Boz Digital LabのManic Compressorを導入しました。


Boz Digital Lab Manic Compressor

音や機能についても特筆すべき素晴らしいコンプレッサーなのですが、
コンプレッサーの動作を勉強したい方にとっても
このコンプはとても向いているのではないかと思います。


コンプレッサーが行っている圧縮処理をリアルタイムで
視認できるプラグインは昨今増えてきましたが、
それがかなり見やすいのがこのManic Compressorの特徴の1つです。

コンプレッション処理をリアルタイムで視認出来ます。

キックやスネアのようにアタックタイムが極端に短いものは
アタックタイムが見にくいのですが、
基本的にどういう波形に対してどういうコンプレッションが掛っているのか?
アタックやリリースやレシオがどういう風に波形に作用するのか?が
一目瞭然です。


例えばリリースタイムが長すぎると連打フレーズに対して、
次の音の頭に引っかかってしまい
余計なコンプが掛かってしまうことがありますが、
実際に目で見てリリースタイムを設定出来るので、
そういった処理を行うときに適切な処理を行えます。


リリースタイムが長すぎて次の音に不自然にコンプが掛っています。

上の画像では最初の波形に対しては
アタックタイムを少し遅くすることで、
より明確なアタック感を出していますが、
リリースタイムが長すぎるため、2つ目の波形は
コンプが解除される前に次のコンプが掛ってしまっています。


リリースタイムの設定が波形に対してどう作用しているのかを
リアルタイムでハッキリ見れるのは
「コンプのリリースタイムってどうしたらいいの?」
と思ってらっしゃる方にはとても便利かもしれません。


少なくともリリースタイムをそのトラックの場合は
どうすれば良いのか?を考える大きなヒントになると思います。


またアタックタイムを少しだけ遅くして、
コンプの掛かり始めの音をわざと抜かすことで
そのトラックのアタック感のリメイクをすることもよくありますが、
やはりこれも目で見ながら行えます。


アタックタイムの長短でアタック感を作り出す作業が目で見れられます。


たまに生徒さんでいらっしゃいますが、
「アタックタイムはコンプが掛かり始めるまでの時間」という
誤解もリアルタイムで動作を見れば
簡単に解けるのではないかと思います。


いつもはレッスンで波形を見せているのですが、
このソフトならリアルタイムで大きな画面で見ることが出来るため
アタックタイムへの理解は容易いです。

アタックタイムはいくつでもコンプ自体は即掛かり始めます。

上の画像のようにアタックタイムの設定に関係なく、
コンプレッションそのものはスレッショルドを越えた瞬間に掛かり始めます。


アタックタイムは
「コンプが掛かり始めるまでの時間」ではなく、
「設定したコンプレッションが完了するまでの時間」です。
なぜかこのような誤解をなさっている方がたまにいらっしゃいます。


レシオやスレッショルドで決めた○○の仕事を
○○秒掛けてやるという意味であって、
アタックタイムで設定した時間が過ぎるまで
コンプが止まっているという意味ではありません。


レシオやスレッショルドがどう作用するのかを
改めて見るのは個人的にも面白いです。


目で音に対して掛るコンプの変化を見られるという点において
ミックスにおけるコンプの学習にはとても向いていると思います。


しかし、私がこのコンプを購入した理由は
視認性ではなく、音と機能の便利さです。


6つのキャラクターを持っています。


Manic Compressorは1台のコンプで合計6つのキャラクターの異なる
コンプレッサーを再現出来ます。


昨今はこういったタイプは珍しくはないですが、
ポイントである「ちゃんと音の違いがあるか?」は
割としっかり出ていると感じています。


VINTAGEは真空管コンプのような音がしますし、
CLEANはキビキビ動く感じで、
キャラ違いで音を作っていくのは十分な性能です。



そしてこれが購入の決め手になったのですが、
パラレルコンプレッションがとてもやりやすいのです。

パラレルコンプのEQ設定画面


パラレルコンプ自体は珍しくはありませんが、
よくあるDRY音とWET音のミックス量調整だけでなく
DRYのみのコンプ前、DRYのみのコンプ後、
WETのみのコンプ前、WETのみのコンプ後、
DRYとWETまとめてのコンプ前、DRYとWETまとめてのコンプ後、
にそれぞれ個別のイコライジングが3バンドで可能です。
(同時に使えるのは1つの設定のみです)


例えば、パラレルコンプをしたいけれど、
コンプレッションしたい音の低音が出過ぎている場合に
少しローを削ってから突っ込むわけですが、
MANIC COMPRESSORでは1つのプラグインで
WETのみのコンプ前の音にEQを掛けて、
DRY音とのバランスを取ることが簡単に可能です。


コンプ後の音のみにEQ補正を掛けて、
ドライ音とバランスを取るとか、
ドライ音のみにEQを掛けて、
残りはがっつりコンプするなども簡単に出来ます。


手持ちのコンプですとパラレルコンプレッションが出来るプラグインは
いくつかあるのですが、
WET、DRY、コンプ前、コンプ後をそれぞれ個別に
イコライジング出来るプラグインがなかったので、
音作りの幅が広がると思い購入しました。


