ストリングス音源であるSPITFIRE AUDIOの
BML SABLEを導入しました。


SPITFIRE AUDIOは日本ではまだ知名度が低く、
つい最近まで私も知らなかったのですが、
とても音が素晴らしいので購入してしまいました。

公式 https://www.spitfireaudio.com/
日本代理店 http://www.crypton.co.jp/mp/do/dl/sample?dev_tok_id=112971

商品紹介&デモ音源ページはこちら

BML SABLE COMPLETE

どうせ仕事で使うし…ということで
ちょっと高額ではありましたが、全部入りを購入しました。
(Vol.1~Vol.4までリリースされています)

室内楽のストリングス音源で
ロンドンの「エアー・スタジオ」で収録された…云々ということですが、
映画、テレビドラマでそのまま鳴っていそうな音が
特に難しい設定もなく手に入ります。

VIENNA CHAMBER STRINGS

エクステンド込みでVIENNAのSOLO STRINGSCHAMBER STRINGS
持っているので内容的には被るのですが、
なぜVIENNAを持っているのにこれを買ったと言いますと、
VIENNAとはまた違う良さや方向性の音がするからです。


最初は「スピットファイア?エアギアにそんなキャラいたよな?」と思い、
VIENNAがあるからいらないかな?とも思ったのですが、
VIENNAでは出せない?音があるように感じています。


最大のポイントとなったのはVIENNAとの音の違いですが、
VIENNAはリバーブなしのドライで収録されているのに対して、
SPITFIREは残響が最初から付いています。


この部分が問題で、良し悪しでもあると思うのですが、
後付けでリバーブを人工的に付けるという行為は
ボーカルやギターやシンセなどには非常に有効であり、
またずっとそうしてきた伝統的な手法でもあるのですが、
クラシックのオーケストラに後付けでリバーブを付けるのは
ボーカルなどに後付けでリバーブを付けるのとは違います。



オケ音源を選ぶときに、比較対象は人それぞれですが、
生演奏のオーケストラや室内楽と比べるならば、
それらは楽器の響きとホールの響きとセットになって
私たちの耳に聞こえてきます。


しかしDTMでオケをやる場合は、
リバーブを人工的に後付けすることになります。
(最初から残響込みでサンプリングされている音源は別です)


楽器の単体の響きではなくて、音全体の響きにおいて、
どうしても人工的な後付けリバーブでは限界があるというか、
そのままホールの生々しい残響をと録ったのと比べると
ある程度は不自然というか嘘くさくなってしまいます。


EastWest Symphonic Orchestra

VIENNAはドライで収録されているので、
人工的に後付けでリバーブを掛けることになるのですが、
この点はEASTWESTのオケ音源などが対照的で、
限界までドライに近づけてもリバーブを完全に消すことは出来ません。
(SABLEも同じです)


最初からホールの残響が込みで収録されています。


EASTWESTのオケ音源だけで完結する曲は問題ありませんが、
ポップスの歌ものやBGMで使う場合は
EASTWESTの残響感が自分の曲にピッタリ合う場合もあれば、
合わない場合もあり、合わない場合は
(微調整は出来ますが)諦めることになります。


その点はVIENNAは完全にドライですので、
自分の手持ちのリバーブで種類や量や質感を調整出来るので
使い勝手が良いのですが、
ホールの響きを丸ごと収録したものと比べるとリアルか?
と言われると一歩下がるような感じです。



昨今はオーケストラに合うVIENNA SUITEやQUANTUM LEAP SPACESを始めとして
かなりリアルで良質なリバーブがたくさん出ていますが、
後付けの人工的なリバーブはどうしても、
本物の残響には叶わないような気がしています。


VIENNA SUITEのリバーブ

元から加工前提の音や人工的な音は良くても、
オーケストラ音源のように
【楽器とホールの響きがセットで一つの響きになるようなもの】
バラバラで人工的に音作りする部分の
2015年現在の技術限界なのかもしれません。


それならば、ホールの響きとセットでまるごと録音した方が
リアルになるだろう、というのがメーカーコンセプトなのだと思います。


SPITFIREのSABLEはホール響きもそのまま収録されている音源ですので、
ストリング音源としては極めてリアルですが、
ポップスやBGMの場合はどうしても合わない場合が出てきます。


代わりにリアルさを追求しているのがセールスポイントですが、
この部分をどう捉えるかが購入の分かれ目でしょうか。


冒頭に書いた「映画、テレビドラマでそのまま鳴っていそうな音が…」
という文言は、多分私が聞いたそういう音楽は
予算が潤沢な映画やテレビドラマで
オーケストラの生演奏でサントラを作っているのだと思います。


そういった正真正銘本物の生演奏+ホールの残響も生で収録のサントラと
私が自宅でVIENNAを使って後付け人工リバーブで作るのに
感じている差が多分、リバーブの人工的な後付けや演奏の生々しさなのですが、
(奏法の種類や打ち込みテクニックは今回の焦点から外して)
「全体の空気感や響き」にやはり差を感じてしまいます。


例えばストラディヴァリウスのヴァイオリンの音色を作るなら
FM音源でエディットして音色作るより、
PCM音源として最初からサンプリングした方が圧倒的に楽でリアルなのと
同じことのように感じます。

原理的には可能でも現実的には不可能という感じでしょうか。


問題は楽器の奏法や材質、種類だけでなく、
ホールの響きもセットで一つの楽器として、
オーケストラの場合は認知されるということです。


東京オペラシティコンサートホールの宣伝文句で見た記憶がありますが、
「ホールも楽器の一部である」という考えは
DTMでリアルなオースケトラを作ろうと思うなら
視野に入れなければならないのかもしれません。


SPITFIREのSABLEはEASTWESTのオケ音源のように
いかにもアメリカっぽいド派手なハリウッドサウンドではなく、
もうちょっと落ち着いた感じで、
ポップスなんかでも使えそうですし、
SABLEは室内楽のストリングス音源ということですが、
VIENNAの室内楽音源よりもずっと人数が多く、
どちらかというと少人数のオケのように聞こえます。


オケ系の音源はメインで
VIENNAとEASTWESTの両方を使っていますが、
SPITFIREのSABLEはそのどちらとも違う響きを持っています。


EASTWESTが元からの残響付きなら
それでいいんじゃない?という風にも思えますが、
こちらは前述の通りハリウッド系の煌びやかな感じなので、
なんというか趣味ではないというか、
曲によっては合わないと感じることが多く、
もっと別の選択肢が欲しかったというのが購入の大きな理由です。


響きもまるごとセットで一つの音色という考えでは
SYMPHOBIAなども同じ考えかもしれません。
(SYMPHOBIAは持っていませんが…)


人それぞれ求めるものや善し悪しの基準は違いますが、
BGMでいかにも使いやすそうな音色だと感じています。


昨今はオケ音源が山ほどリリースされていて、
これから購入をお考えの方は迷ってしまうかもしれませんが、
どなたかのお役に立てば幸いです。


最後までお読み頂き有り難う御座いました。


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