政治・政策を考えるヒント!

   室伏謙一  (公式ブログ)


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 参院選が10日投開票で、与党側が3分の2の議席を獲得するという結果に終わったと思ったら、休む暇もなく今度は東京都知事選が本日14日告示。まさに選挙のアツイ夏ということのようだ。(ちなみに、東京都では渋谷、新宿、大田、台東の4選挙区で都議会議員の補選が行われていますので、お忘れなく。)

 さて、今回の参院選、与党の圧勝だと言われているが、蓋を開けてみると、必ずしもそうとも言えないようだ。分かりやすいところから言えば、32の1人区での11敗。民進党の一部の支持者からは、「共産党からの支援だけは止めてくれ」という声もあったらしいが、野党がバラバラに闘っていたらとても得られなかった野党共闘の見事な勝利というべきであろう。共産党は選挙区での同党への票を前回の参院選と比べて150万票以上減らし、それを統一候補へ振り向けたと言っていいわけであるから、野党同士で啀み合って、結果として野党が漁夫の利を得ていた状況と比べると隔世の感がある。

 次に得票数で見てみると、自民党、なんと選挙区での獲得票数を前回の参院選より9万票以上減らしている。連立を組むパートナーの公明党が150万票以上積み増したのとは対照的だ。党首が落選した社民党でさえ2万票近く積み増しているのに、である。議席数は増えたけれど、これでは勝った勝ったと喜んでばかりもいられまい。10月には東京と福岡で衆院の補選がある。実際のところ、自民党は今回の結果をどう総括するのだろうか?

 ところで、今回の参院選、自民党が選挙区での得票数を減らしながらなぜ与党が勝てたのか、それは勿論公明党の躍進や、なんだかんだで比例区での得票数は伸ばしているといったことがあるが、それとは違う観点、ニッチな野党の動きから考えてみよう。

 今回の選挙では国会に議席を有しない政党、国会での議席が極端に少ない政党が多くの候補者を立てた。日本のこころを大切にする党(以下、長いので「こころ」という。)、新党改革、国民怒りの声、幸福実現党、支持政党なしといった政党。こころと新党改革は少ないとは言え議席はあるが、他の政党は全く議席がない。今回参院選お初は国民怒りの声と支持政党なしで、幸福実現は選挙での議席の獲得に至らないのに、このところ衆参両方でせっせと候補者を立てている。(なお、幸福実現は、他党からの入党という形で、一時的に参院で議席を持ったことがある。)

 そんなニッチな政党に票を入れて議員を当選させようと考えるなんて、よほど「奇特」な有権者に違いないと思いきや、これらの政党、結構票を稼いでいる。新党改革は選挙区で6万431票、比例区では58万票以上獲得している。(後者は山田太郎候補によるところが大きいだろう。)こころは選挙区で53万5516票、比例区で73万票以上獲得している。国民怒りの声は、選挙区では8万2357票、比例区では46万票以上獲得している。支持政党なしは、選挙区が12万7366票、比例区が64万票以上である。幸福実現は、選挙区が35万6893票、比例区が17万票以上である。

 比例区で考えても250万票以上がこうしたニッチな野党に向かったということである。250万というと、社民党よりも多く、おおさか維新に次ぐ数である。これらの政党の選挙区の票数の合計も約120万票であり、少なくとも二人を選挙区で当選させられる票数である。

 これを無駄と考えるか、それでも有権者の選択の一つと考えるか。

 では各党の政策はどうだったのか?ここで細かくは触れないが、概して、他の主要政党、特に自民党や民進党が主張できないかしにくい内容の政策を、基本的な哲学なく、かつ体系立てずに並べるか、民進や共産と政策は酷似しているのに、あえて政党を作って候補者を立てているか、与党側の体制翼賛の一角のような政策であるか、実現よりも目立つための内容であるか、いずれもその類である。これは言い方を変えれば、自分たちが生き残るための、言ってみれば保身のために後付けで考えられたものに過ぎないのではないかと思われてならない。

 要するに、有権者に選択肢を提示したのではなく、耳触りがいい政策や目立つ政策を「撒き餌」にして、有権者を釣り上げようとしただけだった、とまで言えてしまうのではないだろうか。

 しかし、幸いそうした「撒き餌」に惑わされる有権者ばかりではなかったことから、ニッチな野党は単独で議席を獲得するに必要な票数を集めることができず、解党に至るものまで出てくるという末路をたどることになった。

 ただ、残念ながら、ニッチな野党ではあってもこうした政党に野党票が分散したことが、選挙結果に少なからず影響を与えてしまったことは否定できまい。つまり、ニッチな野党が跋扈したことが与党側の議席増に少なからず貢献したのではないかということである。

 立候補は自由だと言われるかもしれない。しかし、政策の実現性もなく、また政策議論をするつもりもなく、何かを代表しているわけでもなく、ただ目立ちたいだけ、ただ人気を集めたいだけといった類の政党は候補者を立てることができないような仕組みを検討すべき時期に来ているのではないかと思われてならない。

 今回の選挙、誰が勝ったのか?妥当性は別として、存在感を示すことができた、目立つことができたという点において、実はニッチな野党だったとも言えないこともないというのは、何とも皮肉であろう。
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