やろうと思えばコピートラックを作ってパラレルコンプ+EQは出来ますが、
そんな面倒なことをしなくても
プラグイン1つで簡単に出来るのは嬉しいです。


プリセットを見ながら、パラレルコンプの音作りを見ていると
勉強にもなります。


パラレルコンプを積極的に使おうと思えるコンプレッサーなのが、
私にとって今までとの最大の違いでしょうか。

MS処理対応


まだあまり使い込んでいないのですが、
MSパンナーがあり、MSのバランスをコントロールも可能です。

Dual=LとRを個別に圧縮。
Stereo=ステレオリンクで圧縮
Mid=Midのみ圧縮。
Side=Sideのみ圧縮。

の4つのモードがあり、MS処理でMidのみにコンプを掛けることも可能です。
但し、MidとSideで別々の設定にすることは出来ません。

Midを設定してコンプレッションを掛けたらsideはバイパスされるようです。
この調整のためにMSパンナーがあるようです。

Loud Reliefのパラメーター

コンプのレシオを上げるとコンプ感が強くなりますが、
それを和らげるLoud Reliefというこのコンプ独自のパラメーターも付いています。

Loud(うるさい) Relief(軽減)というそのままの意味で、
レシオが高い時に動かして音を掛かり具合を調整することも可能です。


リリースタイムの設定がちょっと特殊ですが、
一言でいうと、とても多機能という印象です。


1つのプラグインで積極的な音作りから
細かい追い込みまで可能であり、
アナログモデリングを主体としたコンプではありませんが、
このコンプ1つだけでもミックスが成り立ちそうなくらい
色々な機能が盛りだくさんです。


最後までお読み頂き有り難う御座いました。


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Slate DigitalのVirtual Buss Compressorsを導入した。

Slate DigitalのVirtual Buss Compressors


久々の買って良かったと思えるヒットプラグインで
ハードウェアに近い感じになって来ているなぁ…と感じた。


Slate DigitalはほかにVCCを主に使っているけれど、
アナログサウンドが大好きという方には人気があるはず。


個人的にはVERTIGO SOUND VSC-2に続くヒットだ。

VERTIGO SOUND VSC-2

過去記事で書いたVERTIGO SOUND VSC-2もそうだが、
最近の実機をモデリングしたプラグインコンプの性能は凄い。



個人的な感想としては
ソフトウェアプラグイン黎明期にリリースされた古いプラグインは如何にも
「コンプレッションしました~(べっちょり)」という感じだが、
VCCはアウトボードのコンプレッションのように
「ちゃんとコンプレッションされているけど、不自然に聴こえない」
「ガッチリ潰れていているのにカッコいい感じ」
「音がミックスに馴染んで埋まっていくのに、音が立つ」

という音に近くなる。


VBCには3種類のコンプがあるので、
三者三様のサウンドを出し、また設定によっても変わるので、
一概に○○だ、という風には言いにくいけれど、
その緻密さ、繊細さはVSC-2同様にひと世代前のコンプとは隔世の感がある。


言葉で色々説明を聴くよりも
興味がある方は実際に体験版で試して欲しい。


ミックスでは例えばWAVESのC1やSonnoxのOxford Dynamicsのように
どちらかというとデジタル的な無味無臭なタイプと
(Oxford Dynamicsはそうでもない気がするが…)
VBCのように思い切りアナログ感がするタイプと使い分けていくと良いと思う。


ロック系とテクノ系では使うコンプの変えていきたいし、
そのトラックをどういう音に整えていきたいのか?によっても
大いに変えていくべきだが、
アナログ系の最たるものとしてVBCは
ミックスでもマスタリングでも当分メインで使っていけそうだ。


あまりに音が良いのでお馴染みの
Kneeカーブと倍音増幅をスペクトラム分析で調べてみた。


潰し方云々はデータ化するのが難しいが、
倍音増幅やKneeカーブは眼で見てハッキリわかるので
良かったら参考にして下さい。



FG-grey

まずFG-Grey。
SSL4000のコンソールコンプをモデリングしているらしい。

SSL4000

同業他社の製品はたくさん出ているけれど、
これが一番新しいこともあり、かなり気に入っている。

実際の倍音増幅は偶数系は2倍音のみで
あとはすべて奇数倍音が9倍音あたりまで滑らかに出ている。




FG-greyの倍音増幅(クリックで拡大)

非整数倍の倍音はほとんど出ていない。
随分前に書いたDTMミキシングのやり方という本で掲載した
WAVEのSSL G-masterと見比べてみると、
基本的には奇数系ということをコンセプトがあるものの
細部は微妙に違う。

WAVES SSL G-Masterの倍音スペクトラム

非整数倍や2倍音がないあたりが大きな違いだけれど、
この辺りは個体差なのか、製作者の意図なのか。


あるいは同じ4000シリーズでも「B」「E」「G」「G+」の違いなのかもしれない。
WAVESの方は「G-Master」の名前の通りSSL4000Gのモデリングなのだろうが、
VBCのほうは4000シリーズのどれかというだけで
特に何も記載されていない。

FG-greyのkneeカーブ

上の画像はレシオが10:1のものだが、
ニーはかなりハード気味。

ロック系のサウンドと相性が良さそうな感じだ。
HPFも付いている。

次はFG-RED。


FG-RED

これはFocusrite Red 3のモデリングとのことだが、
常々実機が欲しいと思っている。

Focusrite RED 3実機

実機にはないプラグインならではの設定は「Drive」のツマミで
これによって文字通りドライブ、つまり倍音増幅の量を
変えることが出来る。



FG-REDのDRIVEの目盛ゼロの倍音増幅(クリックで拡大)


FG-REDのDRIVEの目盛最大の倍音増幅(クリックで拡大)

最大までDriveを回してもあまり高次倍音は出ていない。
やや控えめだけれど、それが程よい感じで良いかもしれない。


Driveのツマミで倍音増幅をコントロールできるという点では使いやすいし、
Focusrite Red 3をモデリングしたプラグインは今回のVBCと
もう一つ古いモノしかないので貴重なモデリングと言える。


実機同様にオートリリースも付いているので使い勝手も良いと思う。

FG-REDのkneeカーブ

上の画像はレシオが10:1のものだが、
FG-Grey(SSL4000)と同じくハードニー。
こちらもプラグインならではのHPFが付いている。


最後はFG-Mu。


Fairchild670やMANLEYのVariable Mu Limiter Compressor
モデリングと公式には書いてあるが、
両機のハイブリットのようなコンプになっている。

