「真夜中のパン屋さん」第3回~普通じゃない人々 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「真夜中のパン屋さん」

日々のダダ漏れ-真夜中のパン屋さん

第3回
普通じゃない人々

暮林(滝沢秀明)の「ブランジェリークレバヤシ」には、
次々と変わった客がやってくる。ニューハーフのソフィ
ア(ムロツヨシ)もそのひとり。フランス通の彼女は、
可通を気取り、職人気質の弘基(桐山照史)を怒らせ
る。また、脚本家の斑目(六角精児)も、変わった常連
のひとり。のぞきが趣味の彼は、どうやら、通行人を
間観察でのぞき、仕事に役立たせるほかに何か秘
密をも
っているらしい。希実(土屋太鳳)とこだま(藤野
大輝)
に隠していたその趣味を知られた斑目は、突如、
店に現
れ、ある事実を告白する――。

**********

希実) ねえ、カッコウって知ってる?
こだま) カッコーって鳴くやつ?
希実) 鳥のカッコウ。
こだま) 知ってるよ。
希実) カッコウの母親ってね、自分じゃ巣を作らな
    くて、他の鳥の巣に卵産んで、そこの母鳥に、
    自分の子どもを育てさせちゃうの。
こだま) 何かひでえの。
希実) いるんだよ。人間にも・・・。
    カッコウのような母親って。
こだま) ふ~ん。

**********

希実) 暮林さんって、子供好きなの?
陽介) 純粋だからね。
希実) ふ~ん・・・。
陽介) 添加物の入っていないパンとか、ね。
希実) 子供とパン、同列ですか?
陽介) 子供もパンも、どっちもデリケートに生きて
    いる。毎日少しずつ、違う顔をする。
    だからその変化を、見逃さないように。
希実) 何か・・・暮林さんらしい表現。
陽介) 弘基の受け売りだよ。

**********

弘基) だったらさ、何で覗くだけで満足してんだよ?
    見てるだけでいいのかよ? それで自己完結
    できんのか? 見てるだけでいいなんて、そん
    なの恋でも何でもねえよ。相手がどんな人で
    あれ、どんな立場の人であれ、その人を振り
    向かせるための何か努力とか自分磨くとかす
    んだろ、普通! そういうもんじゃねえの? 奪
    い取ってやるくらいの気持ちになるもんだろ!
班目) 無理なんです。
弘基) 何もしないで諦めんのかよ?
班目) 仕方ないんです。僕は、接近禁止なんです。
    僕は一度、彼女のストーカーとして、警察に
    呼ばれた事があるんです。
こだま) ストーカーって何?
希実) いいから。
班目) で、さんざん叱られまして。彼女の200メート
    ル以内には接近しないと念書を書くしかありま
    せんでした。恐らく、次に警察沙汰になったら、
    起訴は確実でしょう。そんな事になったらもう、
    彼女の姿を見守る事すらかなわなくなります。
    それは・・・それだけは、何としても避けたい!
弘基) どっちの方向の努力してんだよ・・・。
班目) すみません。僕は、そういう変態男なんです。
    普通じゃないんです。初めて告白して、何か
    すっきりしました。ごめんね。嫌なものを見せ
    てしまって。嫌な話を聞かせてしまって・・・。
    という事で、僕はもう二度とここには現れませ
    んので、安心してください。
    ご迷惑をおかけしました。
陽介) 覗きは、ダメです。
    班目さんは、うちのパン、お好きですか?
班目) そりゃ、大好きですよ。
陽介) だったらまた、いらしてください。
    デリバリーだって、させて頂きます。
班目) しかし・・・。
陽介) 班目さんは、ただのお客様ですから。
弘基) ただのって・・・。
陽介) うちのパンが大好きだと仰ってくれている、
    大切な、ただのお客様です。また是非、いら
    してください。お待ちしております。
班目) いいんですか?
陽介) もちろんです。


**********

弘基) そういう事か。
    何かわかったような気がするよ。
陽介) ん? 弘基、どうした?
弘基) そうだよな。あんたはそういう人なんだよ。
陽介) え?
弘基) あんたはどんな事でもどんな奴でも受け入
    れる。そのおかげで俺は、ここにいられるって
    訳だ。確かに俺も普通じゃないよ。美和子さん
    がクレさんと結婚したって聞いた時、そこであ
    んた達の前から消えちまうのが普通だよ。
陽介) 弘基・・・。
弘基) この先俺が、どんな美味いパン作ろうが、世
    界一のブランジェになろうが、俺は一生、あん
    たを超えられない。勝てないんだよな。
陽介) 弘基。お前が毎日、そんな気持ちでパンを作
    ってるんだとしたら、もう一緒には、やれない。
    出てってくれ。

**********

ムロツヨシの女装来た~! わかりやすい女装男子
なんだけど、妙に可愛いソフィアちゃん。ムロツヨシ
って、人の好さがにじみ出る顔というか、憎めないキ
ャラになるというか、するめのように噛めば噛むほど
好きになっていく役者さんだなあって思う(私的に)。

そしてストーカー問題。片思いは、誰でも最初は軽
くストーカーに近い行動になるといえば、そうなるし。
恋とストーカー問題は切っても切れないというか・・・。
明らかに異常な、極端な例はともかく、恋する気持
ち、そっと見守りたい気持ちというのは、ムズカシイ。

こだまを置いて家出中のお母さん、どこかで見たよ
うな気がすると思っていたら、「ごちそうさん」に出て
来た桜子ちゃんだったのね! わからなかった~!
役者さんは変わるものですね~。いまさらですが。

普通じゃない人々・・・でも、普通って、なんだろう?
そんな事を思いながら、パンが食べたくて仕方ない。


「真夜中のパン屋さん」関連ブログ↓
第1回 「謎の女子高生来たる」
第2回 「小さなパン泥棒」
第3回 「普通じゃない人々」
第4回 「恋って、おいしい?」
第5回 「元カノの秘密」
第6回 「もうひとりの佳乃」
第7回 「おだやかなクレーマー」
第8回 「小さな灯り(あかり)をともして」

●「真夜中のパン屋さん」HP


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