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2017-06-25 00:39:22

言葉の責任

テーマ:ブログ

 

 

「ばかもん!お前、なんでホームランなんか打つんだ!!」
 
バントのサインが出ていたにも関わらず、あまりにも良い球が来たので思わずホームランを打ってしまい、ベンチに戻ったら監督から大目玉をくった・・・
 
・・・と言うこの話、本当の話なのか誰かが作った話なのかは知りませんが、日本で野球をやってた人なら一度や二度は監督から聞いてるのではないでしょうか?
 
それ程、野球における監督の指示は絶対であり、チーム全員が指示に従い勝利に向かって進む・・・と言うのが日本の野球。
 
ですがこの日、次男が打ったホームランも、実は打撃コーチからの支持に反発して打ったホームランでした。
 
冒頭の話のようにバントのサインが出ていた訳ではありませんが、コーチの指示はこうでした・・・
 
 
「おいっ陽介、フルスイングするな・・・当てていけ」
「反対方向にゴロを転がせろ」
 
日本の少年野球では日常的に聞かれる言葉ですが、このチームでこの言葉は、次男にとって混乱以外の何物でもありませんでした・・・・
 
 
二年前の9月、初めてこのチームに合流してから、次男が絶えず取り組んできた事・・・それがフルスイングでした。
 
バントを全くしないチーム方針、打って打って打ち勝つチーム。
 
今年だけの事ではなく、上のレベルに行っても通用する選手に育てる事を優先し、目先の勝利より子供達が成長する為の練習や作戦をしてくれる監督。
 
一番年下で、一番小柄だった次男は、必死に練習して練習して、チーム練習が終わった後でも僕の投げる球を数百球も打ち込んで、気が付けばいつの間にか誰よりも強い打球が打てて、誰よりも速いスイングが出来るようになっていました。
 
「おっ陽介、なんだか最近スイングスピードが速くなってきたな」
監督にそう言われて益々やる気になり
 
「おい陽介、お前、別人みたいに凄くなってるらしいな」
練習を覗きにきた先輩から言われてすっかりその気になってうぬぼれて・・・
 
鼻高々になった鼻を思い切りへし折られ、また必死になって頑張ってうぬぼれては、へし折られの繰り返し。
 
でもどんなにへし折られてもずっと続けて来たのがフルスイングであり、今年はそのフルスイングがあってこそ、次男がそこにいるのです・・・
 
 
なのに・・・
 
 
数試合、調子があまりよくなかっただけで、「フルスイングするな、当てていけ」なんて言う指示は、監督の考えやチームの指示、そして何よりも子供達の長い時間をかけて積み重ねてきた努力を全く無視した指示なんじゃないかと・・・僕は思いました。
 
野球はチームスポーツです。どんなにスイングスピードが速くても、どんなに強い打球が打てても、それがヒットにならなければ野球のルール上は意味がありません。ですが少し調子を崩しただけで「もういいからフルスイングするな、当ててけ」と言われた子供は動揺します、どうして良いか分からなくなります、自分に自信が持てなくなって心が折れてしまうかもしれません。
 
大人の言葉は、時として子供の背中を押しますが、逆にいつでも凶器にも成り得ます。周りにいる大人の言葉がころころ変わる程、子供を混乱させるものは無いと思います。
 
僕は次男に言いました・・・
「良いスイングしてるから気にするな・・・ただ、そのフルスイングのままバットの真芯に当てるにはどうすれば良いのか、フルスイングのままタイミングを取るにはどうしたらよいのか、そのフルスイングを活かすために何をすれば良いのか、その修正をする時期が来たんだと思うよ」と。
 
親が答えを見つけてあげても意味がありませんし、そもそも答えなど無い気がします。
本人が考え、工夫して、また鼻をへし折られてそこで初めて見えるものがきっとあるはずです。
 
「おいっ、陽介、フルスイングは必用無いぞ~当てていけ」
 
思いっきり空振りした後に飛んで来た打撃コーチからの言葉、そしてその直後に飛び出したホームラン。
あくまでも結果論ですが、もし素直に言葉通りコツコツ当てにいってたら出なかったホームラン。
 
 
子供にかける言葉って本当に難しいし、何気なく言った一言にもとても大きな責任がある事を感じさせてくれた次男のホームランでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2017-05-26 06:17:09

シニア

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「大変だ~、陽介~、お前指名手配されてるぞ」
 

・・・と、友達が次男を呼びに来たのは、アルバータ州へ遠征に行ったある朝の事。

 
ダブルヘッダーの為、朝早くに朝食を食べているところに届いたのは「陽介を見つけたら、直ぐに監督のいる119号室まで連れて来るように」という一斉メール。
 
「おいっ陽介、お前何を悪い事したんだ」
「あ~っ朝から呼び出しなんて最悪だな~」
「きっとお前、殺されるぞ」
「これから第一試合なのに、陽介は一人部屋で反省会か~」
 
 
散々チームメイトにビビらされながら向かった119号室。
ドアを開ける勇気がなかなか出ないでいると、ガチャとドアが開いて監督の顔がニヤッ・・・
 

「おー、陽介やっと来たか、中へ入れ」
 
「えっ~中へ?・・・殺される~」
 
・・・と、恐る恐る部屋の奥へと進む次男。

監督が何かを掴むとそれを勢いよく次男の顔目がけてバシーッと殴りつけ・・・・いや、違った、間違い・・・殴りつけてない(笑)、次男の顔の前に差し出した。
 
「おいっ陽介、開けてみろ」
 
監督が差し出した袋の中を覗き込む次男。
 
そこには黒光りする一丁の拳銃・・・
 
「それで、相手のチーム片づけてこい」
「へいっ、ボス・・・」
 

・・・って、いやいやこれも違う(笑)、どうも今日は話が逸れる。
 

ではもう一度・・・
 
監督が差し出した袋の中身、そこにあったのは・・・
 
 

憧れのピンストライプのユニフォーム!!
 
