Tomorrow comes over(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

台風は夕べ紀伊半島に上陸し、今は長野方面にいるらしかった。



東京もまだまだ風雨が激しい。



少し雨が静かになったかと思うと、ものすごい豪雨になったりする。



萌香の様子も落ち着いたので、南と真太郎は一旦病院を後にしようとした。



「・・マンションに、戻るの?」


真太郎は南の行き先を気にした。



「・・うん、」


気まずそうにうなずいた。



そして


「・・なんか。 どうしていいかわからへんねん、」


南は本心を口にした。



彼女が自分と出会うまでに歩んできた人生や


二人で歩いてきた人生。


いろんなことがきっと胸の中でごちゃごちゃになって


物事をはっきりさせないと気がすまないタチの彼女にとって


一番、自分でも納得のいかない状態なのは


よくわかっていた。




「・・うん。 わかった。 ・・でも。 おれはまた南のところに行くよ。 何度でも話をしたい。」



真太郎は傘を広げた。



「真太郎・・・」


「南がまた戻ってきてくれるまで。 おれは何度でも・・・南のところに行くから。」



そう言ってタクシー乗り場まで歩いて行ってしまった。




雨がまた強くなって


南は病院の玄関のピロティでぼうっと立ちすくんでいた。





「そっか。 無事生まれたか・・」


志藤も南から連絡を受けてほっとしていた。



「うん。 赤ちゃんも萌ちゃんも元気やし。 あたしはまた今日の夕方にでも様子を見に行こうかと思って。 今、ニュース見たら名古屋の方はもう晴れてるねんけど、こっちがアカンやろ? 斯波ちゃんが戻れるの夜になってしまうかもしれへんし、」


「そやなあ・・。 おれも様子見に行くけど。」



萌香のことも心配であったが、志藤はもうひとつ心配事があった。



何となく切り出しずらい雰囲気でいると



「真太郎と。 めっちゃ色んな話した。」


それを察して南が言い出した。



その言葉にハッとする。



「昔のことも・・・たくさん思い出して。  ・・真太郎ってば・・・、何度も何度も・・あたしのこと・・好きだって。 他に言葉がないんかってくらい・・そればっかり、」



南はもうそれを思い出すと胸がいっぱいになってしまった。



「・・そら、そーや。 あの人は・・男としておかしいやろ、ってつっこみたくなるくらい。 おまえひとすじやし。 他の女とエッチしたいとかなんか、あんな状況でも思わないねんから。」



志藤はふっと微笑んだ。



「・・志藤ちゃん・・・」



南は緊張の糸がぷっつりと切れたように涙がどっと出てきた。




あまりにストレートに真太郎から思いをぶつけられた南は戸惑います・・・

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