BIAS FXの追加パックである
「Metal Signature Pack」を買いました。

現状でも私にとっては十分過ぎるの
アンプやエフェクターが盛りだくさんのBIAS製品ですが、
アンプ6種類(ハイゲイン4種類、クリーン2種類)、エフェクター(6種類)で
名前の通りメタル系に特化した製品群です。

Hi-Gain Amps(全4種類)

Loomis Metal

Merrow Fire

Merrow 5153

Ola War


Acoustic Amps(Clean Amp)(全2種類)

Loomis 120

Ola Peace


エフェクター(全6種類)


エフェクターは歪み2種類で
ゲート、EQ、コーラス、ディレイが各1種類で合計6種類です。

肝心の音ですが、既に動画がたくさん上がっているので、
デモを聴くことが出来ます。




メタル系の音色は元のBIAS AMP、FX、PEDALでも結構行けるのですが、
微妙に物足りなくて実機のコンパクトエフェクターを使っていました。

しかし、今回出た「Metal Signature Pack」はガチガチのメタルサウンドで
もう実機なしでBIAS製品のみでいいかな、と思えるくらい良く出来ています。


MXR FULLBORE METALとSuper Badass Distortion



MXR FULLBORE の動画


METALの追加パックが出たことでBIAS製品は
メタル系にさらに強くなったわけですが、
プロのギタリストさんならまた違った意見が出るのでしょうが、
正直自宅のDTMでのギター録音という範疇なら
個人的には十分過ぎるくらいの性能です。

おかげでペラペラなメタルサウンドもBIASで作れるようになりました。
私の場合は演奏技術とギター本体の性能に問題がありますが…


Amplitubeが出た当時でもそれまでとは一線を画す感じで
技術の進歩はかなり凄いと思いましたが、
BIAS製品におけるシミュレーターの性能は凄まじく向上していて、
専門のギタリストでもなんでもない私みたいな
ちょろっと弾いて録音するくらいの素人にとっては大満足の製品です。


場所もとらないし、メンテナンスもしなくていいし、
壊れないし、電気代もパソコン分以外掛からないし、
クリーンで録音したあと幾らでも後で設定を変えられるし、
このレベルでもっとミックスで使うようなプラグインの性能も上がって欲しいです。


個人的に嬉しかったのが、Loomis 120とOla Peaceの
クリーンアンプが2種類追加されたことです。


メーカー側としてはメタル曲で使われるクリーンアンプのサウンドという
コンセプトなのでしょうが、普通の曲でも使える素晴らしい音です。


メタルな感じバリバリのギャイーンと歪む感じをエフェクターで作るのも
歪み系のLoomis OD 、Merrow Drive、
イコライザーの Loomis PQ で相当戦えます。


Loomis ODとMerrow Drive

Loomis PQ


イコライザーのLoomis PQもメタル系のドンシャリサウンドを作るには
自由度も高くて気に入っています。

ローとプレゼンスは固定ですが、ミッドとハイは可変のタイプで、
メタルのみならずほかでも出番がありそうです。


ゲート、ディレイ、コーラスの3つはほかのものでも代用出来そうですが、
せっかく買ったので随所で使ってみたいと思っています。

アンシュミの進歩は凄いですね!
おかげでギターを練習しようという気持ちにもなれます。

今後ももっと技術が進歩してあらゆる音楽製作環境が
よりよくなるのを期待しています。

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Positive GridのBIAS Desktopを導入しました。

Positive Grid BIAS Desktop


AMP、FX、PEDALの現状(2015年)出ている3つの製品を購入したのですが、
簡単に使った感想などを書いてみたいと思います。

まずアンプですが、メーカーサイトのデモ音源を聞いたまま
素晴らしい音質です。

ソフト音源のギターでもかなりリアルになるので、
最近ギターのリアンプ周りの機材を揃えようかと悩んでいたのですが、
結局はBIAS Desktopにして正解だったようです。


技術の進歩恐るべし、ついにアンシュミもここまで来たかという感じで
設定出来るパラメーターの多さや音の生々しさは
今まで使っていたAmplitubeやGuitar RigやWAVES GTRよりも
ずっと素晴らしいです。


ネット上から色々なギタリストさんが自分のセッティングをマッチングした
アンプのデータもダウンロード出来るので元からある分と合わせて
プリセットによる音作りの可能性は十二分にあり、
アンプとキャビネットはリアンプせずとも当分これで満足出来そうです。


簡単なフレーズならElectri6tyで作っても
自分で弾いて入れてもほとんど変わらないくらい
満足の行く音になるので、これは凄いと思いました。


BIAS FX

ついでと思いBIAS FXも購入したのですが、
こちらは今までの製品よりも良いとは思うのですが、
やっぱり実物のペダルエフェクトが欲しいという気持ちを拭うには至りませんでした。

ひょっとしたら原因はエフェクターではなく、
ギター本体側にあるのかもしれませんが…。


BIAS AMPは実物のアンプはいらない、というと大げさですが、
自宅でDTMということを考えたらアンプやキャビネットを使って
マイクを立てて録音する必要はないと思えるくらいのクオリティーなものの、
エフェクトはやっぱり本物のペダルを
DTMで使えるようにするかもしれません。


とはいえ、かなり充実しているのも事実で
前から使ってみたかったエフェクターが擬似的とはいえ
一杯入っているので音作りの幅はずっと広がりました。

実機のSMALL CLONE


例えばNirvanaのカートコバーンが愛用していたという
コーラスエフェクターのSMALL CLONEですが、
BIAS FXにどうみてもそっくりな「CLONER」というのが入っています。


BIAS FXのCLONER(左)と実機のSMALL CLONEを
並べてみました。



操作も同じでツマミ一つのみでここまでそっくりなら
いっそクローンのモデリングです、と名乗ってもいいのにとも思うのですが、
そこまでしっかり再現していないのか、権利関係の問題なのか、
微妙に名前が変わっています。

DTMで使えるソフトウェアエフェクターということを考えれば
音的には十分満足です。


実機のBOSS DM-2

BIAS FXのANALOG DELEY(左)と実機のDM2を
並べてみました。

ディレイにはBOSSのDM-2があり、
ほかにもたくさん「おぉ~これ○○じゃん」みたいなのが結構あるので、
慣れ親しんだ実機や使ってみたかった実機もあり、
GUI的にも結構楽しめます。