 
次男が所属する野球チームは15歳以下のバンタム、16~17歳のジュニア、17~18歳のシニアの三編成で出来ていて、14歳の次男がプレーするのは一番下のバンタムチーム。
 
一つ上のジュニアの中には去年まで一緒にプレーした子や友人などもいるが、その上のシニアになると雲の上の存在。中学生が高校の高学年チームに憧れるようなもの。

そして同じ系列チームとは言え、バンタムとシニアではユニフォームも全く別。
ピンストライプのユニフォームは、そんな憧れのシニアチームが着る服なのだ。
 

次男が驚いた顔でユニフォームを眺めていると
 
「おいっ陽介、お前今日の第一試合出なくて良いから、シニアの試合に出てこい」
「えっ、シニア?俺だけ?…ジュニアじゃなくてシニア?」
 
「なんだ、いやか?」
「いえっ、行きます行きます、行きたいです!」
 
・・・と言う事で、一緒に遠征に出ていたシニアチームに突然一人だけ合流する事に。
 
監督やコーチからは・・・
 
「打てなくても、エラーしても気にするな、思いっきりやってこい!」
 
・・・とは言われたものの、気にするなと言う方が無理な話。
 
周りはドデカい筋肉野郎ばかり、しかもこのチームは今年・来年とドラフト候補リストに6人も名前が出てる異常なチーム。そんな中に小柄な中学生が一人ポツンとはいると、まさに借りて来た猫状態。
 

「なんだ、あのベンチの隅にいるちっこい奴は」
そんな声が聞こえて来て次男が顔を上げると・・・
 
「おっ~陽介じゃねーか、お前ここで何してるんだ」
「すげーなージュニアふっ飛ばしてシニアに来たのか」
 
シニアもなぜか既に皆が次男の事を知っていて、よってたかっていじくりまわされて、正に借りて来た子猫状態に(笑)。
 
 
結局この日、次男はセカンドとして先発出場し、3打数1安打でヒットも打てたのですが、出てくる言葉は・・・
 
「最初の打席で、捉えたと思った瞬間手元で球がググッて曲がって内野ゴロになったんだ、あんな球初めて見たよ」
「セカンド守ってたら、とんでもなく打球が速くて、一回はじいてエラーしちゃったんだ」
・・・と失敗の話ばかり。
 
「なんだよ、どうせ球はじくんなら全身で球を止めて、そのまま体ごとフェンスまでふっ飛ばされたら大うけで人気者になれたのにな~」
「飛ばされるほど小さかねーよ!」
 
次男は悔しそうにして見せたが、僕は直ぐに感じた・・・
 
彼がとても嬉しそうだと言う事を。
 
シニアの試合に突然出て3打数1安打は上出来だ。守備も一回エラーしたとは言え無難にこなした、自信を持って自慢したっておかしくない。
 
でも彼は失敗を悔しがった。
 
ヒットの話ではなく、打てなかった打席を思い出し、取れなかった打球を思い返して悔しがった。
 
僕はその言葉を聞いて、次男も少しは成長したな~と感じた。
 
「球がおっそろしく速いし、体はバケモンみたいにでっかいし・・・」そう言いながらも、彼の眼はとても嬉しそうだった。新しい獲物を見つけたように。わくわくどきどきしてるのが伝わって来た。
 
失敗の話が出るのは諦めではなく、悔しかったから。
 
次男の性格からして、出る以上は活躍してやると密かに企んでいたはず、そこで何かを掴んで、出来る!と思ったのに、思った通りに行かなかった事を悔しがったのだ。
 
「またシニアに行きたいな~、あのチームで試合したいな~」
 
今の次男がシニアに行っても全くレベルについて行けない事は容易に想像できる。でも・・・行けるか、行けないかはこの際関係無い。
 
何かに向かって目を輝かせながら夢中になれる、そんな目標を見つける事の出来たシニアの試合。
 
たかが一試合、でもそれが彼にとってとても貴重なターニングポイントになるかもしれないな~・・・と親ばかな僕は一人なぜかニヤニヤしています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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2017-05-25 03:00:37

便利な時代

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SNSの力と言うのは本当に凄い物だな~とつくづく感じます。
 
僕が昨年までの数年間、「今週の一枚・・・」として毎週一枚ずつ風景等の写真をフェイスブックにアップしていたのですが、それを見た出版関連の方から雑誌の仕事が来たり、フォトディスクやアプリの制作依頼が来たり、実際の撮影依頼だけでなく、僕の想像もしてなかった所からもいろいろなお声をかけてもらいました。
 
 
 
そして、時々あるのが「写真を売って欲しい」というご注文でした。
 
多くの場合は、オフィスだったり病院の受付だったりという商業施設での展示を目的にしたご依頼なのですが、今回は全くの個人のお客様からのご依頼、しかも一度もお会いした事も無い日本の方からのご注文。
 
