宮城、多賀城の子ども2人の尿からも放射性セシウムが検出 | 乖離のぶろぐ(*´∀`)吸い込んで応援
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1096/20130309_01.htm
(49)不安解消へ、ママ友連帯/放射線被曝から子どもを守る会 多賀城代表・佐藤洋子さん

幼稚園のママ友らと会を結成し、活動する佐藤さん(右から2人目)

 福島第1原発事故を受け、放射能が子どもに与える影響に不安を持つ多賀城市内のママたちが2011年12月、「放射線被曝(ひばく)から子どもを守る会・多賀城」を結成した。代表の佐藤洋子さん(34)は転勤族の普通の主婦。「不安に思う人たちと手をつなぎ、子どもの健康を守りたい」-。こんな思いで情報交換し、悩みを語り合い、行政や教育現場にも意見している。

◎情報交換重ね、行政・学校に要望

<恒例の「茶会」>
 2月のある日、多賀城市山王公民館に乳幼児を連れた主婦ら約15人が集まった。会員が情報交換する恒例の「多賀茶会」。幼稚園選びの参考にしようと、初めて来た人もいた。
 会発足のきっかけは震災後、幼稚園に通う佐藤さんの長男(5)の体調不良が続いたことだった。鼻血や下痢など普段見られない症状に、佐藤さんは放射能の影響を疑った。インターネットで調べ、民間の研究所に尿のサンプルを送ったところ、11年11月、放射性セシウム0.3ベクレル(1キログラム当たり)が検出された。
 一般的に体に影響があるとされる数値ではないが、もともと長男はアトピー気味で、佐藤さんは体調管理や食品に人一倍気を使っていた。会設立直後、会員の子ども2人の尿からも放射性セシウムが検出された。数値は長男よりも高かった。「原発から100キロ離れた多賀城でも、内部被曝は現実としてあるんだ」。佐藤さんはそのときの驚きを振り返る。

<徒労感が募る>
 「不安だからこそ真実を知りたい」との一心で、幼稚園のママ友らと地元市議に相談。給食の食材検査、子どもの健康診断など、多賀城市に要望を重ねたが「行政の腰は重くて徒労感が募りました」。周囲から「福島じゃないのに、騒ぎすぎじゃないの」と奇異に見られ、理解してもらえないつらさ、ジレンマにも悩んだ。
 個人的な陳情より、組織行動に重きを置こうと、同じ不安を抱える約40人で会は発足した。12年3月には市議らを巻き込んで市へ陳情書を提出。放射能の専門家を招いた講演会も催し、問題意識の共有に努めてきた。
 横浜市出身。夫の転勤で震災半年前に多賀城へ来た。市民・政治活動などは未経験だったが、自ら行動する大切さを学んだという。
 食品に含まれる放射性セシウムについて、国が12年4月に示した新基準は「1キログラム当たり100ベクレル以下」。この基準に従っても、会員らの不安が解消されるわけではない。

<活動に手応え>
 「食品アレルギーにも個人差があるように、基準値内でも問題が出る子はいる。それでも学校給食で牛乳を遠慮させてもらったり、弁当持参を認めてもらったりしたことで、こちらの意見をくみ取ってもらいました」と佐藤さん。
 さらに「『国の基準で安全』としていた市側が『低ければ低い方がよい』という表現になった。陳情内容を全て受け入れてもらったわけではないが、取り組み姿勢を変えてもらったことは前進です」と、これまでの活動の手応えを語る。
 佐藤さんは「神経質なクレーマーと思われないよう、幼稚園や学校と信頼関係を築くことが大切。積極的にPTA活動にも参加して、対策に一緒に関わっていく姿勢が欠かせない」と言う。会員にもこうアドバイスし、情報交換やホームページでの情報発信に努めている。

2013年03月09日土曜日