「ひよっこ」 第98回
第17週 「運命のひと」
高子、嫁に行きます！
みね子、恋が終わりました！
みね子） さよならした…。
時子） えっ？
（回想）
島谷） 素敵な人を、
好きになれてよかった。
みね子） 私、まだ、「ありがとう」って
言ってない…。島谷さんにすごい、
ひどいことばっかり言って…。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
時子） ごめん、みね子。私のせいだ。
けしかけたの私だよね。ごめん…。
みね子） 謝んなくていいよ、そんなの。
楽しかったし…。島谷さん、素敵な
人を好きになれていがったって言っ
てくれたし…。
時子） でも何で？
何であんたそんなに…。好きだった
らさ、たとえどうなろうとさ…。
みね子） でぎないよ、そんなの。
時子） そっか。そうだよね。
みね子ぉ。誕生日ぃ、おめでとう。
（みね子の肩を抱く時子）
時子） おめでとう…。
みね子） ありがとう。
邦子） みね子ちゃん。おめでとう。
みね子） ありがとうございます。
邦子さん、二十歳になったので、
お酒ください。
邦子） はい。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（シェーカーを振り、カクテルを作る邦子）
（縁に塩を付けたグラスに
カクテルをそそぐ邦子）
邦子） どうぞ。
みね子） ありがとうございます。
時子・みね子） 乾杯！
（一気にカクテルを飲むみね子）
邦子） あ…えっ？
時子） ちょっと！ 大丈夫？ みね子。
お父さん…。
みね子の恋が、終わりました。
そして、初めてお酒を飲みました。
初めてのお酒は、涙の味がしました。
邦子） 大丈夫？
時子） 大丈夫です。
演歌みたいです。
時子） この子は私が守ります。
邦子） そう。
時子） おやすみなさい。
邦子） おやすみ。
（眠るみね子をおぶって、
雪の舞う道を行く時子）
（回想）
（セミの声）
（島谷とデートしているみね子）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
みね子の恋、
終わってしまいましたね。
島谷君、ゆうべは部屋に
帰らなかったようですね。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（顔を洗っている早苗と
歯磨き中の祐二と啓輔）
早苗） もうちょっと待って。
すぐ終わるから。はいはい、
はい、終った。
時子） おはようございます。
早苗） おはよう。
祐二・啓輔） おはようございます。
早苗） ん？ どうした？ 何かあったか？
時子） はい、ありました…。３人には、
私から、伝えることになりまして。
応援してくれてたのに、ごめんなさい
という、みね子からの伝言です。
祐二） うえっ！
啓輔） うえ～！
（歯磨き粉を飲み込んだ２人）
時子） 実はですね、昨日の夜、みね子
が島谷さんに、話があるって言われ
て呼ばれたらしくて。
（廊下で聞き耳をたてている富）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
早苗） どっちもつらいな、それは。
大丈夫なのか？ みね子は。
時子） はい…。
ちゃんと仕事に行きました。
早苗） そうか…。
時子） はい。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
富） そういう、終わりか…。
つまんない。
（去ってゆく富）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
祐二） あ～…。
時子） ん？ 何でそこまで？
早苗） あ～この２人、漫画描いてんのよ。
みね子と島谷青年の恋を
モデルにした、少女漫画。
時子） えっ？ そうなんですか？
祐二） はい…。
啓輔） これですちゃ。
（原稿を見る時子）
祐二） ハッピーエンドやなかったかぁ。
啓輔） 参ったちゃ。
早苗） ハッピーエンドじゃないと
ダメだから困ってんのか？
