「わろてんか」第134回~女太閤てん、勲章をもらえるってよ~の巻 | 日々のダダ漏れ

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「わろてんか」 第134
第24週 「見果てぬ夢」
女太閤てん、勲章をもらえるってよ~の巻

 

 

戦地の兵隊さんに笑いを届けた

慰問団、わろてんか隊の活躍は、

国民にあっぱれと称賛され…。

 

一方…。

 

国や軍の、娯楽への介入が、

次第に増えていきました。

 

*********

 

昭和14年(1939年) 秋

 

それから半年、

北村笑店は、慰問団を国内にも

派遣するようになっておりました。

 

てん) あっ。

亀井) それでは、内地慰問団団長と

 して、広島へ、行ってまいります!

てん) 北陸から帰ってきはった

 ばっかりですんませんけど、

 よろしゅうお願いします。

リリコ) ホンマ目ぇ回りそうやけど、

 文句なんか言うてられへん。

四郎) そやな。どこ行っても

 皆さん大笑いしてくれはるし。

風太) 軍隊の慰問だけやないで。

 東京の寄席からもな、お前らに

 出てほしいって、もうひっきりなし

 に電話や。ほれ、手紙でもこんな

 ぎょうさん。

てん) ああ~全国の皆さんが見たい

 言うてくれはるんはうれしいけど、

 体は一つしかあらへんしなぁ。

亀井) とにかく、我々で、役に立つ

 んやったら、全国どこへでも行か

 してもらいます。

てん) その心意気です。

 あんじょうお気張りやす。

亀井) へえ!

 

*********

 

<伊能商会>

(ノック)

栞) どうぞ。

山下) 失礼します。社長、新作が

 検閲で引っ掛かったってホンマ

 ですか?

栞) 社会風刺がけしからんと。

 それに、男女の劣情を催させる

 場面がよろしくないらしい。

山下) (ため息) 内務省には?

栞) 行って、ご高説を伺ってくるさ。

 

**********

 

キース) 両者手をついて。

アサリ) 手をついて。

キース) 気合い十分

 すごいにらみ合い…。

風太) おい! お~い! 重たい…

 重たい、重たい。キース、届いたで!

 よいしょ!

(キース主演映画のちらし)

キース) おおっ、おお~!

風太) いや~キースが映画の主演

 張るやなんてうれしいわ!

キース) まだまだこれからや!

 俺はチャップリンみたいになる。

 世界のキースを目指すんや。

風太) おう、頼むで。

アサリ) よっしゃ。

 わいも銀幕デビューするで!

 いや決まってる訳やないで。

 そういう気持ちっちゅう訳や。

風太) 当たり前や、頭スカスカ!

アサリ) あっ、お前それ、悪口やぞ!

 はっ…専務! 専務! 

 伊能さんがな、そない言うてこんでも、

 わいら北村で、映画作って儲けたら

 ええんちゃいまっか?

キース) せやな! 映画やったら、俺らの

 高座見られへん、日本中のお客さん

 にも見てもらえるしな!

風太) アホ! 簡単に言うな、そんな事。

 映画なんてな、俺らが簡単に手ぇ

 出せるような代物やない。

 でもまあ、確かに、お前らの言うてる事

 も分かる。全国に北村の芸人みたい

 お客さんは、ぎょうさんいてるさかいな。

 な! な! な! な!

アサリ) せや! 北村で映画やりまひょ!

キース) 伊能さんに手伝うてもろて、北村

 笑店映画部作るっちゅうのはどうや!

風太) ええかもしれんな、それ。

キース) なあ! 

風太) 手伝うてもうてな。

アサリ) ええで!

楓) あっ、専務、ちょっと!

風太) 何や。

楓) ちょっと! はよ、来て下さい。

風太) 何や。

楓) すんまへん。

キース) ちゃんと…ちゃんと言うとってや!

 

*********

 

風太) (大声で)お~い! 

 おいおい! おい、社長が…。

 社長が勲章もらえるってホンマか?

万丈目) (大声で) 間違いおまへん!

一同) し~っ!