MANLEY Variable Mu Limiter Compressor実機

Fairchild670実機


外見は670のようだが、670の実機にはアタックもリリースもないし、
Variable MuにあるRecoveryのパラメーターもなくなっているので、
両者の良いとこ取りをしたようなニコイチのプラグインだ。

プラグインらしくHPFもついており、
個人的にはかなり気に入っている。


Variable Muのプラグインは使ったことがないが、
倍音増幅はFairchid670を彷彿とさせる振る舞いになっている。

非整数倍の倍音が大量に出ている点の特徴で
このへんがいわゆる「アナログらしい」音になるポイントだ。

FG-Muのスレッショルドの浅目の倍音増幅(クリックで拡大)


FG-Muのスレッショルドの深目の倍音増幅(クリックで拡大)


スレッショルドを深めにするほど(コンプが強く掛かるほど)
倍音増幅が強くなる。


音的にはWAVESのPuigchild670と似た感じの音になるが、
WAVE社の製品ほど倍音増幅は強くない。

またこちらのほうがアタックやリリース、HPFなどが付いているので使いやすい。

FG-Muのkneeカーブ

ニーカーブはほかの2つ違いややソフト気味(設定によります)。
ほかの2つがハードニーなので対比として使いやすいと思う。

670にもVariable Muにもレシオはないので、
それを引き継いだ感じだ。


これら3つのプラグインは3つとも個性が異なるが、
ミックスバス、マスターバス、あるいは普通にトラックに挿すときに
これらの個性・特性・得手不得手を把握して
使い分けていけば強力なダイナミクスツールに出来そうだ。


すべてのコンプでWETとDRYのミックス量を調整できるので、
アナログ的なサウンドをコンセプトにしつつ、
デジタルの使い勝手の良さを追求したような出来になっている。


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brainworxの【VERTIGO VSC-2】導入した。

使ってみた感想だが、今までのコンプで一番いいかもしれない。
ソフトウェアプラグインがどんどんハードウェアに近づいていく。
(10年後くらいにはひょっとしたら区別が付かないレベルになるかも…)


このコンプはとても繊細な音でバスコンプやマスタリングに最適だと感じた。


今まではなんだかんだでWAVESのSSLのバスコンプがメインであることが多かったが
これからはしばらくこれで行くかも。


brainworx【VERTIGO VSC-2】


こちらは実機


VERTIGOには実機があるが、お値段なんと$6,000。


マスタリングにはヴィンテージよりもこういった最新式のが好みだが、
splのVitalizerやelysiaのalpha compressorのように
最先端技術で作られた実機のプラグイン化の性能は凄まじいものを感じる。
こんな良いものがお手軽に使えるなんて良い時代になったなぁ。


実際に使ってみて驚くほどの緻密さ、繊細さ。
興味がある方は体験版を試してみて欲しい。


一体何でこんなに違うのか内部構造のことはわからないが、
ステレオ+サイドチェインで4器のVCAを積んでおり、
その振る舞いは今までのコンプと隔世の感がある。


特に便利だと感じたのが、
サイドチェイン機能で60Hzと90Hzをハイパスしたサイドチェイン信号を作ってくれる。

サイドチェインは60Hzと90Hzのハイパス

これのおかげで低音が膨らんだバスや2mixに対しても
ある程度コントロールが効くのだが、
ある程度というよりはおいしい所をバッチリ抑えていて、
ハイパスのキレ具合がいいのか、とても自然にコンプが掛かる。


サイドチェインを付けるならもっと色々出来そうと思うかもしれないが、
ミックスバスやマスタリングで使うにはこれで十分だと感じたし、
もっと細かいサイドチェインコンプを使いたいならほかのを使えば良い。


ほかにもニーはSoftモードを使用するとelysiaのalpha compressorのように
固定レシオではなく入力に応じて自動で変化してくれる機能が付いている。
(レベルが低い場合はコンプレッションが全くかからず、
レベルが上がるに従いレシオが自動的に上昇するタイプ)


細かい機能は公式に記載されているので興味があれば見て欲しいが、
これはちょっと久々に感動したコンプレッサーだった。


今後はメインで使っていきたい。


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作曲関連の書籍2冊と
ミキシングとマスタリング関連の書籍を2冊書きました。

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elysia 【alpha compressor】


elysia 【alpha compressor】を導入した。

最近はマスタリング用のコンプとして
Slate DigitalのFG-XFlux;;のElixirなど
ただ潰すだけではなく、もっと高度な付加機能が付いている
マスタリング専用の緻密な処理が可能なプラグインが増えてきたけれど、
このalpha compressorもそのクチで
マスタリング用のダイナミクス系プラグインとしては
現状では一番気に入っている。

Slate Digital FG-X


Flux:: Elixir


まずマスタリングにおけるMS処理を
Slate DigitalのFG-XFlux;;のElixirでは
brainworxのBx ControlなどでMS変換を行わないと出来ないし、
変換を行ってもMS個別にコンプレッションをコントロールできるわけではないので、
ElixerやFG-Xは「いいコンプだなぁ~」と思いながら
今一歩痒い所に手が届かない感じだった。

brainworx Bx Control


一応T-racksのコンプでMS個別コンプを行うことも出来るのだが、
なんとなく使う気にもなれず(そんなに緻密とも感じられなかったので)、
MS処理はもっぱらEQセクションで行うのが
最近のマスタリングのやり方だったのだが、
elysiaのalpha compressorの登場でマスタリングのやり方がかなり変わった。


良い点を簡単にまとめてみたい。


・MS個別のコンプレッション(ステレオでももちろん使えます)
・フィードフォアード・モードによる圧縮動作ののリアルタイム可変。
・HPF or LPFを用いたサイドチェインコンプレッション。
・セミオートのアタックとリリース設定
・原音と圧縮音を任意にミックスできるパラレルコンプレッション。
・ウォームボタンによる微妙だが、良い歪み。
・ソフトクリッパーモード付き。
・elysia社のNiveauFilter(フィルター)で大雑把な音作りが出来る。
・オーバーサンプリング機能でより緻密な動作を行える。
・極めて動作が緻密に感じる(処理はそんなに重くない?)



