Power of love(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

翌日、萌香の母・静香は入院をした。

その後の検査を経て、手術は入院から3日後に行われた。



「子宮を全摘出したことで、楽になるでしょう。 筋腫は直径12cmもありました。 いちおう病理検査に回しますが、悪性のものではないでしょう。卵巣は残してありますので、ホルモンバランスも崩れることはないと思います。 経過が順調なら退院は1週間後です。」

術後に医師から説明を受けた萌香は


「ありがとうございました、」

深々と頭を下げた。


とりあえず

ホッとした。




「どう? 痛い?」

ゆっくりと覚醒し始めた母に言った。



「ん・・・ようわからん・・。」


「今日1日は水が飲めないそうよ。 喉が渇いたら唇を湿らせてって。」


「・・ガンやなかったの、」


母の言葉に


「何言ってるの。 ただの筋腫よ。 これで楽になるって。 ・・長い間、苦しかったんちゃうの?」

クスっと笑って言った。



「・・ガンかエイズかと思ったわ、」

母もふっと笑った。




母の笑顔を見たのは

いつ以来だろうか。




自分にとって決していい母親ではなかった彼女だが

あんな仕事をして自分を育ててくれたのは

間違いないことであって。



高校へ行きたい、と言った時




「アホなこと言うな! あんたも店を手伝いな、」




と言われて。

家を出る決意をした。



あのまま

母と共に身体を売って生活していくなんて

絶対にイヤだった。

自由になりたいって思っていた。



だけど

していたことは

母と同じようなことで。


自分の身体を代償に

成り上がっていったんだ・・・。




「でも、良かったね。 とりあえず手術、成功して。 萌ちゃんも無理しなくていいから、お母さんについててやって、」

戻ってきた萌香に南は言う。


「いえ・・私がいてもどうしようもないですし。」


「そーですよ。 本部長のお世話はあたしがします!」

夏希も胸を叩く。



すると

同時に頭をファイルで叩かれた。


「・・いった~~~い!」

振り向くと志藤が怖い顔で立っていた。


「おまえな~~~。 ほんっま自分がわかってへんなあ。 おまえなんかに誰が世話されるか! おまえの世話をせんとアカンやろ!」


「そ、そんなに怒らなくても・・」


「おれと栗栖やから、得意先行っても、みんなもうひれ伏すように迎えてくれるねん。 おまえとおれやったら、ただの異様にデカイ男女やないか!」


「・・え~、ひどーい・・」


「まあまあ。 加瀬も頑張ってるしさあ。 なんならあたしが志藤ちゃんについてってもいいよ。」

南が言うと、


「それもイヤなんだっ! 栗栖以外やったら、ひとりで行った方がましや!」


「ほんま、わがまま~。 美人秘書を私物化してる~。」

南と夏希は志藤を一瞥した。



萌香はそんな会話に思わず吹き出してしまった。



術後、ようやく痛みが取れて、一般病棟に移った萌香の母を



「・・初めまして。 萌香さんの上司の志藤と申します、」

志藤がニッコリと笑顔で現れた。


「・・萌の・・上司?」

静香は怪訝な顔をした。


「ええ。 彼女は今、ぼくの秘書もしてくれています。」

志藤は彼女に名刺を手渡した。


「・・クラシック事業本部・・本部長・・・取締役・・?」



「ああ、あと。 ウチの妻が花のアレンジメントが趣味で。 かわいいのを1個作ってもらいました。 良かったら。」

志藤は紙袋から、カワイイ籐のカゴに入ったゆうこが作ったアレンジメントも差し出した。



「・・すんません・・」



なぜ

いきなり萌香の上司が現れたのか。

彼女はまだ探っているようだった。




萌香の母の元を訪れた志藤はいったい・・?

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