完全に時代遅れなのかもしれないけれど、
未だにFocusriteのLiquid Mixが好きだったりします。

演算ではなくコンボリューションで動くコンプやEQは
高度な演算とはまた違うリアルさや質感を持っています。

IEEEドライバーをレガシードライバーにダウングレードすれば
WIN7_64bitでも使えますし、
j-brigeなどのラッパーソフトで64bit変換すれば
64bitのVSTとしてもまだ使えるのですが、
微妙に動作が安定仕切らないこともあり、
いい加減そろそろ次のメインとなる機材が欲しかったりします。


API 2500


Focusrite RED7


Joemeek SC-2


Fairchild 670


Drawmmer 1960


MANLEY SLAM! 9 ELOP (Optical) Limiter


Avalon vt737sp

などなどほかにもたくさん使えます。


Liquid Mixは本体自体が壊れているわけではなく、
単純にFocusrite社が64bitのドライバを出してくれさえすれば
昔のように大活躍なのですが、
既にディスコンとなった今は新しいメインとなるコンプやイコライザーを
探さなければなりません。

今でもprotools10では使っていますし、
まだまだ使えないこともないのですが…


UAD-2とはまた違うけれど、
アナログ機器のエミュレーションは秀逸で
APIやSSL、1176やFairchild670、LA-2A、Avalon_vt737など
色々なヴィンテージ機器がコンボリューションで動き、
特にイコライザーは凄い好きで
ブーストした時の感じは割合ハードウェアに近しいものを感じていました。


アウトボードを完全に除外して考えるならば
10年くらい前までは外部DSP(UAD-2やLiquid mixやPower Core)と
ネイティブ(PCのCPUパワーで演算)には明確な差があり、
だからこそUAD-2が今でも強気な価格設定で売れているのだと思いますが、
昨今はネイティブでもすごい優秀なプラグインが珍しくなくなってきました。


日本に代理店のあるPlugin AllianceやSlate Digitalを始めとして
日本に代理店のない海外メーカーにも
素晴らしいプラグインがたくさんあって、
音楽家を取り巻く状況は変わってきているのですが、
Liquid MixのコンボリューションコンプとEQがあまりにも素晴らしかったせいか
また
Liquid Mixのコストパフォーマンが異様に良すぎたせいもあり、
なかなかLiquid Mixの代替えになるような道具が見つかりません。


プラグインに求める効果は人それぞれであり、
個人の好みもあるのですが、
コンボリューションで得るEQのリアルさが
なかなかほかのプラグインだと微妙・いまいちに感じてしまい
これだ!というのとまだ出会えません。


私がEQに求める効果は2つあり、
1つは細かい融通の利くデジタルならではの使い勝手の良さ、
もう一つがアナログ感です。


前者はいくらでもなんとかなりますが、
アナログエミュレーションはなかなか「これだ」というのが
なかったりします。

Focusrite RED2

DBX 576

自宅で出番が多いFocusriteのRED2ですが、
(別にこれでなくても良いのですが、)
なかなかプラグインで同じような質感を出せるようなものがなく、
プラグインが完全に実機に追いつくのはまだまだ何年も掛るのだと思います。

DBX576についている簡易的な3バンドのEQでも
プラグインとは全然違ったりします。


アナログエミュレーションはUAD-2が現状では一番強いので
Liquid MixからUAD-2に乗り換えが一番ベターな選択と考えていますが、
どうせ買うならOCTO+使い勝手の良いプラグイン複数ということになるので、
(UAD-2を持っていないのです)
それまでの繋ぎとして、
あるいはUAD-2のパワーにも限りがありますし、
またUAD-2のプラグイン=最高とも思っていないので、
自分にしっくりくるプラグインを色々試しながら探しています。


elysia Museq

iZotope OZONE7 Vintage EQ

Slate Digital Custom Series EQ

エフェクターは、特にコンプとイコライザーはどう考えてもプラグインよりも
アウトボードの方が良いに決まっているのですが、
通すのに時間が掛るし、面倒くさくもあるので、
結局はその部分をどう考えるか?だと思います。


高額になればなるほどアウトボードはたしかに音が良いですが、
これからDTMを始める方、あるいはステップアップなさる方が
アウトボードの方が音がいいならアウトボードを買おう!となるとき、
実時間ですべてを録音し直さなければならない面倒さや
リコールが基本的に出来ないこと、
あるいは微調整ややり直しもプラグインのように行かないことを考えるなら
やはり優秀な、自分好みのプラグインを
主軸として作業したほうが良いのかも?と思います。



ここぞというパートにアウトボードは便利ですし、
持っていたほうが選択肢が広がるので良いに決まっているのですが、
正直全トラックをリアンプするだけでも結構大変なので、
はやくプラグインの性能が実機と同等になって欲しいなぁなんて
妄想していたりします。


20年か30年かあるいは50年、100年先か、
それとももっと先かもしれませんが、
極度にデジタル技術が発達すれば
実機と同等の性能をプラグインで得られる時代がくるかもしれません。


私にとっては
今のDTM環境も20年前は考えもしなかった状況であり、
20年後はもっと変わっていると思います。


現時点でもかなり良い感じではありますが、
やはり欲目が出てきて、もっと良く、もっと良くとなってしまうのが
人間心です。

プラグインとアウトボードの壁みたいなものが感じられると
最近はメーカーの宣伝に乗せられたりせずに、
組み合わせや使い方をよく研究して、
手持ちのものを良く研究して
より良い効果を出すことに
意識を向けようという気持ちが最近は強くなってきました。


メーカーとしては新作をどんどん買って欲しいですし、
現在のようにあらゆるメーカーの新作の情報をネットなどで見れば
「あれは良いみたいだ」「これも欲しい」「それもいいな~」となってしまうのですが、
正直本当に良いと思えるものが2つ、3つくらいあれば
それをメインとして十分に戦えるのではないかと思います。


たくさん持っていても使ってるのはほんとんど「これ」と「これ」だけみたいな
状態になってしまうこともありますが、
宣伝に乗せられず、道具を使う技術を向上させることで
Liquid mixに変わるプラグインを探して行けたらと思っています。