僕がいつも子供達の野球ネタばかりをブログやフェイスブックに書くので、いつの間にか野球好きの方達の輪が広がり、お友達申請を頂いた方です。
 
フェイスブックをしていると全く知らない人からの友達申請がよく来ますが、普段はメッセージも無くどこの誰かも分からない方の場合はそのままスルーしています。ですが、野球をしてる人や、写真好きの人が僕の「ブログやフェイスブックを見ました」と連絡してきてくれた場合は、一度もお会いした事がなくてもお友達になる事がよくあって、その方からのご依頼です。
 

ご希望は「新居の玄関に飾る写真」・・・う~む、責任重大です(汗)。

何度かのメールのやり取りの中で、幾つかのキーワードを見つけ、「もし気に入って頂けなければ料金は結構ですから、僕の独断で写真をセレクトしても良いですか?」と、わがままを言わせてもらいました。
 
こりゃますます、責任重大です(大汗)
 
 
お客様は、どんな写真が届くのか不安と期待でワクワク・ドキドキでしょうし、こちらも気に入ってもらえるか、途中で破けたりしてないかワクワク・ドキドキでしたが・・・
 

「藤江様にお願いして本当に良かったです(^ ^)」と今日ご連絡がきました・・・ほっ。
 
遠く離れた日本の、僕の一度も行った事の無い街に住む、一度もお会いした事も無い方と、こうして写真を通じて関りが出来る・・・ほんとに便利な時代になったな~と、アナログ人間の僕は不思議に思う今日この頃です。
 
 
 
 
 
 
 
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2017-05-16 03:21:24

初めての留守番

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「おーい、みんな~・・・今夜、宏大が彼女連れ込むらしいぞっ!!」
 
・・・と、学校で騒ぎになったのは5月最初の週末の事。
 
 
 
息子達の野球シーズンが盛んになってきた5月の第一週。次男チームはバンクーバーアイランドへ2泊3日の遠征に。しかし僕と長男は予定が合わず、妻が運転、娘が同行して次男の遠征へと出かけて行った。
 
留守宅に残った僕と長男、しかし僕は三日続けて夕方から翌朝まで仕事が入っていたので、この間は長男が一人で家にいる事になり、それを学校で話した途端に・・・

「おーい、宏大が今日から三日間、夜一人らしいぞ~」
「なんだ~?・・・じゃあ今夜はパーティーか?」
「いや、彼女連れ込むらしぞ~!!」
 
・・・と、本人が何も言わない間に周りが盛り上がってしまったらしい(笑)。
 
 
 
 
しかし、残念ながら長男君、只今彼女募集中。
 

そもそも金曜は新聞配達、土曜は春のリーグ戦の試合、そして日曜は短期で行われてるトーナメントの準決勝と決勝。その上、相変わらず舞い込むグラブ修理の仕事と学校の宿題もあって、たとえ彼女がいてたとしてもデートしてる暇も無し。
 
 
 
そんな訳で、結局長男は一人淋しく週末の夜を過ごしてたのですが・・・
 
 

朝、僕が家に帰って来ると、そこには・・・

彼女の痕跡!!
 
 

・・・ではなく、丁寧に折り畳まれた洗濯物、キッチンの食器類も綺麗に洗われ、リビングにも掃除機が・・・おぉー、これぞまさしく彼女の痕跡か?・・・(って、しつこい?笑)

実は朝早く帰って来るお父さんの負担を少しでも減らす為に、自分で出来る事は全部やっておいてくれたらしいのです。
 
だいたい高校生の男子と言えば、食い散らかしてグウタラ寝てるのが仕事のようなもの、きっと次男一人ならそうなっていたはず・・・それをその歳でそんな細かい所に気が付くなんて、う~む、なんと良く出来た息子!親の顔が見てみたい(大笑)。

その上、日曜日のトーナメントは見事に優勝、しかも準決勝&決勝で二試合続けてMVPに選出されて大喜び。
 
「なんかね、自分でも信じられないくらい今日は球が走ってたんだよ」
「良い子にしてたから、きっと野球の神様が応援してくれたんだろうな」
 
興奮気味に話す長男の笑顔、そして手には二枚のティム・カード!
 
準決勝・決勝とMVPの選手にはティムホートン(カナダで一番有名なドーナツ屋さん)のギフトカードが賞品としてもらえるらしく・・・
 
「なんだお前、だからそんなに嬉しそうな笑顔なの?」
「へへへ・・・」
 
う~む、長男にはまだしばらくは彼女よりドーナツの方が良いようです(苦笑)。
 

でもね・・・
 
高校生の男子がそんなに細かい所までキチッと出来ちゃったら、逆に彼女ができないよ・・・と、父ちゃんは少し心配です。
 
・・・えっ、余計なお世話?(大笑)
 
2017-05-10 01:31:21

打ち直し

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「いやっ、だからほんとにホームランだったんだよ・・・」
 
試合後、悔しそうに何度も説明する次男。
 
メジャーのようにビデオ判定があれば話は別だが、例えどんなに多くの人が「あれは完全にホームランだったよ」と言っても、主審が「ファール」と言えばファールになるのが少年野球のルール。
 
 
監督から「いいから止まらずそのまま一周回れ」と言われてホームインしたが、結果はやはりファールはファール。
 
なんとこれで6試合連続で場外へ飛び出す大ファールを連発中、しかもその内の一発は場外に止めてあった監督の車に当てるというおまけ付き(苦笑)。
 
 
 
日曜の試合、今度こそは入ったと誰もが思った瞬間、またしても主審からの「ファール」のコール。
すぐさま監督が飛び出して「今のは誰がどう見てもホームランだろ!」と文句を言っても、結果はやはりファールはファール。
 
 
 
 
悔しさを押し殺してもう一度バッターボックスに入り、その初球を思い切り叩くと今度はセンターへのホームラン・・・ではなく、フェンスまで届く大飛球!!
 
