空想大河ドラマ「小田信夫」第1回~決戦桶狭間 | 日々のダダ漏れ

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空想大河ドラマ
「小田信夫」




第1回 「決戦桶狭間」

永禄3年(1560)、桶狭間での大勝利に沸く小田
家の武将たちを「天下は遠い、浮かれるな」と一
喝する当主・小田信夫(堀内健)。重臣の柴田勝
夫(原田泰造)や明智充(名倉潤)は、自分たち
は戦ったのではなく、有名な織田信長の大勝利
を遠くから見学してはしゃいでいただけだと反論
する。正室のお毛(小西真奈美)は信夫に似た
名の信長との共通点を聞くが…。


**********

1560年、永禄3年5月、織田信長様は、
上洛途上の今川義元を桶狭間において
奇襲し、見事、その首を討ったのでした。


**********

柴田) いや~めでたい!
明智) 胸のすくような勝利でしたな~。
柴田) まったくまったく。
信夫) 浮かれるな! たかが一つの
   勝利で浮かれるでないわ。
明智) はっ!
信夫) かような時に気を引き締めず、
   浮かれて酒をあおって何の天下ぞ。
   我ら小田軍の目標は目先の一つの
   勝利にあらず。あまたの勝利の上
   に築く天下の統一なり!
家臣たち) はっ!
柴田) 恐れながら…
   オヤカタ様に申し上げます。
明智) 柴田殿、おやめなされ!
柴田) しかし…。
信夫) よい! 申してみよ。
柴田) 我々は、浮かれてなどございません。
信夫) 何? 浮かれてもいないのに
   かような酒宴を開いたと申すか。
柴田) さようでございまする。
信夫) うつけた事を申すでない!
   これを浮かれと言わずして何と申す。
柴田) 手前ども家臣一同、
   はしゃいでいただけにござる!
信夫) 何?
柴田) 恐れながら、桶狭間において、今川
   義元を討ったのは、織田信長殿にござる。
   我々小田信夫様の軍勢は、その戦を遠く
   から観戦し、「すげえな。ちょっとマネ
   できないわ」とか言って帰ってきただけ
   にござる。帰ってからも、興奮して眠れ
   ないから、こうして酒宴を開いて盛り上
   がっていただけにございまする。
信夫) そんな事は知っておる!
   わしもずーっと一緒にいたではないか。
柴田) はっ!
信夫) 「信長君の戦を見学に行っただけなん
   だから、気を引き締めて天下統一に向け
   て頑張っていきましょうよ」という事を
   わしは言いたいのだ!
明智) 恐れながらオヤカタ様。天下統一した
   いなら、見学ばっかりじゃなくて、やっ
   ぱり実際戦った方が、いいのではないで
   しょうか。
信夫) 何を申すか! そんなの当たり前だよ!
柴田) しかし恐れながらオヤカタ様。今川
   義元が桶狭間にいるのを知っていながら、 
   信長殿が動くまで、ぼんやりしていたで
   はないですか。
信夫) だから信長君が動いた時に
   「我々も見学に行こうよ」って
   わしが言いだしたんじゃないか!
明智) 恐れながら、実際、「見学って何だよ」
   って、あの時思いました。
柴田) それに恐れながらオヤカタ様もさっき
   まで非常にはしゃいでおられましたし。
   どちらかといえば一番はしゃいでいま
   した。
明智) 恐れながら、確かに、信夫様が一番
   はしゃいでましたし。「やっべえな、
   こいつ」って思いました。
信夫) お前ら「恐れながら」って言えば何
   言ってもいいってもんじゃないからね?
   だから何を恐れてるの? そなたらは。
   わし? わしの事?
   それとも何か不思議な力?
明智) すいません。その辺は、
   曖昧なまま使ってました。
信夫) でしょ?
   「恐れながら」っていうのは
   ここぞっていう時だけにして!
明智) はっ。
柴田) しかし恐れながらオヤカタ…
   言っちゃった。
家臣たち) ハハハハ…。
信夫) そういうのもやめて! そういう感じ?
   そういう何か仲良し集団みたいな感じ?
   信長の人たち見たでしょ?
   何かもっとギスギスしてただろ!
   ああいう感じ。ああいうのが欲しいの。
   ああいう何かもっとピリッとした
   雰囲気でやってって!
明智) 確かに、織田信長めの軍団は規律正
   しく、大将の信長においては常に眼光
   鋭く、第六天魔王と呼ばれ恐れられて
   るよし。桶狭間の戦いにおいても、
   その統率のそつのなさ、鋭さ、他に
   比肩する者を知りませぬ。
信夫) じゃあわしは?
明智) えっ?
信夫) いや、比肩する者を知らないって
   言ったから。
明智) いや…オヤカタ様は別ですよ。
信夫) 別って?
明智) ああ、何かもう、
   枠が違うっていうか…。ねえ?
柴田) いや、拙者分からない。
信夫) ほら、分かんないって。
明智) まあまあまあまあまあまあ…
   信夫様はまた別なんで。
信夫) 何だよ? 別って。わしだって近所
   のお坊さんから「あの人怖い」って
   言われてんだぞ!
明智) あっ、そうなんですか。
信夫) そうだよ! ねえ?
柴田) ああ、昼間から境内をウロウロして、
   寺の小坊主と本気でケンカをしたとき
   ですか?
信夫) 本気ではやってないよ!
   本気でやってたら危ないだろ?
   ちゃんと手加減してやったよ。
柴田) え~でも結構大きな声
   出してたじゃないですか。
家臣) あの…。
明智) 何?
家臣) 我々は、
   もうそろそろ寝たいのですが…。
信夫) 寝ろよ!

