Power of love(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

斯波はひっぱたかれた頬を押さえながら

呆然としてしまった。




一番

言ってはいけないことを・・

言ってしまった




その後。



志藤は社長にこの仕事の経過を説明せねばならず、顔をファイルで隠しながら北都の前に行く。


「・・と・・言うわけで。 伊橋社長は・・・この企画に賛同して下さって・・正式な契約は・・来週にでも・・。」


「ずいぶん早く落とせたもんだな。 ごくろーさん、」

何だか胸がズキっとした。


「はあ・・」

彼の様子がおかしいので、北都は


「どうした?」

彼の顔をうかがった。


「ちょっと・・歯が・・痛くて・・」

とっさにそう言い訳をした。



その後は

腫れてしまった口元を隠すために、医務室でマスクを貰ってきた。


「なに、そのマスク・・」

南にすかさず指摘されたが、


「ちょっと・・」

言葉を濁した。


「栗栖は?」

「え? ああ、ちょっと外出やって。」



「そっか・・」



チラっと斯波を見た。

彼はいつものように仕事をしているように見えた。




志藤はそうっと席に着いた。




・・あんなに怒るとは

思わなかった。


あの物静かな男が。

彼女のことになるとほんまにムキになって。


おれやったら

全然気にならない程度なのに。


栗栖だって

ほんまに協力してくれて。


最近は彼女も相手のツボがわかってきて、得意先に行っても頑張ってやってくれてるし。

色仕掛けって言うたら

反論でけへんけど。

これだって仕事をうまく進めるひとつの手段や。




『志藤さんは、仕事なんかゲームと一緒だと思ってる!!』




斯波の言葉を思い出す。




南は化粧を直そうと、女子ロッカーに行くと、


「あ、南さん。」

他の部署の女子社員が駆け寄った。


「ん?」


「昼休みのこと、聞きました?」


「はあ?」



「斯波さんが志藤さんのこと殴っちゃったこと!」



南は驚いた。


「へ? 斯波ちゃんが???」


「もう、びっくりしちゃって! あたしその場にいたんですけど! エレベーターホールのところで。 もうみんな噂してますよ、」



「ウソ・・」



信じられなかった。



「見てた人たちも、志藤さんがついに栗栖さんに手え出しちゃったんじゃないの?とか。 ほら・・斯波さんと栗栖さんってつきあってるんでしょう? だから・・」

と言われてさらに驚く。



「はあ???」


萌ちゃんがらみ??




さらに頭が混乱してきた。

そして志藤のマスク姿を思い出す。




そっか・・

それで。


それにしても、なんで斯波ちゃんってば

公衆の面前で、そんな・・

ヤバくない? 


あんなんでも、いちおう上司やし・・取締役やし。

もう、めっちゃ噂になってる??




もう

いろんなことが頭の中をぐるぐるしてしまった。




この小さな事件が大きな波紋を呼びます。

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