 
本当はここで「良い当たりだったな~、もう後ほんの数メートルでホームランだったぞ、ナイスバッティングだ!」と褒めてあげるのが良い父親なのでしょうが、ひねくれた父親の僕は・・・

「何だよお前、ここで打ち直して文句なしのホームラン打ったら球場が大盛り上がりでヒーローになって女の子にキャーキャー言ってもらえたのによ~、だっせ~な~」と、ついついからかってしまう。

「だってこの球場がでか過ぎるんだよ!普通の球場なら完全にホームランだったのに~」と、またしても悔しがる次男。
 
 
 
 
「でもな・・・やっと良い角度でボールが飛び始めたな」
「うん・・・やっと良い感じになってきた」
 
 
 
 
実は今シーズン開幕前、打撃は全く心配していなかった。
 
監督も昨年秋から絶えず次男を3番か4番打者として中軸に据え、全幅の信頼を寄せてくれていた。

だが・・・
 
そんなに上手く行かないところが野球の難しいところ・・・
 

シーズン開幕前から守備は絶好調をキープしていた。
 
キャッチャーをした試合はここまで全勝負け無し、一塁ランナーで盗塁を試みた8人を連続でアウトにし、最後の方は誰も走らなくなった。
 
ピッチャーとして初先発した先週の試合は、リリーフした子と二人でいきなりノーヒットノーラン。その後リリーフで出た週末の試合もまだノーヒットピッチングを継続中。
 
本当に出来過ぎの結果、出来過ぎの開幕ダッシュ・・・
 
・・・かと思いきや、あれほど自信満々だった打つ方がさっぱり調子が上がらない。
 
 
開幕からの数試合、ヒットは出るものの全く本人は納得がいかない。
 
ヒットも打ちファーボールも選んで出塁してるのだから、それで良いじゃないかと言ってしまえばそれまでなのだが・・・
絶えず結果の求められるプロ野球選手とは違い、少年野球の場合は目先の事だけではなく、いかに自分の納得のいくスイングをして、どれだけ良い打球を飛ばせるかが大事だと思う。アウトかセーフかの結果だけを重視するのは大問題!
 
ここの部分を勘違いしてる親や指導者が多過ぎる気がする。
 
 
「とにかくバットに当てて塁に出ろ」
「絶対ゴロを打て」
「何が何でもライト側に転がせ」・・・等々
 
状況によってはこういう指示も必要なのだろうが、毎試合こんな事ばかり言われて育った子が野球をやってて楽しいと思うだろうか?こんな打ち方ばかりさせられてきた子がホームランを打てるようになるだろうか?
 
 
次男の打てない原因は分かっていた。
「自分が大きいのを打たなければ」という気持ちが強すぎてアッパースイングになり過ぎ、打つポイントでボールの上を叩いてしまうのでなかなか打球が上がらない。大きいのを狙い過ぎてポイントを前に置くので強引に引っ張った打球はライン際でファールになる。
 
 
でも僕は「とにかくバットに当てていけ」とか「ゴロでも良いから出塁しろ」なんて絶対に言わない。
 
 
彼は毎試合誰よりも《遠くに飛ばしたい》《速い球が投げたい》と思っている。野球を始めたばかりの子供達が皆頭に思い描いていた夢を今も抱き続けている。
 
だからちょこちょこバットに当てるような事をしても面白いはずがない。
面白いと思わない事に集中できるはずがない。
集中出来ない事を続けても上達するはずがない。
そんな姿を観てても、こちらも楽しいはずがない。
・・・と負のスパイラルに陥り、野球嫌いの家族が出来上がってしまうくらいなら、やらない方がずっとまし。
 
「だから、こうやって打てば良いんだよ!!」なんていう押しつけは益々の逆効果。
 
だから僕はユーチューブから数人のホームラン打者のビデオを探し出し、次男がリビングでくつろいでる横でこっそり一人で見始める。
 
 
「おっ、すっげー打球だな~」
「なんであんなに軽く打ってるのに、あんなに飛んで行くんだろうな~」
「こんなホームラン打てたら気持ちいいだろうな~」
「これだけ振り回してるのにファールにならないって凄いな~」
・・・と、それとなく次男が興味の沸く話題を1人ブツブツ呟くのである(笑)。
 
「何、何?・・・なんのビデオ?」
次男が乗り出してくれば、もうこっちのもの。後は簡単・・・
 
「こんなホームラン打てたら凄いよな」
「うん・・・俺もあんなの打ちたい」
 
「どうしてあんなの打てると思う?」
「う~む、やっぱり体重移動かな?・・・スタンスかな?腰の回転か?タイミングか?・・・」
 
あーだ、こーだとビデオ観ながら雑談が続き・・・
 
「(投手側の)バットをリードする腕、綺麗に肘を振り抜いてるよな~・・・あんな振りが出来るからきっとファールにならずに吹っ飛ばせるんだろうな~」
・・・等と、ビデオを見ながらボソボソ、ボソボソ僕が呟くと、もう次男はじっと座ってなどいられない。
 