**********

信夫) お毛よ。
お毛) はい。
信夫) 織田信長って知ってる?
お毛) ああ…え~あの、本物の方の?
信夫) 何だよ本物って。何に対して本物?
お毛) 信長様がどうかしたんですか?
信夫) いやどうもしないんだけど、
   今川義元を討ったからさ。
お毛) 今川様を?
信夫) うん。
お毛) すごいじゃないですか。
信夫) う~ん…まあまあね。まあまあ、
   これからだよ、彼も。苦労するのは。
   これからじゃないかなあ。
お毛) はあ~。
信夫) まあ、誰でもね、若い時は一回ぐ
   らいそういう事したくなんだよね。
お毛) そういう事?
信夫) うん。だから奇襲とかして、今川と
   か討ったりしたくなっちゃうんだよね。
   わしにもあったから、そういう事。
お毛) トニョは何をされたのですか?
信夫) 何が? 今「トニョ」って言った?
お毛) 言ってません。いや~若い時、
   何したのかなあって。
信夫) まあ、バカな事も、悪い事もいっぱ
   いやってきたし。親にも迷惑かけたし、
   世間にも迷惑かけたし。「うつけうつけ」
   って言われてね~。いろんな人から。
   まあ、若い頃はみんなうつけだよね。
   信長君もうつけだしね。
お毛) ええ。…で、殿は、
   具体的に何をしたんですか?
信夫) わし? わしはあれだよ、ほら。
   おにぎりと間違えて石を食べたり、
   お母さんに「ばばあ」っつったり。
お毛) えっ…そのうつけ方、何か違い
   ませんか? 信長様のあれと。
信夫) そう?
お毛) 信長様のあれは、もっと、やんちゃ
   っていうか、何か実用的っていうか。
信夫) ああ~そっちの方ね。やんちゃな方ね。
   ああ~…まあ、いろいろやったよね。
   盗んだ馬で走りだしたり、意味もなく、
   寺を打ち壊して歩いたり。
お毛) 意味もなく?
信夫) まあ、若いやつのやる事に
   意味なんてないんだよ。
お毛) 意味もなく寺を打ち壊しちゃ
   駄目なんじゃないですか?
信夫) そうね。
   でも信長君もやってるでしょ?
   結構そういう事。
お毛) 信夫様…。
信夫) 何?
お毛) 信夫様は、信長殿に憧れて
   いらっしゃるんですか?
信夫) えっ、やめてよ。えっ? そう? 
   そう見える? そう見えてたら心外だなあ。
お毛) だったら、あんまり信長様を
   意識するのはおやめになったら?
信夫) 意識なんかしてないけど、ほら、
   名前が似てるから、何とな~く
   気になっちゃうだけだよ。
お毛) 信夫様は信夫様なんですから。
   信夫様なりに、天下を統一なさ
   れたらいいと、お毛は思います。
信夫) お毛…拙者あれしようかな。
   第七天魔王を名乗ろうかなあ。
お毛) へっ?
信夫) 第七天魔王…。信長君がほら、
   第六天魔王って言われてるから。


その夜、その時から、オヤカタ様は、
第七天魔王、小田信夫を、
お名乗りになるようになったのです。


**********

明智) オヤカタ様…家臣一同
   集まりましてございます。
信夫) うん? 少なくない?
明智) 何がでございますか?
信夫) 家臣…ほかのみんなは?
明智) 柴田殿…
   ほかの家臣どもはどうしておる?
柴田) ちょっと忙しい。
信夫) えっ?
柴田) ちょっと忙しいそうでござる。
信夫) 忙しい?
柴田) ちなみに拙者も、
   朝ごはんがまだでござる。
信夫) それが何だよ。抜けよ、朝ぐらい。
   あと何よ? おかしいでしょう、忙しいって。
   だってわし、小田家の当主であるよ、わし。
明智) 信夫様、いいから早くご用件を。
信夫) いいから早く!?
明智) ご用件を!
信夫) 本日、この日よりわしは、
   第七天魔王を、名乗る事とする!

