曽根賢(Pissken)のBurst&Ballsコラム

元『BURST』、『BURST HIGH』編集長の曽根賢(Pissken)のコラム


テーマ:
[鬼子母神日記]


「SECRET AGENT WOMAN」
(1992. Acrylic on board) 
佐藤ブライアン勝彦●作品




第1作目、10数センチの絵に3ヶ月かかった。
画材もわからず絵の具はメーカー混合。
またイラストボードの存在も知らぬ為、部屋にあった色画用紙の裏の厚紙に描いた。

この形は中学の図工の授業の際に、木彫りで友達の顔を抽象的に彫ったときの形のまんま。
当時,私が働いていたレストランの常連さんだったギャラリーショー・コンテンポラリーアートのオーナー佐竹氏に、グループ展に誘って頂けるきっかけとなった思い出の作品。
(佐藤●文)



7月26日(火)鬼子母神は曇り、ときどき雨。

午後1時。
不意に戸が叩かれる。
「東京電力です」
との声に慌てる。
これまで通り、今月も月末にひと月分払えば(2月分遅れているとは云え)大丈夫だと思っていたのだ。

手持ちの金は千円ほどしかない。
むろん口座に金などなく、その千円が虎の子だ。
真黒に日に焼け、いろんなモノをからだにぶら下げた40がらみの男は、申し訳なさそうに頭を下げ、汗をふきふき、それでも電気を「止める」と言う。

彼は決して「待って」はくれない。
いや「待てない」のだ。そりゃ、徴収員なのだから。
「辛い仕事だねえ」
なんて、同情している場合ではない。

この時期の東京で、クーラーを止められたらエライことになる。
(そもそもクーラーのない7号室――私が最初に住んだ部屋――の爺さんは死にかけている)
冷蔵庫もめちゃくちゃだ。

「南無三」
隣室の兵庫くんの扉を叩く。
兵庫くんが緊張した顔つきで顔を出す。
先日「このごろ金を借りるペースが早くなってません?」と言った「恐い顔つき」だ。

結局、2,217円を兵庫くんが立て替えてくれる。
兵庫くんは憮然とした顔で領収書をよこす。
「ごめんなさい」
一昨日52歳になったばかりの男は、心底暗欝な気分となる。


そこへ、The SHELVIS(ザ・シェルビス)の「制作メンバー」よりメールがある。
ここにいたって、メンバーから降りると言う。
理由は書けないが、むろん私が悪い。
謝って、考え直してもらえないかと頼んだが、もはや1度切れた信頼の糸は繋がらなかった。

これで、校了したばかりのセカンド・シングル小説集「Shigella」が、宙に浮いてしまった。
制作メンバーがいなければ、印刷ができない。
総製作費約20万円は、制作メンバーが用意することになっていたからだ。

「ざまあみろ」と、あざける声がする。
頭を振って、コーヒーを淹れる。
しょうがない。
「金がないとは首のない」ことだ。
こうなれば、改めてここで、新たな制作・販売メンバーになってくれるメンバーを募集するしかない。
大袈裟じゃなく、歯を食いしばって、言おう。


[The SHELVISメンバー募集] 

●製作費約20万円(見積もり有り)を「用意」してくれ、
(むろん売上げで相殺――ファースト・シングルは半年ほどで製作費をペイできた)、
●販売・発送・経理・イベントを計画してくれるメンバーを求む。
(販売・発送・イベントについては曽根も一緒に担当する)

●すでに、ジャケット写真代、スリーブ&ビニール代は支払っている。
(これら事前に払った者は元制作メンバーと私――むろん、これらは製作費20万円に入っており、新制作メンバーが最終的に清算する)

●至急必要な金は、印刷費の14万円弱(13万7千540円)だ。

●基本的にノー・ギャラとなる。
(メンバー全員がそうだ)

●3枚のシングルを発売する企画なので、2枚目の製作費回収金も、そのまま3枚目の製作費として使用したい。
(ただしペイした時点で、その回収金を持ってメンバーを抜けるのはしょうがない。1番最初のメンバーがそうだった)

