Power of love(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「斯波も・・とりあえず謝ればいいのに。 彼女の過去に拘っちゃったこと。 ほんまにイライラする、」

志藤はタバコをスパスパ吸った。


「斯波ちゃんはさあ、そういうことができない人やん。 あんたみたいにな、女の子の機嫌を取るために上辺だけのことなんか言われへんし、」

南はふっと笑う。


「聞き捨てならないな・・」

志藤は彼女をジロっと睨んだ。


「でも・・周りがとやかく言っても。 本人の気持ちやもん。 あたしだってもちろん二人には仲直りして欲しいけど、」


「う~~~~ん、」



思いっきり考え込んでしまった。




斯波は1週間の謹慎に入った。


「は? 休み? なんで、」

こういう時に限って真尋から電話が入る。


「・・まあ、いろいろ。 おまえはクリスマスコンサートの曲の編成、決めたのかよ。」


「なんか迷っちゃって。 このごろさあ、タマちゃんも八神も忙しいみたいで、来てくんないんだよ。 斯波っち、これから来ない?」




謹慎してる身なのに・・・




とも思ったが、

斯波はこの状況を話すのが面倒だったので


「・・わかったよ。 ちょっとだけな、」

と返事をしてしまった。




「あ、斯波さん。 なんか久しぶりですね。 いらっしゃい、」

絵梨沙が笑顔で迎えてくれた。


「急に・・悪いな。」


「ううん。 また真尋が無理を言ったんでしょう? どうぞ、」


リビングに通されると・・・



「あっ! バカ! 遅いって!」


「パパがじゃまするからだよっ、」



当の本人は

竜生とテレビゲームに興じていた・・・




「おまえな・・・」



斯波は顔をひきつらせながら、睨んだ。



「あ? 来たの? 今いいところだから、ちょっと待ってて。」

ケロっとして言われた。




ほんっとに・・

コイツは・・




斯波は文句を言いたい気持ちだったが

謹慎中に仕事をするのも

憚れたので、仕方なく座った。



そこには

女性ファッション誌が置いてあった。

絵梨沙が表紙で微笑んでいる。


「あ、これ・・この間の。」

斯波はそれを手に取る。


「・・なんかモデルでもないのに、恥ずかしくって、」

絵梨沙はお茶を運んできながら、はにかんで言った。




本当に

モデルって言っても遜色ないほど

彼女はきれいだった。




彼女の美しさに目をつけた

女性ファッション誌が

モデルの仕事を持ってきた。


真鈴がまだ小さいので、ピアノの仕事を控えていた絵梨沙だが

徐々に軽い仕事から再開し始めていた。




それをめくっていくと

思わず見とれてしまうほど

美しい彼女が微笑む。




「な~~に見てんだよ、」

いつの間に真尋がテーブルにやってきていた。


「えっ・・・」

斯波はどぎまぎしてそれを閉じた。


「まあまあまあ。 ゆっくり見てよ。 な~? 絵梨沙、すんごいきれいだろ~? そこらへんのモデルなんか目じゃないよな~~。 見れば見るほどいい女だよな~~~。」

真尋はニヤつきながら、ページをめくった。


「・・言いすぎよ、」

絵梨沙はちょっと赤面した。


「ほんとだって! 絵梨沙ももっともっとCMとかの仕事すればいいのにって。 こんなにキレイなんだからさあ、」

真尋は笑った。



中には

ちょっと胸元の開いた服を着て、彼女のスタイルの良さを強調するようなショットもあった。



「・・こんなんも・・平気なの?」

思わず真尋に聞いてしまった。


「え? ぜんっぜん! 色っぽいだろ~。 絵梨沙は肌もキレイだし! この胸の谷間もキレイだと思わない?」


これ見よがしに自慢をしまくる真尋に


「もう、いいから!」

恥ずかしくなって絵梨沙はその雑誌を取り上げてしまった。



「え、なんだよー。 いいじゃん。 自慢したいんだから、」

真尋は不満そうだった。




心が重い斯波でしたが・・・

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