意識した歌詞を書いていたが、うまくまとまらず現在の形で完成した。
この歌も1曲目同様、まず「泣かないでくれよ Oh my honey」や「いつも自分の大事な人は 言葉ひとつも残さずに去る」など、浮かんだ単語を歌に当てはめていき、これらのフレーズに繋がるように、残りを穴埋めする形で作られた。
ちなみに「ラブレター40通書くわけにはいかないよ」という歌詞は、当時、堀北真希と結婚した山本耕史が、交際する以前に6年間に渡り計40通のラブレターを堀北真希に送ったという話が話題になっており、面白く感じたポップルがギャグのように使っているだけで、深い意味はない。
歌詞は別々の道を歩み始めた男女を、励ます仲介役の目線で書かれている。