Faith(7) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

斯波はオケとの練習が始まった真尋が心配で

萌香へのメールや電話はぷっつりと途絶えた。




大変なのは

わかるけど。




萌香は一人の部屋で

恨めしそうにメールチェックをしてため息をついた。




真尋さんに

夢中なんやから。




ちょっとグチりたくなくなる。


少しだけ

彼にいじわるをしたくなって

メールを打った。




ね・・

眠い・・・。


ベッドに寝れるなんて

何日ぶりだろうか・・。




斯波はスタジオに入り浸る真尋に付き合って

睡眠はほとんど転寝程度だった。


さすがに真尋も疲れたようで

この日は宿泊しているコンドミニアムに戻り、爆睡していたので

斯波も身体を休めることができた。



すると



「ぐっもーにん!!」



すごい勢いで部屋のドアを開けられ、


「ほらほら、すっごいいい天気だよ! テムズ川もよく見えるし~!」


真尋のけたたましい声で起こされ。

無理やり部屋のカーテンも勢いよく開けられ。

バーンと窓も開けられて、冷気が思いっきり入ってきた。



「さぶっ!! 何すんだっつの!」

斯波は毛布を被った。


「いや~、いい朝だ~!」


真尋はシャワーを浴びてきたようで

一人爽やかだったが。



彼は

全裸だった・・。



「って!! 窓を思いっきり開けるなっ! そんな格好で!」

斯波は慌てて起き上がり、カーテンを引いた。


「え、誰も見てないって・・」


「そういう問題じゃねーって! 風邪ひくだろっ! 公演前に・・もー!!」



迷いが吹っ切れた真尋は

毎日

張り切って練習をしていた。


それはいいのだが。

張り切りすぎて

全くついていかれなかった。



「あ~~、起こされて迷惑・・」

と言いながらモバイルを開いてメールをチェックすると。




『明日から本部長と3日間の札幌出張です。 家のパソコンにメールを貰っても見れないかもしれません。』




萌香から

あまりにも

思わせぶりなメールが入っていた。




「なっ・・・」



驚いた声を出すと、


「え? なに?」

真尋が覗き込もうとしたので、慌ててそれを閉じてしまった。


「なんでもないから! あっち行け! シっ!」

犬を追っ払うように手を振った。


「なんだよ・・・。 彼女から? そーだよなあ・・ひと月も留守するんだもんな~。 浮気しないでね、なんてメール来ちゃった?」

真尋はニヤつく。


「・・おまえに言われたくない・・。」

斯波はそこを出て行った。



「・・あ・・清四郎さん?」

萌香は志藤と共に札幌に移動し、志藤が打ち合わせをしている最中、そのホテルのロビーで仕事を片付けていたところに電話が入った。


「ど、どこにいるの?」

斯波の動揺する声に、クスっと笑ってしまった。


「札幌です。」


「志藤さんと?」


「はい・・。 本部長は今、打ち合わせ中で私そこのホテルのロビーで仕事をしていました。」



「ほんとなの???」



そのリアクションにまたまたおかしくなって笑ってしまった。



真尋番のつらさを思い知っている最中の斯波は萌香の現状を知り・・・

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