「花子とアン」第33回~つかみ損ねた幸せは、もう取り戻せないんです | 日々のダダ漏れ

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「花子とアン」 第33回
第6週 「腹心の友」
つかみ損ねた幸せは、もう取り戻せないんです


葉山) 頼む。助けてくれ。
蓮子) お兄様?
葉山) この縁談を受けて、葉山の家を救ってくれ。

蓮子の運命が、
大きく動き始めていることを、
まだつゆほども知らぬ、はなでした。

**********

蓮子) 葉山の家を救う? どういう事ですか?
葉山) うちにはもう、財産は残っていない。父上が亡
    くなってから、何もかもが狂ってしまったんだ。
蓮子) そんな…。
葉山) 私も力を尽くした。
    だが、投資していた貿易会社が潰れて、もうど
    うにもならない。このままでは、家屋敷も手放
    さなければ…。蓮子。頼む。この通りだ。見合
    いだけでもしてくれ。先方は九州の石炭王だ。
    この縁談がまとまりさえすれば…。
蓮子) 莫大な、結納金でも入るんですか?
    お兄様は、私をお金で売るおつもりですか?

**********

蓮子に励まされたはなは、
こぴっと、張り切っておりました。


はな) こぴっと頑張ろう。
(荷物を抱えた英治にぶつかるはな)
はな) うわっ。痛~…
英治) ああっ! すいません!
    小さくて見えなくて…。
はな) 大きい壁かと思いましたよ!
英治) すいません。


**********

英治) あっ。
はな) 何か?
英治) 最初にここであなたを見かけた時から、どうし
    ても初めて会ったような気がしなかったんです。
    今やっと分かった。似てるんですね。
はな) 似てる? 誰にですか?
英治) ナマケモノに…。
はな) はっ?
英治) あっ、ナマケモノというのはですね。
    あの…南アメリカと中央アメリカの熱帯林に生
    息していて、一生のほとんどを木にぶら下がっ
    て過ごす珍獣です。
はな) 珍獣?
英治) その姿から、ナマケモノと呼ばれていますが、
    実は、泳ぐとそれは速いという意外な一面も持
    っています。あなたも、一見のんびりしている
    ように見えて、翻訳をしている時の集中力は別
    人のようだ。それにほら、よく見ると、外見もち
    ょっと…。
はな) もう結構です。
英治) えっ?
はな) なにが珍獣よ! 失礼な人。
英治) こんなに可愛いのに…。



**********

ひと月が過ぎ、
はなの最後の出勤日のことでした。

男性1) 安東君。
はな) はい。
男性1) ここの翻訳、合ってるか確認できるか?
はな) はい。

(匂いを嗅ぐ音)
はな) 燃えてますよ!
英治) えっ? あっ!



英治) ちょっと手伝って、手伝って!



英治) 今日入稿する翻訳原稿が…。
男性1) すいません!
男性2) 参ったな…。
     編集長はいないし…どうしよう。
英治) どうしましょう…。
はな) あっ、あの!
    英語の原文はありますか?
英治) はい! これです。え~っと、燃えたのは…
    ここから、ここまでです!
はな) 私に翻訳させてください!
男性2) 安東君、今日中だよ。出来る?
はな) やってみます! 
英治) お願いします!
はな) あの…辞書下さい!
英治) はい! 辞書!あれ?
    あの…ここにあった英和辞典知りませんか?
男性3) 誰か辞書を使ってるか?
男性4) 須藤さんが外に持ってったみたいです!
英治) じゃあ、うちの会社の辞書取ってきます!
はな) それなら学校の方が近いです! 
    修和女学校の図書室ならヘボンの英和辞書
    がありますから。
英治) 学校!
男性5) あっ、英治君。帽子!
はな) …あっ! 男子禁制…。

**********

白鳥) やあ!
英治) うわっ! ちょっと…ああっ!
校長) (英語) 何事ですか。
白鳥) 不審者が
英治) ちょっと…ああっ!
白鳥) 不審者がいたので、捕まえました!
英治) ご…誤解ですよ! 僕は…。ああ…。
    (英語) あなたに…アゲマス 安東さん 辞書
    ああっ! あ~!
校長) (英語) 何を言っているかわからない。
英治) (英語) 彼女はこの学校の…生徒で。
校長) (英語) うちの生徒に何をしたんですか。
英治) ダメだ。全然通じない。
白鳥) ブラックバーン校長、
    警察に通報致しましょう!
英治) えっ? あ~! だから、違うんですって!
はな) (英語) ブラックバーン校長! 申し訳ありま
        せん。私がお願いしたのです。仕事で
        辞書が必要なんです。急いでいたので、
        男子禁制のことも忘れて。
英治) うわ~!
はな) (英語) 本当に申し訳ありません。

**********

英治) 翻訳だけじゃなくて、英会話も出来るんです
    ね。何よりも通じるところが素晴らしい。
白鳥) これ(辞書)でよろしいんですね?
はな) 白鳥様。お騒がせしました。
白鳥) さあ、行きましょう。
英治) はい。
白鳥) また侵入したら、本当に警察に引き渡します
    から。そのおつもりで。
英治) 本当に、ご迷惑をおかけしました。
白鳥) もっと離れて!
    男女七歳にして席同じゅうせず!