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せっせと頂いたお仕事の曲作りをしているのですが、
ハード音源から直接録音するときは
録音の時点で最初からマイクプリやコンプ、たまにEQを
掛け取りしています。


ところがソフト音源の音は今までいちいちバウンスしてから
一度外に出して、また録音しなおすという面倒な方法を取っていました。




ハード音源



マイクプリ



オーディオIFで録音


今までソフト音源の音をリアンプする場合は、
一度バウンスしてWAVEデータを生成してから
それをループバックするという方法を取ってきたので、
同じパートのWAVEが「バウンスしただけのオリジナルデータ」と
「アウトボードを用いたもの」の2つ出来てしまっていました。


わざわざアウトボードを使う理由はプラグインよりも音が良いのと、
マイクプリなどを通したほうがプラグインの効きも変わってくるからですが、
ソフト音源の場合はバウンスの工程が
無駄とは言わないまでも面倒でした。


オリジナルデータを残しておくという意味において
この行程は意味があるのですが、
そもそもハード音源もミックスで行う処理を見越して
コンプやEQを掛けてしまっているので、
よほど確定的でない限り戻れないくらい極端なことはしないで
ミックス時にプラグインを掛ける余地は常に残しています。


いちいちバウンスしてから、また録音という面倒な工程に対して
なんとかもっと楽な方法はないだろうか?と考えていたところ、
ソフト音源の音をバウンスせずに
そのままアナログ録音するという方法を思いつきました。


オーディオIFのOUTから出して、アウトボードを経由した音を
アナログ録音すれば、扱い的にはハード音源と同じになります。


実時間録音であることには変わりないので、
特にトラック数が多いときは大変なのは同じですが、
それでもバウンスするという行程がなくなり、
WAVEデータも未加工と加工済みと2重で出来てしまうこともなくなったので、
少しだけ程度楽になりました。


もちろん元には戻れませんが、
それはハード音源の掛け録りも同じですし、
どうしても戻り掛ければ、やり直してもいいし、
そのトラックだけ未加工WAVEを作ってもいい。


それでも面倒なことには変わりないので、
いっそサミングアンプが欲しいとも思うけれど、
私の場合はサミングアンプだけ買っても駄目で
例えばAMS NEVEの8816をフル活用するなら
16ch同時再生・録音可能な環境に乗り換えなければいけません。


AMS Neve  8816


現実的にはProtoolsHDシステムですが、
さすがに現時点でそこまではちょっとという感じなので、
ちまちまやっています。


そもそもマイクプリが16chあってもコンプやEQはそんなにないので、
結局は1つずつセッティングを変えつつやるしかない。


現時点でも同時で8chまでなら再生・録音同時可能なので、
ソフト音源ならアナログ録音は可能ですが、
スピーカー用のアウトやハード音源のモニター用INなどを除くと、6chになり、
パッチベイの結線が増えるので、
現状はとりあえずこのままで、
いずれもっとスピーディーに制作出来る環境に
パワーアップしたいなぁと考えています。

そこまで行かなくてもAPI3124+やRED1のチャンネルには余裕があるので、
パッチベイを増設して、せめてステレオ×2や×3になるだけでも
かなり楽かもと今文章を書いているときに思いました。
同時に6ch、ステレオ×3 ,モノラル×6ならパッチベイ増設で可能なので、
今の仕事が終わったら挑戦します。

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ミックスやマスタリングをしていて、
「あれ?なんか音がおかしいな?」とか
「なんかすごい音が悪くなった」とか
「音が痩せて細くなった」いうような経験はないでしょうか?


レッスンで生徒さんの曲を添削するときに
アナライザープラグインを見ながら聴かせて頂くことが多いのだが
LRの位相が打ち消しあって音が悪くなってしまっている方がたまにいるので
(Correlation Meterが極端にマイナス側に針が触れている)
少しここに位相のことを書いておきたいと思います。


Correlation Meterに関して理解を持つために、
ますはミックスにおける位相の簡単な説明を見てみます。



スネアのトップマイクとボトムマイクの位相関係。


上の画像はスネアのトップマイクとボトムマイクの位相関係です。
昨今のドラム音源は複数のマイキングによる
被りの音までしっかりある非常にリアルなドラム音源が増えてきました。


私はToontrackのSuperior Drummerを使っているけれど、
スネアの音にマイクが2つあったり、
キックの音にマイクが3つあったりする。


このとき、ただ書き出すだけなら問題は起こらないけれど、
実際の生ドラム収録だけでなく
DTMでミックスしているときもプラグインのレイテンシーの問題で
例えばトップとボトムのそれぞれのスネアトラックに
異なるプラグイン処理を行うとレイテンシーのせいで
位相が反転するような状態になってしまうことがある。



赤い線と青い線はわかりやすく波形の動きを書き出したものだけれど、
トップマイクのスネアが下がるときに
ボトムマイクのスネアが上がるような波形だと
互いに打ち消し合って音が痩せてしまう。


完全に同じ波形を位相反転させると音は綺麗に消えるけれど、
実際の曲では中途半端に打ち消し合うような
音のぶつかりが出来ることがほとんどで、
その結果「音が悪くなる」「音が痩せる」「音が変になる」などのような
印象を与える結果になってしまう。


これを避ける方法はとても簡単で、
波形をサンプル単位で僅かにずらすか、
プラグインの位相反転スイッチを使えば解決できる。


WAVES Q1の位相反転スイッチ

WAVES API560の位相反転スイッチ

プラグインに位相反転スイッチが付いていれば
そのプラグインをインサートして反転させてしまうのが一番楽です。


DAWの機能を使ったり、波形をズラすのもありだけれど、
ミックス中に途中で「やっぱりこれ止めよう」となったときに
原本の波形を書き換えたり、ズラしてしまうと
面倒なのでプラグインを使うのが一番てっとり早い。


この手のことはよくDTM系の本に掲載されているので
ご存知の方も多いはず。


要するに位相の反転した波形が同時になると
互いに打ち消し合って音が悪くなるというのがポイントなのだ。



次に本題のCorrelation Meterだけれど、
出来上がった2mixのLとRの信号にも
似たような問題が起こることがある。


これを視覚的に見ることができるのがCorrelation Meterで
DAWに最初からついていることもあるし、
アナライザー系のプラグインにも搭載されていることが多い。