直ぐにバットを握り、素振りを始めた。
 
そして僕はこっそり「ニヤッ」とほほ笑むのだ。
 
 
打てなくて落ち込んでる時に、監督や親から「ゴロで良いからとにかく当てろ」なんて言われたら、それこそ自分はダメなんだと気持ちまでボロボロになってしまう。
 
子供達に必要なのは《やる気のスイッチ》を入れてあげる事、その為に必要なヒントをさりげなくちらつかせるだけで良いと思う。
 
「くっそー・・・なかなかホームランが出ないよ~」と、次男は悔しがるが、全然焦る必要は無いと思う。どんどん良い打球が飛び始めたし、飛距離は確実に伸びて来た。
 
水曜からはアルバータ州への遠征が決まっている。高校や大学、プロのスカウトも観に来る大きな大会。ファールにならない本当のホームランはその時のお楽しみに残しておけば良い。
 
「今度こそ、どでかいのかっ飛ばしてやれっ!」
「うん、かっ飛ばしてやる!」
 
久しぶりに次男の顔に笑顔が溢れ、僕は「その笑顔のままで帰って来いよ」と心の中で呟いた。
 
 
 
 
 
 
 
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2017-03-10 16:00:56

春・・・近し?

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とうとう消えてしまいました
 
ずーっと続いていた記録も今日までです
 
 
 
この冬は11月から何度も雪が降り、12月前半の大雪では裏の森から大きな木が倒れて来たり停電になったりと大騒ぎ。ここ数年があまりにも暖冬だったので、久しぶりに冬が戻って来た気がして、子供も大喜びしてたのですが・・・
 
大雪の後も居座り続けた寒波はカナダ南西部に異常低温を引き起こし、気温はずーーっと氷点下、路面はそのまま大きなスケートリンクとなったまま年末を迎えて・・・そこでまた大雪。
 
新年は一面の銀世界で清々しく幕を開け・・・・た、までは良かったのですが、そこからまたずーっと異常低温で雪は溶けずにまた次の大雪が降るというパターンが何度も続き、2月はとうとう観測史上最高の雪、そして3月に入っても毎日のように雪が降っては溶け、降っては溶けの繰り返し。
 
大雪の臨時休校で突然10連休をもらってた娘は、雪だー雪だーと叫んでる間に、もう明日から春休み。
 
このまま雪の春休みか?・・・と思っていたら、とうとう今日は雪無しの1日でした。
 
少し離れた所から町を見ると、今朝もかなり雪が降っているのですが、スノーラインの高さがギリギリ我が家のある場所の上に上がったようで、坂の上から降りて来る車の屋根にはまだ今日も5センチほど新雪が積もってますが、我が家の周りはようやく雨の世界に戻りました。
 
 
昨年12月9日から昨日3月8日まで、1日も絶える事無く家の前に雪がある日が丸々3カ月、ちょうど90日間!!
 
パチパチパチ、新記録達成です!(笑)
 
 
まあ、他人が見れば「・・・で?・・・それが何か?」って言われておしまいなんですが(苦笑)。
 
何の価値もない所に勝手に価値を作ったり、勝手に記録にして数字を楽しむのは僕の癖。
世の中、何にでも好奇心を持って楽しめる人は幸せなのです(笑)。
 
さあっ、雪も消えたし野球シーズンは目の前じゃ~・・・息子よー目覚めよ~・・・って、天気予報、今度はずーっと雨じゃん(泣)。
 
 
 
 
 
 
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2017-03-05 14:51:25

家事代行

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「こっちの大きい方が、いろんなノズルとかモーターで動くブラシとかが入ってるから、こちの高い方買って~」
 
・・・と娘にせがまれて、つい先日新しい掃除機を購入したのですが、実はそれには深い訳がありました。
 

話は少し飛びますが・・・
 
日本で昨年後半に大人気だったドラマ・逃げるは恥だか役にたつ、通称「逃げ恥」。
 
星野原と新垣結衣のダブル主演で一大ブームになったこのドラマが、現在北米の日本語チャンネルで放送されているのです。そして我が家の子供達、どうやらこの「逃げ恥」がとてもお気に入りのようなのです。
 

まあ息子達二人にしてみれば「新垣結衣って可愛いな~美人だな~」とか、「星野源って頼りねーなー、ちゃんとチューしろよ」とか好き勝手言ってるだけなのですが(苦笑)、どうも娘は見てる部分が二人とは全然違うようなのです・・・
 
 

娘は、番組内で新垣結衣が派遣される「家事代行」という言葉にビビビッと来たようで(笑)、この「家事代行」をしたくて仕方がないのです。
 
 
 
「パパ~、これプリントアウトして」
 
・・・と先日見せられたモニターの画面は、なんと《家事代行の契約書》
 
 
「う~む、何々・・・この契約書にサインしたら、家の掃除と週末の料理は家事代行のエミカが全て行います・・・」
「そう、だからこの契約書にパパとママがサインして、エミカもサインしたら家事代行の契約が成立するの」
 

「料理も掃除もするの?」
「そう、全部エミカがするの」
 
「ほんとに?・・・大変だよ~」
・・・と口では言いながら、「おーっ、良いぞーやれやれー」と呟く僕。

 
そんな訳で、契約書を交わしてから初めての週末である今日、娘は嬉しそうに掃除機をかけ、料理のメニューを考えてます。
 
その姿を見ながら僕はこんな事を思いました・・・
 
 
「これって、きっと妻のおかげなんだろうな~」
 

普段僕は息子達の好きそうな話題を幾らでも見つけて話しかけてあげる事が出来ます。野球、トレーニング、メカ等々、彼らの好奇心のスイッチをコソコソっとくすぐって、いろんな事に興味を持つように話題を振る事は僕にとってもとても楽しいのです。
 
ですが、料理や掃除の話題を膨らませる事は僕には困難で、「美味しいな~、凄いな~」と褒めてあげる事くらいしか出来ません。
 

ですが娘はなぜか掃除や料理が楽しくて仕方がないようなのです。
 
 
子供はいつも親の行動をとてもよく見ています、そして間違い無く・・・
 
《親が楽しそうにしてる事に興味を持ちます》

 
いつも鼻歌交じりに楽しそうにキッチンに立っている妻の姿を、小さな時から見て来た娘。

娘が「やりたい」と言うと、妻は絶対に「ダメッ」と言わずにいろいろ手伝わせてあげてたので、いつの間にやら娘の頭の中には《家事は楽しい物》としてインプットされたのでしょう・・・・きっと?
 