個人的に思うのは空間系や揺らし系はこれでOKなのですが、
突っ込んでくると歪みが微妙に上手く作れません。


購入して間もないのでまだまだ使い込みが足らず、
単に私の技術レベルの問題なのかもしれませんが、
例えばMXRのFULLBOREMETALのようなペラペラなメタルサウンドを
作りたいと思っても入っているエフェクトだけでは今のところ
私の技術では上手く行きません。


MXR  Fullbore Metal Distortion





02:15秒あたりから鳴っているようなペラッペラなメタルサウンドを作りたいと思っても
そこそこ近い感じにはなりますが、
満足というほど納得のいく音には今のところならなかったりします。


ハードロックやヘビィメタルは大抵BIAS FXで行けるのですが、
ここまで歪んだ極悪のメタルサウンドは
そもそも本職のギタリストではない私にはまだまだ研究が必要のようです。


しかしBIAS FXはエフェクターもマッチング出来るので
FullboreMETALをマッチングしたら問題解決のような気がします。

自分で買ってやろうかな・・・・・・・


BIAS FXのエフェクター群は基本的に
実機のクローンが多く、FullboreMETALのクローンは入っていないので、
もし将来的に拡張されたら案外あっさり
「なんだ、出来るじゃん」となる可能性は高いです。
(というかなると思います)


「FullboreMETALに拘るからいけねーんだよ」とか
「お前の音作りが下手なだけ」と言われば返す言葉がないのですが、
ことギターにおける歪みに関しては
なかなか悩ましいところで、
そもそもエフェクターだけでなく、
アンプ側やギターのピックアップの問題、果てはピッキングの仕方すらも
関わってくる問題なので、未だに悩んだりします。

BIAS PEDAL


最後にBIAS PEDALですが、
これはペダルエフェクトの歪み系だけに特化したプラグインで
BIAS FXにはない、よりバリエーション豊富な歪みを作り出せます。


単純にエフェクターの数ならば
数えてみたところBIAS FXの歪み系は全35種類、
BIAS PEDALは全16種類と少ないのですが、
エフェクターの中身を弄れるのが特徴です。

BIAS PEDALは歪みエフェクトの中身もいじれます。

普通ペダルエフェクターの中身を分解して、
セッティングを変えるということはなかなかしないので、
一見難しそうですが、
普通のエフェクターの知識があれば問題なく使えます。

BIAS PEDALの歪みエフェクト一覧

お馴染みのRATやMETALZONE、TUBESCREAMERなど
色々あって価格もBIAS PEDALだけならかなり安いので、
歪みだけあればいいや、という方にはお勧めかもしれません。


メーカーが拡張を匂わせているので、
私が個人的に好きな前述のFullboreMETALも
将来的に登場するかもしれません。

メーカーに要望を出してみようか・・・・・・・・。


色々書かせて頂きましたが、
現状で一番出来の良いアンシュミなのではないでしょうか。
体験版もあるので気になる方はお手軽に試すことも出来ます。

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前回のslate digital VCCの使い方研究(channel編)に続いて、
今度はMixBussの特性を見ていきます。

ご興味がおありの方は先に
slate digital VCCの使い方研究(channel編)をどうぞ。


前回同様に個別に特性などを見ていきます。

slate digital VCC 2.0


個別に見ていく前にまずMixBuss全体の特性として、
Channelの方が音作りに使っていけるほど、
イコライジングカーブに変化があるのに対して、
MixBussは全体をまとめるという点から
比較的大人しい作りになっています。

Channelのようにドライブを大きく回しても
少し音量が大きくなるくらいで
イコライジングカーブが大きく変わるということはありません。



Brit 4k E & G


SL4000 E console


Brit 4kのイコライジング特性

やんわり山型になるのはchannel版のSSLと同じです。

倍音構成もchannel版とほぼ同じですね。

オリジナルの正弦波

Brit 4K Eの倍音特性

倍音特性はドライブを回してもあまり変化がありません。


音作りに積極的に使うと言うよりは、
全体的にうっすらと雰囲気をまとめるような感じで使うのが
一般的なMixBussの使い方だと思いますが、
Brit EとBrit GにはINPUTをかなり多めに突っ込むと
位相がかなり乱れるというChannel版にはなかった特性があります。


INPUTを多めに突っ込んだ場合

INPUTをかなり多めすると1kHzより上の位相がかなり乱れているのがわかります。
空気感を感じさせる14kHzあたりから上はかなり波を打っていますね。


一番振れ幅が大きいところで2dB分くらい揺らいでいます。

こういう使い方はあまりしませんが、
敢えてレトロな、音質の悪い感じにしたいときには
飛び道具的に使えるセッティングです。

Brit GとBrit Eのイコライジングカーブ比較画像

Brit Gの方もBrit Eとかなり似た特性を持っていますが、
Brit Gの方がよりリニアでカーブの乱れが少なくなっています。

INPUTを突っ込んでいくよりその特性は顕著になっていき、
Brit Eは中低域が、Brit Gは高域がかなり乱れていきます。


INPUTを多めにした時の
Brit Gと
Brit Eのイコライジングカーブ比較画像

Brit GはBrit Eに比べると高域の乱れが大きいものの、
楽器の基音がある帯域では(40Hz~4000Hzくらい)では
Brit Eと比べればある程度フラットなカーブを維持しています。

Brit Eは低音が思い切り痩せてしまっていますね。

高域のカーブが乱れるということは高域にノイズが入るということですが、
SSLの廉価版のマイクプリを自宅で使っていて同じ特性が出るので
SSLの特性なのかもしれません。
(ほかのAPIのマイクプリなどはまた違う特性があります)


個人的にはアナログ的な音が欲しいからこそVCCを使用するのですが、
Brit Eはよりアナログ的、Brit GはBrit Eよりもリニアな感じという観点から
両者を選択しています。

