ネットでとても興味深いブログを発見した。
路上生活者から名門大へ



短い文章なので是非読んでみて欲しいのだが、
簡単に概要をまとめると、
アメリカのデイビット・ブーン君という高校生が
14歳のときに地元の不良に「仲間になるか、敵になるか」を迫られ、
仲間になるのを断ったところ、
激昂した その不良たちに家まで壊され、
貧しかった彼の家庭は家を建て直すことも出来ず、
一家の家計を支えていた母親とは
施設に入れる人数の関係で一家バラバラになり、
ブーン君は時には公園や路上生活をすることになった。


14歳でたった一人路上生活をするハメになるのだが、
「人生、いくつかの逆境が襲ってくるもの」と達観していたブーン君は
現状を打破するためには、
しっかりと勉強し、大学へ進学することが必要だと考えた。


また「絶対に泣かない」と決めていたそうだ。



路上生活をしつつ、真摯に真面目に勉強する彼の生活態度に
周囲の人間も徐々に心を動かされ、
少しずつ食事や寝床などを援助してくれるようになり、
ついに彼はハーバード大学へ進学するに至った。


というのが概要なのだが、
もし現状、音楽(に限らず)の勉強で苦労している人がいたら、
是非このブログを見て欲しい。
路上生活者から名門大へ 


成長するために逆境が必要だということが良くわかる。

彼の人生にはいくつかの選択肢があった。


①キレると他人の家まで破壊するような不良たちの仲間になる。
キレると他人の家まで壊す不良たちの仲間に入って生きていく
人生。


②家を壊された後、嘆き悲しんで落ち込む。
人生で起こった悲劇に嘆き悲しんで暗く沈んだまま生きていく人生 。


③逆境に負けず強く生きる。

ハーバード大学に進学する人生。 


ブーン君の場合は③を選んだわけだが、
結果として彼はハーバード大学という
アメリカで五指に入る(と思う)名門大学に入る至る。


彼の生活環境を鑑みるに相当真面目で努力家なのだろう。


もちろん不良に家を壊されない人生という「もしも」もあるが、
実際に壊されているのだから、
そんな「もしも」は考えるべきではないと思うし、
また彼自身が選んだ選択肢はとても立派だと思う。



参照させて頂いたブログにも書いてあるが、
人生とはある程度長期的に見る必要がある。


長期的に見るならば彼の人生において
「不良の仲間になる」のと「ハーバード大学に入る」のとどちらが良いだろう?
この点だけを見れば、後者の方が彼の人生にとっては良いと私は思う。



確かに家を壊され、家族がバラバラになり、
14歳から路上生活まで強いられる人生は相当ハードだが、
逆に言えばそれがあったからこそ、
彼はハーバード大学に入れるほど勉強したのかもしれないし、
つらい体験をすることで多くの教訓を学んだかもしれない。



バッハ、ベートーベン、シューベルト、ブラームス、ドボルザークなどの伝記を読めば
いわゆる大作曲家と呼ばれる人たちには苦労人が多い。


私自身もどちらかというと苦学生だったが、
大切なことは何が来ても
「なにくそ。負けるか。」とか「これも人生勉強」と考えて暗くならないことだ。


人生とは短期的に見てはならない。
何か自分の人生において厳しい環境が訪れたとき、
それは自分を成長させるチャンスでもある。


嘆いたり、落ち込んだり、泣くだけなら誰でも出来るが、
そこから立ち上がることで人は大きく成長する。


私個人のことを考えても、
家が裕福で音楽の勉強をするのに
必要なあらゆる物や環境を手に入れるのに
何の苦労もなく親が全部用意してくれて、
挫折もなく、苦労もしない、そんな生き方をしてきたら絶対今みたいになってないと思う。


多分人生とは「何が来ても喜ぶべきもの」なのだ。


子供の頃から何不自由なく育ち、
親や周囲の人間に一度も叱られることもなく、
苦労も挫折も悲しい思いも一切経験がない人生を歩むと、
その人が大人になったとき、どんな人間が出来上がるのか私はよく知っている。



不良に家を壊されて、家族はバラバラ、14歳から路上生活なんて
喜べないかもしれないが、
前述のブーン君は悲劇に遭わなければ
彼は必死で勉強しなかったかもしれないし、
彼の人間性も磨かれなかったかもしれない。


全部終わった結果だけを見れば
短期的に見ればマイナスだが、
長期的に見ればプラスということだ。


そう考えるとき「不良に家を壊されて、家族はバラバラ、14歳から路上生活 」という
彼の人生に起こった出来事は悪いことだろうか?


思うに「良い」「悪い」というのは単なる主観であって、
立場や視野を変えれば簡単にひっくリ変えるものだと思う。


「あのつらい時期があったからこそ今の自分がある」という経験は
多くの方にあると思うが、
やっているときはつらくても、
それが終わって人生を振り返ってみると
あの時つらい思いをしておいて良かったとか、
あの時の経験あるから今の自分があるというのは誰にでもあるはずだ。



要するに何が言いたいかというと
今がどれだけ悲惨でも
それが「良い」か「悪い」かは短期的な視野のみで決めることは出来ず、
もし嘆いていたり、暗い気持ちでいるならば、
それに負けずに立ち向かえば未来は明るいから頑張って下さいということ。


可愛い子には苦労をさせるし、大きくなれば旅にも出すけれど、
例え本人はその苦労をつらいと思っていても、
成長するために必須条件なのだ。


スーパーで母親にお菓子を買ってもらえずに泣き叫ぶ子供も
ブーン君のような目に遭うのも、
人間としての能力や人格の成長にはどうしても必要なのだ。



子供の我侭を全部聞いて、悪いことをしても一切叱らずに、
欲しがるものを全部買い与え、ただひたすら甘やかすだけの親は良い親とは言えない。


人生を長い視野で考え、何が起こっても前向きに生きる人間は
私が見てきた中では例外なくみな強い人間ばかりだった。



現状に嘆いて、後ろ向きで暗い人生を送るくらいなら、
何があっても明るく前向きに生きる人生のほうが得なような気がする。