いつか家事が大変な作業だと娘が気付いた時は、シンデレラのビデオでも見せて「家の事が何でも完璧に出来るようになったら、きっと素敵な王子様が現れるよ~」なんていう作戦に出ようかな?(笑)
 
いやいや、王子は要らない王子は!・・・
王子なんてけしからん!
 
・・・だって、王子が現れると父ちゃんが寂しいので、もうしばらく王子は要らないから頑張って「家事代行」してなさい!
 
ほれほれっ、働け~(笑)
 
 
 
 
 
 
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2017-02-26 17:35:16

良いタイミングで・・・良い刺激

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「なんだ陽介、お前ビビってんのか?」
 
・・・と監督に言われ、負けず嫌いの次男は思わず
「いえっ、大丈夫です・・・全然大丈夫です」
と言ってしまったそうですが、実は全然大丈夫ではありませんでした。
 

金曜日、次男が練習に行くと、そこには自チームの監督とシニアチームの監督が何やら密談をしています。そして次男と見つけると直ぐに・・・
 
「おーっ、陽介良い所に来たな~」と声をかけて来たのです。
 

シニア・チームと言うのは17~18歳の子が中心になった高校生のチーム、その下には16~17歳のジュニア・チーム、そして次男がいるのは14~15歳のバンタム・チームです。
 
日本で言えばバンタムが中学生野球、ジュニアとシニアが高校野球にあたり、通常バンタムの選手がジュニアを吹っ飛ばしてシニア・チームの練習に参加する事はありません。
 
 
 

ですが、両監督は嬉しそうな顔で・・・
 
「おいっ陽介、お前明日のシニアの練習に来て、キャッチャーしろ」と言い出したのです。
 

絶えず上のレベルでやりたいと言い続けてた次男ですが、さすがにこれには驚きました。
 

「えっ?・・・ジュニアじゃなくて?・・・シニアですか?」

ですが、監督は陽介の性格をよく知っています(笑)。
 
「なんだ陽介、お前ビビってんのか?」・・・と声をかければ、売り言葉に買い言葉
「いえっ、全然大丈夫です!」・・・と、乗って来るのは最初から分かっていたはずです。
 

帰りの車の中・・・
「あ~っ、どうしよう父ちゃん・・・俺、あんな球、本当に受けれるかな~」
・・・と、いつも強気の次男が珍しく弱気になるのも当然で、実はこのチームの投手陣ちょっと普通ではないのです。
 
 
POと呼ばれる投手専門の子供達の中には・・・
日本の超強豪高校チームの誘いを蹴ってカナダに野球留学し、いきなりカナダナショナルチームの候補にリストアップされる子、2メートルの長身から150キロの剛速球を投げ込む子、小学生時代から何度もカナダナショナル・チャンピオンゲームに顔を出してる子、今年のメジャーのドラフトが確実視されてる子、等々物凄い子達がひしめき合ってるのです。

ですが、次男は誕生日が遅いので、まだ14歳と3か月、日本にいたら中学2年生の年齢です。シニアの球を受けるどころか、生で150キロの球なんて見た事もありません。
 
「ホッケーアカデミーでフル装備の防具借りて来いよ」とか、「チェストプロテクター2枚着けたらどうだ」とか言っても返事が返って来ません。
「なんでも良いから持ってるプロテクター全部付けとかないと、野球人生どころか人生そのもの終わっちまうぞ」と、冗談を言っても、顔が引きつって笑いも返って来ません。
 
 
 
少し冷たい言い方ですが、今の時点で次男がシニアのピッチャーの球をちゃんと捕球出来ようが出来まいがどちらでも良いのです。自分の所属するバンタム・チームの練習では物足りなくてモチベーションが下がってしまい、すっかり高くなってしまった天狗の鼻を、ここらで久しぶりにパキパキにへし折られる良いチャンスだと思ったのです。
 
「自分が一番、自分は特別なんだ」なんて言うとんでもない勘違いをする前に、少し痛い目に合うチャンスだと・・・
 

ですが、練習が始まると、意外にも・・・
 

「あれっ、結構いけるな」と思えてしまったのです。
 

帰りの車の中でも
「凄かったな~、楽しかったな~・・・明日バンタムに戻ったらスローボールに見えるかな~」と上機嫌。
 
そして今年の目標を・・・
 
「シニアの球を平気で捕れるようになること、シニアのような球が投げれるようになること、シニアの球をガンガン打ち返せるようになること」
 
・・・と、いきなりの三段階アップぐらい高い目標設定に変わってしまったのです。
 
 
 