たくさんあるが一つずつ感想を述べてみたいと思う。


・フィードフォアード・モードによる圧縮動作ののリアルタイム可変。
一番すごいと思ったのだが「Feed Forward」モードで
説明書(英語)を読むと固定の設定とサイドチェインの設定を
内部プログラムで最適化して切り替える機能が付いていると書いてある。
(原文が英語なのでなんとなくレベルの理解ですみません)


つまりその時々の周波数特性やダイナミクスに合わせて(サイドチェイン信号含む)
レシオ(など)が切り替わり、コンプレッションが最適化されるので
非常に自然な感じに仕上がる。


最近のハイエンドなマスタリングコンプには
設定した数値(スレッショルド、アタック、リリース、レシオ)に合わて、
常に固定で動くのではなく、
その場で臨機応変に最適な設定に切り替えていくタイプのものがあるけれど、
elysiaのalpha compressorはまさにそれで、
この機能が非常に自然なコンプレッションの要因になっているように思われる。



・セミオートのアタックとリリース設定
アタックやリリースのセミオートも利便性が高く、
これもやはり半分はプログラムが
その時々のアタックやリリースに合わせて自動で設定してくれる。


セミオート機能を使えば、
手動で大まかなアタリをパラメーターで付けた後は
スネアやキックの鋭いアタックが鳴っている時と
ボーカルやストリングスなどの柔らかいアタックが鳴っている時の違いを
一律で処理するのではなく、臨機応変に切り替えてくれるのだ。


オートリリースは最近珍しくなくなったけれど、
(セミ)オートアタックは珍しいのではないかと思う。


・HPF or LPFを用いたサイドチェインコンプレッション。
MS個別でHPF,LPFのサイドチェインでコンプレッサーの動作をコントロールできるのも
非常に素晴らしいと思った。

既にBrainworxのダイナミックイコライザーなどで似たような発想があるが、
alpha compressorはM、Sそれぞれに対して、
周波数別にサイドチェインを行うことが出来る。


ロックやポップスなどではほとんどの場合ベースがいるが、
低音のダイナミクスに合わせてコンプレッションをコントロールできるのは
非常に実用的だと思う。

これも一律固定で掛かるわけではないので、
より自然なコンプレッションの仕上がりに一役買っている。


・原音と圧縮音を任意にミックスできる。
最近多いパラレルコンプレッションだが、
原音とコンプ音を任意の量でミックスすることが出来るので、
これもマスタリングにおける緻密な音作りには非常に有難い。

従来の100%のみよりもより細かく最終的な音像を作っていけるので
意外と出番は多い。


・ウォームボタンによる微妙だが、良い歪み。
・ソフトクリッパーモード付き。

最新機器ではありながら、昔ながらのテープコンプレッションや
柔らかい歪み(アナログ機器を通した時の歪み)を加えることが出来る。

これも柔らかく掛かるので、
デジタル特有の冷たい感じもalpha compressorではあまり感じない。



・elysia社のNiveauFilter(フィルター)で大雑把な音作りが出来る。

NiveauFilter

NiveauFilterはelysia社のフィルター技術なので
好みが分かれそうな感じだけれど、
シェルビングで大雑把な音作りができる。
(個人的には好き)


EQ処理は専用のEQで行うので、
個人的にはあまり使わないけれど、
これはこれで使うこともあるかもしれない。



NiveauFilter

ちなみにフリーソフトとして
NiveauFilterはもらえるようです。

http://www.elysia.com/software/niveau-filter/


・オーバーサンプリング機能でより緻密な動作を行える。
実際のサンプリングレートよりも高いサンプリングレートで
音声を検出することでより緻密な内部処理が可能になっている。

具体的には以下の通り。

・50kHz以下の場合は4倍。
・100kHz以下の場合は2倍
・100kHz以上の場合はオーバーサンプリング無効。


例えば44.1kHzのマスタリングにおいてalpha compressorを使えば
176.4kHzで処理しているのと同じことになり、
96kHzなら192kHzで処理しているのと同じになる。


もちろん最初から192kHzで処理した方が良いに決まっているのだが、
44.1kHzで行ったとしても、4倍界王拳で176.4kHzで処理しているということになるので、
これはデジタル音声処理における現実的な限界の192kHzと
ほぼ同じ緻密さを持っていることになる。

何気にお金が掛かっていそうな技術だ。


・極めて動作が緻密に感じる(処理はそんなに重くない?)
True Emulationという極めて緻密なエミュレーションを売りにしているが、
具体的なことはよくわからない。
(説明書には書いてない)

ただ実機は1万$(日本円で100万円程度)する超高級機種だし、
音を聴いてもその凄さは十分に実感できる。


うちのPCでは使用してもCPUメーターは増えないので、
そんなに激重なプラグインでもない気がする。


alpha compressorの実機



大雑把にすごいなぁと思う点は大体これくらいだけれど、
このようにただ潰すだけという使い方に多くの付加機能が付いているので、
マスタリングにおいてこういう機種に慣れるとミックスで使うような
本当にただ潰すだけのコンプに物足りなさを感じてしまう。


