「花子とアン」第96回~蓮子蓮子と連呼する伝様と新聞に載った絶縁状 | 日々のダダ漏れ

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「花子とアン」 第96回
第16週 「あなたがいる限り
蓮子蓮子と連呼する伝様と新聞に載った絶縁状


夫も友も裏切り、
蓮子は愛する人のもとへ走ったのでした。

花子) 蓮様…ゆうべどうしたんだろう?
    東京にいるのに連絡もくれないなんて…。
英治) ご主人の用事や何やらで、
    きっと忙しいんだよ。

(戸をたたく音)
英治) あ…どなたですか?
嘉納) 嘉納伝助たい。
花子) てっ…。
    嘉納さん…。どうなさったんですか?
嘉納) 蓮子、ここに来ちょらんやろか?

**********

嘉納) 蓮子! どこにおるとか!? 蓮子!
花子) 蓮子さん、いなくなったんですか!?
嘉納) 蓮子~!

(歩の泣き声)
嘉納) 蓮子~!
花子) 歩!
英治) 僕が。嘉納さん!
嘉納) 蓮子~! 蓮子~! どこおるとか~!?
    蓮子~! 蓮子! 蓮子! 蓮子! 蓮子~!
英治) ここにはいらしてません。本当です。
嘉納) そしたら、どこにおるちいうとか!?
    蓮子…。蓮子! 蓮子! 蓮子~! 蓮子~!
英治) もうやめてください!
嘉納) 蓮子!
英治) 石炭王の嘉納伝助さんともあろうお方が、
    何をなさってるんですか!
嘉納) あっ…。ああ…これは…
    あいつが旅館に忘れちょった、祝いたい…。
    はなちゃん! ご主人! みっともないとこば
    見せてしもうて、すまん! 失礼した。
花子) 蓮様…。何があったの?


**********

かよ) てっ…
    お姉やんのとこに、蓮子さんのご主人が?
花子) 何か大変な事が起きてるような気がするさ。
かよ) (小声で) 昨日、蓮子さん、ここに来ただよ。
花子) てっ…一人で?
かよ) 待ち合わせしてただ。
花子) ひょっとして…あの、宮本さんて人?
かよ) (頷く) 
花子) ねえ、かよ。
    宮本さん、どこにいるか心当たりない?


**********

龍一) 蓮子さん? 蓮子さん…。
蓮子) ごきげんよう。
龍一) よかった…。
    蓮子さん、いなくなったのかと思った。
蓮子) どうして?
龍一) ゆうべから不安だったんだ。あの男のところ
    へ帰ってしまうんじゃないかって。
蓮子) 二度と帰らないわ。
    あなたと生きていくって、決めたの。
龍一) でもきっと、ご主人はあなたを連れ戻しに来る。
蓮子) あなたが、そばにいてくれるなら、
    私は何も怖くないわ。
    何があっても、あなたのそばを離れないわ。
龍一) 本当に?
蓮子) そんなに心配なら、あの人に手紙を書くわ。
龍一) 手紙?

(伝助に手紙を書く蓮子)
蓮子) この手紙を、龍一さんに託します。
龍一) これは…。
蓮子) あなたが、投函してください。
    あなたへの、愛の証しですから。
龍一) ありがとう。蓮子。

**********

(龍一の部屋を見張る尾形と吉太郎の姿)

尾形) (ため息)
    女を連れ込んで、全くいい気なもんだなあ。

**********

それから数日後の、早朝のこと。

醍醐) ごめんください。
    朝早くにすみません! 醍醐です!
花子) はい。ごきげんよう。
醍醐) ごきげんよう、はなさん!
    今日の朝刊ご覧になった?
花子) いえ、まだだけど…。
英治) おはようございます。醍醐さん。
    どうしたんですか?
醍醐) これ! 見てください。
英治) 絶縁状?
花子) 蓮様…。


**********

黒沢) 嘉納さん。今日の新聞に奥様の記事が…。
嘉納) 何やと?
タミ) 旦那様…うちはいつかこげな事になるとやない
   かと思うちょったとです! ばってん、新聞に絶縁
   状載せるちゃ、ここまでひどい女や思わんやった
   ばい!
嘉納) ぜ…絶縁状!?
タミ) 旦那様! こげな…!
黒沢) 嘉納さん…。冷静に聞いてください。蓮子さん
    の手紙の全文が、ここに公開されています。
(新聞を見る伝助)
嘉納) 何ち書いちゃると!? 早う読め!