親ばかな話ですが、「彼はぬるま湯の中にいるよりも、いつも緊張感がピリピリするような中にいないとダメなタイプなんだろうな~」と改めて感じました。そして・・・
 

「こんな内容で良いかな?」
 
・・・と、その夜、次男が見せに来たメールは、シニアの監督へのお礼状でした。
 
「シニアの練習に招待してくれてありがとう。とても良い経験、良い時間を過ごせました。あのレベルの球をもっと平気で捕れるようになりたいので、また是非シニアに呼んでください」
 
シニアの監督からも直ぐに返事がありました。
「今日は練習を手伝ってくれてありがとう、また直ぐにシニアに呼ぶぞ」と。
 
凄い球が捕れたとかどうとか、そんな事は今の時点ではどうでも良い事。それよりも、自分でお礼を言おうと思えた事、自分をもっとアピールしようと思えた事、このメールを自分で書いて送れた事が今日の何よりの収穫だった気がします。
 
わがまま勝手なワンパク坊主ですが、良い刺激を一杯もらって、ほんのちょっとだけお兄ちゃんになれたかな?
 

PS・・・ピッチャーだけでなく、このチームにはドラフト候補の凄いキャッチャーもいるので、上のレベルで活躍するにはまだまだ遠く険しい道が続くのだよ、がんばりたまえ次男君(苦笑)。
 
 
 
 
 
 
 
 
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2017-02-21 13:39:36

初めてのデートの後は・・・?

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「唇にキスに決まってんだろ!」
「ちょっ、ちょっと勝手に書くなよ」
 
隣から勝手にチェックマークを書き込もうとする友人を必死に止める長男。
 
「デートの最後に唇にキスしないで、どうすんだよ?」
「だって初めてのデートは・・・やっぱり握手くらいじゃないか?」
「だめだめ、唇!!」
 

2月上旬、長男の学校で配られた一枚の用紙。
 
「これ、おもしろいよ~」と、持ち帰って見せてくれたのですが・・・
 
 
「こっ、これって恋人探しじゃねーかよっ!」
 

幾ら自由の国カナダのハイスクールと言えど、僕はそれを見てちょっと驚きました。
配られた一枚のアンケート用紙は、正に恋人探しなのです。
 
2月上旬にアンケートに答えると、自分に一番相性の良い相手を見つけ出してくれ、「二人で楽しいバレンタインデーを過ごそう!」と言う事らしいのです。
 
僕が言ってた高校もかなり自由で面白い学校でしたが、流石に日本では学校主導で恋人探しなんてありえません。
 
「凄いな~…面白いな~…羨ましいな~(笑)」と、思わず見入ってしまいました。
 

アンケートの詳しい内容はもう忘れてしまいましたが・・・
 
例えば、「あなたの趣味は?」とか、「デートに行きたい場所は?」とか、「デートの日、何時までに家に帰らなければならないか?」とか、いろんな質問があって、徐々にその内容が「これって高校生用じゃないよな?」って思える物になって行くのです。
 
 
 
そして冒頭に書いた「最初のデートの別れ際にどうするか?」の質問。
1、握手
2、肩にパンチ(トントンって奴だろうね?)
3、ハグ
4、頬にキス
5、唇にキス
 
…ここで長男の隣で見ていた友人Dが「唇に決まってんだろ」とチェックを入れたので、長男が慌てて書き直した…と言う話でした。
 
「だって、初めてのデートだよ…やっぱり握手からだよね」
まあ、真面目な長男には握手するのも大変だろうな~…なんて思いながら、その数日後…。
 

「ちゃんとあのアンケート出したのか?」
「いや、やっぱり出すのやめといた」
 
提出は自由なので、参加したい人だけが提出すれば良いらしいのですが…
 
「面白いから出すだけ出してみたら良かったのに」と、少し残念な僕。
「だって、行きたい場所がグラブ屋さんで、趣味がグラブ修理だよ」
 
 
「う~む・・・確かにそれはハードルが高いな~」
 
…と、そこへ横から
 
「か~っ、バカ兄貴!・・・何で出さないんだよ!そんな事ならその用紙俺にくれよ!」と叫ぶ次男。
 
「なんだ、お前は彼女が欲しかったのか?」
「欲しいに決まってんじゃん、も~バカ兄貴」
 
どうやら中学3年生には配られなかったようです。

まあ、チビ達はいっぱい勉強して早く高校生になりなさい(笑)。
きっと高校にはたくさん楽しい事が待ってるよ~
 
 
 
 
 
 
 
 
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2017-02-10 13:34:25

大雪の日の…善意と感謝と下心

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「お~いっ、待って~…ちょっと待ってくれ~…」
 
昨年末の大雪の日、新聞配達をしていた息子達を大声で叫びながら追いかけて来た一人の男。

大雪で足元の悪い中、駆け寄って来た男は息をハァハァ言わせ、手には20ドル札を握りしめていました。
 
そして男は僕の顔を見ると、少し興奮気味にこう話始めました・・・
 
「君の息子達は本当に素晴らしい、信じられないよ…どんなに悪天候で配達が大変な日でも、例え夜になったとしてもちゃんとその日の内に新聞を届けてくれる。本当に信じられない働きぶりだ……これ、少ないけどジュースでも飲んでくれよ」
 
そう言って男は握りしめていた20ドル札を息子に手渡してくれたのです。
 
 
 
彼が二度も使った「信じられない」と言う言葉には、どうやら二つの意味があるようです。

一つ目は、どんな悪天候でもきっちり配達してくれる息子達への称賛の意味。そしてもう一つは、高い購読料を払っているにも関わらず、大雪が降ると平気で1週間でも10日でも配達を休む大手新聞社への苦情の意味。
 