Correlation Meterは簡単にいうと
2mixのLRの音の位相の相互関係を眼で見れるプラグインです。



Vienna suite Goniometer

Voxengo SPAN


logic付属


IK Multimedia T-racks3のメーター部分



個人的に作業でよく使うのはViennaのGoniometerと
Voxengo SPAN plusだけれど、
スペクトラムやステレオの広がりと同時に
Correlation Meterが見れる。


「プラス1 ~ ゼロ ~ マイナス1」という振れ幅なのだけれど、
プラス方向に動くとモノラルっぽい2mixということになり、
ゼロ(中央)だとステレオ的な2mixということになる。


マイナス側に触れるのは決して悪いことではないけれど、
これはLとRでそれぞれ位相が打ち消しあっていることを表しているので
メーターを見るまでもなく聴けば音が悪くなっているのがわかるはず。


楽器の数が少ないBGM系の楽曲だと
瞬間的にマイナス側に触れることがあるけれど、
常時マイナス側に触れるようなことは普通はないはず。


もしあったらそれはミックスで余程変な処理をしているか、
生レコーディングなら位相が打ち消し合ったまま書き出して
音が悪くなってしまっていることを意味している。


2mixでは色々なケースがあるけれど、
特にステレオイメージャー系のプラグインの使いすぎて
このような状態になってしまうことが多い。


出来上がった楽曲のLとRの信号の位相が
互いに打ち消されて音がおかしくなっていると
ずっと左側(マイナス側)に触れっぱなしだったりするので、
生徒さんに説明するときに楽ちんなのでよく持ち出している。


自分の作業では音がおかしいというか、悪くなっている時は
メーターを見るまでもないのだけれど、
レッスンの添削で生徒さんにそれを言葉だけで伝えるのは難しいので、
このようにメーターの数字で表してもらうと非常に理解がスムーズで助かる。


自分の曲ではまずCorrelation Meterをチェックしながらやることはないが、
ヒット曲のCorrelation Meterの動きを観察して
自分でマスタリングするときの参考にすることはよくある。


一例として最近個人的に作曲・編曲・ミックスをチマチマ分析している
ラブライブ!の「No brand girls」と挙げてみたい。




No brand girlsは非常に音圧が出ている曲だけれど、
Correlation Meterを曲を聴きながら観察していると
楽器が出揃う部分では
大体プラス0.5~0.7くらいの間を行ったり来たりしている。



No brand girlsのCorrelation Meterのスクリーンショット。


上の画像はサビの「壁は(ハイ!ハイ!ハイ!)壊せるものさ~」あたりの
メーターの動きのスクリーンショットです。


最初のイントロのギターリフがセンターからモノラルで出ているので
当然プラス1だが、段々ボーカルや楽器が増えてくると
プラス0.5~0.7くらいになり、
マイナス側に触れることは曲中ただの1回もない。


こうやって自分の好きな曲をメータリングしていけば、
自分で作るときもメーターが同じような動きをしていれば
一概には言えないけれど、同じようなステレオ感が出ているということなので
マスタリングを行う際の一つの目安にはなるはず。
(Correlation Meterのみ同じでは駄目です)


ボーカル曲だけでなく、BGM系の曲なども
メーターを見ながら聴くことでどういう風に聴こえたら、
どういう風にメーターが動くのかがわかるようになるので、
自分で作る時の大いに参考になる。


マイナスに触れるのが悪いというわけではなく、
BGM系楽曲のピアノのみになる部分などのように
音数の少ない部分ではマイナス側に針が瞬間的に動くこともある。


またプラス1に近い位置でメーターが動くときは
モノラルっぽい2mixということになるが、
それも決して悪いということではなくて、単なる目安に過ぎない。


プラスなら良い、マイナスなら悪いというわけではなく、
あくまで最終的な判断は耳で行う必要があるけれど、
耳だけでなく、目で確認することで自分の作品の精度を
上げていくことが出来るので良ければ参考にしてみて下さい。



お手持ちのDAWやプラグインにCorrelation Meterがない方は
フリーソフトのVoxengo SPANがお勧めです。

Voxengo 公式サイトはこちら


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クリックでプリセットを選ぶだけで簡単にミックスが出来るのが
売りのEZ MIX2


半分玩具、もう半分は研究材料のつもりで
エンジニアパックを買っているのだが、
ぼちぼち分析をしているので思ったことを書いてみます。


正直もうコンプやEQの掛け方はお腹一杯気味なのだけれど、
EZ MIX2のエフェクトをたくさん組み合わせる(4~6個)パターンは
特に著名なエンジニアのパックが勉強になる。


EZMIX PACK - CHUCK AINLAY

追加パックのエンジニアシリーズは複数出ているが、
どれも勉強になるものの
今回はCHUCK AINLAY(グラミー賞受賞のエンジニア)のディレイの設定をご紹介したい。


実際に使っていて
「おぉ~すごい、これ使うとオケにトラックが馴染む」
となるのでちょっとどうなっているのか解析してみた。



使ったのは以下のプリセットです。

B-3 Dryというプリセット

オルガンの中にあるので、
B-3はハモンドオルガンのB-3のことだと思われるが、
基本的にディレイであることに変わりはないのでオルガン限定ではなく、
実際には何にでも使える。


実験の仕方だが、波形編集ソフトで
20msec程度のテスト音を作って
それにCHUCK AINLAYのディレイを掛けることで
ディレイタイムを測定した。


ディレイタイムを測定したもの(クリックで拡大)


テンポ120で書き出した時、
最初のディレイ音が166msecの時点なので
ディレイタイムが166msecであることがわかる。


テンポを変えて書き出すとディレイ音もずれているので、
テンポ同期のディレイということがわかるが、
この数値からどういうテンポディレイなのかがわかる。


テンポ120の場合は音符とディレイタイムの関係は以下のようになる。
(4分音符で500ms)