●3枚目を発売して後、浮いた金があればメンバー間で分ける。

――とは云え、限定500枚。
たとえ金が浮いたとしても、メンバー4人で温泉1泊旅行さえできない。
それでは、メンバーとなって、なんの利があるのか?
(今回は校了済みのため、原稿にさえ、もはや口を出せない)

身も蓋もないが、そんなものは、はなからない。

「それじゃあ、おまえは?」

唐突だが、以下はほぼ20年も昔、私の編んでいた雑誌『BURST』の編集後記である。
(1997年VOL.18――当時の文章をやや直した)
支離滅裂な詭弁と取られることは承知。
だが、かまやしない。
作家とは元来「口舌の徒」なのであるから。



「さらば編集の光」

『ガロ』の青林堂が終わった。
おれは『ガロ』の良い読者ではなかった。
が、青林堂の創立者であり、『ガロ』の編集長だった故長井勝一が好きだ。

と云っても、生前に長井と親交があったわけではない。
彼の著書『ガロ編集長』や、『ガロ』の長井追悼号での、漫画家や編集者たちが描く肖像に、同じ雑誌編集者として深く親愛の情を感じるからである。

彼の編んだ『ガロ』が、『バースト』と同じ小部数雑誌で、製作費の少なさから、作家やスタッフ編集者に満足なギャラを支払えなかったという類似点に親近感を覚えたのでは当然ない。

『ガロ』が漫画世界や若者カルチャーへおよぼした、その怖いぐらいの影響力を多少なりとも知っていれば、2誌を比べようなんて発想自体がキチガイざただ。
おれだって、そこまでプライドを棄ててるわけじゃない。

じゃあ、長井勝一のどこに愛情を持つかと云えば、その雑誌や言葉から匂う、
「金じゃないだろ、やりたいからやってんだ」
と云う、明確で、粗暴な、ロマンチシズムこそにだ。

ガキは言うだろう。
「雑誌編集者だって、もうけてなんぼの商売なのだから、利益を考えない編集者はクソだ」と。

けれど、大人のおれはそんな理屈など屁とも思わない。
なぜなら、雑誌を売ってもうけることを目的としていないからだ。
おれの目的は、
「みんなが面白いと感じる雑誌を、自分自身が興奮しながらつくれること」だ。

自らのぞんだ先に、報酬を願う心を嫌悪すること――それがモノ作りをする者のロマンチシズムだと、おれは思う。

ロマンチシズムは美意識を生む。
目的のためには手段を選ばせる。
それが長井にとって『ガロ』であり、おれにとって今は『バースト』だ。

ちなみに、長井勝一は私と同郷の宮城県出身。
『ガロ』創刊号の発売日は、昭和39年(1964年)7月24日。
その日におれは生まれた。

ロマンチストでナルシスト。
それが大人の条件だ。
(ピスケン)



虫のいい話であることは承知の上での募集だ。
前回、前々回の募集でも、名乗りを上げてくれたのは1人ずつしかいない。
その2人とも抜けてしまったのは、すべて私の短気のせいだ。

私はモノ作りとなると、つい「刀を抜いて」しまう(マルC末井昭)。
そもそも私には、他者へ配慮すべき「生活の言葉」がないのだろう。
「昼は甘えん坊、夜は赤ん坊」
と呼ばれるゆえんだ。

決断するのは「事業計画書」と、今回の2作品「親不知(おやしらず)のしゃれこうべ」と「ものもらいの数珠」を読み、私と話し合ってからで勿論いい。
(ジャケット写真も見てもらう)

pissken420@gmail.com
こころの動いた人は、以上にメールをくれたし。
事業計画書と、2作品を送ります。
(メールを毎日確認できないので、返信は2、3日の猶予をお願いする)

