広告のGENTENの話。 | POOL自由形

広告のGENTENの話。

パラドックス・クリエイティブの皆さんと、渋谷で会食。

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左から、西岡さん、鈴木社長、野澤くん。

ずっと「飲もう」と約束していた、社長の鈴木さんとも、

ようやく会うことができました。

その中の会話で出てきた、鈴木さんのリクルート時代の話に、

感動して、いろいろ考えました。

名古屋の小さな町工場を担当していた時、

その工場の後継者を見つけたいと依頼があった。

65歳の社長とその奥さん、そして犬が一匹の小さな会社。

当時、リクルートの提供している一番小さな枠が30万円。

そのお金を、財布から出して、丁寧に手渡ししてくれて、

頼みます・・・と言われた。町工場として出せるお金としては、大金。

その大切な大切なお金を出して、自分に、後継者探しを依頼された。

本気でどうすればいいのかを考えた。

小さな枠。でも、その人たちにとっては、大きな希望。

そして自分が考えた表現で、後継者が1人見つかることになる。

・・・ほんと、凄く喜んでもらえたんですよね。

鈴木さんは飲みながら、熱く語ってくれた。

その経験が、自分の広告の原体験。そこがスタートだ、と。


忘れてはいけないと思いながら、

ついつい、忘れてしまうことがある、

本当の広告の意味。それを、思い出した。

大きい仕事だとか、業界の話題になるキャンペーンだとか、

そんな空虚なことに浮かれないで、

広告の原点をちゃんと見ていかなきゃな、と強く強く思った。

後継者が見つかった時の鈴木さんの、歓びと充実度は凄かっただろう。

僕らは、その歓びのために、仕事をする。

そしてそういう仕事は必ず、世の中の歓びにつながってる。


広告は、クライアントの大切なお金を預かって、

効果を出すために必死になって考えて、世の中に動きを生む仕事。

クライアントや仕事の大小に関わらず、常に強い責任を感じながら、

でもそこに縛られず、ある意味、大胆な無責任さで、

強いクリエイティブを生んで、意味のある答えに到達する仕事。

そういうことを、いつも思って仕事をしているか?

世の中の人の笑顔とクライアントの笑顔を

リアルに想像して仕事をしているか?

クライアントも幸せにできずに、

世の中を幸せにするなんぞ、100年早い。

まず、目の前で自分を信頼してくれた人に、報いる。

自分はそれができているか?流されたりしていないか?

そういうことを自問自答した、有意義な日でした。

BYコニタン