16分音符 125ms
付点16分音符      187ms
16分3連音符 83.3333333…ms


問題のディレイタイムは166msなので
16分3連音符2つ分の166msということになり、
16分のシャッフルでのディレイであることがわかる。


基本的にテンポディレイは曲の雰囲気に合わせて、
どんな音符で動機を取るかは自由に決めていいのだけれど、
個人的にはシャッフルのディレイはシャッフルの曲で使うことが多く、
普通の8ビートや16ビートの時はやはり同じく
8分音符や16分音符のディレイを使うことが多かった。


16ビートの曲で16分のシャッフルはさすがに嫌だが、
なるほど8ビートの曲で16分のシャッフルのディレイは
R&B的なノリ・スピード感が出て良いかもしれない。


曲の作り方、リズムの組み方を作曲の段階で考えなければいけないけれど
これはミックス段階でグルーヴ感やノリを出すのに
なかなか妙を得た設定だなぁと思った。



ちゃんとそれ用に作られた8ビートの楽曲なら
実際に使っていも違和感なく、
R&B的な感じで気持ち良く使えると思う。


またディレイ音そのものは原音にくらべて
小さいのでビートに関係なく使っても
実際はこれは絶対に駄目!というほどの違和感は生まれない。


ミディアムディレイの数値をテンポと同期計算なしで
使うことも絶対に悪いとは思えないので、
(ギターなんかでたまにやる)
ミディアムディレイの設定として特に何も考えずに使っても
かなりいい感じになる。


またディレイ音だが、いい感じにこなれていて、
設定を見るとテープディレイであることがわかる。


テープディレイと書かれている。


内部の仕組みは良くわからないが、
音は如何にもテープディレイっぽい。


ディレイの構造が理解できたので
自分も全く同じ設定で真似て
WavesのKramer Tapeでやってみたのだが、
如何せんCHUCK AINLAYみたいな感じにならない。


Waves Kramer Tape


WavesのKramer Tapeでテープの音も似ているし、
ディレイタイムも同じなのになんでだろう?
と思ってよくよくもう一度波形を見てみると
左右のディレイタイムが微妙にずれている。


左右のディレイタイムが微妙にずれている。


上の画像を見るとわかるがRのディレイ音がちょっとだけ遅い。
具体的には6msだ。


こうやって左右の音を僅かにずらすテクニックは
ミックスの中のあらゆる部分で活用するので
別段珍しいテクニックでもないが、
ディレイの後ろに左右の音をズラすプラグインを入れて
全く同じ時間差でLRのディレイ音をずらしたら
CHUCK AINLAYみたいなディレイ音になった。



ProtoolsのTime Adjuster


左右の音を微妙にずらすとディレイが良く馴染むのは知っていたが
なるほど、ここでも使われている。


このように分析すると客観的にディレイの設定を知ることができ、
なんとなくではなくテンポ同期やLRのズレ、ディレイの音質(テープ)など
自分でも再現出来るレベルになるので、
こういった分析は大いに「勉強」という意味では有用だと思う。


またこうやって細かく知ることが出来れば
曲に合わせて応用が出来る。



EZ MIX2は
ワンクリックでサウンドメイク!お手軽ミキシングツール!
が公式の売り文句なので
本来こういう分析用途で使うものではないのだろうけれど、
個人的にはこういうことをするために購入しているので、
こういうネタがいくつも溜まってきている。
(レッスンをする時の資料にもなる)

WavesのSignatureシリーズもそうだったけれど、
有名なエンジニアさんのEQやコンプやディレイやリバーブなどの
設定をやっぱり知りたいので
やっていて勉強になることが度々ある。


EZmixをそのまま使ってもいいのだが、
それだと勉強の意味がないし、
なんとなくプライド的に良くないような気もするので
結局は今回のように自分で【分析→再現】となるのだが、
興味があれば是非EZ MIX2をお持ちの方にはやってみて欲しい。



多分ミックス中級者以上の方はEZ MIX2なんて初心者用じゃんと
思うかもしれないが、
そのまま使うのではなく研究資料としては
得るものがないでもない。



プリセットだけを選んで
ワケもわからず使っても一応それなりにはなるが、
別に楽したいがためにEZ MIX2を買ったのではなくて
(ちょっとはそんなつもりもあるけれど)
著名なエンジニアの設定が知りたいがために買ったのだから
こうして研究して得ていく知識を自分のミックスに
応用できるようにしていかないと意味がない。



わからないものをわからないまま使っても
応用が利かないし、自分で再現出来なければ理解していないことになり、
今後の成長にも繋がってこない。


耳だけを頼りに出来るのが本来の姿なのかもしれないけれど、
それだけで上手く行くなら誰も苦労はしないので、
こうやって大いに研究することで少しずつミックスは上手くなっていくはずです。


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Media IntegrationのメールマガジンでMichael Romanowski Masteringという
海外のマスタリングスタジオが紹介されていて、
非常に面白いなぁと思ってので感じたことを書いてみたい。


このスタジオはマスタリングだけでなく、
レコーディング、ミキシングもやっているようだけれど、
今回はマスタリングで使っている機材についてのみ触れています。


今後業務レベルの機材導入をお考えの方の参考になれば嬉しい。


この手のインタビュー記事はそのエンジニアさんの
経験に基づく方法論をある程度語ってくれているので
参考になったりならなかったりするが、
アメリカはこんな感じなのか~と驚いた。


まずMichael Romanowski Masteringのマスタリング機材を見てみたい。

本家サイトのギャラリーのページなどで
もっとたくさんの画像を見ることが出来ます。


まずアウトボードなのだが、
日本国内ではほとんど流通していないものが
たくさん使われている(と思う)。


もちろん私が勉強不足で知らないだけかもしれないが、
右側の真ん中にある赤いリミッターは見たこともなかった。

 Requisite Audio LM2 MK III

 LM2 MK IIIというMSリミッターなのだが、
グーグルで検索しても全部英語で日本語でヒットするページが出てこない。
当然日本の代理店もない。


Requisite Audioのように国内では代理店もなく、
知名度も低いメーカーもあるたくさんあるが、
まだまだ知らない機材やメーカーがたくさんあるんだなぁと思った。


