「真夜中のパン屋さん」第2回~小さなパン泥棒 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「真夜中のパン屋さん」

真夜中のパン屋さん

第2回
小さなパン泥棒

「ブランジェリークレバヤシ」にある日、とても小さ
客が現れる。こだま(藤野大輝)、と名乗るその少

は、「お姉ちゃんと約束した」といって、パンを手
づか
みにし金を払わずにもって行こうとする。万引き
とし
てこだまを捕まえた希実(土屋太鳳)は、暮林
(滝沢
秀明)の指示で、少年の家に行き、お金をもら
ってく
るように言われる。しぶしぶこだまとともに家
に行っ
た希実は、そこで母・織絵(前田亜季)と会い、
1万
円を手渡される。パン代にしては高いその金を強

におしつけられ、納得がいかない希実だったが、帰
りがけに織絵が、こだまを叩く音を聞く・・・。

**********

希実) 昔ね、母親によく言われてた。親は子を選
    べないけど、子供は親を選んで、
生まれて
    くるんだって。
陽介) ああ、それ聞いたことある。確か、子供達は
    生まれてくる前、雲の上から見て、あの女の
    人の子供になりたい。そう決めて生まれてく
    る。
だからお母さんは、そうやって自分を選
    んでくれた
子供達を、大切に大切に、感謝を
    込めて育てなさいっていう・・・
希実) それ違うよ。
陽介) えっ?
希実) その人の子供になろうって、自分で決めて
    生まれてきたんなら、その子は、
どんな事が
    あっても、耐えなさい、我慢しなさいって
いう。
    自己責任ってやつ? 
だからしょうがないん
    だよね、あの子も。
自分で選んで、決めて、
    あの母親の子になったんだから。
    しょうがないんだよ。

**********

こだま) こだまはね、ひかりより遅いけど、こだま
     は速くなくていいんだ。
     寄り道ばっかしてていいんだ。
     こだまはね、ゆっくり、ゆっくり。
陽介) そうだね。
こだま) 織絵ちゃんが教えてくれたんだ。
希実) へえ~。
こだま) ゆっくり歩いて、いろんな楽しい寄り道が
     できますようにって。俺の名前付けてくれ
     たんだって。
陽介) ねえ、こだま君。
    もしかして、織絵ちゃんって・・・。
こだま) うん。お母さん。
陽介) そっか。そうだったんだ。
こだま) 織絵ちゃん、チョコがだ~い好きなんだ!

**********

希実) あんたも、誰か好きな人に食べさせたいっ
    て思って、ブランジェになったの?
弘基) 俺はまあ、始めた動機は、純愛だよ、純愛。
希実) えっ?
弘基) 中学の頃からさ、
    ず~っと憧れてた人がいてな。
希実) 年上の人?
弘基) うん。で、その人がパン屋さん始めたいって、
    パン教室通い始めてな。だったら俺も、俺が
    ブランジェに、パン職人になれれば、もしかし
    たらずっとその人のそばにいられるかなって
    思ってな。で、いつか、俺の事振り向かせて
    やる! な~んて思ったわけさ。

**********

こだま) でもね、織絵ちゃんは少しだけ楽しいが足
     りないの。だから俺が、楽しいを、いっぱい、
     い~っぱい作ってあげるの。


**********

「子どもは親を選んで生まれてくる」という本があるん
ですね。お母さんの胎内にいた頃の記憶や、生まれ
る前の記憶を覚えて
いる子どもは意外にたくさんいて、
興味深いことに、子ども
は「自分で親を選んで生まれ
てきている」という。たとえ病気や事故、
虐待など困難
な人生であっても、また流産や死産で無事に生まれ
ることが叶わな
かったとしてもそうなることを知りつつ、
それでも子ども達はどうしてもお母
さんに会いたくて、
必死で生まれてくるのだと――

この本が言いたいところは何となくわかるけれど、そ
れはまあ置いといて、「子どもが親を選んで生まれて
くる」のだとしたら、子どもはどんなにひどい親でも慕
わずにはいられないんだなあと思う。それを「自己責
任」と言う親も、その気持ちに甘える親も悲しい存在
だし、親子の間における、どちらかの片思いは辛い。

ちょっとほろ苦い人間関係が見え隠れしつつ、真夜中
のパン屋さんは、暗い夜の明るい光であるようで・・・。
ジワジワと心に沁みてきそうな、そんなドラマな予感。



「真夜中のパン屋さん」関連ブログ↓
第1回 「謎の女子高生来たる」
第2回 「小さなパン泥棒」
第3回 「普通じゃない人々」
第4回 「恋って、おいしい?」
第5回 「元カノの秘密」
第6回 「もうひとりの佳乃」
第7回 「おだやかなクレーマー」
第8回 「小さな灯り(あかり)をともして」

●「真夜中のパン屋さん」HP


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