啓輔） 幸せな、最終回のみね子さんを
描くが、楽しみにしとったがですよ、
僕たち。
祐二） そうながですちゃ。その瞬間を、
心待ちにしとったがですちゃ。
（原稿を破ろうとする時子）
祐二） あ～！
時子） 何で？
祐二） やめてま～！
時子） いんないでしょうよ、もう！
早苗） 別に終わりじゃないだろ。
祐二） えっ？
啓輔） えっ？
早苗） 続ければいいだろ。たかが恋が
一つ終わったくらいで、人生に決着
がつくわけじゃないだろ。いつかハッ
ピーエンドになればいいんでしょ？
違うか？
祐二・啓輔） お～。
祐二） ハハハ。そうやちゃね！
早苗） まっ、今ちょっと自分にも
言い聞かせてみた。
時子） やだ、早苗さんかわいい。
早苗） だろ？ 私もそう思う。
時子） アハハ！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
お父さん…。
お店の人たちには、
自分で話そうかなと思います。
でも、どうやって言うのが
いいんでしょう？
「実は私、恋人とお別れ
することになりました」。
いやいやいや、何か違う…。
「谷田部みね子、失恋致しました！」。
いや、無理がある…。
よぐ考えたら、
言われた方も困るっていうか、
どうしたらいいがわがんないだろうし…。
（頭をかきむしり天を仰ぐみね子）
（みんなが見ているのに気づくみね子）
みね子） あ…。
省吾） どうした？ みね子。
元治） 大丈夫か？ お前。
みね子） えっ？ ハハハ！
大丈夫です！ ハハハ！
鈴子） 本当？
みね子） はい！ 大丈夫です！
鈴子） そう？
みね子） すみません。
鈴子） じゃあ…。
高子） え…自分で言うんですか？
参ったな～。
鈴子） そういうのめんどくさいから、
もう早く言いなさい。
高子） でも～。
省吾） 何？ どうしたの？ 高ちゃん。
高子） アハハハハ！
元治） おいおい、まさかお嫁に行くとか
言うんじゃないだろうな、おい。
秀俊・元治） ハハハハ！
鈴子） （せきばらい）
元治） え…？
高子） 私、朝倉高子、
嫁入りすることになりました！
一同） え～！？
（鈴を振る鈴子）
高子） あ～気持ちいい！
聞きたかった！ ずっとずっと
ずっとこの、「え～！？」が。
何度も夢に見たの～！ アハハハ！
省吾） えっ？ 誰と？
高子） えっと…。
奥茨城村の、角谷太郎さんです！
みね子） え～！？
（回想）
高子） 高子です。
どうか、よろしくお願い致します。
きよ） 都会の人なのに
全ぐスラッとしてねえな。うん。
そごは気に入った。
高子） フフフフ！
太郎） んだっぺ？
高子） ん？
太郎） あっ、ごめん…。
きよ） 大変だぞ、農家の嫁は。
あんた本当にそれでいいのが？
高子） はい。
きよ） 厳しいぞ、私は。
文句は全部口に出すかんな。
高子） 私もです。負ける気はしません。
きよ） ほぉ…。そりゃ面白え。
ハハハハハ！
（一升瓶をテーブルの上に置くきよ）
きよ） 遠慮なぐ闘うが。
高子） 望むところです。
きよ） ホホホホ！
みね子） へぇ～！ 三男も？
高子） 会ったよ。
（回想）
三男） いや…よろしくお願いします。
いやいや、驚いた。
高子） 私も～ハハハハ！
とういうわけで、かわいい弟を
今後ともよろしくお願い致します。
善三） いやいや、こちらこそ。
さおり） あの…。お姉様になる
訳ですよね、三男君の。
高子） うん！
さおり） 三男君を、私に下さい！
三男） まだそれがよ！
高子） 分かった！
三男） いや…。
善三） 決まりだな！ ハハハ！
お手を拝借！ よ～お！
（三三七拍子）
三男） いや、待って…
いや、待って下さいよ！
おがしいでしょうよ！ もう、何これ…。
高子） というわけで、
朝倉高子、嫁に行きます！
省吾） おめでとう！
高子） あ～！ 言われたかった。
「おめでとう！」って！
（拍手）
鈴子） 高ちゃん。
長い間、ありがとう。
省吾） ありがとう。
鈴子） 本当に、ご苦労さまだったね。
感謝してる。退職金は、はずむよ。
高子） わっ！
（笑い声）
鈴子） それに、高ちゃんは娘みたいな