電・てん) へえ、おおきに、

 ありがとうございます。

 失礼します。

トキ) どないです?

風太) ホンマに勲章もらえんのか!

てん) 慰問団派遣したり、あちこちに

 寄付したりしたんがお国に貢献した

 て、認めてもらえたらしい。

トキ) ホンマよろしおしたな!

楓) おめでとうございます!

てん) うちが…勲章もらえるやなんて、

 ホンマ夢みたいな話やわ!

楓) お笑いの意義が認められた

 いう事です。

風太) そやそや! 

 もうこないな日が来るとはな!

万丈目) 北村社員全員にとっても、

 名誉な事です!

てん) ホンマ皆さんのおかげです。

 ありがとう! ありがとうございます!

(拍手)

風太) よし、イチ! 胴上げや、胴上げ。

楓) 胴上げ!?

万丈目) 着物のご婦人を

 何言うてまんねんな!

てん) 専務! 専務胴上げしたら?

一同) わっしょい! わっしょい!

 わっしょい! わっしょい!

(風太を胴上げする一同)

 

*********

 

電・てん) わざわざお電話頂いて

 すんまへん。

電・栞) 専務から、おてんさんが

 国から勲章をもらったと泣きな

 がら知らされてね。

電・てん) お騒がせしてしもて。

 けど、これもいろいろ面倒見て頂

 いてる伊能さんのおかげです。

 ホンマにありがとうございます。

電・栞) いや、僕の作る映画は国か

 ら目をつけられて困ってるからね。

 あやかりたいくらいだよ。

電・てん) アハッ。そや、キースさん

 の映画の件、ホンマいろいろお世話

 になりました。封切りみんな楽しみ

 にしてます。

電・栞) ああ。

電・てん) それに刺激受けたんか、

 専務や芸人さんらが、北村でも

 映画作りたいて言いだして。

電・栞) そりゃ新しいライバルの出現だ。

電・てん) アハハハ。

トキ) ごめんくださ~い。おてん様、

 また煮物作り過ぎてしもて…。

てん) ああ…ちょっと待ってな。

電・栞) そ…それじゃ、

 近々事務所に顔を出すよ。

 本当におめでとう。

電・てん) へえ。

 おおきにありがとうございます。

電・栞) うん。それじゃ。

(電話を切り、キース主演の

 映画のちらしを見る伊能)

 

*********

 

トキ) これどうぞ。

てん) ひゃ~おいしそやなぁ。

トキ) あとこれ。見とくれやす。

(新聞記事をてんに見せるトキ)

トキ) 「女太閤、北村てん社長、

 笑いの慰問団派遣で貢献す」。

てん) はあ~女太閤やなんて…。

 うちはただ寄席やってるだけ

 やのになぁ。

トキ) ううん、女経営者として、

 世間様から評価されたいうこと

 です。おめでたいやないですか。

てん) けど、女太閤やなんて、うち

 の柄やないし。何や、「女だてらに」

 て言われてる気ぃするわ。

トキ) そんな事ありまへん。

 勲章も頂くんですし。

 堂々としてればええんです。

てん) そうか?

トキ) へえ。

 

*********

 

<川崎・隼也の家>

つばき) お疲れですね。

隼也) いや…。

 お母ちゃんが「女太閤」て

 えらい褒められてるわ。

つばき) え?

(新聞を見るつばき)

つばき) あっ、ホンマや!

 どないしはりました?

隼也) 僕はこのままで

 ええんかな思てな。

(藤一郎と遊ぶ隼也)

 

*********

 

<東京・内務省>

男性) お待たせしました。

栞) はい。

男性) こちらの作品、拝見しましたが、

 男女が接吻する場面はいかがな

 ものかと。

栞) 接吻する場面…そんな場面は

 撮っておりませんが。

男性) 確かに。

 接吻の直接的な描写はありませんが、

 女性がつま先立ちした足元を映す事

 で接吻が連想されれば、同じ事です。

 カットしておきました。

栞) その場面は、作品の肝の

 部分です。そこをカットしろと?