ほとんど場合は
Brit Eを使っています。



US A

API console

US Aのイコライジング特性

US Aのイコライジングカーブは50Hz辺りから
ほんの少しHPFが掛かる以外は完全にフラットです。

この特性はドライブを最大まで回しても変化がありません。

channel版に見られるようなわずかにハイが立つ特性や
ブーストするとローが膨らむ特性も

MixBussではなくなっています。


API3124+というマイクプリアンプを使用しているのですが、
実機の
API3124+は最大までブーストしても
ほとんどノイズが入らないクリーンな感じなので
API製品の特性なのかもしれません。


US Aの倍音特性

MixBussらしいやや控えめな奇数系の倍音増幅です。


ドライブを動かしてもイコライジングカーブに変化がない分、
US Aは
ドライブを動かしたときの倍音の違いがほかのものに比べると顕著です。

非整数倍の倍音が増えて音が荒くなっていく印象です。



Brit N

NEVE console

Brit Nのイコライジング特性

同じイギリス系でもSSLと違ってNEVEはどちらかというとAPIに近い特性です。
40Hz辺りからの軽いHPF以外はAPIと同じくフラットで
この特性はブーストしても変わりません。

channel版の挿すだけでローが膨らむ特性もなくなっています。


Brit Nの倍音特性

API同様に控えめな倍音増幅で、
ドライブを回していくと整数倍・非整数倍ともに倍音が増えていきます。

もともとNEVEは音が立つという点では地味目なので
多少ドライブを多めに回しても良いかもしれません。


trident

trident console

tridentのイコライジング特性

Channel版が持っている特性をMixBuss版でもそのまま
踏襲しています。

挿すだけでも少し1kHz辺りからシェルビングでハイが立ちますが
ドライブを回していくほど顕著になっていきます。

Tridentの倍音特性

ほかのMixBuss同様に控えめな奇数系です。
ドライブを回すと僅かに倍音が増幅しています。



・RC tube

RCtubeは実機の特定出来ないレトロなコンソールであると
前回のchannel編のブログで書きましたが、
MixBussでも
channelと同じく真空管の特性や
アタックがやや遅めのコンプレッサーの機能を持っています。

RCtubeのコンプ特性

コンプレッサーとしての特性はChannel版と似ていて
アタックタイムが180msec程度の軽いコンプレッションです。


RcTubeの倍音特性


倍音特性は真空管らしい偶数系です。
channel版もそうですが、唯一の偶数倍音系ですので、
真空管らしい偶数倍音の歪みが欲しいときはRCtubeを選択することになります。


・まとめ

ChannelとMixBussの両方の特性を見てみましたが、
このように整理することでどれを選択したら良いのかの目安になります。


そのときの曲調や出したい音によって変えていくことが出来ますし、
音作りの一環として掛かりの緩やかなエフェクターのように
考えることも出来ますね。

ソフト音源オンリーで作業なさっている方には
お手軽にアナログ感を出せる便利なプラグインですし、
どれを差してもアナログ的なサウンドになりますが、
それを選んだらいいのか迷う…という方は是非参考になさって下さい。


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Virtual Mix Rackに組み込まれたVCC


slate digital VCCの使い方について書いてみたいと思います。

VMRの中に組み込まれて使えるようになったVCCですが、
単独で使える時代から素晴らしいプラグインとして
ミックスにおいて好んで使ってきました。


通すだけで明らかに音がアナログになる素晴らしいプラグインですが、
どれをどういう基準で私が選んでいるのかを紹介したいと思います。


全部で6つのコンソールをエミュレートしているわけですが、
今回はVCC CHANNELのみに焦点を当てて見ていきます。


Brit 4k E & G

SL4000 E console

メーカーが公表しているわけではありませんが、
間違いなくSSL4000のEシリーズだと思います。


非常にたくさんのメーカーがモデリングしているコンソールですが、
個人的にはslate digital製のものを一番気に入っていて、
通すだけで音がアナログ的になる素晴らしいプラグインです。



Brit 4kのイコライジング特性

まずはBrit 4k Eを見てみましょう。
挿すだけで40Hz付近からHPFが掛かり、
40Hzから10kHzに掛けて中域が山型にやんわり持ち上がります。

ローの40HzはからのHPFはスマートなサウンドになる印象ですね。


ドライブを多めに回すとそのまま音量が大きくなる感じです。

ドライブを最大まで回した時。

基本的にはイコライジングカーブがそのままで
音量だけが大きくなり目盛りは0から18までありますが、
0から18までドライブを回すと2dB程度大きくなります。

SSL4000はEシリーズととGシリーズがエミュレートされていますが、
Brit 4k E(SL 4000 E)Brit 4k G(SL 4000 G)は非常に似た特性を持っており、
基本的には微妙にイコライジングカーブが異なるのと
Brit 4k Gの方が中域が持ち上がる特性が弱いという違いがあるだけで
目を見張るほどの大きな差はありません。


EとGの比較画像。


ほんのり中域が持ち上がるので、少しだけ音が大きくなったように感じますが、
クセというほど扱いにくいものではないので、
個人的には
Brit 4k Eが一番使用頻度が高いです。


倍音増幅はかなり強烈で、
挿すだけで明確に違いがわかるレベルです。

オリジナルの正弦波

Brit 4k Eの倍音特性

Brit 4k Gの倍音特性

基本的にSSLシリーズは奇数系の倍音増幅が多いですが、
ほかのメーカーのものに対して非整数倍の倍音増幅が多いので、
これが良い感じに歪むポイントなのではないかと思います。

WAVESのSSLも似た特性ですが、
違いがはっきりわかるのはslate digitalの方です。


EもGもかなり倍音が出ていますが、面白いのが
ドライブを回しても倍音の量にはほとんど変化がないことです。
また
EとGで明確に倍音特性が異なるわけでもありません。


個人的にはEの方をよく使いますが、
SSLはソースを選ばないオールマイティーなコンソールとして使用しています。
特に意図がない場合はSSLを選んでいます。


US A

API console

US AはおそらくAPIコンソールのことではないかと思います。
USとAの間にスペースが空いているのは
アメリカ合衆国という意味での「USA」とAPIの「A」の暗喩と推測します。

