四つの署名 (新潮文庫)/新潮社

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でました!!シャーロック・ホームズ!!

 ミステリー小説の感想を中心としてつらつらブログなんかを書いておりますが、他に漏れず管理人はシャーロック・ホームズが大好きであります。小説はもちろん、グラナダ版のドラマ、RDJとジュードの映画、BBCの現代版シャーロック、はたまたパスティーシュまで節操なく美味しくいただいております。

 最近機会がありまして『四つの署名』を再読いたしました。もうね、有名すぎるお話なので感想も考察も時代考証もすべてシャーロッキアンのすばらしいサイト様がしてくださっているので詳しくはそちらをご覧下さいませ。管理人はただワトソンへの愛をつぶやきたいと思います。

 本作『四つの署名』は前作の『緋色の研究』に続くホームズシリーズ二作目です。
のっけから7パーセントのコカイン溶液をうって退屈を紛らわせるホームズ。

『神経質な白くてながい指先で、細い注射針をととのえて、左手のワイシャツの袖をまくりあげ、(中略)たくましい前腕から手首の辺りをじっと見ていたが、やがて鋭い針をぐっと打ち込み、小さなピストンを押し下げて、ほうっと満足そうな溜息をもらしながら、ビロード張りの肘掛椅子にふかくよりかかった(新潮文庫版『四つの署名』より)』

 もうね、ドイルどんだけ萌えを詰め込んで来てるんだと。白くて長い指先にたくましい腕!!コカインをやるも頭はなお冴え渡りワトソンの時計の持ち主をぴたりと言い当ててしまいます。このエピソードはBBSシャーロックで、ジョンのスマホの持ち主を当てるエピソードとして出てきましたね。

 さて、そんな退屈な時間をすごしていた二人のところにメアリ・モースタンという一人の女性が仕事を依頼しにきます。ワトソンに「何という魅力のある婦人だろう!」と言わしめるいい女。なんでもメアリ嬢のところに差出人不明で毎年真珠が一粒ずつ届くのだとか。そして今朝の手紙に、「あなたは不当に不幸な仕打ちを受けている。劇場で会いたい」という旨の手紙が入っていたとのこと。

 二人を伴って劇場に参りますと、メアリ嬢の父親であるモースタン大尉の知り合いであるショルトー少佐の息子と名乗る人物がおりました。なんでも、ショルトー少佐はモースタン大尉が心臓病でなくなったのをいいことに、財産を独り占めしていたのだと。その罪滅ぼしのために真珠を毎年メアリに贈っていたのだと。息子(双子の弟のほう)は父の死を機に、財産をメアリに半分お返ししたいと考えて、それに反対する兄に話をつけに行こうとしていたようです。

 しかし、ショルトー息子(兄)は、ホームズたちが向かったときにはもう事切れていました。死因は毒矢、部屋には奇妙な足跡が残っていました。いったい犯人は何者なのか?どうやって二人は犯人を追い詰めるのか。ミステリーというより、ホームズの卓抜した確率論的推理とサスペンスを愉しむ小説ですね。

以下、ただの感想。

・犬を引き連れて町中を歩くおっさん二人かわいい。
・メアリ好き好きだけど「自分は体の不自由なただの軍医だし……」と身を引くワトソンかわいい
・え?犯人?あぁ、なんか義足の人と原始人だよね。シラネ
・変装して自宅に帰り、「僕にもタバコちょーだいよ」とかいうホームズかわいい。
・苦労して手に入れた財産の箱の中身が空っぽで喜んじゃうワトソンかわいい。

 めでたくワトソンとメアリは結婚するのですが、そのときのホームズがマジかわいい。

『「君のお手並みを拝見するのもこれが最後だと思う。モースタン嬢は僕の妻になる承諾をあたえてくれたからね」
 ホームズは悲しげにうめいて、
「そんなことになりゃしないかと思っていた。だが僕はおめでとうとはいわないよ」(以上引用)』

 ホームズすねてんじゃん!完全に!!!

結論。ホムワト末永く爆発しろ。

なんか感想が一気に腐女子っぽくなってしまった……管理人は腐女子じゃないですからね!!!