男性) 見た者が自由恋愛を謳歌したい

 と思ってしまう可能性があります。

栞) 自由恋愛だって差支えないでしょう。

 西洋風の軟弱で退廃的な恋愛は、

男性) 命を惜しまず戦うべき若者に

 悪影響を与えかねません。

 何度も同じ事言わせないで下さい。

 

*********

 

キース) え!? 

 俺の映画が上映中止に?

栞) 本当に、すまない。

てん) そんな…もう出来上がって

 るのに、何でです?

栞) 男女の接吻を思わせる場面

 のほか、12か所が切られた。

キース) …んなアホな!

 うわっ、俺の渾身のシーン

 ばっかりやないか!

栞) 自由な恋愛が下劣だなんて、

 世も末だ。このまま切られた状態

 であれば上映はできるんだ。

 だがそれでは、もはや別の映画

 になってしまう。

風太) 検閲がそない厳しゅうなって

 るとはなぁ。漫才も落語も、どうな

 るか分からん。

栞) 娯楽に対する締めつけは、

 これからもっとひどくなるだろう。

キース) まあ、しゃあない。

 納得でけへん漫才、高座にかける

 訳にはいかんのとおんなじや。

栞) 申し訳ない。

(頭を下げる栞)

 

*********

 

社員) 次々検閲に引っ掛かるんは、

 一体どういう事や?

社員) 上映中止なら大損や。ただで

 さえ映画事業は赤字続きやのに。

山下) やめなはれ。

(伊能の前へ行く専務の山下)

山下) 今までのようなやり方は、

 もう通用せんのやないでしょうか。

 

*********

 

<喫茶店>

工藤) 山下専務、お顔の色が

 すぐれないようですが。

山下) いえ。

工藤) このところ、映画業界の情勢も

 変わってきましたし、ご心痛もおあり

 でしょう。正直、理想の旗を振り上げ

 るばかりの伊能社長のやり方では、

 このご時世、国の反感を買うだけだ。

 早く手を打たないと、伊能商会全体

 の死活問題になるんじゃないでしょ

 うかね。

 

*********

 

てん) 提携? 新世紀キネマとうちが?

工藤) ええ。

風太) 東京の映画会社が、また何で?

工藤) わろてんか隊のご活躍を拝見さ

 せて頂いて、これからの映画に必要な

 のは、こういう意義ある笑いだと思い

 まして。東京の映画と、大阪の笑いが

 一つになれば、もっとお国のお役に立

 つ事ができます。

てん) せっかくのお話ですけど、うちは

 伊能フィルムと提携してますさかい。

工藤) 伊能フィルムと組んでいても、

 この先なかなかうまくいきませんよ。

 

*********

 

電・てん) あっ、もしもし、

 伊能さんですか?

電・山下) いえ、どちら様でしょうか?

電・てん) 北村笑店の、北村と申します。

電・山下) ああ、北村社長。

電・てん) あの…伊能社長は?

電・山下) 伊能は、会社を辞めました。

電・てん) え!? えっ!?

 

**********

「わろてんか」を楽しくご覧になってる皆様
は、この先は華麗にスルーでお願いします。

 

「接吻はいりません。NHKなんで!」

(by三津谷寛治)

 

内務省の人がそう言いだすんじゃないかと

ちょっと期待してしまったよ~。てか、三津

谷さんに、この役をやってほしかったわ~。

 

検閲って、想像力が豊すぎる人とか、中身

がエロい人がやればやるほど、きつくなる

んだよね。つま先だろうが、指先だろうが、

椅子を見たってエロく見える人もいるから。

…って、エロに関する検閲事情を面白く描

くわけでもないだろうし、伊能というより、

中の人で視聴者を引っ張ろうとしているの

だろうけど…栞マジックは消えてるしね~。

 

見え見えのネタフリも、使い古されたネタ

でも、面白く描ける人もいるけれど…何し

ろ、安定の、「わろてんか」クオリティー。

「女太閤」の称号も、勲章も、似合わない

にも程があるだろうヒロインになってしま

って、痛々しいったらもう…。可哀想に…。

 

そして、次回は…

伊能社長、会社辞めたってよ!

…ですってよ~。会社は部活かっ!(爆)

 


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