Brit 4kのイコライジング特性

SSLと同じく挿すだけで30Hz付近からHPFが掛かります。
また僅かに100Hz~400Hz辺りのローミッドがカットされ、
3kHzから10kHz掛けてやんわりブーストもされているので、
音が立つ印象があります。

ドライブが0の状態でも
100Hz~400Hz辺りのローミッドと
3kHzから10kHzのハイの差は2dBくらいあります。

APIを挿すと僅かに音が立つというか、
前に出てくるような感じになります。

ドライブを最大まで回した時。


SSLとの最大の違いはドライブを増やしていくと、
20Hz付近のローがベルカーブで明確にブーストされる点です。


低音ならぬ超低音ですが、ベルカーブは100Hzあたりから
スタートしているので音が太くなる印象があります。


APIのプリアンプもそうですが、
如何にもメリケン的な前に出てくる感じでしょうか。


US Aの倍音特性

倍音特性はSSL同様に奇数系で非整数倍の倍音も
大量に出ています。

ただSSLよりも僅かに控えめな感じでしょうか。
こちらもドライブを回しても倍音の量にあまり大きな変化は見られません。


Brit N

NEVE console

Brit=イギリス、N=NEVEだと思うので、
NEVEコンソールで間違いないと思われます。


Brit Nのイコライジング特性

Brit Nは挿すだけで明らかに音が太くなります。
500Hz辺りから20Hzを頂点に挿すだけで5dB程度の
ベルカーブがあり、低音のトラックの音作りの一環としてインサート出来ます。

EQで音作りをするのも大切ですが、
太さが欲しいときはNEVEコンソールを選ぶのも良いかもしれません。

Brit Nはドライブを最大まで回してもイコラインジングカーブに
ほとんど変化はなく、
僅かに1dB程度音量がブーストする程度なので画像は省略します。


Brit N倍音特性

Brit Nの倍音増幅は控え目です。
ほかのNEVEのモデリングでもこの特性が再現されていることが多いですが、
やや地味な感じで、EQのローブーストも相まって
やはり「太さ」が得たいときに向いているかもしれません。




trident

trident console?

あまり自信がありませんが、

プラグインに出ている三つ叉の槍のようなマークは
三つ叉の槍」=「trident」の暗喩と推測します。

ほかには思い浮かばないのですが、
もしかしたら違うかもしれません。

tridentのイコライジング特性


SSLやAPIと同様に挿すだけでHPFが掛かりますが、
1kHz付近?からシェルビングでハイが盛り上がります。
これはドライブを回していくとその特性が顕著になっていきます。


ドライブを最大まで回した時。

ドライブを回していくと1kHz辺りからかなり明確に
ハイがシェルビングでブーストされていくので
音に輝きが出てきます。


APIと違ってドライブを回してもローがブーストするようなことはありません。
またSSLと低域の特性が似ていますが、
SSLが比較的マイルドに中域を盛り上げるのに対し
tridentはハイに輝きを与えてくれます。

SSLはオールマイティーなタイプで
tridentはハイに輝きを出したいときに選択出来ます。

NEVEはローが太くなる特性があるので、
このように使い分けていくことが出来ます。

trident倍音特性

イコライジングカーブではtridentはハイに輝きを与えてくれますが、
倍音増幅はNEVEと同じで控え目です。



・RC tube
RC tubeは私が調べた範囲では
個体を特定することが出来ませんでした。

何かモデルとなるコンソールがあるような気がするのですが…

名前からもわかるとおり真空管をシミュレートした特性を持っています。


RC tubeのイコライジング特性

やや位相が荒い感じで、相当年式の古いコンソールなのか?と思います。
ほかのコンソールと違いブーストしていくと、
音量がそのまま下がっていきます。


ドライブを最大まで回した時。


音量が下がる=コンプレッサーが掛かっていることを意味しています。




正弦波にRC tubeを通した波形


ドライブが6の時に約2dBのコンプ、18の時は3dB程度のコンプが
うっすらと掛かります。


波形を見ればこのコンプレッサーのアタックタイムは
185msくらいであることがわかります。


本来コンソールのみのシミュレーターのはずですが、
レトロな機種の特性なのかわずかにコンプレッションが掛かるので
これも音作りに応用できます。

RC tube倍音特性

Tube=真空管の名前の通り、やはり偶数系です。
綺麗に音を伸ばしてくれる感じで、まさに真空管の特性ですね。

非整数倍もなく歪むというよりは
綺麗に音を伸ばしてくれる感じです。


全体的な印象としてはレトロな感じなので、
これはほかの5つにはない個性的なサウンドとして
ミックスの中で出番があります。

もの凄く大雑把に言葉にすると以下のようになります。

SSL=オールマイティー。イギリス的な感じ。
API=オールマイティーだけとやや音が立つ。アメリカ的な感じ。
NEVE=太さが欲しいトラックに。
Trident=高域に輝きを与えたい時に。
RC tube=レトロ、ローファイな感じを出したいときに。



あくまで私の独断と偏見に基づく勝手な印象ですが、
要は個人個人がプラグインの特性を見抜き、
自分の出した音に合わせて使いこなせればそれで良いので、
自分なりに使っていく中でどういうソースに対して
どういうコンソールのどういう設定が良いのかは
大いに研究の余地があります。


何もわからなければなんとなく使っているだけで終わってしまいそうです。


VCCはコンソールのシミュレーターというよりは
イコライザー+エンハンサーのような特性を持っているので、
ミックス時に多分にこの特性を応用できます。


アウトボードを使って録音、ミックスをするときも
ある程度同じような考えに基づいて私は行っていますが、
非常にお手軽に効果的な音が得られるからこそ、
しっかりとプラグインの特性を使う人が見抜いてやって行かないと
ミックスにおける他人との差が出しにくいのではないかと思います。


VCCのような素晴らしいプラグインを多少のお金を出せば誰でも買えてしまう時代に
なってしまっているので、
機材を持っているということそのものは
あまり周りに対するアドバンテージになりにくくなってきました。


何十万もするアウトボードは別でも使い方を研究するという点では同じですが、
いくら道具が揃っても結局使うのは人間ですので、
VCCに限らず是非たくさんの音楽製作のツールをもっと
高いレベルで使いこなせるように研究してみてみましょう。
きっと得るものがたくさんあるはずです。


