2007年/9月

テーマ:

ながながしよをひとりかもねむ

370

よくじょうしてるゆうぐれのまちにとけだすきみのこえよぶひとごみのなか
おやすみがいえないよるは耳もとへすいみんやくのキスをとどけて
ばすたぶうかぶひかりすくったふたつのてきんぎょすくいのまつりのように
ゆっくりとのぼりつめてくまよなかにからからなったのどのおくそこ
あめのにおいをかんじるあさはほんのりとみみくるまれるきみからのこえ
うすみどりの土耳古桔梗をおくりますとがったきみのむねのなかへと
指さきふれるうわくちびるのなめらかなあたたかさをキスとよんで、旻
かたられたゆめとゆめのゆめ(ゆゆゆゆゆ)ほどけぬようにほどくうすやみ

2007年/8月

テーマ:

葉月にて

432

手を離す葉月のそらのまんなかにみっつの影が黒くたたずむ
泣けるほど想い出もたずゆうぐれは昨日の影を霞とすぐる
カラカラとサクマドロップの缶にぎりしめチーちゃんのとけゆく夏
葉月には木の葉もようのびんせんを四つにたたむ「そちらはいかが?」



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ゆらゆらとアスファルト燃えうち水のホースが描く虹にさく声
濃くなった緑哀しくカナカナと葉月のまなか泣きはじむ夕
明日なんていつだってくると思ってた 終わらない夏また廻りきて
手を結ぶ葉月の空大地には影を焼き付くアスファルトの海