黒沢) 「嘉納伝助様。私は今、あなたの妻として、
    最後の手紙を差し上げます。ご承知のとおり、
    結婚当初から、あなたと私の間には、全く、愛
    と、理解とを欠いていました。しかし、私は、こ
    の結婚を有意義にするため、できる限り努力し
    ようと決心しました。私がはかない期待を抱い
    て、東京から九州へ参りまして10年になります。
    私の期待は、全て裏切られ、努力は水の泡に
    なりました。愛なき結婚が生んだ、不遇と思い、
    私の生涯は、暗い一生で終わるものと、諦め
    ていたのです。しかし、幸いにして、愛する人に
    巡り合うことができました。私は、その愛によっ
    て、今、復活しようとしているのでございます。
    ともあれ、10年の間、欠点の多いこの私を養っ
    てくださったご恩に感謝します」。


黒沢) しかし…なぜこのような手紙が
    新聞に載ったのでしょうか…。
嘉納) こげなもん!
(新聞を破る伝助)
嘉納) こげなもん! うぉお~!  こげなも~ん!
    うわぁああ! こげな…も~ん! うわぁあ~!

(ガラスが割れる音)
嘉納) こげなも~ん! うぅ~! うわぁあ~っ!
    こげなも~ん! うぅ~!

(部屋の中を暴れまわる伝助)
嘉納) こげなもん! こげなもん! こげなもん!
    こげなも~ん! うぅ~! う…!

(ガラスが割れる音)
嘉納) (泣) うわぁああああああ~!!!!

**********

蓮子はまだ知らなかったのです。
まさか、あの手紙が新聞に公開されているとは。
蓮子は何もかも捨てて、
たった一つの夢を掴んだのでしょうか。


蓮子) ごきげんよ…じゃなくて、お帰りなさい。
龍一) ただいま。


ではまた来週。
ごきげんよう。さようなら。


**********

朝からお腹いっぱいだった「愛の讃歌」劇場の後は、
お待ちかね、伝さまの出番です。あの伝さまが、我
を忘れた様子で、蓮子を探し、他人の家の中を勝手
に歩き回ります。蓮子~蓮子~!と連呼する伝さま。
いや、途中でこのダジャレのような状態に気づいて、
蓮子蓮子と連呼する伝ちゃんの図に笑ってしまった。

英治に「石炭王」と言われてようやく我に返る伝さま。
歩くんへのお祝いを、きちんと差し出して帰る伝さま。
その頃蓮子は、朝っぱらからしどけない姿を惜しげ
もなくさらしておりました! それにしても相変わらず
龍一くんに色気がないのが、痛い。龍一が不安に思
うように、蓮子に捨てられそうな男にしか見えなくて。

蓮子が愛の証しとして書いた手紙が、新聞に載せら
れてしまったことを、蓮子は知らなかったことにした
のですね~。脚本家の白蓮愛の深さが伺えますw
花子にしろ、蓮子にしろ、作者が擁護しているつもり
なのかもしれないけれど、逆効果になってるような。

新聞が読めない伝さまが、絶縁状の内容を読んでも
らう姿に涙…。こっそり自分で読むのも辛いのに、そ
んなものを人に読んでもらわなければ内容を知る事
ができない伝さまの屈辱といったら…。タミさんが怒
るのもわかる。内容もねえ…蓮子にとっての真実は、
伝さまにとっての真実とは限らないからねえ…。ふぅ。
蓮子が愛する人に巡り合えたのは、伝さまのおかげ。
お金があって、そのお金をちゃんと蓮子に使ってくれ
て、蓮子の我儘を許してあげたからこそなのよね…。
伝さまの愛が、お金が仇となってしまった悲しい構図。
どちらにも言い分はあって、どちらにも真実があって。
何にしろ、伝さまの中の人が上手すぎて、伝さまの方
に味方したくなってしまうのが…誤算なのか思惑通り
なのか、ナゾ。ただ、龍一君のキャスティングを間違
えた事だけは確かなような気がする。残念ながら…。


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