次回以降にVCCのMIXBUSSやVMRのほかのコンプやEQに関しても
書いてみたいと思います。


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電子書籍ですが作曲・DTM関連の書籍も書いています。
宜しければどうぞ。

 
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DTMマスタリングのやり方

DTMミキシングのやり方





Sound ToyのNative Efecct V4を購入したので、
ぼちぼちほかのプラグインの感想なども書いていきたいが、
まずはSound ToyのRadiatorを導入したので、
それについて色々と書いてみたい。


Radiatorは有名なAltec 1567Aをシミュレートしたマイクプリアンプのプラグインで
既にほかのメーカーからもプラグイン化されているものの、
アナログ感を得られる素晴らしいプラグインだったので
色々とその「出来」について研究してみた。


Sound Toy Radiator

Altec 1567A 実機


個人的にAltec自体、あまり制作用というイメージはなかったけれど、
近年Nomard FactoryからリリースされたAll-Tech 9063B
本プラグインのように最近は再評価?されているらしい。


Altecはどちらかという制作用ではなく、オーディオマニアの方が好んで使う
鑑賞用というイメージがあった。
(勝手なイメージかもしれないが…)


Nomard Factory All-Tech 9063B


All-Tech 9063Bは購入してみたものの、
いまいちピンとこなかったのだが、
今回のRadiatorはシンプルながらかなり良かった。


1960年代のヴィンテージ機器なので実機を使ったことはないのだが、
そんな私にも「Altec 1567Aはこういう感じなのか~」思わせてくれる
振る舞いをしてくれる。


弄れるパラメーターはとても少ないのだが、
まず通しただけの状態で低域と高域が僅かに持ち上がっているのがわかる。

通しただけの状態。


通しただけでこのように僅かに音が変わるのは
ヴィンテージ機器によくある振る舞いだが
こうして周波数を分析すると色々と参考になる。


また2バンドのトーンコントローラーがついているが、
Bassを最大まで持ち上げるとシェルビングで12dBくらい持ち上がる。

Bassをブースト

逆にBassを最小まで下げるとブーストしたときの半分程度しかカットされない。


Bassをカット

この辺りは使っている時に聞いていてもわかるのだが、
同じだけパラメーターを動かしてもブーストとカットで
量が違うのはいかにもヴィンテージらしくて面白い。


Trebleを最大までブーストするとは18kHz付近の空気感が加わる部分がブーストされ、
中域が10dBほどゴッソリ削られる。

Trebleをブースト

これもなかなか特徴的な振る舞いだ。
自分でパラメトリックEQを設定するときの参考にもなる。


Trebleをカットすると6Hz辺りから
やんわりシェルビングで中域から低域に掛けて5dB程度持ち上がる。

設定ではパラメーターを最大まで回しているが、
こちらもBass同様に同じだけパラメーターを
動かしてもブーストとカットで量が違う。


Trebleをカット


こういうEQでの高域のカットもやんわりしていて
いかにもヴィンテージな感じがして好きだ。


こういうカットカーブはやはり自分でEQを使うときの参考になる。


次にマイク録りとライン録りの違いも再現できるので
こちらも検証してみたい。

本プラグインにはノイズのスイッチとマイク or ライン切り替えスイッチが付いている。

ノイズスイッチとマイク or ライン切り替えスイッチ



マイク録りの位相

ライン録りの位相


マイク録りとライン録りの画像をよく見比べて欲しいのだが、
マイク録りのほうが中域がほどよく凹んでいるのがわかる。
(相対的に見てライン録りは中域が多く含まれている)


基本的にレコーディングの段階で
ライン録り(DIを使って)は中域が少し堅くなることが多いが、
きちんとDIを使ってライン録りしたような特性が再現されているのはさすがSound Toyだ。


メーカーが拘っている部分でもあるし、
私たちユーザーもミックスでマイク録りとライン録りのニュアンスの違いを
活かしていけると思う。


ケースバイケースで一概には言えないのだが、
ベースなどのライン録りはマイク録りに比べて
低域がやや少なくなるが、これも上の2つの画像を見比べると
ちゃんと再現されているのがわかる。
(マイクはやんわり低域がシェルビングで持ち上がっているし、
中域が多いと相対的に低域が少ないように感じる)


さらにインプットとアウトプットの量も
音作りに大いに活かすことができる。

インプット多め、アウトプット少なめ(キャラ強い)


インプット少なめ、アウトプット多め(キャラ弱い)


左端(一番低い周波数)が0dBになるようにして
インプットとアウトプットの特性をわかりやすくするために
極端に調整してみたが、
インプットが多いとAltec 1567Aの個性が強くなるのがわかる。



上の画像かなり極端な設定だし、BassとTrebleも弄っていないが、
インプットを多くするとBassとTrebleを動かした時に
よりその動きが強調されるような振る舞いをする。


この辺りもヴィンテージ機器特有だ。


インプットを増やすとノイズも増えてくるが、
その辺はデジタルプラグイン宜しく自由にオンオフできるので融通が利く。

多少はノイズがあったほうが良い場合もあるので、
こういう細かい設定も有難い。



そして毎度おなじみの
倍音付加は以下の通り。

倍音付加のスペクトラム

12AX7というメジャーな真空管を用いたプリアンプなので、
ほかの真空管同様に偶数・奇数に関係なく倍音が付加される。


非整数倍の倍音も多めに加わっているのが、
程良いサチュレーションになっている。



耳で聴いただけでわかるのがベストではあるが、
こういう「振る舞い」をきちんと理解して
レコーディングしたり、プラグインを使ったりするのは
私はかなり大事なことだと思っているので、
自分の持っている録音機器やプラグインを
なんとなく使っている方は一度深く分析してみるといいかもしれない。



手持ちの機材やプラグインで
「これあんまりいい音で録れないんだよなぁ~」とか
「このプラグインはいまいちパッとしないんだよね~」
みたいな不満があって、新しいものが欲しいこともあるかもしれないが、
今持っているものを十全に使いこなしてからでも
新品を買うのは遅くないので、
色々と試してみると勉強になると思う。