仕事としてメジャー紙の配達をしている大人達が直ぐに諦めてしまうような悪状況の中、無料のローカル紙なのにきっちりと配達する子供達・・・・と、どうやらこういう構図が近所の方達の中には出来上がっているらしく、いつも通りに仕事してるだけなのに、大雪が続くとなぜだか急に息子達への仕事の評価が上がるのです。
 

そして、先週から続く今回の記録的な大雪で彼らはまた新たな仕事を見つけてしまいました・・・
 
とにかく雪が凄いのです。ただでさえ運転が大変なドカ雪なのです。
 
おまけに我が家が在るのは、坂を上り切った所にあるカーディオサックの突き当り。(住宅地の突き当りで車が回転しやすいように、円形をした道路の場所の事です)

二輪駆動の車やノーマルタイヤの車は、よく坂の途中で止まってしまいますが、なんとか勢いをつけて坂を上り切った車も、スピードを落としてターンしようとした途端、皆我が家のちょうど前で身動き取れなくなるのです。
 
僕はもうこの町に20年住んでいますが、坂の多いこの町の冬を、ノーマルタイヤと二輪駆動で暮らすのは絶対に無理…そんな訳で、何度も何度も車の救出に向かうので、いつの間にやら気が付けば息子達もお助け隊になって近所の人気者になっておりました。
 
 
 
本当に彼らが人助けの善意でやっているのか?それともあちこちに車がスタックしてると野球の邪魔だから手伝っているのか?それとも新聞の時のようにまた褒められたいという下心もあったのか?(笑)
 
 
 
とにかく・・・

今では、ご近所さんの車が止まったら、直ぐに長男と次男がスコップ持って助けに行きます。お隣さんが家から車を出せない(家に戻れない)という場合も、またまた息子達が飛び出して行って助けてあげます。

お隣のおじさんからは「次回、大雪が降ったら、君達を雪かき部隊に雇いたい」と、新たなバイトの口までゲットして大喜びです。
 
 
 
そんな上機嫌だった息子達にある出来事が起こりました。
 
 
 
大雪で臨時休校になった火曜日、のんびりとした午後を過ごしていたところに突然・・・
 
「ピンポーン…ピンポーン…」
 
娘がドアを開けると、見ず知らずの男が一人。
 
「車が動かないんだ、助けてくれないか」とやって来ました。
 
 
 
息子達が僕の顔を見ます。
「え~っ、ご近所さんなら良いけど…全然知らない人って、なんか嫌だな~」と少しビビり気味の長男。
まあ誰だって知らない男にいきなり助けてくれと言われたら、ちょっと考えてしまいますが・・・でも

「まあ良いじゃないか、困ってるんだから助けてあげなよ」
 
そして息子達二人はシャベル片手に出かけて行きました。

僕は手を出さず、二階の窓からその光景を眺めていたのですが……直ぐにムッとして、出て行くことになりました。
 
僕がなぜムッとしたか…それはその男の態度です。
 
 
息子達がタイヤの周りの雪かきを一生懸命してあげているのに、その男は暖かい車の中で腕組みしたまま何もしないで見ているのです。
 
彼らがやっているのは義務でも仕事でもありません、善意です。
 
しかも子供の善意を大人が踏みにじるような行為は絶対にダメなはず。
 
 
ご近所さんの車がスタックした時は、一緒に車の下を覗き込み「もう少しこの辺りの雪を掘って、バックした方が良いね」なんて事を話しながらチームワークで救出するのです。そういう意味も含めて、社会勉強になるから「助けてあげなさい」と息子達を送り出していたのです。
 
ですがこの男は、ようやく車が動いても「ありがとう」の一言も言わず、窓を開けて手を振るでもなく、そのまま走り去ってしまったのです。
 
唖然とした表情で僕の顔を見る息子達

「宿題の途中に助けに来たのに、なんか凄い嫌な気分になったな」と呆れ顔の長男。
「あ~ぁ、助けなきゃ良かった…しんどい思いして損した気分だ」と怒りの次男。
 
これは大人同士でも当然ダメですが、子供に助けてもらっておいて大人が黙って立ち去るなんて絶対にダメだと思います。

「もうレスキューが多すぎて腰が痛いよ…」溜め息交じりの息子達に僕が話始めました…

「ああいう態度は、本当にダメだな」
「・・・うん」
 
「たった一言の『ありがとう』で、皆の気分が良くなって、体の疲れも吹っ飛んだのにな」
「そうだ、そうだ」
 
「でもな・・・あのクソおやじ、たった一つ良い事を教えてくれただろ」
「・・・えっ、何?」
不思議そうな顔の息子達

「たった一言の『ありがとう』で、周りの人を気分良くも、気分悪くも簡単に出来てしまう。どんな小さな事でも、ありがとうっていう感謝の心を忘れたら、ほんとにダメだな~って、これでよく分かっただろ?」
「ほんとだね・・・たった一言なのにね」
 

人間の感覚は直ぐに鈍感になります。
 
最初は嬉しかったはずなのに、直ぐにやってもらって当然に思えてきます。やってくれないと不満にさえ感じます。本当は嬉しかったはずなのに、いつの間にか感謝ではなく慣れになってしまいます。
 
あのクソおやじは確かにダメですが、子供達に強烈なインパクトで「ありがとう」の大切さを教えてくれた事を今回は感謝する事にします。
 
 
 
「もう二度と助けてやるかーバカおやじ、雪に埋もれちまえ」なんて事は絶対に言いません…感謝、感謝(笑)。
 
 
 
 
 
 
 
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