現在の作業環境としては
完全にマスタリング用のコンプとミックス用のコンプに分かれている感じだ。
(EQもそうだけれど)


alpha compressorは結構多めにGRを稼いでもあまり潰した感じが出ないが、
それは上記のような処理によって得られる効果なのだと思われる。


マスタリングにおけるコンプレッサーの重要な点は
動作そのものの緻密さや音を不要に歪ませてしまわない処理にあるが、
固定されたままでのパラメーターでは、
どれだけ従来の構造のまま動作を緻密化しても限界がある。


そこでサイドチェインやalpha compressorのレシオ可変機能(Feed Forwardモード)、
あるいはセミオートのアタックやリリ-ス機能を付けることによって
リアルタイムで変化する2mixに対して臨機応変にコンプレッション処理を最適化し、
全体を有機的に関係付けて、
「自然な」「透明感のある」「原音を損なわない」などの形容にあるような
コンプレッションを実現している。


如何に原音を損なうことなく、自然に滑らかにコンプレッションするかを
極めたようなコンプレッサーなので、
現状のマスタリングコンプに不満がある方は
一度体験版を試してみても良いかもしれない。


ミックスVer.のコンプも付いてきます。




公式サイトでもデモ動画を複数見ることが出来ます。


公式サイトのデモ動画
http://www.elysia.com/software/alpha-compressor/introduction/


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作曲関連の書籍2冊と
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PSP Audioware社からPSP BussPressorが出た。
いわゆるミックスバスコンプで、動作はVCAをシミュレートしているとのこと。


PSP BussPressor

公式サイトはこちら


通常99$のところイントロ価格で79$だそうだ。
PSP社のプラグインはいくつも持っているが、
どれも使い勝手が良く、デザインも悪く言えばオモチャっぽいが、
よく言えばレトロな感じなので気に入っている。


バスコンプは名前の通りグループバスやマスターバスに挿すコンプで
最初から「バスコンプ」と銘打って開発されているものが多い。

別に何を使っても良いと思うのだが、
個人的にはWAVESのSSLコンプを良く使う。

WAVES SSL G-master buss compressor


ほかにもドラムバスやマスターバスに好みで色々挿している。
TG12413やWAVESのPIE、Liquid Mixからsmart researchのC1など
好みで色々だが、自分のミックスにおいて
「これだ!」と思えるものをグループとマスターで3つくらいあると楽しいかもしれない。



一応日本ではフックアップが代理店なのだが、
扱っているプラグインは3つのみで
売る気もあまり感じられない。


なのでどちらかというとPSPはDTM初心者の方に人気はあまりなく、
クレジットカードで海外の本家から直接購入するような
中級者くらいの方が好んで使ってらっしゃる印象がある。


PSP 85



PSP sQuad


PSP Vintage Warmer2


私もPSPの85やsQuadはお気に入りで良く使う。

音も利きもほかの一流メーカーに比べてなんら劣る部分はないし、
軽いし、使いやすいし不満はない。

見た目もレトロなのがPSPの売りなのかもしれない。


最近はカッコよいGUIのメーカーが多くて
Softube社みたいに3DモデルからGUIを起こしているメーカーもあるくらいだ。
超リアル過ぎて写真みたいなものもある。

Tube-Tech CL 1B


でもGUIが綺麗だからと言って自分のミックスが上手くなるわけでもなし、
(見た目が綺麗なのが非常に素敵だが)
最近はあまり拘らなくなってきた。



昨今は色々あり過ぎて困ってしまうくらいたくさんの
選択肢があるので自分好みのバスコンプを見つけてみて下さい。
音の面でも大きな変化がありますよ。


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ニコ動の「歌ってみた」などでボーカル処理が上手く行かない方から
最近よくご相談を頂きますが、90分の1コマで一通りの内容をお教えしています。
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マスタリング用に最近使っているコンプレッサーで
liquid mixのManley slam! FET Limiterが異様にすごいということに気が付いた。


MANLEY SLAM (Stereo Limiter and Mic Pre)

最初は何気なくマスタリングで適当にどれかいいのないかなぁ~?と
探っていたのだが、Manley slam! FET Limiterを使っていたら、
なんだか異様に利きが良くて最近のお気に入りとなっている。


それもそのはず、この機種は日本では定価70万円~80万円で
販売されているハイエンド機種で性能的には申し分ない。
しかも値段が値段なので、注文後に受注製作らしい。



お目に掛かったことがなかったので、
今まではスルー気味だったが
最近は「なんかMANLEYってすごくない?」と感じて積極的に使うようにしている。



MANLEY SLAM (Stereo Limiter and Mic Pre)は名前の通り、
マイクプリにリミッターが付いている機種だが、
このコンプレッションの異様な利きの良さは
実機が欲しくなるほど気に入ってしまった。


Liquid mixには40種類のコンプレッサーのコンボリューションが収録されているが、
なんというか私のような素人耳にも一発でわかるような凄さがあって驚いた。


マイクプリ部分が真空管なのでメンテナンスのことを考えると
ちょっと自宅用に購入するのは気が引けるが、
将来的にお金に余裕があれば買っても良いかも…と思うほど良く出来ている。


liquid mixはコンボリューションなので、
演算よりも「実機の再現」という意味では優秀だと個人的には感じている。
それはコンプレッサーでも「感覚的には」決して悪いものではないと思う。


フリーソフトによくあるようにGUIだけ似ているが、
音は全然違うみたいなことはコンボリューションではありえない。


Amplutubeのようなアンプシミュレーター系のソフトは
ほとんどコンボリューションだが、
「再現性の高さ」という点ではこれに勝るものはない。


但し向き不向きがあってコンプレッサーのように動的なものに対しては
やや不利でリバーブ、イコライザー、アンプシミュレーターのような
静的なものに対してはとても再現性が高い。