これは個人的な経験から思うのだが、
今持っているものを十全に使いこなせなかったら
もっと高性能で新しい機材やプラグインや音源を買っても
やはり同じく使いこなせないかもしれない。


すべてのツマミがどういう振る舞いをするのか研究して完全に把握し、
ぶっ壊れるまで使うくらいの気持ちで道具と向き合う姿勢は
作曲でもミックスやマスタリングでもとても大切なのだ。


1つ1つは些細なことかもしれないが、
それが積み重なってくると無視できないほどの大きな差になって
自分の作品のクオリティーに顕れる。


音楽作品には実に多種多様な要素があるけれど
センスだけに頼るのではなく、
時にはこういう研究や分析も制作に役に立つので、
自分の持っている機材やプラグインを分析してみるのも良いかもしれない。



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WAVESのMERCURYを久々にWUPして
V8→V9にしたのだが、
新しいプラグインをぼちぼち使っている。


中でも前々から気になっていたNLSが
非常に「アナログらしい」コンソールのシミュレートを
聴かせてくれるので非常に気に入っている。

これはすごい。ちょっと感動した。


全部で3つあるのだが、
まずはSSL4000Gのコンソールをシミュレートした「spike」。


SSL4000G


WAVESを始め多くのプラグインメーカーが
SSLのシミュレーターを出しているけれど
後発なだけあって今回のものが一番良く出来ているように感じる。


ヘッドアンプでNLSを使い、コンプやEQはWAVESのSSL Gを使えば
実機にかなり近いSSLごっこが出来る。



本物を使ったことはないけれど、
本物を使ったらこんな音なのかな~と思うくらい
良い音になるのでちょっとびっくりした。



次にEMIの TG12345をシミュレートした「Mike」。
ABBEY ROADのプラグインが好きな私にとっては
モロに好みな音がする。


TG12345


NLSの3つ中で個人的に一番のお気に入りはこのTG12345のシミュレーターで
「おぉ~ほんとのアナログコンソールみたいな音がする」と
驚くほどの質感を感じさせてくれる。




ABBEY ROADのTG12413やRS127、124、135なども使っているが、
これも「Mike」を合わせて使えば
ABEEY ROADスタジオごっこが出来る。


最後は音はちょっと地味なNeve 5116の「Nevo」


NEVE5116


NEVE5116は他のプラグイン同様にちょっと地味な感じで

変化は顕著ではないもののどこのメーカーも
NEVEのプラグインは地味な感じなものが多いので、
これはこれで味があって良いと思う。



これもNEVEの1073や2254のシミュレーターと合わせて使って
NEVEごっこを楽しめる。


それぞれチャンネル用とバス用に分かれていて、
チャンネル用は個別トラックに、
バス用はマスターバスやミックスバスに使う。


意外と便利なのがバス用のNLSから
チャンネル用のNLSをコントロールできること。


ドラム、ギタ-、ボーカルetc…のようにステムミックスするなら
後で調整するときに楽にできる。



今回のNLSはヘッドアンプのシミュレートだけで、
コンプやEQなどは付いていない。


しかし音はかなり変わるので
コンソールのアナログシミュレーターとしては
Slate DigitalのVCCと並んで超お気に入りになってしまった。


全トラックに挿して使用しているが、

特にぱっとしないトラックや立たせたいトラックには
Driveを多めに加えてやると非常に良い意味で音が立つ。


そういう意味での使い方では
心情的にはTG12345なのだが、
SSL4000Gのほうが(個人的には)しっかり音が立つと感じるので、
NLSを使って今まで以上にSSLが好きになった。



デジタルの良いところはLinear(線形・直線)であることで、
DTMにおける制作では基本的に
良くも悪くもノイズも歪みも意図的に加えない限りは全く入らない。


マスタリング用のEQでリニアフェイズイコライザーなんていうのがあるが、
要するに歪みゼロで動作する完全デジタルイコライザーのことで
デジタルの特性を活かしたものだ。


これも良し悪しと使い様で
リニアであることがデジタルの冷たい、薄っぺらい、無機質な感じに繋がり、
メリットとデメリットや嗜好の問題に繋がってくる。


現代でも前世紀の遺物とも言える
アナログテープMTRや真空管のシミュレーターや実機に愛好者がいるのは
ノンリニアな振る舞いに対しての愛着であり、
音楽的にも良い結果をもたらすものであると
感じている人が多いからではないかと思う。


有名コンソールのノンリニアな振る舞いをかなりの高いレベルで再現している
ノンリニアサマー(NLS)は本当にすごいと思う。


プラグインもかなり進歩してきたなぁ~と最近実感することが多い。
WAVESは本当にいいプラグイン作る。



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作曲関連の書籍2冊と
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現在WIN XP32bitPCからWIN7 64bitPCに
DTM環境を移行する作業をしているのだが、
64bit用のインストーラーを集めるために
色々なメーカーのサイトを回っていたらいくつか面白いものを発見した。


まずMASSEY TAPE HEADのVST版が
まだベータ版だけれど出ていた。

MASSEY TAPE HEAD

MASSEY公式サイトはこちら


Protools専用のプラグインとしては
非常に高い評価を得ているプラグインなので
愛用してらっしゃる方も多いと思うのだが、
正式にリリースされればProtoolsをユーザー以外にも
人気が出そうなプラグインだ。


一昔前の今ほどパソコンの性能が高くなった時代には
簡単に、綺麗に、CPU負荷も低く歪ませることが出来るプラグインだったので
個人的には非常に重宝していたし、今でも出番はしょっちゅうある。


MASSEY TAPEHEADの倍音増加スペクトラム


倍音スペクトラムを分析すると

奇数系の倍音が出ていることと
低域・中域においては非整数倍が発生していないこと、
10kHzを超えた辺りから空気感が加わることなど
値段の安さやCPU負荷の軽さのわりには稀有な性能を持っている。


