「○○妻」第10話（最終回）～妻よ！これが俺の最後の答えだ

「○○妻」

第10話（最終回）

妻よ！これが俺の最後の答えだ

正純）　今度こそ、一緒にこれ（婚姻届け）、出しに行
　　　　こうな。そしたら、普通の夫婦がやる事をいっ
　　　　ぱいやろう。一緒に寝て、一緒に起きて、一緒
　　　　に食事して、一緒に買い物して、一緒に笑って、

　　　　一緒に泣いて、一緒に怒って…。ん？何か変
　　　　か。とにかく、これからは何をやるんでも、一緒
　　　　だからな。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ひかり）　逃げても無駄ですよ！罪を犯したことがあ
　　　　　る人間だから分かるんです！逃げても逃げ
　　　　　ても、罪は追い掛けて来ますよ！立ち止ま
　　　　　って、振り返って、立ち向かわなきゃ！これ
　　　　　からもお義母さんは、お義父さんを愛すこと
　　　　　ができなかったせいで、家族を苦しめた罪を、
　　　　　一生背負って行くしかないんです。私が、自
　　　　　分の息子を殺した罪を、一生背負って行くし
　　　　　かないように。だったらせめて、お義母さん
　　　　　が抱えてる重い荷物を、私にも持たせてもら
　　　　　えませんか？

仁美）　えっ？
ひかり）　私の荷物が重たい時は、
　　　　　一緒に持ってもらえませんか？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

千春）　あんたの名前も、お父さんが付けたんだよ。
　　　　聖書の中の、「光あれ」っていう神の言葉でさ、
　　　　フフ…。この世に光が出現するところが好き
　　　　だったから。あんたがね、正純さんの言葉に
　　　　救われたみたいにね。私も、お父さんの言葉
　　　　を聞いてると何かこう…清められるような気が
　　　　してさ。うん。小さい時からいろんな人に死ね
　　　　死ねって言われてた、自分みたいな人間も、
　　　　生きてる価値があるんだって、言われてる気
　　　　がしてさ。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

電・ひかり）　見てますから。
電・正純）　えっ？
電・ひかり）　ずっと、見てますから。
　　　　　　　あなたを、ずっと…見てますから。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

板垣）　板垣死すとも、自由は死せず！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

正純）　私達を襲った高校生に言いたいのは、人の痛
　　　　みや苦しみを、自分のことのように理解し、簡単
　　　　に「死ね」とか、「殺す」とか言う人間になってほ
　　　　しくない。今、君らに…いや私達に、一番欠けて
　　　　るのは想像力なんだ。私の妻も、罪を犯した時、
　　　　想像力が足りなかった。自分しか頼りになる人
　　　　間がいない、か弱い存在の命を奪ったら、どん
　　　　なにひどい罪悪感と、深い孤独と、悲しみの中
　　　　で、生きて行かねばならなくなるか。私達も、特
　　　　殊な人が起こした、特殊な事件だと突き放さな
　　　　いで、もっと彼女の心に寄り添い、彼女の声に、
　　　　耳を傾けるべきなんだ！そうなるためには、た
　　　　くさんの人の生き方を知り、その素晴らしさに感
　　　　動し、たくさんの人を愛すことが必要なんだ！
　　　　今テレビを見ている中には、そんなことしたって、
　　　　自分の人生も、この世界も、よくならないと諦め
　　　　ている人がたくさんいるかもしれない。でも私は
　　　　そうは思わない！私達一人一人が、ほんの少
　　　　し、勇気と希望を持ち、諦めないで、愛し続けれ
　　　　ば、少しでも世界を変えていくことができると信
　　　　じている！いや、妻に、そう教えてもらいました。
　　　　だから今、テレビを見ている、あなたに言いたい。
　　　　鈴木さん。山田さん。田中さん。伊藤さん。あな
　　　　たにしかできないことは、必ずあります！井上
　　　　さん。佐藤さん。臼井さん。上田さん。あなたが
　　　　変われば、周りの世界もきっと変わります！福
　　　　井さん。太田さん。五十嵐さん。渡辺さん。自分
　　　　なんか何もできないと思うなら、せめて頑張って
　　　　る人を応援してあげてください！竹内さん。中
　　　　野さん。清水さん。小島さん。悪が栄えるのは、
　　　　善人が何もしないからです！石田さん。小山さ
　　　　ん。中田さん。高橋さん。せめてこの世界が、よ
　　　　くなるよう祈ってください！辛い時も、笑ってくだ
　　　　さい！何かの本に、書いてありました。人間の
　　　　することで、他の動物にできないことが２つあり
　　　　ます。それは、笑うことと、祈ることです。そして
　　　　それは、妻が６年間、私のために、してくれたこ
　　　　とでもあるんです。妻は、１日24時間、私のこと
　　　　ばかり考え、私が望んだことを、何でもしてくれ
　　　　ました。妻が出してくれたお茶、おしぼり、ジュ
　　　　ース、夜食。いつも私が欲しい時に、出てきまし
　　　　た。寝る前の、水割りの用意、加湿器の水の取
　　　　り換え、毎朝の靴磨き、番組に着ていく、スーツ
　　　　選び。私が見てもいないし、感謝もしないし、手
　　　　伝いもしない。その繰り返しを、文句ひとつ言わ
　　　　ず、やり続けてくれました。番組が終わったら、
　　　　その感想を、一日も欠かさず、手紙に書いてく
　　　　れました。妻の言葉は、私の不安や、弱さを粉
　　　　々にし、私に戦う勇気をくれる力を持っていまし
　　　　た。その手紙は今、私の大切な宝物です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

