なんだか仕事中も気がそぞろになってしまった。
とにかく
早く帰らなければ。
と、翔のことが気になって仕方がない。
「す、すみません・・・」
何とこの日は6時前に北都邸に翔を迎えに来てしまった。
「あらまあ。 今日は早いのね。 まだ大丈夫なのに、」
シッターの美和子に笑われた。
それほど必死な顔をしていたらしかった。
「い、いえ・・・。 仕事が、早く終わったので・・」
ミエミエの言い訳をしてしまった。
斯波さん、いっつもすごく忙しいのに。
絵梨沙はフッと笑った。
「よかったねー。 かーくん。 パパ、かーくんのために仕事切り上げて来てくれたみたいよ~~~~。」
美和子はそう言って翔を斯波に手渡した。
「や! だからっ! 切り上げたとかじゃなくって! ほんとに・・・終わったんです!」
まだ強がってる斯波に美和子と絵梨沙は顔を見合わせて吹き出した。
昨日の学習から
とりあえず、帰ったらミルクだ。
と、斯波は帰宅するとすぐにミルクを作り始めた。
翔はいつものようにおいしそうにそれをゴクゴクと飲んだ。
今日は・・慎重に・・・・・
斯波はそーっと立て抱きにして背中を優しく優しく摩った。
そのおかげか、今日は吐かずにきちんとゲップを出せた。
「よかった~~~~」
ホッとして思わず笑顔になった。
すると、翔もにこっと笑った。
・・・・は・・・・・
その笑顔に。
斯波は今まで経験したことがない
何とも言えない感情が沸きあがってきた。
胸が
シクシクするような。
胃袋あたりをぎゅううっと掴まれたような。
とにかく経験したことがない感じだった・・・・・
・・・・かわいい・・・。
その言葉を我が子に投げかけるのも照れくさくて
頭に思い浮かべるのも照れくさくて。
でも、もう
『かわいい』
以外の言葉で表せない。
「・・・うー・・・・。」
ニコニコしながら言葉を発する翔に
斯波の中の『火山』が大噴火してしまった。
思わず翔をそっと抱きしめた。
文句なくかわいい。
それは真尋のトコの子供を見ていた時とは明らかに違う。
自分の遺伝子を受け継いでこの世に生まれてきた
愛する人との『愛の結晶』という
別カテゴリの存在だ。
斯波は翔を抱っこしながら、ふっと父のことを思い出した。
斯波の『父性』がバクハツします。 赤ん坊がニコっと笑ってくれるだけで幸せってモンですo(^-^)o
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