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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

すっげえ・・。


もちろん以前にも彼のピアノは聴いたことはあるものの。

この距離でこんな狭い空間で聴くのは初めてだ。



独特のタメと

しなやかな旋律。


全ての彼の感情が

鍵盤に乗りうつり

音となって体にまとわりついてくる。



もう死ぬほどうっとりとして聴いていると、いきなり真尋はピアノを弾くのをやめた。



え、なんで?



と思っていると、

「なんか帰りたくなっちゃった。 帰る。」

いきなり帰り仕度を始めた。



「あ、そこらへんにあるAV、よかったら好きなの持ってって。 おれもう全部見たから。 今度の時は豆大福がいいかな~。 カギ、よろしく。 のがみくん!!」

と笑って嵐のようにいなくなってしまった。



なんだぁ???



呆然としたあと、ドアの閉まる音でハッとして、



「やっ、八神です!!」

負け犬の遠吠えのようにその声が響き渡った。




「八神~! 仕事!」

南はニヤっと笑った。


「あんな、真尋・・豆大福食べたいねんて。 持ってってやってくれない?」


「はあ?」



昨日、ザッハトルテ食ったばっかなのに。



「あ、ちゃんとね、店も決まってんねん。 ここの豆大福しかアカンねん。 お願いね。」

南からメモを手の中にねじ込まれた。



おれは

あの人をオヤツを買うためにここに配属されたのか?



なんだかちょっと情けなくなってきた。



ため息をつきつつ、豆大福を持ってスタジオに行くと・・・。




「は?」

誰もいなかった。



しかも



すんげ~~~、散らかってるし!

って、おれ昨日、掃除して行ったのに!!

たった1日でどーやってこんなに汚くできるんだっ!!




もう、あまりに理解に苦しむことばかりで、かなりのカルチャーショックを受けていた。



その時、ポケットに入れてあった携帯が鳴った。

玉田が『真尋番』をするにあたってこれを持つように、と手渡してくれたものだった。


「は、はい・・」

慌てて出ると、


「あ? 誰だっけ?」

真尋だった。


「・・八神ですけど」


「あ、そーだ、そーだ。 あのさあ、気が変わって家で練習することにしたから、豆大福こっち持ってきて。」


「はあ?」



反論する暇もなく

電話はガチャっと切られた。



って・・・

社長の家だし。



八神は真尋に翻弄されている自分にうすうす感づきはじめた。





門もひとつで。



え~~、どーしたらいいんだろ。



仕方なくインターホンを押す。


「ハイ、」

女性が出た。


「あの、ホクトエンターテイメントのクラシック事業部のものですが、真尋さんに・・」


「あ、はい。 どうぞ。」

門は開いた。



どうぞって。



門を入ると




庭、ひっろ・・。




そして目の前にはビルのような豪邸が。




「どうもすみません。 真尋がわがままを、」



は・・。



赤ん坊を抱きながら出てきた絵梨沙を見て、八神はもう

その美しさにボーっとなってしまった。



「新しい方?」

と微笑まれ、


「あ、はい。 あのっ、八神と申します!」


「ほんと、すみません。 わざわざここまで、」


「そ、そんな、」



さっきまで

ちょっとだけ怒りの炎が点火しそうだった気持ちが一気に萎えていく。



「ママ!」

小さな男の子が走ってきた。


「パパの会社の人よ。 竜生、ごあいさつしなさい。」

と促されたが、



竜生はいきなりおもちゃのマシンガンを取り出して

「Da-da-da-da~~~~n!!」

と八神に向かって打ち出した。



「へ?」

呆然としていると、


「Fall down!!」

竜生は八神に言いはなった。



英語??



もう面食らうことばかりで・・・。



もう思いっきりふりまわされています・・(*´Д`)=з

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