まだ見ぬ新メンバーへ、以下の詩を贈る。
口舌の徒よりの「そそのかし」として。
また、今の私を叱咤するためにも。



「砂時計の砂漠」


おれは毎日
砂時計の砂漠を歩いている
夜が来ると井戸に落ち
朝が来るとまた歩きだす

からかうなよ
おれは楽しんでいる
喉が渇いているのは君のほうだろう

さあ、冷たい梨でも食べて出かけなよ
ごたごたした電気の街へ
そこに井戸を掘るのが君の仕事だ
おれが砂時計の砂漠を歩くように









[8月5日「PISS★KERO」のポエトリー・サウンド公開]

●「ケロッピー前田著『クレイジー・トリップ』出版パーティ」



『CRAZY TRIP ~今を生き抜くための“最果て”世界の旅~』
ケロッピー前田著
カラー192ページ(一部2色)
三才ブックス(2016年8月5日発売予定)
本体価格2000円(定価2160円)

【内容紹介】
注目すべきクレイジーな人々に会いに行く! 
伝説の雑誌『バースト』で国内外のアンダーグラウンド・カルチャーを追ってきたケロッピー前田の20年間を集大成! 
頭蓋骨に穴を開けるトレパネーション、マリファナ合法化の最前線、ロシアにあった300年前の驚異の部屋、人体を冷凍保存するアルコー延命財団、サイバー戦士が集う国際ハッカー会議、カナダ先住民族の謎、日本人の起源を探る北海道そして縄文タトゥーの旅など、世界の驚愕の現場を詳細に紹介する。
旅本というには、いささかクレイジーな情報量を投入することで、読者の脳内に新たな旅の衝動を引き起こす危ない指南書である。









発売日8月5日に、新刊「クレイジートリップ」の著者書店訪問ツアーをやります。
(都内7店舗予定)
最終目的地(下北沢の気流舎)にて、石丸元章とのミニトーク(20:00〜21:00)あり。
追加ゲストに『バースト』『バーストハイ』元編集長ピスケンが登場します。
(「ピス★ケロ」のポエトリー・サウンド予定)

http://www.kiryuusha.com/blosxom.cgi

その後、そのまま「気流舎」にて、パーティとなります。
お時間ありましたら、ご参加よろしくお願いします。
(ケロッピー前田)



ポエトリー・サウンド・ユニット「PISS★KERO」のセカンド・ライブだ。
新作の詩を読もう。
もちろん、「The SHELVIS」のファースト・シングルも手売りする。
(署名&詩の一節を書きます)


こんな、みっともない文章を読んでくれてありがとう。
けど、あなたが新メンバーに手をあげてくれることを願う。
おやすみなさい。
良い夢を。





P.S.
以下の作品を買ってくれる方、また、仕事をくれる方、メール下さい。
●「詩作品」(手書きした原稿用紙を額装したもの――10,000円)
※宅配便着払い

●原稿と編集&コピーライトの仕事。
(個人誌やグループの冊子も受けつけます。アドバイス程度なら、酒と5,000円ほどで)

●pissken420@gmail.com


[シングル小説「The SHELVIS」発売中]


●7インチ・レコードと同じ体裁の小説集(A面「八重桜」/B面「熱海にて」)定価1,600円


●本作の購入は、これからしばらく、曽根のメール(pissken420@gmail.com)へ直にお申込みください。
(ただし、毎日メールチェックが出来ないため、お返事が数日遅れることをご了承ください)


●以下の「ディスクユニオン」の店舗で発売中。
御茶ノ水駅前店/新宿パンクマーケット/渋谷パンク・ヘヴィメタル館/下北沢店/通販センター
●中野ブロードウェイ「タコシェ」にても発売中です。
●西早稲田「古書現世」にても発売中。

[ユーチューブにてシングル小説A面「八重桜」のPV公開中]
曽根自身が声と手足で出演しています。
※ガレージパンク・バンド「テキサコ・レザーマン」が全面協力!

[ユーチューブにてPISS&KEROのファースト・ライブ放映中]
中野「タコシェ」にてのポエトリー&サウンド5回。



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