もんだから。嫁入り道具は、うちから
出させてもらうよ。
高子） うわ～ん、鈴子さん！
（鈴子に抱きつく高子）
鈴子） 痛い痛い痛い！
痛い痛い、痛い痛い！
高子） ごめんなさい。
みね子） もう、高子さ～ん！
高子） みね子ぉ！
（抱き合う２人）
みね子） すみません。あの、
一つだけ言っていいですか？
高子） うん。
みね子） 私…。恋が終わりました！
一同） え～！？
みね子） だからうれしいです。
高子さん、幸せになって下さい！
高子） 分かった！ うん！
みね子） 言えた～やっと…。いがった～。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜裏の広場＞
鈴子） 大丈夫？ みね子。
みね子） はい…。鈴子さんの、心配され
たとおりになってしまいました。
鈴子） そんなもん、言ったとおりに
なっても、うれしくないよ。
みね子） はい。でも大丈夫ですよ、私。
こう見えて強いんですよ、結構。
鈴子） いいよ、
そんなに強くならなくても。
みね子） はい。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（厨房で鍋を磨く秀俊）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
10代最後の夜、みね子の初恋は終わった。
二十歳のなったみね子はカクテル一気飲み。
うん。飲むと思った。つぶれると思ったよｗ
この子は私が守ります。
時子のあまりに男前なセリフにキュン泣き！
かっけえ…。そんな時子が好きすぎる。好き
になってもいいですか？ 惚れてまうやろ～。
みね子絡みで萌えるのは、いつだって時子。
時子こそがみね子の運命の人なんじゃね？
島谷王子の100倍萌える私の王子様（違っ）
恋が終わった報告をみね子の代わりにアパ
ートの住民にする時子。ホント、時子がいて
くれてよかったね、みね子。はしゃいでいた
自分たちを見られていた分気まずすぎるし。
ハッピーエンドにならなかったことを残念が
る祐二＆啓輔に早苗が言ったセリフがいい。
たかが恋が一つ終わったくらいで、
人生に決着がつくわけじゃないだろ。
いつかハッピーエンドに
なればいいんでしょ？
そう自分にも言い聞かせているというところ
も可愛い。お見合いを何十回断られようと、
人生に決着がついたわけじゃないからね～。
最後に自分だけの王子様が現れれば、OK。
終わる恋は縁がなかったというだけのこと。
みんないつか、ハッピーエンドになれたらい
いね。夢のようだけど…そうなればいいな。
というわけで、まずは高子さんに幸せが～。
朝倉高子、嫁に行きます！
アムロ、行きま～す！…的なノリで高らかに
結婚を宣言する高子さん。ちゃんとみんなに
え～っ！？と言ってもらえてよかったね！！
おめでとうって言ってもらえてよかったね！
あのきよさんとも対等に闘えそうだし、三男
を太郎同様可愛がって（いじって）くれそう
だし、第二のきよさんになりそうな予感…♪
みんなが盛り上がってる中、どさくさに紛れ
て、自分の恋が終わったことを報告するみ
ね子。めでたい席で縁起が悪い気もするけ
れど、すずふり亭は家族のようなものだか
ら…勢いで言ってしまってよかったかもね。
うまくいったりいかなかったり、それが恋。
みね子は、やっと二十歳になったばかり。
まだまだ恋の初心者（ひよっこ）だから～。
恋に落ちて、ときめいて、泣いて、また…。
ただし、恋は年を取れば上級者になれる
わけではないというところがね…難しいｗ
とはいえ…恋が終わりましたと宣言しなけ
ればいけない状況って、どんな罰ゲーム？
もちろんそれは、自ら「冷やし中華始めま
した」的な感じで、「みね子、恋が始まりま
した」とまわりに触れ回ったせいだけどｗ
次はいつ、みね子の恋は始まるのかな？
ヒデ君の表情が気になるけど…増田明美
風に言えば、今は…放っておきましょうｗ
秘かに秘かに、いっぱい期待を込めて…。
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