On that days(20)~part4 Final | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「わ~~! けっこう広いんやなあ。」



南と真太郎、そして志藤とゆうこは彼らの運転する車で、江ノ島の水族館へやって来た。


「水族館やなんて。 子供みたいやなあ。」

志藤は思わずつぶやいた。


「ちょっと! 何一人で冷めてんの!? もっとほら。 童心に帰ってさあ、」

南は彼をつついた。


「あんたひとりはしゃいでるやん、」

志藤はアハハと笑った。


「アホ! 自分ばっか大人~みたいな顔して。」



二人のやり取りに、真太郎とゆうこは顔を見合わせて笑った。



「あ、クラゲもいる、」

ゆうこが小走りに移動しようとすると、


「あ、走ったらアカンやんか。」

志藤は彼女の腕を取り、いきなりぎゅっと手をつないできた。


「ちょ、ちょっと・・」

ゆうこは恥ずかしそうな顔をしたが、


「あ~~、手えつないでるし~。 真太郎! あたしたちも負けずに!」

南はすかさず、ふざけて真太郎の腕を取った。


「バカ・・」

真太郎は笑ってしまった。



「白川さんたちはまだつきあってほんの数ヶ月なんだよ? おれらと一緒じゃないんだから・・」

真太郎の言葉に


「え? あ・・そうか。 そう言われてみればそやなあ。 なんかずっと前からつきあってるような気もする・・」



「昼間に・・こうして出かけるのは初めてですね、」

ゆうこは少し恥ずかしそうに言った。


「あー・・そっか。 夜ばっかやったんやな。」

南の冗談に志藤は笑ってしまい、思わず彼女の後頭部につっこんでしまった。


「ちょっとお・・。 普通女子のここにつっこむ~?」


「ほんまに、もう昼間っから下品すぎるって!」



志藤さんて

ほんとはこんなに明るい人だったんだなあ・・・。



真太郎は彼の新しい一面を見た気がした。

それは

ゆうこも同じだった。



水族館を出て、海の方に出て行く。



春の風が温かく。



「あ~~、海はいいな~。 ほんまに開放的な気持ちになれる!」

南は伸びをした。


「海、好きですね。」

ゆうこは思わず言って笑った。



「・・去年の夏。 思い出すね。」




南が言うまでもなく

みんなあのときのことを思い出していた。



ほんの数ヶ月前のことなのに

信じられないほど劇的に運命が変化した。


もう

こうして4人で笑顔で海に来ることなんか

ないんじゃないかと

南は思っていた。



「ほんま。 よかったぁ・・」




彼女の声は風に流されそうだった。



大好きな人と

大好きな時間を

共有して。

これからもずっと・・・



あたしたちはこうして4人で笑顔でいたい。



「これからも。 いろんなことあると思うけど。 あたしたちはずっとがんばって行こうね、」



南はポツリと言った。



ゆうこは笑顔で頷いた。

志藤も真太郎も。



波の音が

風に紛れて。

このときを永遠に

閉じ込めるように。



4人はこのときの誓いを胸に今も頑張っています。




さてさて。

なが~~い間おつきあいいただきありがとうございました。

これでPartⅣ、終了です。

クラシック事業部がどのように立ち上がっていったか、南、真太郎、志藤、ゆうこの4人の青春の日々と共に描いて参りました。


そして、現在の事業部は

夏希が高宮との結婚を決意して、斯波たちの元を巣立ってゆきました。

妊娠した萌香はその事実を斯波に言えないままでいます。

その他にも悩みがあるようで・・・

いったいどうなるんでしょうか???


その二人の番外編をお送りします。



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