コンボリューションのコンプは色々好みが分かれるが
個人的には特に問題は感じていない。


結局演算プラグインというのは
どれだけプログラマーさんが機器の振る舞いをCPUパワーを使って
再現しているかということが焦点になり、
プログラミングの時点で不要だと判断された要素は切り捨てられる。


CPUパワーも重要で
WIN2000の時代のプラグインは今のWIN7で動くことを前提にした
プラグインに比べて内部処理は圧倒的に少ないはず。


Waveart Tube saturator 


例えばWaveartのTube saturatorは非常に重い演算プラグインで
ミックスには挿せないほどのCPUパワーを食うけれど、
それはそれだけ実機(この場合は真空管の振る舞い)で発生している
物理現象を演算で再現しているわけであって、
処理情報量が多ければ多いほど再現性は高くなるが、
それだけ処理は重くなる。


演算系のプラグインは多かれかれそういう側面があるので、
製作側の意図や精度の問題で出来の良し悪しはあるものの
基本的に新しいもののほうが良い。


将来的にさらにCPUパワーが上がって
128bitOSや256bitOSが開発される時代になれば
実機とプラグインの区別が付かないくらい
精度の高いプラグインが生まれるかもしれない。


対してコンボリューションは実際に録音するので、
そこに演算で振る舞いを再現するという要素はほとんどない。


両者にはDTM音源におけるFM音源とPCM音源のような違いがあり、
FM音源(演算タイプ)はプログラマーさんの腕に掛かっているが、
PCM音源(コンボリューションタイプ)は録音の良し悪しに掛かっている。


綺麗に録音さえ出来てしまえばコンボリューションの再現性は極めて高いので
リバーブやアンプシミュレーターでは近年採用されているプラグインも
もう珍しくなくなってきた。


MANLEY SLAM (Stereo Limiter and Mic Pre)は
通常バージョンとマスタリングバージョンの2種類があるのだが、
自宅用に購入するならどちらが良いんだろうか。



MANLEYはFairchildやPultecのように歴史があるとはちょっと言いがたいが、
ハイエンドなものを作っているメーカーとして有名でUADでも
Manley Massive Passive EQがプラグイン化されている。


MANLEY Massive Passive Stereo Tube EQ


UADは持っていないけれど、
これのために買っても良いかもと思うほど
liquid mixのMANLEY Massive Passive Stereo Tube EQも使える。


MANLEYのマイクプリやコンプが欲しくなってきた。




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初心者の方用の作曲本と
ミキシングとマスタリングの本を書きました。

電子書籍ですが宜しければどうぞ。

DTMマスタリングのやり方


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最近はハード音源の録音時に中間に
マイクプリやアウトボードのコンプを通すと
ミキシングが非常にし易いということに気が付いたので、
ノイズの問題を抱えながらもアウトボードの利点を色々と研究中。


良い意味でミックスでまとまりが出てくるので、
マイクプリを通すだけでも全然違う。



ハード音源からの音だけでなく、
ソフト音源から書き出された音も
アウトボード経由で再録音する手法を今後研究したい。



とはいえ、アウトボードでコンプを通しても、
ミックスでコンプを使わないわけではないので、
実際にミックスでは色々なコンプを使っている。



Sonalksis SV315-mk2



最近お気に入りのコンプは随分前に買ったSonalksis SV315-mk2で
ミックスではこればかり使っている。


以前は様々なコンプレッサーを使うことによって、
各コンプの質感や倍音の付加や掛かり方(潰し方)を
トラックごとに合わせて使ってきた。



ところが、アウトボードでの録音を行うようになって、
求めていた質感が出せるようになったので、
あとは「どういう風にコンプレッションするか?」が問題になってくるのだが、
ヴィンテージ系のものよりも
なるべく細かい設定が出来るものが1つあれば
それで事足りるようになった。



ABEEY ROAD RS 124


WAVES PIE Compressor


一口にヴィンテージモデルのコンプレッサーと言っても色々あるのだが、
概ね「ニー」が調整出来なかったり、
「アタック」や「リリース」も数段階で大雑把だったり、
「レシオ」が固定なんていう機種が多いのがヴィンテージコンプの特徴だ。


例えば私はWAVESのPIEコンプがお気に入りなのだが、
アタックタイムを調整できないし、ディケイ(リリースタイムの代用)の最短で100msだ。
しかも100ms、200ms、400ms…と大雑把。


ニーは固定で設定することは出来ないし、
細やかな音作りには向いておらず、
PIE独自のコンプレッションと質感を求める場合に使い、
求めている効果と合わないのであれば、
設定を変えるのではなく、コンプごと変えるしかない。


元々こういったコンプレッサーはジャンルや楽器や用途を
ある程度限定して製作されていて、
万能向けではないように思われる。



実際のミックスで一番重宝するコンプレッサーの設定が
私の場合は「ニー」で(どれも大切ではあるが)、
これによってコンプの掛かり方を大いにコントロールできる。



ニーがソフトだと自然なコンプレッションになり、
ハードだと「カチッ」とか「パキッ」という感じで
「コンプレッサー掛けてますよ」なサウンドになる。


ドラムやパーカッションなどはある程度コンプ感を出して
パーカッシブにしたほうが良いし、
管楽器や弦楽器は自然なコンプレッションのほうが良い。
(もちろんケースバイケース)



ニーだけでも自在に変更できればあとは結構なんとかなる。
ニーとの組み合わせで聴覚的な変化が出てくるのだが、
アタックも長さによってリズム感がハッキリしたり、
ボヤけたりとい色々な使い方が出来る。