ほかにもbuzzaudio REQ-2.2も知らなかった。

buzzaudio REQ-2.2


ニュージーランドのメーカーで日本代理店もあるようだが、
これも全くの未知。
しかしマスタリングEQとしては素晴らしいものなのだろう。


GML2030もほとんど見たことがない。

GML Model 2030


これもそもそも検索しても日本語のページが出てこない。
出てくるのは今回の記事で書いてあるMichael Romanowski Masteringの
スタジオ特集だけだった。


GMLというとマスタリングイコライザーのイメージが強かったが、
ダイナミクス系のエフェクトもあるようだ。

GML Model 8900

GML Model 8200 Parametric Equaliser


GML Model 9500


ほかにもEAR 825Qなんて渋いEQを使っている。


EAR 825Q


記事を読む限り、「プラグインはNoNoise以外は使ってない」
という台詞が出てくるので
全部アウトボードでのマスタリングということなのだろう。


NoNoiseはノイズリダクション用プラグインであって、
コンプやEQのように音作りで使うプラグインではないので、
実質マスタリングはアウトボードオンリーということになる。


マセラッティもミックスでプラグイン使わないという話を聴いたことがあるし、
金に糸目を付けなければやっぱりそうなるのかもしれない。


ソフトウェアやオーディオIFは
METRIC HALOの Mobile I/O ULN-8
Sound Bladeの組み合わせ。


Sound Bladeはマスタリング用のソフトウェアとしては
世界的にはかなり有名なので当然と言えば当然だけれど、
Mobile I/O ULN-8もいいなぁと思った。


そもそもミキシングならProtoolsシステムが欲しいが、
マスタリングでは全く異なるシステムが用いられているので、
この辺はちょっと考えなければいけないと感じた。


ダイナミクス系とフィルター系だけなので、
ステレオイメージングとかプラグインなしでどうやっているの?と
思ったがこちらはMTC-1X Stereo Mastering Consoleという
機材を使っていた。


MTC-1X Stereo Mastering Console 表


MTC-1X Stereo Mastering Console 裏


マスタリングコンソール?と思ったが、
背面にたくさんのAUXが付いているので
これでアウトボードの順番を切り替えたり、
聴きたい音を切り替えられるのかもしれない。


マスタリングコンソール?なるものを始めて知ったのでよくわからないが、
日本語のページも存在せず、
メーカーの英語サイトを見ているだけなので正直細かいことはよくわからない。


maselec公式サイト
http://www.maselec.com/



AD/DAコンバータもコアなものを使っている。

Pacific Microsonics Model 2


モニタースピーカーはFocalのラージのみでやっているそうだ。
「複数のスピーカーはあると判断が曖昧になる」とのことだが、
これもすごいなぁと思った。


色々なモニターで聴かないと不安になりそうなものだが、
莫大な経験があり、さらに信頼できるモニター環境ということなのだろう。


結局はマスタリング環境の基本としてのシステムが
拡大している感じだが、
勉強になる部分もたくさんあった。


全体的な印象としては「すげぇ金掛かってる…」という感じだが、
個人レベルで全部は無理でも
取り入れることが出来る部分は取り入れていきたい。



こうやってアウトボードを使ったマスタリング環境を見ると
やっぱり色々欲しくなるが、
今後の機材導入の検討材料にしたいと思う。



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最近マスタリング用のアウトボードのイコライザーが欲しくなってきた。


マスタリングの取り込みの段階で
今までアウトボードのイコライザーは使っていなかったのだが、
最近またやり方が変わってきて、
「取りこみの段階でEQ入れてもいいかな?」と思えてきた。


現状うちではマスタリングで取り込みの段階で
以下のようにしている。


まずオーディオIFからデジタル出力したものを
DAコンバーター代わりのFinalizer Expressへ送りDA変換する。



TC ELECTRONIC Finalizer Express



次にマイクプリアンプで適正レベルに出力。



Focusrite RED1



SPL Tube Vitalizer Model 9530


Vitalizerは真空管ベースのプログラムイコライザー兼エンハンサーの
複合アウトボード。



Focusrite Platinum MixMaster


MixMasterはマルチバンドコンプ兼EQ兼ステレオイメージャーの複合機。


そして最後にオーディオIFに返す。


これだけで既に4つもアウトボードを経ているのだが、
最後のMixMasterの後にEQを入れてみたくなった。



一応MixMasterにイコライザーは付いているので、
これでも駄目ということはないのだが、
どうもなんというか上手く行っていない。



MixMasterのイコライザー部分


実際に取りこむときもMixMasterのEQ部分はバイパスしているくらいで、
ほとんどMixMasterはマルチバンドコンプ専用となっている。



特に何が駄目というワケでもないのだが、
複合機に付いている簡易的なものではなく、
ちゃんとしたEQ専用のもののほうが良いというか、
今の自分に必要だと感じてきた。



正直私程度では国内、国外の超一流と言われるガチンコのエンジニアの方々の
テクニックには及ぶべくもないのでなんとかして少しでも勉強し、
良い音にしたいところだが、
超一流の方々のマスタリング楽曲と比べて
どうにも自分でマスタリングしていると「入って来ない周波数」の原因が
色々な試行錯誤の結果アウトボードのイコライザーにあるような気がしてきた。



もちろんミックスにも原因があるのだろうし、
プラグインのEQの使い方にも未熟な部分があるのだろうが、
実際に超一流のマスタリングエンジニアの方々が
アウトボードのEQを作業工程に入れている雑誌やネットの記事を読んでいると
1つ考慮に入れる価値は十分にあるような気がしている。



コンプレッサーは特にプラグインとアウトボードの差が大きいけれど、
EQはそうでもない、とよく言われるが(コンプはたしかにかなり違う)、
それも雑誌やネットの情報に過ぎないので
やはり自分で確かめるべきだと思うのだ。



本当に無意味、あるいは意味が少ない行程ならば
超一流のマスタリングエンジニアの方々は
アウトボードのEQを作業工程に入れていないはず。


音色や質感、振る舞いなどの音楽的なことをすべて無視すれば
デジタルプラグインの方が遥かに簡便なのに、
わざわざアウトボードに拘る理由は
やはり何か私の知らない実際に使うことでしか身に付かない
生きたノウハウがあるのだと思う。



