もう10年以上も前の話だ。思い出した話があるから

書いてみようと思う。


あれはたしか・・・・・


「もう10年以上昔だ…。俺は一人で売り出そうと躍起になっている、青二才だった…」

って、「カリオストロの城」のルパンのセリフじゃねぇかっ!?

本文はルパンにはこれっぽちも関係ない話です。

単なる「もう10年以上前の話です。」を言いたかっただけでして・・
ちょっと似てるな・・・・書いてしまおうと・・・すみません。

現地販売会(完成一戸建て)をしていたときに、50歳台後半ぐらいの奥様が
いきなりスタスタスタと近づいてきて、こう言った。

「この物件って、現金で買えば値引きは出来るのかしら?」と来た。

「おおうっ!?マジかっ!?」とは口には出なかったが、内心はそう思った。
だが、ここで喜んではいけない。ホントに買うのかっ?と疑うようになっていたし、
(といってもまだ、1・2年の経験しかなかったが。)
正直言えば、ローン使おうが現金だろうが、売主には関係ないのだ。
どうせローン借りても一括返済だしね。
だから、現金払いを理由に値引きなどは、不動産にはない。
(よほどお金に切羽詰った業者ならばわからんがね。)

それなので「いや、現金でもローンでも変わらないのですよ。」と答えた。
しかし奥様は食い下がる。「買いたいのよ。息子を呼ぶから話を進めたいの!」と。

「買いたい!」しかも「現金!」と言っているお客様を、邪険にするバカ営業マンはいない。
しかし、重要ワードが会話に出てきていますね。「息子を呼ぶ」と。

ほうほう、息子さんと一緒に住むのね?だから息子さんにも了解を得たいとね。
すぐに呼びなさい!ってんで、連絡してもらった。30分後にやってくると。
メディア関係の仕事をしているようで、仕事中にも関わらずやってくるとのこと。
弊社の場所を教えて待ち合わせることとなった。いい話ですなぁ。

一応、価格交渉がある。当時の私に交渉力などはないので、そのときの
仲介部のトップに接客をお願いした。何たって6,000万円超の物件だったのだ。
値引きって言ったって簡単にはいかない金額なのだしね。

しかし、その上司はこうも言っていたのだ。
「そのお客さんは、本当に現金を持っているのか?」と。

お客さんが「現金で買うっ!」って言ってるのに、
「ホントに現金持ってるのですかっ!?」なんて聞けるわけないだろ!?
頭おかしいのか、この上司は。
(なんて思ってはないですよ~話の流れで面白めにね。)
いいから、アナタはつめてくれれば良いんですよっ!と思っている私がおります。

やってきました。息子さん(30台中盤ぐらいかな?)を引き連れて先ほどの奥様が。

フフン。来たぞ来たぞ。頼むぜ!上司!
早速、テーブルに座り、商談が始まる。

「この物件を現金で買いたいとのお話でしたね?」と、いきなり核心に迫る上司!
なんてカッコイイんだっ!

すると奥様がこう言い放った。

「はい。銀行からお金を借りて、現金で払います」と。

「はぁっ!?」と大声で口に出そうになる私。

「ほれっ見ろっ!?このバカ営業マンがっ!ちゃんとヒアリングもしてないでっ!」
と言わんばかりの視線を投げかけてくる上司。

そして、その後にゆっくりの奥様に向かい、
「奥さんね。それは『現金』とは言わないの。『ローン』って言うんですよ?」と。

「わかってます。母が迷惑をかけてすみません。」と口を挟んできた息子さん。

「それでですね。私(息子さん)が住宅ローンを組んで購入するって気持ちは
 あるし、本当のことなのですけど、この物件は価格が届かないと思うのですよ~。」

その横で「そうね。高いわね・・・」とつぶやきながら、首を小刻みに震わす奥さん。
「・・・・・・イラッ」と無言の中村。

「ただ、母も気に入ってる物件のようなので、価格相談って出来るのですか?」
と息子さん。
「そうね。高いわよね・・・」とのたまう、奥様。

「ちなみに相談とはおいくらぐらいでお考えで?」と上司。

「500万円以上(の値引き)はいかがでしょう?」

スクッと立ち上がる上司。そしてこう言い放つ。
「現状では無理ですね。中村くん。いろいろ相談に乗ってあげてください。では。」

少しビックリしている親子さん。

ああ・・・上司の逆鱗に触れたかしら・・・・?
などとは思わない。

「すみませんね。ローンの話しも無しに価格交渉などは不可能なのです。
 ちょっと資金計算をしてみましょうか?自己資金などはおいくらでお考えですか?」

と、話しが全然違うじゃねぇかよ、やっぱりよ。と思いながら無難な会話をする私。

「いや、値引きが出来るのか出来ないのかを、先に知りたいのです。
 出なければ、お答えしたくないのですが。」と息子さん。

あっ!?カッチンきたなこれな!?

露骨にいってしまえば、「買えるかどうかもわからない。」のに
交渉など出来ない。売主との交渉テーブルにもつけない。

なおかつ「一生懸命に交渉しても、納得額にならなければ買わない。」
態度がそんな感じなんだな。

もうさ。本気モードが炸裂しちゃうわけよ。

「何か勘違いされていませんか?買う買わないの交渉をするのであれば、
 買える買えないを相談するのが先なんですよ。
 何も自分の情報を晒さないのに、交渉なんか出来るわけがないんですよ。
 資金計算をする気になりましたら、ご連絡くださいませ。
 本日は弊社まで足を運んでいただき、ありがとうございました。
 駅までの道はご存知ですよね?それでは、こちらで失礼させていただきます。」

思いっきり省略したし、言葉はもっと柔らかかったな。


でも、内容はこんな感じでお帰りいただきましたの。


ちなみに、「現金で買います!お金を借りて。」と言われた方は

私はこの方を含めて3人おります。


ご親族からとかかな?とも思ったけど、やっぱり金融機関から借りてだった。


面白いというか、認識違いってあるものなんだね。







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