レシオもリリースももちろん大切で「質感」や「倍音増幅」の問題を
無視できるのならばコンプレッサーの設定は細かくできるほうが
ミックスの音作りには有利なのだ。



「質感」や「倍音増幅」の問題が録音時のアウトボードで解決できていれば
ミキシングでは細かく整える作業が必要になるので、
万能包丁みたいになるべく細かく色々できるコンプレッサーが有用になる。


となるとSonalksisのSV315-mk2や
WAVESのC1のようなタイプが便利になってくる。



Sonalksis SV315-mk2



WAVES C1 


ニー、レシオ、アタック、リリースを自在にコントロールして
望む音像を作れるならば、
下手なヴィンテージ系コンプよりも詳細な設定が可能という意味で
こちらのほうが便利かもしれない。



もちろんヴィンテージ系のコンプも
その設定さえきっちり理解していれば
ちゃんと使えるので無駄にはならないし、
ヴィンテージ系の機種でしか出せない味があるので、
それはそれで重宝している。


質感、質感というけれど今まではプラグインで
質感を出すことに心を砕いてきたけれど、
アウトボードに比べてプラグインの質感は
非常に弱いのだと思うようになった。


Steven Slate Digital The Virtual Console Collection

WAVES SSL 4000 Collection



Slate DigitalのVirtual Console Collectionや
SSLを好んで使っていたし今でも使うけれど、
ヴァーチャルはあくまでヴァーチャルであって、
本物とはやっぱり違う。



マスタリングでもマイクプリやバスコンプをアウトボード経由で
録音し直すだけで全然良くなるが、
RTASやVSTによる真空管やコンソールのシミュレーターは
お手軽でいくらでもリカバーが効く代わりに
効果もお手軽だと感じるようになった。



やはりミキシング前の録音段階で1回、
マスタリングでもう1回の最低2回はアウトボードを使ってやると
求めている市販品のクオリティーに近くなってくる。


これが出来るのであればプラグインは小回りが効くほうが便利になるのだが、
デジタルにも便利なところはたくさんあるので、
アナログ半分、デジタル半分くらいな感じで製作するのが一番良いのかもしれない。



何もかもアウトボードで完結するのは難しいし、
逆にプラグインだけで完結しようとするのもまた良くない。



どちらにも得手・不得手があるので、
DTMでは上手いこと半々で使っていくのが良いようだ。




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つい先日Nomad FactoryのIntegral Studio Packという、
詰め合わせパックを購入したので、
今日はその中のBlue Tubes Bundle V3のダイナミクス系プラグインに関して検証してみたい。


人によって評価・評判が分かれるメーカーで
販売価格はほとんど投売りみたいな価格になってしまっているが、
個人的にはそんなに悪くないと思っていた。


実際に仕事でそんなに使い込んだわけではないが、
色々な楽器で使ってみたり、
例によって倍音スペクトラムを検証してみた。

1つずつ所感を書いてみたい。

・BT BRICKWALL BW2S 

BT BRICKWALL BW2S

BT BRICKWALL BW2Sの倍音スペクトラム


ドラムに通すとかなり音が立つなぁ~と思ったが、
倍音スペクトラムを見てもかなり倍音が出ている。


基本的には奇数倍音が多いが、
非整数倍の倍音もたくさん出ていて、
いい感じにサチュレートが掛かる。


レシオとアタックタイムの設定が出来ないが、
結構深く突っ込んでもそんなに不自然にならないので、
普通に使えるコンプだと感じている。


リリースタイムを150msくらいにして、
ゲインリダクションが7~8dBくらいでドラムで使うと気持ちい良い感じになる。

なかなか良いコンプで、今回の中では一番気に入っている。


・BT COMPRESSOR CP2S

BT COMPRESSOR CP2S


BT COMPRESSOR CP2Sの倍音スペクトラム


アタック、リリース、レシオ、スレッショルドのコンプの基本4パラメーターを
すべて設定できる機種なので、
色々な楽器に合わせて設定を変えられる。
使い勝手はとても良い。


倍音増幅はスペクトラムを見てわかる通り、
ほぼないと言って良いが、
逆にこういう立たないコンプが欲しいときもあるので
これはこれで重宝する。


むしろ使い勝手の良さを売りにしているコンプだろう。


・BT COMPRESSOR FA770

BT COMPRESSOR FA770

BT COMPRESSOR FA770の倍音スペクトラム


名前とGUIから見てわかる通り、
Fairchild670をモデルにしているが、
他社のFairchild670をモデルリングにしたプラグインに比べて
倍音増幅は少なめ。

あまり音は立たない。


奇数のみで7倍音までがちょろっと出ている程度なので、
実機の真空管を再現しているとはちょっと言いがたいが、
結構深めに突っ込んでも低音がベチャっとなりにくい所は気に入っている。


普段はWAVESのPuigchildを使っているのだが、
TIME CONSTANTのパラメーターを弄ったときの振る舞いはとても良く似ていると感じた。


音の立たないPuigchild といった感じだ。
倍音増幅は別としてコンプのヴィンテージ的な掛かり方が好きなら
全然使えるコンプレッサーだと思う。



BT LIMITER LM2S 



BT LIMITER LM2S

BT LIMITER LM2Sの倍音スペクトラム

名前からしてLA-2Aっぽいが、
音はあんまりLA-2Aっぽくないなぁと思った。


もしかしたら名前が似ているだけでLA-2Aとは無関係なのかもしれない。
アタックもリリースも設定できるし、
グラフィックEQついてるし。



グラフィックEQ はプリとポストが選べて、
100Hz、300Hz、1kHz、3kHz、10kHzとミックスで弄りたいとこを上手く抑えているので、
あまり細かく弄るのではなく、
ざっくり行っていいんじゃないの的なトラックなら重宝しそうだ。