正直アウトボードのEQは要らないと思っていたが、
この先一生音楽を続けるのだし、
1つ勉強のために買っても良いかなと考えている。

WAVESのQ-Cloneがあるので、クローン化してミキシングでも使えるようになるし、
意外と未来は明るそうなので、現在どれにしようかと検討中。



WAVES Q-Clone


あまり高いのは手が出ないし、
真空管タイプは維持費が馬鹿にならないので、
どうしても半導体タイプになると思うのだが、色々と迷ってしまう。



Focusrite RED2 (半導体)



SUMMIT AUDIO EQP200B(真空管)


既にディスコンなので中古になるがREDシリーズ繋がりでRED2か
SUMMIT AUDIOか…
最終的な調整はDAW側で行いあくまで「取り込み段階の大雑把な型」を取るのが
目的なのだが値段と性能と音色で色々と選択肢が出てきて迷う。


あまり色づけのある個性的なのは避けたいが、
安物買いの銭失いも嫌なので、
もう少し考えてみたい。


MANLEY Massive Passive EQ

MANLEYのMassive Passive EQは是非死ぬまでに一度は使ってみたいが、
ここまで良いものを買っても正直使いこなせるか微妙なので、
まずはもう少しランクを落として勉強してみたい。



昨今の進歩したDTM時代となってはマスタリングはプラグインだけで出来るし、
アウトボードのEQやコンプはどうしても必要というものではなく、
今後もプラグインは日進月歩でどんどん性能がよくなると思う。


特にここ1、2年にリリースされたものは素晴らしいデジタルプラグインが多い。


しかしながらどうにもマスタリング用のEQとなると(使い方も含めて)、
超一流の方たちの作品と自分のプラグインEQを比べると
いまいち「足りていない」気がしてならない。
というか実際足りていない。



正直アウトボードを導入しても
陸上の男子100メートル走を12秒で走れる人が10秒を切れるくらいの違いしかなく、
実際には全くマスタリングのテクニックが同等なら
個人的にはせいぜい20%前後の差しかないような気がしている。
(時にはもっと少ないかもしれない)



「なんだそんなちょっとなら別に買わなくてもいいんじゃね?」と思う方もいると思うが、
全くその通りで、そういう選択は十分にありだと思う。



マスタリングはどちらかというと技術職であり、
個人のテクニックがものを言う職人芸的分野であって、
道具さえあれば良いというものではない。


アウトボード云々の前にまず以って
基本的なEQやコンプの使い方の習得や膨大なマスタリングの経験が必要になる。


しかし100メートル走を12秒だとオリンピックに出場出来なさそうな
微妙なタイムはあるが、
10秒を切って9秒後半で走れるなら
オリンピック出場どころかもしかしたら金メダルが取れるかもしれない。


100メートル走を20秒掛かる人が18秒になってもあまり差はないように思えるが、
同じ2秒でも12秒と10秒は全然違うし、11秒と9秒はもっとシビアだ。



僅かな差も段階が上がると無視できないレベルになり、
高いレベルなるほど紙一重が分厚くなっていく。



一流の選手が僅か0,1秒のタイムを縮めるために
単なるフィジカルトレーニングを超えて、
イメージトレーニングやウェアや靴、果ては空気抵抗や食事にまで
気を使うようにある程度の段階に進むと上が見えてきてしまう。



私の場合は専門のエンジニアではなく、
作曲の方が本職だと思っているので
この点に関してはエンジニア的な単なる技術不足なのかもしれないが、
経験のみが財産なのだから試せることはなんでも試してみたい。


殻を一つ、また一つと破って進歩し向上していくことは何よりも楽しい。
多分人間は自分が歩みを止めない限り、
どの分野においても無限に進歩出来るのだ。
こんなに嬉しいことはない。




ミキシングにおいてギターに良く行うテクニックで、
ダブルトラックといって同じフレーズを2回弾いて
左右に振ることでステレオの広がりや厚みを出すテクニックがあるが、
これにメロダインを使用してみたら結構いい感じだったので紹介したい。


Celemony Software Melodyne Editor 2


実際に生演奏でギターを録音するのがベストではあるのだが、
正直1曲丸々演奏して綺麗に決めれるほどギターが上手くないし、
テクニカルなフレーズになったら正直お手上げなので、
私の場合はソフト音源で作ってしまう。


使っているギター音源はいくつかあるけれど、
今のところエレキギター系はELECTRI6ITY
アコースティック系はIlya Efimovを使っている。


VIR2 ELECTRI6ITY

Ilya Efimov ACOUSTIC GUITAR BUNDLE


どちらも生演奏に肉薄するレベルの音源なので、
個人的にはかなり気に入っているのだが、
ステレオに広げるダブルを作ろうとすると、
ただ単に書き出したものを左右に広げても
全く同じ波形なので全然ダブルトラックっぽくならない。


Ilya Efimovにはソフト上にダブル機能が付いていて、
クリックすると如何にもダブルで弾いているような効果を出してくれるのだが、
なんだかそれも微妙な感じなので、
今回はそれを使わずに自分でダブルトラックを作ってみた。


MDIIデータの段階で微妙にデビエーションをずらしたり、
DAWのグルーブ機能を使うのもありだと思うのだが、
メロダインの動画でギターのダブルトラックを使うテクニックがあったので
実際にそれを試してたところ思いのほかいい感じになった。




やり方はとても簡単で、
まずDAWにギターの波形を並べる。

全く同じギターの波形でOK。

これは単に片方をコピーしただけなので、
それぞれをパンを左右に振っても全く広がりはなく、
むしろ左右の波形が全く同じなためモノラルに聴こえる。


次にどちらか一方の波形をメロダインに読み込む。
ちなみに私が使っているのはMELODYNE EDITOR 2というバージョンです。


メロダインに読み込まれたギターのストロークデータ。


ほぼ5分の曲でまるまるすべてのパートを読み込んでみたが、
全く問題なく使えた。


そしてメロダインのピッチやタイミングをランダムでずらす機能を使用する。

メロダインのランダムで揺らぎを加える機能を使用。


ほかにもピッチやタイミングを手動で変更したり、
一括で変更する機能はあるが、
これらを使って満足するまで左右の微妙なズレを作る。


ギターを左右に振るダブルトラックは
右と左の微妙なピッチ、タイミングの違いが生み出す
天然のコーラス効果が肝なので、
やり過ぎず、やらなさ過ぎず聴きながら調整する。