千春）　さっき…。
　　　　番組が、終わったら、計ったように…。
正純）　フッ。フフッ。えっ？
千春）　最後の、手紙。

やっぱり　スーツは
あたしが選んで　あげないとダメだね。

正純）　（泣）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

千春）　元気出しなよ！
　　　　ひかり、その手紙書きながら言ってたよ。
　　　　「私と同じように、正純さんを必要としている
　　　　人は、世界にたくさんいる。だから正純さん
　　　　は、生きなきゃダメ」って。「光を浴び続けな
　　　　きゃダメ」って。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

正純）　すいません、お義母さん。
　　　　お義母さんの方が、愛する人を２人も失って、
　　　　俺よりずっと辛いはずなのに。
　　　　それなのに俺…。行きましょう。
千春）　えっ？
正純）　いつまでもメソメソしてたら、
　　　　ひかりに怒られるから。
（笑顔のひかりの写真を見る正純）

正純）　ひかり。俺達は生きていく。

　　　　見ててくれるよな？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

夫を愛せない罪を執拗に描く脚本家。自分を愛さない
親が悪い？自分を愛さない妻が悪い？ひたすら無
償の愛を求め、崇拝する精神性が、心底気持ち悪い。

赤ん坊の要求を瞬時に察し、叶える母親のような愛情
を何の疑問も持たずに無意識に要求し続ける正純が
気持ち悪い。ひかりの存在の大切さに気づいたといっ
ても、本当のところ分かってるのか分かってないのか、
最後まで共感できるところがなかった。光を浴び続け
るべき人には見えなかった。結局、○○妻とわけのわ
からない釣りのお題に釣られて観てしまった。その興
味もとっくに途中でなくなっていたけれど、途中まで見
てしまうと、結果まで見ずにはいられなくなるわけで…。

安易に死なせて終わらせるのが好きな脚本家さんの
悪い癖が出たらしく…あまりにも陳腐なラストに唖然。
いやいやいや、そこでひかりを死なせちゃダメでしょう。
何のオチも思いつかなかったって事？俺たちは生き
ていくって…。はいはい、どうぞお好きに～ってしか…。

松嶋菜々子さん、出演を断って正解でした。今後、遊
川脚本に出演してくれる勇者は存在するのか？出な
いほうがいいと思うよ～と思ってしまったドラマでした。
何かありそげに、散々もったいぶったあげくに、何にも
なかったという…。やっぱりこの人のドラマとは相性が
悪すぎると、しみじみ再確認しただけの時間が残念！

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