倍音スペクトラムを見ての通り、
音の立ち方はFA770よりもヌルいので
そんなに音は立たないが、
レシオ以外のすべてのパラメーターが設定できることや
簡易的なイコライザーが付いている点踏まえれば
十二分にミックスで使える戦力になる。



音が立つコンプが欲しければ
今回の中ならBT BRICKWALL BW2Sを使えばいいし、
Blue Tubes Bundle のコンプって結構いいなと思った。


ディエッサー(BT DEESSER DS-2S)と
エキスパンダー(BT EXPANDERGATE GX622)は除外。



Integral Studio Pack を99$という破格の値段で買ってしまったのだが、
ほかにもまだまだプラグインはたくさんあるし、
超お買い得だったと思う。



ミキシングにおけるイコライザーやコンプレッサー、
リバーブやディレイの使い方がちゃんとわかっている人なら
これで十分仕事ができるのではないかと思う。


普段はWAVESのMERCURYで仕事をしているが、
Integral Studio Pack の色々なプラグインが使いこなせない人は
プラグインの使い方をわかっていないという意味で
WAVESのMERCURY を買っても同じく使いこなせないかもしれない。


Nomad Factoryの全プラグインを深く検証したわけではないが、
実際に軽く使ってみて、
後発のものは良いプラグインが揃っているという印象を受けた。


ミキシングにおいてイコライザーやコンプを上手に使いこなせる人は、
例えフリーソフトでもそこそこ勝負できるミックスが作れるが、
価格の安さを考えるとちゃんと道具の使い方さえわかっていれば、
こんなにお買い得な買い物はないと思う。


WAVESのMERCURYが
えない貧乏時代に、
Nomad Factory のIntegral S
tudio Pack と出会っていたら、
触ったことのないパラメーターがなくなるくらい
きっと有難く使い込んだろう。


もし今ミキシングやマスタリングを勉強なさっていて、
プラグインを安く買いたいという方がいたら、
教材代としては優秀な上に、安すぎると言って良いと思う。


さすがにクオリティーという点では、
もっと良いプラグインはいっぱいあるけれど、
私はやろうと思えばこれで十分に仕事ができる。


セールを上手く見つけて買えばこんなに良い買い物はない。

機会があればNomad Factoryのイコライザーの検証などもしてみたいと思う。


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初心者の方用の作曲本と
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DTMマスタリングのやり方


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マスタリングのやり方は新しい機材を導入したり、

あるいは自分自身の技術向上によってやり方が変わってくる。


マスタリングする素材だが、

一日に何曲も書くことがあるので素材には困らない。


自分で作った曲を片っ端からマスタリングすることで

あらゆる実験的な試みをしながら膨大な経験を積むことが出来るし、

あらゆるジャンルの曲を作るので様々なケースに対して

どういったマスタリング方法が適切なのかというノウハウも溜まってくる。



そんな感じの毎日を過ごしているが、

最近お気に入りのプラグインとしてT-racks3 Opto-Compressorがある。


T-racks3 Opto-Compressor


光学式コンプレッサーをシミュレートしており倍音増幅はほとんどなく、

深めにコンプを掛けてもほぼ余計な色付きはない。



現在のスタンダードなやり方は1曲のマスタリングで

10種類程度のプラグインを使うのだが、

MSの音量バランス調整を行うコンプとしていつも活躍している。




マスタリングにおけるMS処理のやり方は人それぞれだが、

私の場合はMS処理でのトータルコンプと最終MSイコライジングは

ほとんど全部の楽曲で行われる。


色付けにはPSPのVintage Warmmer2やWAVEARTのTubesaturator、

あるいはWavesの Kramer Master Tapeあたりを使うので

コンプで余計な色が付かないほうが望ましい。


最終的なマスタリングを見据えて常にミキシングしているので

M成分だけに音が溜まらないように意識したミックスを行うけれど、

それでもどうしてもMSにした時にM成分に多少のコンプを掛けないと

なかなか市販品的な音圧にはなってこない。


Opto-Compressorはメーターも2つ付いていて視覚的に

MS個別のゲインリダクションを確認出来るし、

色付けのなさや、その潰し方も結構気に入っている。



音が歪んだり、音質に変化が起きたりということがないのが

光学式コンプレッサーの売りなのだが、

そういう意味ではMSマスタリングする上で本当に良い仕事をしてくれる。



もちろんこれ1つあればALL OKというものではないけれど、

現在の私のマスタリングでは必須のプラグインになりつつある。


・MSのゲインリダクションが視覚的に把握できる。

・余計な歪みや色付けが一切ない。


この2点が使えればほかでも代用は効くけれど、

なかなか使えるコンプレッサーなのでお勧めです。


もちろんミキシングでもLR、MS問わずとても素直に動くので使えますよ。


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いつの間にかT-RackS 3.5 が出てる!
IKファンの私としては非常に嬉しい。



しかもついに64bit化らしい。
やっとか…。


音楽のブログ


音楽のブログ



内容としてはLA-2AとUREI1176のモデリングのようだ。
正直WAVESのMERCURYを持っているのでいらないと言えばいらないのだが、
IKの魅力はそれらをMSで使えることにある。



WAVESのLA-2Aも1176もMS処理は出来ない。
ほかのメーカーも同様。


Brainworksのプラグインを使えばMSでコンプレッションできるけれど、
MとSを個別に出来るわけではなくて、
あくまでMSに分けて2つ同時にコンプレッションが掛かるだけだ。



MS処理を個別に出来るプラグインは貴重なのだ。



それにしてもT-Racks3の赤いOptoコンプって
LA-2Aのモデリングではなかったっけ?


私としてはNEVE2254や33609、
あるMANREYのモデリングなども出して欲しい。




IKには今後も頑張って欲しいので買います。