ちなみにその動画はこちらです。


元々はボーカルのダブルを作るテクニック動画なのだが、
後半にギターでも同じことが出来るという紹介があったのでやってみた。


ボーカルやギターで出来るのだから、
全く同じ理屈でストリングスやブラスやシンセでも可能になる。


ドラムでも色々な音作りができるのでメロダインは結構面白い。





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つい先日、以前作ったボーカロイド曲をまるごとやり直した。


その過程でたくさんの市販曲を研究したり、
初音ミクを扱う上で色々なことに気が付いたので、
同じくボーカロイド楽曲を作っている方のお役に立てばと思い、
気が付いたことを書いてみたい。


やり直しに際して最も苦労したのが
初音ミクのイコライジングだった。


まず初音ミクの周波数スペクトラムを見てみたい。


初音ミクの周波数スペクトラム(クリックで拡大)

分かり易いように各倍音の●に色を付けてマークしておいた。
基音、2倍音、3倍音、4倍音、のように印が付いているが、
基音が非常に強く、2倍音以降が非常に弱いことがわかる。


初音ミクの声質は可愛い感じの丸みのある声だが、
聴いた感じの特性がそのままスペクトラムに現れている感じだ。


次に人間の女性ボーカルの周波数スペクトラムを見てみたい。

人間の女性ボーカルの周波数スペクトラム(クリックで拡大)

同じく基音、2倍音、3倍音、4倍音、のように印が付いているが、
基音よりも2倍音の方が豊富で、
3倍音、4倍音もほとんど基音と同じくらい豊かに出ている。


高域に伸びや輝きがあって、当然オケに埋もれにくい感じなる。



またスペクトラムの図には何も書いていないけれど、
4kHz~8kHzあたりの高域に含まれる成分を比較してみて欲しい。


倍音でいうなら8倍音以上の高域に相当するが、
初音ミクの方はまるっきり出ていないのがわかる。
(88鍵盤ピアノの一番右端のドからさらにオクターブ上周辺の帯域)


元々の声優さんの声質もあるだろうし、
レコーディングで使用された機材も関係してくると思うのだけれど、
初音ミクの声をもっと高域を豊かにしてオケに埋もれないような感じにしたくて
頑張っているのになかなか上手くいかない方は多いのでは?と思った。


耳だけで聴いてなんでもかんでもわかれば苦労しないのだが、
眼で周波数スペクトラムを確認することがヒントになる場合もある。
(最終的には耳だけで出来ないといけないと思います)


例えば極論だけれど、
イコライザーを使って人間の女性ボーカルのような周波数スペクトラムになるように
無理やり声を弄ってしまえば、
一応聴覚上は似たような感じになってくる。

初音ミクをEQで無理やり人間の女性ボーカルに近づけた例(クリックで拡大)


上の画像はEQを使って人間の女性ボーカルの周波数スペクトラムに近づくようにしている。
これをやってしまうと、たしかに高域がよく聴こえるようにはなるけれど、
EQのやり過ぎで完全に音が崩れてしまう。


人それぞれ好みの問題もあると思うし、
作る曲調にもよるけれど、
ボーカルに対してあまり無茶なEQはやりたくない。


やればやるほど位相が崩れて音がおかしくなるので
(ボーカロイドは元々そっち系なのでアリと言えばアリだけれど)
なるべく録りの段階で音を作りたいし、
EQも出来るだけ控えめにしたい。



けれど、ボーカロイドの場合は録音するわけではなく、
波形を書き出すので
録音云々で音を作っていくことは基本的には行わないし、
やるとしても道具も必要だし手間も増える。


ではどうするかというと、
たくさんのアイデアがあるが、
イコライザーを使うより基音に沿って倍音を増幅してくれる
エンハンサーやエキサイターと銘打っているプラグインが良いと思う。


Vienna SuiteのExciter

Waves  Aphex Vintage Aural Exciter


この手のプラグインはたくさんのメーカーから色々リリースされているので
好きなものを使ったら良いと思うけれど、
あまり激しい歪みも困るので、
歪ませるというよりも整数倍音のみを綺麗に増幅してくれるものを選べば良いと思う。


奇数系、偶数系、あるいは非整数倍の倍音が増幅されるものなど、
機種によって特性は様々だが、
ちゃんと特性を理解した上で用途に合わせて使い分けていけば良い結果がだせる。
(このブログの「プラグイン(シミュレーター)」系にその手の記事がたくさんあります。)


またリバーブやディレイなどに付加されセンドエフェクトの成分の込みで
1つのボーカルになるので、
原音以外のセンドエフェクト成分の高域をコントロールするのも良いと思う。


普通のEQで行うスタティック(静的)な処理よりも
マルチバンドコンプやダイナミックEQでのダイナミック(動的)な処理のほうが
自然になる場合もあるし、
この辺りは一つの処理で全部行おうとするのではなく、
色々な要素を組み合わせて行うと良いかもしれない。


アイデアはたくさん出てくるし、
それを実現するプラグインもたくさんあるけれど、
つくづく思ったのが、結局は最後のところでは
人間の耳やセンスが良くないとどうにもならないということ。
このことを身に染みて思い知らされた。


いわゆる一流のエンジニアさんたちのミックスはやっぱり聴いて凄いなぁ~と思うし、
むしろ国内、海外問わず有名エンジニアさんに弟子入りしたい気持ちもある。


やればやるほど上が見えてきて、
自分の未熟さが情けなくなるのだが、
そうも言ってられないので頑張るしかない。


本業は作曲だし、どちらかというとベートーヴェンとかドビュッシー云々というのが好きなのだが、
ミキシングやマスタリングももはや出来ないと話にならないので、
勉強することが増えたなぁと思う。