**********

梶原) 生徒たちに見られた?
(頷く富山)
梶原) それはすまなかった。でも僕は、いい加減
    な気持ちであなたに会ってるわけじゃない。
    僕たちはそんなに若くはない。もうこれ以上、
    人生の時間を無駄にするのはやめよう。
    今度こそあなたを、幸せにする。
    僕の妻になって下さい。


**********

はな) 出来ました!
英治) ありがとうございます!

(拍手)
(ドアが開く音)
男性) 編集長、大変だったんですよ!
(はなの翻訳原稿を読む梶原)
梶原) いいじゃない。よし! すぐ印刷回してくれ。
英治) はい! 本当に助かりました。
    どうもありがとうございました。
    あの…お礼はまた今度改めて。じゃあ。
梶原) 君、今日までだったよね?
はな) はい。
梶原) ご苦労様。はい、お給料。
はな) ありがとうございます!
男性) 初めての、お給料?
はな) はい!
    帰りに友達にきんつば買って帰ろうと思います。
男性) そう。
はな) 本当にお世話になりました。…編集長?
梶原) ん?
はな) どこかお加減でも悪いんですか?
梶原) あっ…いや、結構、こたえたかな。今日、君の
    学校の先生に求婚したら、あっさり断られたよ。

**********

はな) ごきげんよう。あの、富山先生。
富山) 何ですか?
はな) 出版社の仕事、今日までだったんです。
富山) そう。ご苦労様でした。
はな) 梶原編集長、元気なかったです。
    あの…これでいいんですか?
富山) つかみ損ねた幸せは、もう取り戻せないんで
    す。教職という仕事が、今の私の幸せです。

**********

園子) 遅いわねえ。どうなすったのかしら?
蓮子) やはり、私…。
園子) お見えになったわ。
久保山) お待たせして、申し訳ない。
     仕事の話が長引いてしまって。
園子) 叔父様。今日はよろしくお願い致します。
    義理の妹の蓮子です。
久保山) いや~噂どおり、お美しい。
     こちら、嘉納さんだ。


九州の石炭王、嘉納伝助です。





**********

蓮子が、親子ほど歳の離れた人と
見合いをしているとは夢にも思わず、
帰りを待っているはなでした。

はな) きんつば買ってきたのにな…。



ごきげんよう。さようなら。


**********

今日の名言、と言いますか、気になったセリフ! ↓

つかみ損ねた幸せは、もう取り戻せないんです。

あさイチで、有働アナがさっそく食いついてました~。
その気持ち、わかりすぎるw 歳を取れば取るほど、
「つかみ損ねた幸せ」ってやつが身にしみると言うか、
本当は、「つかみ損ねたような気がする」幸せってい
うものを心の奥に幾つか隠し持っていたりするので。 
確かにね、つかみ損ねた時点で、その時そこにあっ
ただろうはずの幸せは取り戻せないというのも真実。
ただし、新しく目の前にあるかもしれない幸せをつか
む事は出来るとは思いますが。今や、教職について
いる自分を幸せと言える富山先生にとっては、今頃
ノコノコやってきて何言ってんだロミオには幸せを見
いだせなかったと…。どうして男って、昔の恋人がい
つまでも自分を好きでいるものと思う生き物なのか。
…ったくもう、おととい来やがれバカ野郎~!ですよ。
振られた事をはなに言っちゃう口の軽さもホントダメ。

さて、はなと英治は、どうやら王道、恋のお約束パタ
ーン、最初は何だか嫌な人~と思っていたら意外と
…的な展開になりそうな予感。言葉のセンスが悪い
と言いますか、デリカシーに欠けると言いますか…。
ナマケモノに似ていると言われて喜ぶ女の子は、そ
うはいないと思う! それが「こんなに可愛いのに」と
いう意味で言われた言葉だとしても、女子的にNG!

そしてもう一つ、今日のツボは、再びのかをる子様。
言語矯正のみならず、武道のたしなみもおありとは。
修和女学校の守護神、白鳥かをる子様に幸あれ~。
並んで歩くはなと英治が、かをる子にもっと離れて!
と声をかけられ、パッと離れた二人の姿に萌え♪ 不
自由な時代、それゆえに、男女関係が何とも可愛い。

未来が開けそうなはなとは真逆の運命が待ち受ける
蓮子。お金で縁を切ろうとした腐れ外道兄は、お金の
ために頭を下げて、切ったはずの縁をなかった事に
して、妹を石炭王に嫁がせようとする…ゲスの極み!
石炭王が値踏みするように、蓮子を舐めるように見る
姿もまたゲスの極み~! 心底お気の毒な蓮子様…。


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