(ホーホケキョ)
家臣) すいません。聞こえませんでした。
信夫) わしは、第七天魔王を名乗る!
家臣たち) えっ、どういう事?
信夫) 静まれ! どうだ、あの、
   織田信長よりも1個多いのだぞ!
家臣) えっ、1個多いって言いました?
信夫) 本物よりも1個多いのだぞ!
柴田) 本物?
家臣) やっぱ偽物だと思ってたんだ。
信夫) ハハハハハハハハ!
   ハ~ッハハハハハハ!
柴田) それだけですか?
信夫) そうだけど!
柴田) では、仕事に戻ってもいいですか?
信夫) いいけど。
柴田) こっちだって忙しいんだぞ、まったく…。
信夫) おい! 聞こえてるぞ。
柴田) 聞き間違いです。
信夫) えっ?
柴田) オヤカタ様お聞きになったのは、
   聞き間違いです。
信夫) えっ?
明智) 柴田殿、ごはんまだなんでしょ?
柴田) うん。
明智) 一緒に食べない?
柴田) ああ、いいよ。
信夫) よしっ。では、わしも一緒に。
   どうした?
明智) いや…でも、2人分しかないんで。
信夫) えっ、何で?
   じゃあ、わしはわしのおかずを
   自分で持ってくわ。
明智) ああ…。
柴田) いや~オヤカタ様はあれじゃないです
   か? あの…戦のあれを、考えたほうが
   いいんじゃないですか?
信夫) 何? 戦のあれって。
柴田) いや~ほら…。
信夫) ああ、黒田さんの?
明智) 敵に「さん」づけすんのは
   おやめなされ!
信夫) しかたなかろう。昔から「黒田さん」
   って呼んでるんだから。
明智) しかし相手は黒田城の主ですぞ。
柴田) いや、城っていっても、黒田さん
   所は山に石積んだだけだから。
信夫) だよねえ。
明智) そんな事言ったらこの城だって、
   丘の上に建った家でしょ?
信夫) そんな事ないだろう。
   我が城はだって、門もあるし。
明智) オヤカタ様が門に金をかけちゃっ
   たから、肝心の城が、こんな平屋に
   なってしまったんじゃないですか。
柴田) しかし、黒田さんがこの小田城に
   攻め込んで来たら、大変でござるな。
明智) いや、当面は心配ありません。
   間者がそう申しておりますゆえ。
信夫) 間者っていっても、あの黒田さんの
   所のおじいさんでしょ? 槍が得意な。
明智) だからその、槍が得意なおじいさんに、
   いくらか払って、情報を買ってるんです
   よ。立派な間者じゃないですか。
柴田) ああそういえば、あのおじいさん
   とこのお孫さん、大丈夫ですか?
明智) 何が?
柴田) ほら、「病にかかって大変だ」って
   言ってたじゃないですか。
信夫) えっ、そうなの?
   お見舞いに行った方がいいかな?
明智) いや、おかしいでござろう。
信夫) 何で? 人として当然であろう。
明智) 人として当然だけど、小田家当主とし
   てはおかしいでしょ? 何で敵方の武将
   のお孫さんのお見舞いに行くんですか?
信夫) だって心配だろうが。
明智) 心配だけど…お孫さんだってどうい
   う対応していいか分からないでしょ?
   病気のお子さんに気を遣わせちゃう気
   ですか?
信夫) そうかなあ。
柴田) 拙者、オヤカタ様のそういう優しさ、
   嫌いじゃないですよ。
明智) いやいやいやいや…そういう話じゃ
   なくて、普通におかしいでしょうって。
柴田) でも明智殿、我々は、武士である前に
   一個の人間としてね、誇りを持って生き
   るべきじゃないですか?
明智) いや、正論だけども…。
信夫) 何? 何がしたいの?
明智) だから、黒田殿がもたもたしてる間
   に、こちらから攻めてはどうですか?
信夫) どうやって?
明智) どうやっても何も…。えっ?
林) オヤカタ様~! オヤカタ様~!
  黒田殿の軍勢が挙兵したとの事です。
信夫) 何!? たばかったな、おじいさんめ。
明智) オヤカタ様…。
信夫) 戦じゃ~! 戦じゃよね?
明智・柴田) (頷く)


そして、我が小田家も、戦乱の嵐に
巻き込まれていくのでございました。


**********

織田信長じゃなくて小田信夫、柴田勝家じゃな
くて柴田勝夫、明智光秀じゃなくて明智充…!

意外と真面目につくられたオープニング映像に、
映し出される、時代考証、風俗考証、建築考証、
衣装考証のあとに大きく「なし」という文字が…。
ぷぷぷ…。いいねいいね。何でもアリって事ね。
今の朝ドラと同じ15分とは思えない内容の濃さ。
セリフ起こしをして分かる、セリフの量の違いw

全編に漂う、何ともゆる~い感じがたまらない。
お毛に語ったやんちゃ自慢のしょぼさに笑った。

おにぎりと間違えて石を食べたり、
お母さんに「ばばあ」っつったり。
盗んだ馬で走りだしたり、
意味もなく、寺を打ち壊して歩いたり。


殿は中2かっ!(爆) しょぼさがジワジワくる~。
でもそんな小田家な感じ、ちょっといいかも~♪


●「小田信夫」HP

「小田信夫」関連ブログ↓
第1回~決戦桶狭間
第2回~武士の威信
第3回~黒田城攻め
第4回~本能寺の辺

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