また少し金銭的に余裕のある方は、
チャンネルストリップを購入するして
ボーカロイド楽曲に取り組むのもありかもしれないと思った。


私自身も書き出されたボカロデータを一度アウトボード経由で再録音しているが、
マイクプリやアウトボードのコンプを使うことで
多少は質感が変わってくる。


面倒かもしれないがひと手間加えるだけで
(ミックスはそのひと手間の積み重ねだけれど)
出来上がりも変わってくるので興味がある方は
挑戦してみるのも良いかもしれない。


先ほどの人間の女性ボーカルの録音に使用した機材は
AVALON / VT737SPだった(思う)。
マイクはノイマンの87(だったと思う)。

http://www.soundhouse.co.jp/shop/ProductDetail.asp?Item=168%5EVT737SP%5E%5E


本物の真空管を通して得られる質感はなかなかプラグインでは得難いので、
こんな高価なものを個人レベルで買うのは大変だけれど、
2万円~5万円くらいの低価格帯のモノラルチャンネルストリップを買って
色々と勉強するのも良いかもしれない。


やり直したボーカロイド曲はこちらです。
あまり上手ではありませんが、良かったら参考までにどうぞ。


【初音ミク】STAR☆BIRD 【オリジナル】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19961290


【IA】 コトノハ 【オリジナル】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19961342


まだまだボーカル処理に関しては書くことがあるのだが、
それはまた別の機会にしたい。


私自身もまだまだ修行が必要だと思うので、
さらなる研鑽を積んでいきたいと思います。



ミックス・テクニック99やマスタリングの全知識などの書籍で有名な
葛巻善郎先生がなんと宮地楽器(東京・神田)で直接ミックスのセミナーをして下さるとのこと。


但し無料ではなく受講料が掛かる。
http://www.miyaji.co.jp/seminar/99tech.php
日程・金額など詳しくはこちら。


ミックステクニック99著者である葛巻氏を講師に迎え、
書内で紹介している内容を抜粋し葛巻氏自らが実演解説を行います。
ご参加いただいた皆様のミックスアドバイスも行います。
プロのエンジニアによるミックスの本道・王道を隠すこと無く、参加者の皆さんへ伝授します!
だそうです。



たまにこういうのがあるから、是非行ってみたいとも思うのだが、
ミックスを自力で頑張ってらっしゃる若い方にとっては
葛巻善郎先生のような著名な方のテクニックを直接見れるのは
非常に興味深いはず。


面白そうだから行ってみようかなぁ~。




まだ1曲しかボカロ曲を完成させていないが、
ボカロ曲におけるボーカル処理で活躍するお気に入りのプラグインとして
WAVES Aphex Aural Exciterが結構気に入っている。



WAVES Aphex Aural Exciter 

非常に貴重なAphex Aural Exciterの真空管ユニットをモデリングしているそうだが、
同じWAVESのPuigchildと同じくらい非常に良くできている。


実機を触ったことはないので再現性云々に関してはなんとも言えないが
純粋にプラグインの有用性としては極めて高い。


ボカロ曲をミックスするときに初音ミクの声は何もしなければ
結構寝ている感じなので、
輝きを与えたり、立たせたり、良い意味で汚していくのに重宝している。


最近買ったVocaloid3のIAは
なんか最初からミックスで補正した後みたいな声だなぁ~と思ったら
やっぱりIAのライブラリーから直で出てくる音が
既にEQ補正などが掛けられているそうだ。

最初から少し中高域を立たせてあるように聴こえる。


何もしなくてもある程度は音が立つようにとメーカー側の配慮なのだろうが、
個人的には何もしていない裸のLIAの声が欲しかった。


初音ミクの声はIAに比べて引っ込んでいる感じなので、
どうしてもリアンプしたり、
結構きつめにプラグイン補正を掛けたりしなければならない。


敢えて寝ているボーカルが欲しいときはそれでもいいが、
しっかり存在感を出したり、明確に立たせたい時に
Aphex Aural Exciterが活躍する。


真空管やテープをモデリングしたシミュレーターはたくさんあるが、
「声に合う」という点ではこれが一番気に入っている。


ほかにも個人的にボカロに有効だと思うのが、
spl社のVitalizerだ。

spl Vitalizer mk-2


EQはbrainworx社のdyn_EQが気に入っている。

brainworx dyn_EQ 



もちろんこれは私の個人的な好みであり、
あくまで「比較的自然に聴こえるようにする」目的での
プラグイン選択なので、
求めている音が変われば選ぶプラグインも当然変わってくる。


エレクトロ系の曲でデジタルチックにしたいなら
Aphex Aural Exciterもdyn_EQも使わないかもしれない。


Vocaloid3を使って気が付いたのだが、
第2世代の初音ミクよりも滑舌が良くなってい部分がある。


全く同じデータを再生させても、
明らかに発音が滑らかだったりして
より人間に近い自然な感じになっているのだが、
初音ミクだとどうしても裸のままではロボットボイス感が強いので
より自然な感じを求めるときは
スタティックタイプのEQで高域を持ち上げたりするよりも
VitalizerやダイナミックEQを使ったほうが良いように感じている。


滑舌の問題に限界があるのならせめてプラグイン処理は、
デジタル的なものではないものを選びたい。


あとはいかにフェーダー書きをするか、
各種パラメーターを弄っていくかが
ボカロ曲のポイントだと感じた。


音源の音でもピッチベンドやエクスプレッションやブライトネスを
リアルタイムで演奏中の表現として弄っていくが、
初音ミクでもそれは同じで、結局今までとやることは変わらない。


まだまだ始めたばかりなので慣れるまで時間が掛かるかもしれないが、
出てくる音が人間の声というだけであって、
結局はボーカロイドも【音源】なのだ。


ミックスに関しても人間相手に使う手法がそのまま適応できるので
なんかボーカロイドは非常に難しいとか面倒とか思っていたが、
やってみたら何も難しいことはなかった。


しばらくはボーカル曲をたくさん作ってみよう。
さすがにそんなにすぐには上手くならないと思うので
まずは10曲くらい作って経験を積むところからスタートしようと思う。