近日中にVST版が出たら買ってみようかと思っている。


またCT4の後続でCT5というのが出ていた。

MASSEY CT5



CT5は新規で購入すると$75だけれど、
CT4を既に持っているユーザーは$3でアップグレードできる。


これって多分中身は同じでGUIが違うだけだよね?
CT4がシックな感じのデザインだったの対して
なかなか近未来的なデザインだ。


CT4そのものの性能はふんわり掛かる不思議なコンプレッサーで
ほかに代用できるコンプもなく、独自の質感を持っているので
今でも良く使う。


MASSEY CT4の倍音スペクトラム

どちらかというと奇数系だが、
9倍音あたりまでそこそこ偶数倍音も出ていて
高域に空気感も加わる控えめな感じのコンプレッサーだ。


潰した感じがあまりしないのに、
ふんわりちゃんと潰れている珍しい機種で、
不思議系というか上品系というか代りになるようなコンプが見当たらない。
(ハードウェアっぽい掛かり方かも)

Protoolsオンリーとはいえ
$75分の働きは十分すぎるくらいにしてくれた。


MASSEYはワンマンカンパニー(一人でやっているプラグイン開発会社)なので
寄付の意味も込めて購入したいと思っている。



MASSEYは非常に優秀なプラグインなので
今後も新しいプラグインの開発に期待したい。






今お仕事で昭和時代のある楽曲をアレンジ&ミックスさせて頂いているのだが、
当時の時代背景を考えてアナログテープのシミュレーターを
意図的にたくさん使うようにしている。


アナログ・テレコなんて言ったらもう死語のような気がするが、
実際に当時レコーディングスタジオではこういう風にしていたんだろうなぁ、
という想像をしながら色々やっていると、
音色に対する新しい発見がいくつもあって面白い。


STUDER A820


現在でもアナログテレコを使っていらっしゃるスタジオも
調べるといくつか出てくるが、
磁気テープの持っている独特の味は
確かに捨てがたいものだし、
人によっては慣れているのでテープの方が良いという方もいるだろう。


いわゆるアナログテレコを使ったテクニックというのはたくさんあって、
その多くがデジタルに移行した現在でも代替えのプラグインなどで真似できるが、
テープが持っている特性と質感を出すことは
単純なテクニックの問題ではなく、純粋に音色の問題なので、
この点が非常に面白い。

愛用のテープシミュレータである Mc DSPのAC2


やっているうちに色々な技を思いつくので、
今後のミックスにも応用が出来そうだ。


アナログ・テレコには大きく分けて以下のような特性がある。


1.飽和レベル付近になると高い周波数が再生されにくくなる。

録音レベルが低い時はフラットなのだが、
レベルが大きくなるに連れて高い周波数の音が再生されにくくなる。

つまり高域にのみコンプレッサーが掛かるのと似たような効果がある。
(もちろんコンプとは掛かり方は違う)

コンプとLPFが合体したような効果があるのだが、
これが結果的に高域が減衰(コンプレッション)されて
落ち着いた良い感じの音になる。


この特性が非常に好きなのだが、
「あぁテープってこうなるよね」的な音色を聞かせてくれるので、
お好きな方も多いのではないかと思う。


デジタル全盛の時代で、Protoolsでミックスしていても
テープの良さに惹かれて実機のテープMTRを使う方もいらっしゃるし、
私のように実物は無理なのでシミュレーターで楽しむ人間もいるが
現代においてこれは完全に一つのエフェクトと言えるだろう。



WAVES  Kramer MPX

Kramer MPX は非常に良くできているのだが
バイアスを弄って積極的に音を作って行くのには向いていないので
AC2のほうが音作りという観点からはやりやすい。


Mc DSPのAC2


コンプやEQで特定の効果を狙うよりも
テープでそうなることを見越してやったほうが
アナログ的な音色になるし、音質も良い。


最近はProtoolsのBUSが足りなるくらい大量にBUSを使うのだが、
いちいちテープで録音したことを想定して、
そこら中にテープシミュレーターが入っている。


もちろん非常にアナログ的なサウンドになってしまうので
デジタルの冷たい感じを求めるときは考え物だが、
これはなかなか味があって好きだ。


2.飽和レベルにならなくても数%の歪みがある。

音量レベルが飽和すれば歪むのはテープでなくても起こり得るが、
テープの特徴として飽和レベルに全然届いていない状態でも
いくらか歪みが発生している。

歪みに以外にもヒスノイズなども出てくるが、
それがまたいい!という人はたくさんいると思う。


ミキサーでもアンプでもアナログ機器なら何でも
飽和レベルに達していなくても歪みが発生しているのだが、
(アナログ機器とはそういうもの)
その率が数%とほかのものに対して非常に大きい。


使っているだけで数%も歪むのだが、
音色に対する影響は多大なもので、
隠し味ともいえるし、完全に無視できるレベルでもないので
これを一つの効果として大いにデジタル世代の我々は使っていくべきだろう。


真空管の歪みはどちらかというと攻撃的というか
アグレッシブというか、尖がったイメージがあるが、
テープが柔らかく温かみがある印象があるので使分けていける。
(使い方によっては真空管でも柔らかくなるし、テープでも攻撃的になる)


倍音の付加特性の基本として
真空管は偶数倍音・奇数倍音問わずに付加されるのに対し、
テープは奇数倍音が付加されることが多い。


奇数倍音はオクターブ音ではないので、
和音的な歪になっていくが、
そこにある種の温かみや柔らかさを感じるのだ。


これはほかの機器やシミュレータでは得にくいものなので、
この点もテープシミュレーター(あるいは実機)が好きな人にとって
大きなポイントになっているのだと思う。


続きは次回また書きます。




Slate DigitalからVIRTUAL TAPE MACHINES(以下VTM)がそろそろ出るらしい。


VIRTUAL TAPE MACHINES 


2012 NAMM Showの発表どおりなら
とっくに出ているはずだったのだが、
なんらかの理由で遅れていた模様。


テープ部分の拡大。


それにしてもGUIが凄まじく綺麗だ。
上の画像のテープ部分は写真に見える。



Slate DigitalはVCCがとても良かったので、
今度のVTMにも期待なのだが、
この機種はハリウッドのNRG Studioにある
Ampex ATR102とStuder A800というテープマシンをシミュレートしたものらしい。


NRG Studio 




Ampex ATR102



Studer A800 


最近はシミュレーター系プラグインもよりどりみどりだが、
テープに関しては私はWAVESのKramer Master Tapeを愛用している。


Kramer Master Tape


Kramer Master Tapeは使うときに下のリール部分がクルクル回るので
なんとなく本格的だがVTMはどうだろうか。



テープにしろ真空管にしろやっぱり本物には敵わないけれど、
アナライザーで倍音スペクトラムを分析したりすることで、
プラグインながらも結構楽しめる。


プラグインであればいくらでモCtrl+Zで戻ってこれるし。


既に予約は出来るようになっていて、
クロスグレードなら199$で買える。


Audiodeluxeのページ

http://audiodeluxe.com/search/apachesolr_search/slate%20digital?filters=tid:25 



テープシミュを持っていない方にはお勧めかも。


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DTMで作曲するときに
プリアンプ(マイクプリ)を何処までプラグインで再現できるのか、
あるいはどんなものがあるのか色々と調べてみた。


DTMで使う場合は純粋な意味でのマイクプリアンプではなく、
むしろコンソールに入っているようなヘッドアンプ(HA)的なものを
求めているので探せば意外と色々ある。




112dB redline preamp
http://112db.com/redline/preamp/ 


日本ではあまり有名ではないが、112dBのredline preampは
真空管プリアンプのプラグインで
たくさんのプリセットが入っている。


持ってはいないのだが、体験版で試したところなかなか好感触だった。
お値段$149.00。



Nomad Factory » Pulse-Tec EQs
http://www.minet.jp/nomad/pulse-tec-eqs 
(赤枠がプリアンプ部分)


Nomad社のPultecプラグインにも
PRE-AMPLIFIER PRE-2Sというプリアンプが付いている。


赤枠のINPUTとOUTPUTがプリアンプ部分だが、
効果は比較的やんわりだけれど、いいかもしれない。

ソフトニーのリミッターも付いている。


買うだけ買って全然使っていなかったのだが、
EQ部分と組み合わせて使えばなかなかいいかもしれない。


3段になっているが個別に使うことはできず、
主役はあくまでEQ部分という設計だと思うので、
積極的な変化は望めないけれど薄っすらと掛けたいときには良いかも。


URS Saturation Plug-in
http://www.tacsystem.com/products/urs/000488.php 


URSのSaturationはかなり顕著な変化を聞かせてくれるプラグインで
6種類のプリアンプをモデリングしている。


音は相当変わるので積極的な変化を求めるときに使える。
PDFの説明書に倍音増幅の図も付いているし、
価格の割りにたくさんの種類のシミュレートが出来るのでお勧め。


但しあくまでプリセットを選んで、その効果量を調整という感じなので
112dBのredline preampのように細かく音を作っていくことは出来ない。
(作っていく必要があるかどうかは人それぞれ)


WAVE ART Tube Saturator  
http://wavearts.com/products/plugins/tube/ 


真空管アンプ・プラグインとして有名なTube Saturatorだが、
これはとても音質や効きが良くて気に入っている。


但しとても重いのでミックスで挿すのはちょっときつい。

比較的最近リリース(それでももう2~3年経つのか?)されただけあって
緻密な処理をしているらしく重いが音は良いので、
この中ならこれが一番お勧めだ。



112dBのredline preamp 以外は全部持っているのだが、
やはりどうも積極的に自分の曲で使っていく気にならない。


アウトボードを通したほうが音は良くなるし、
シミュレートしたと言ってもなんだかアウトボードで得る効果とは随分違う。


思うに「アウトボードを通す」ことと「録音し直す」ことの2つの効果によって
ミキシングするときに音のまとまりや質感を得ているのだと思う。


様々な空間やレコーディング機器で
録音されたハード音源、ソフト音源の音に統一した質感を
与えていることも大きいのだろう。


ちゃんと録音段階でアウトボードを使ってしっかり音を作った上で
録音すればミキシングの段階でEQやらコンプやらシミュレーターやらを
たくさん挿さなくても全然良いミックスになる。



下手をしたらフェーダーとパンを弄るだけで終わりのトラックもあるくらいで、
足りなければ多少のコンプとEQだけでも十分に良くなる。



これはミキシングの前段階で既に望む音にある程度してあるからなのだが、
この質感・効果をプラグインで得るのは難しい…
というのが現時点での私の感想。



プラグインは物理的な部品が要らないので
開発・生産コストがアウトボードに対して抑えられるので、
物理的なものを作るよりもずっと安く作れる。


だから1万円前後のプラグインで何十万もする実機のプリアンプと
同じ効果が出せるか出せないかを単純に価格の面でだけ見ることはできないし、
ハードでもソフトでも結局作っているのは人間なので、
設計者や生産ラインでどのような行程を踏んでいるかが、
製品の質になるのは同じだと思う。


しかしそれでもソフトウェアプラグインでハードのプリアンプやコンプレッサーなどの
アウトボードと同じ効果を出すのは
現時点では難しいと感じている。



とはいえ昨今のプラグインは非常に素晴らしいものも多く、
「アウトボードを通す」ことによって得られる効果の再現は
コンピューター上でも十分に出来ているものもあると思う。
(単体で2~3万円くらいするVST辺りの出来は凄い)


残るは実際に「録音し直す」ことだが、
これが音に与える影響は凄まじく、
単純にプラグインの効果のみを付加しても
納得のいく サウンドにならないのはこのためだと思う。


プラグインはとても便利だし素晴らしいが、
質感の付加という点では
どうにもアウトボードを通した録音の効果を得られない。


市販品のCDを聴いたときに得られる質感の再現というのは
プラグインやエフェクトうんぬんも大切だし、
ミキシングやマスタリングの技術も大切なのだが、
「録音の方法やテクニック」も重要だと最近気が付いたので、
今後も録音について色々と勉強を進めていく予定だ。


問題点は人それぞれなので一概には言えないが、 
VSTやRTASのプラグインやソフト音源だけの枠組みで
望む音を得られないと迷ってらっしゃる方は
案外「録音の方法やテクニック」 が袋小路から脱する鍵なのかもしれない。




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